このエントリーをはてなブックマークに追加

3/14(金)

毎週更新!BookLive! 書店員の愛と独断と偏見による「五つ星作品」をご紹介♪今週は『弱虫ペダル』『掏摸』『3.11震災の語り部 畠山卓也 ~石巻からの声~』の3作品です。

  • 悟空よりフリーザ派な、あなたに

    • 弱虫ペダル 1

      弱虫ペダル 1

      渡辺航
      秋田書店
      1~47巻
      432円(税込)

      キモキモキモキモキモキモ度

      「キモキモキモキモキモキモ」とは、『弱虫ペダル』の中のライバル選手、御堂筋くんのセリフです。一行目からライバル選手の紹介です。
      「どうせ熱血スポーツマンガでしょ?」と『弱虫ペダル』を見くびっているあなた!!!あなたに紹介したいのが御堂筋くん!!
      もちろんスポーツマンガらしく爽やかな選手もいる。熱い戦いもある。そんな中で異彩を放つのが、御堂筋くんなのです。
      悟空よりもフリーザ、ルフィよりも赤犬、一歩よりもブライアン・ホーク、信よりもホウ煖、バットマンよりもジョーカー、さんまよりも江頭…?
      そんなあなたには御堂筋くんが出てくるまで『弱虫ペダル』を読み進めることを強くオススメします。必ずハマります。
      ずっと御堂筋くんの魅力で終わるのも勿体無いのでしっかり書いておくと、「自転車乗りだから描ける自転車細部への拘り」もヒシヒシと感じます。全ての巻に記載されている「自転車は楽しい!!」のコーナーからも、最高の自転車愛を感じます。(書店員・アンコウ)

      作品詳細へ シリーズ一覧へ

    敵の怖さ=マンガの面白さ

  • 掏摸(スリ)という動物

    • 掏摸

      掏摸

      中村文則
      河出書房新社
      1巻
      486円(税込)

      アンダーグラウンドスリル度

      「掏摸」という言葉は、「獏」の文字に似ているからか、まるで動物の名前のように見える。この小説は、生活のための掏摸ではなく、掏摸という行為そのものに生きる男の話だ。無意識に取り、変装資金のために取り、愛する人が死んだ悲しさで手当り次第に取る。これはいわば「掏摸」という動物ではないか。
      まず興味を惹かれるのは、華麗なる掏摸の技術の数々。標的探しから証拠隠滅まで、ルポルタージュのように闇の世界が描かれる。一般市民は身近に潜む危険にぞっとし、思わず財布の所在を確認してしまうだろう。
      また、感情を排除した淡々とした描写が、読者を物語の深みへ引きずり込んでいく。財布を抜き取る手先の微細な緊張まで伝わってきて、その手を相手につかまれた瞬間は本当に身の毛がよだった。主人公の行いは、善か悪かで言えば間違いなく悪である。それでも読み進めるうち、彼のミッションの成功を我がことのように手に汗握って祈るようになってしまう。もちろん、自分の財布は鞄の底へ押し込みながらだけれど。(書店員・えい子)

      作品詳細へ

    裏社会に浸れ!

  • あれから3年…

    • 3.11震災の語り部畠山卓也~石巻からの声

      3.11震災の語り部畠山卓也~石巻からの声

      阿部国之 / 畠山卓也 / 飯太郎
      少年画報社
      全1巻
      1080円(税込)

      もう一度考えるべきテーマ度

      3.11…あれから3年の月日が経った。
      3年というのは一つの区切りの年だと思う。
      もう一度、あの大震災を振り返るべき時なのではないだろうか。
      3.11の時、みなさんは何をしていただろうか。

      私はまさに学生最後の卒業旅行というやつで、幸か不幸かアメリカにいた。ニュースを見つめることしか出来なかった、震災に無知な日本人の一人だ。
      こんな私に推薦されてもご迷惑かもしれないが、この場を借りてちょうど3月11日に配信された本作を推したい。

      ここには、北上にある被災した学校の校長先生から見た復興の姿が描かれている。ただ、そこにあるのは、「悲惨な震災」や「大変な復興」だけではない。
      月並みな言葉だが、『繋がり』なのだと思う。
      ミュージシャン、野球部員、そしてこの漫画の出版を決めた編集者など、本当に色々な人がこのマンガに登場している。それぞれが違ったやり方で、復興を手助けしていくのである。
      繋がり方が違えば、復興支援のやり方も違う。しかしながら、一つ一つが復興の足がかりとなっているのだとつくづく感じさせられる。

      大袈裟に聞こえるかもしれないが、このマンガを読んで被災地に思いを馳せることは、また一つの繋がりとなって復興を手助けしていくのではないかと思う。
      少しでも興味を持って頂いた方は、まずこの本を手にとってみてはいかがだろうか。(書店員・天パーマン)

      作品詳細へ