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3/21(金)

毎週更新!BookLive! 書店員の愛と独断と偏見による「五つ星作品」をご紹介♪今週は『アサギロ~浅葱狼~』『かわいそうだね?』『欲望バス』の3作品です。

  • 刀は斬れます。

    • アサギロ~浅葱狼~(1)

      アサギロ~浅葱狼~(1)

      ヒラマツミノル
      小学館
      1~14巻
      432円(税込)

      立会の迫力度

      「新撰組」の作品は数あるが、もうお腹いっぱいという人にも是非読んでもらいたい作品。
      剣術メインのストーリー構成と迫力満点の立会い、そして個性豊かなのちの「狼」たちのコミカルなやり取りがこの作品の魅力だ。
      沖田総司となる惣次郎は格別の強さと「頭の弱い」感じの微妙なバランスが魅力的。そして、惣次郎が慕う近藤勇は引きこもり気味だが、圧倒的な大らかさと立会時の凄まじい迫力に読んでいて引きこまれてしまう。
      そんな二人が通う道場・試衛館には、竹刀剣術とは異なる「斬る」ことを主とした教えと人を引き付ける近藤の魅力で「狼」が次々に集う。一人一人の「狼」を背景から丹念に描き個性豊かに仕上げているのも作品の魅力だ。
      ただ、やはり一番の魅力は見ごたえ十分の立会シーン。刀は斬れる。その当たり前を存分に活かした描き口は、迫力がコマから溢れだす。(書店員・牛肉)

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    剣との生き方いろいろ

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    六三四の剣
  • 『蹴りたい背中』を蹴り飛ばしたら…

    • かわいそうだね?

      かわいそうだね?

      綿矢りさ
      文藝春秋
      1巻
      540円(税込)

      美しき爆発度

      花火大会が混雑するように、岡本太郎が「芸術は爆発だ!」と言ったように、爆発とは人を惹きつけてやまないもの。近年の綿矢りさ作品は、穏やかな日常から、突如爆発する。例えば、心優しい幼馴染が変貌する「トイレの懺悔室」(『憤死』収録)、想い人の恋人に嫉妬するあまり衝撃の行動に出る『ひらいて』など。確かに、かつての芥川賞受賞作『蹴りたい背中』も「蹴りたい」という欲求がテーマだった。そこから年月を経て描かれている作品群は、いわば「背中を蹴り飛ばし踏みにじってやる!」だなと思う。
      この作品は主人公の恋人が、未練たらたらのだらしない元カノを居候させるところから始まる。とんでもないようで、恋愛に関してのとんでもない出来事というのは意外と世の中に溢れているわけで。理性的に考えれば、「別れる」以外の選択肢はないはずだが、主人公はとにかく耐え続ける。しかし溜まりゆくフラストレーションの先にはもちろん…。さあ、とっておきの爆発とその先の解放感を召し上がれ。(書店員・えい子)

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    円熟する綿矢りさ

  • 大人でも、子どもでもない。

    • 欲望バス

      欲望バス

      望月花梨
      白泉社
      全1巻
      685円(税込)

      共感しすぎてつらい度

      ごく限られた一時期だけ、人は違う生き物になる。大人と子どものどちらでもない「境界人」という生き物になる。
      一話目「25時の天国」では、第二次性徴のもたらす変化によって歪になった心と身体の行く末が描かれている。佐竹くんと金沢さんは、さほど仲の良くないクラスメイトだった。ある日金沢さんが、佐竹くんの「教室の鍵を開けることができる」特技を見つけて以来、2人は夜の学校でしばしば逢瀬を重ねるようになった。昼とは違う夜の空間で、2人は主従関係を作り出し、いつしかそれは昼の関係にも変化を及ぼすようになる。
      あの頃は、学校が世界の全てだと思っていた。大人になった今ではそうでないと知っているものの、あの頃抱えていたさまざまな「欲望」を思い出すと、つんとした痛みが胸を刺すと同時に、うっとりとした心地よさも感じてしまうのである。(書店員・らむ)

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    胸の痛む青春物語