国内小説 - 中央公論新社 - 中公文庫作品一覧
-
3.3
-
4.4
-
-
-
3.0
-
4.2誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しい―― 毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年TVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。 文庫版特典:特別付録/本作と螺旋プロジェクトに寄せて 解説/清田隆之 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
-
3.8
-
3.0
-
4.1
-
3.2
-
3.9
-
3.0
-
3.8
-
4.5和洋中、四季折々、多種多様の料理をレシピと共に味わうグルメ小説の元祖。明治期空前のベストセラーを読みやすくコンパクトな現代語抄訳で初めて文庫化。 美味しくてやめられない、これぞグルメ小説の元祖―― 若き大食漢・大原と、料理に凄腕を発揮する妙齢のお登和のラブロマンスとともに、 和洋中、四季折々、膨大な数の各種料理の調理法を蘊蓄たっぷりに紹介。 前代未聞のその手法と、滑稽味あふれるストーリーで絶大な人気を博した本書は、実用性を貴び家庭料理の近代化を説く、先見的な食の啓蒙書でもあった。 食材、調理器具、栄養学、衛生にまで及ぶ圧倒的な情報量から、 嫁入り道具としても重宝されたという明治期空前のベストセラーを、 読みやすくコンパクトな現代語抄訳で初めて文庫化
-
3.0
-
-
-
4.3
-
3.3
-
3.0
-
4.0
-
4.2
-
4.0
-
4.0
-
4.0
-
-
-
3.3
-
3.6バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」) アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手檜山に追われる。(「スピンモンスター」) 時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか――。 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』(本作) 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
-
3.7
-
-
-
-※中公文庫「新装版 スカイ・クロラ」シリーズ全六巻を合本。既刊電子版と内容に変更はありません。※ 最終作まで思いどおりに展開できた作品で、これ以上のものを書くのは、今後は難しいかもしれません。 ――森博嗣(巻末インタビューより) 大人になれない僕たちは、戦闘機に乗り戦うことしかできないのだ――永遠の生命を持つ子供たち「キルドレ」が戦争を請負う社会。指令を受け空へ出勤し、夜は同僚たちと歓楽街へ出かける。そんな彼らにとって生死とは、そして自我とは。戦闘機を駆る子供と地上で暮らす大人たちの物語。著者最高傑作シリーズ! 収録作品 ナ・バ・テア None But Air 〈解説〉吉本ばなな ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven 〈解説〉室屋義秀 フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life 〈解説〉荻原規子 クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky 〈解説〉押井守 スカイ・クロラ The Sky Crawlers 〈解説〉鶴田謙二 スカイ・イクリプス Sky Eclipse(短編集) ジャイロスコープ Gyroscope ナイン・ライブス Nine Lives ワニング・ムーン Waning Moon スピッツ・ファイア Spit Fire ハート・ドレイン Heart Drain アース・ボーン Earth Born ドール・グローリィ Doll of Glory スカイ・アッシュ Ash on the Sky 〈解説〉杉江松恋 巻末インタビュー(聞き手:清涼院流水) 『ナ・バ・テア』について 『ダウン・ツ・ヘヴン』について 『フラッタ・リンツ・ライフ』について 『クレィドゥ・ザ・スカイ』について 『スカイ・クロラ』について 『スカイ・イクリプス』について
-
3.3テレビの経済コメンテーターとしても活躍する大学教授の三崎皓子51歳は、「昔の男」矢木沢からの20年ぶりの電話をきっかけに、政界へ入ることになる。民間人として金融担当大臣に就き、地方銀行の取り付け騒動を鮮やかに解決した後、故郷・京都で選挙を戦って参議院議員にトップ当選。そして山城総理から官房長官に抜擢される。しかし、この活躍を快く思わない古老たちが裏で結託し、皓子を陥れようと暗躍する。選挙活動中に死去した父との因縁に思いをはせる皓子に、矢木沢の不可解な行動が影を落とす。そしてある日、山城総理が倒れてしまう。権力、欲望、嫉妬が渦巻く永田町。日本初の女性総理大臣の期待が掛かる皓子は〝生贄〟となってしまうのか、それとも〝ジャンヌ・ダルク〟になれるのか?
-
3.5
-
3.1「僕が今、女を感じてるのは、夏子先生だけです」 出版社社長・月川の後妻となった夏子は、夫の連れ子・りえの継母として、そして自らもクリニックを開業する女医として、七年余りの月日を平穏に過ごしてきた。しかし、りえの友人でロック・バーでバイトをする青年・旬と出会い、その危険なまでの若さに触れた夏子は、目を背けてきた己の渇きに気づかされてゆく……。 ひとりの女性の陶酔と孤独を描く傑作長篇。 〈解説〉稲葉真弓 〔著者のことば〕 誰もが、あからさまに「家族」の大切さを叫ぶ時代になって久しい。「家族」は人間にとって、最小単位の砦であり、「家族愛」ほど、愛の深さにおいて意味のある、健全で価値の高いものはないと見なされている。 とてつもなく嬉しいことが起こる。真っ先に誰に知らせたいですか、と聞かれる。誰もが「両親」「夫」もしくは「妻」「子供」と答える。 その健全さは微笑ましく、未来永劫、消えることはないかのように思われて、しかし、同時に、その健全な場所でこそ、人は苛立ったり、憎んだり、絶望したり、孤独の淵をさまよったりするのである。そこに「家族」がはらむ「魔」の部分がある。 (読売新聞2009年1月13日付、連載完結インタビューより抜粋)
-
4.0
-
3.3宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才ながら、どこか抜けた青年。その資質を疑問視する世話係・孫懐徳であったが、州内で起きた「生きた牛の舌が切り取られる」事件をきっかけに――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平、晴れ渡った空の如し。中華小説の名手・井上祐美子が、中国史上屈指の人気を誇る名判官「包青天」の活躍を描く中華ミステリ短篇集。待望の文庫化! ◆目次 ・雪冤記 ・赤心 ・紅恋記 ・黒白 ・青天記 ・文庫あとがき ※本書収録の「黒白」は、『C★NOVELS Mini - 黒白 - 包青天事件録』に加筆修正を加えたものです。
-
4.0序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世 死生観表出の時代 自然災害のインパクト どこから来てどこへ行くのか 二つの立場 テクノロジーの進化の果てに 1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に 岸本英夫の実践 合理性の納得 頼藤和寛の世界観 はじまりのニヒリズム 「にもかかわらず」の哲学 自由意志の優位と揺らぎ 多田富雄の受苦 人格を破壊から守る サイコオンコロジー 医療の現場で ホスピスとデス・エデュケーション 遺族外来、がん哲学外来 禅の否定するもの 「わたし」を「なくす」 河合隼雄の遍歴 ユング心理学と仏教 切断せず包含 2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論 オルタナティブな知 理解できないものへの態度 時代という背景 第三の項へ ポストモダンの現象 ベクトルの交わるところ 島薗進の視点 「精神世界」の隆盛 個人の聖化と脱産業化 鈴木大拙の霊性 宗教的でなくスピリチュアル 玄侑宗久との往復書簡 「而今」の体験 「いのち」との関係 潮の満つるとき 海のメタファー 親鸞の絶対他力 生死の中で生死を超える 日本的発現 ゆりかごとしての風土 3章 時間を考える 代々にわたり耕す 柳田国男の「先祖」 個体から集合体へ つなぐラフカディオ・ハーン 田の神と山の神 時代からの問い 四つの類型 折口信夫の「海の他界」 野という中間地帯 身近な行き来 かのたそがれの国 うつし世、かくり世 帰ってゆく場所 先祖の時間 線をなす時間 層をなす時間 輪をなす時間 自然との親和性 季語のはたらき、リズム 津波を詠んだ句 山川草木悉有仏性 「衆生」の範囲 貞観地震と津波 暴れる国土 山川草木悉有神性 瞬間瞬間にふれる 不動の中心 技法としての行 色即是空 井筒俊彦による視覚化 縁起という実相 根源のエネルギー 式年遷宮 「木の文明」 生の造形 宣長の「悲し」と「安心」
-
4.0
-
4.5
-
3.9薬丸岳の新境地。 壮大なスケールで贈るエンタメ巨編! 〈螺旋プロジェクト〉明治編。 時は明治。幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人はそれぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は灯を探し、謎の孤島「鬼仙島」に辿り着く。交わることのない運命に翻弄され、三人はやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。 友情、恋慕、嫉妬、裏切り――戦争が生む狂気の渦の中で、三人の運命が交錯する。 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
-
3.3その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル 〈コミックエッセイ〉香日ゆら 目次より 夏目漱石 休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記 寺田寅彦と松根東洋城 『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと 鈴木三重吉 三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真 安倍能成 安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム 森田草平と内田百閒 森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪 野上豊一郎 野上の死/野上のこと 芥川龍之介 芥川龍之介の死/一挿話
-
4.0
-
3.7
-
3.3●第1章 ロジック篇 【助詞の使い方】「ゲゲゲの鬼太郎」「無能の人」「僕が泣く」 【韻とリズム】「ヤング島耕作」「勝訴ストリップ」「噂の刑事トミーとマツ」 【言葉と言葉の距離(二物衝撃)】「天才えりちゃん金魚を食べた」「部屋とYシャツと私」 【題名自体が物語である】「脳手術の失敗」「お勢登場」「海へ出るつもりじゃなかった」 【濁音と意味不明な単語】「しだらでん」「少年アシベ」「ディグダグ」 【アルファベット混じりの題名】「D坂の殺人事件」「M色のS景」 【古めかしい言い方で】「ツァラトストラかく語りき」「されど孤にあらず」 【命令してみる】「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」「メシ喰うな」 【パロディの題名】「長めのいい部屋」「百年の誤読」 【関係性をいわない】「隠し砦の三悪人」「11人いる!」 ●第2章 マインド篇 【先入観から逸脱する】「淋しいのはお前だけじゃな」「サーキットの娘」 【日本語+カタカナの題名】「少年ケニヤ」「三人ガリデブ」 【いいかけでやめてみる】「光ってみえるもの、あれは」「飼い犬が手を噛むので」 【いいきってしまう】「これからはあるくのだ」「幸せではないが、もういい」 【長い題名】「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」 【題名同士が会話する】「今夜わかる」シリーズ「買ってみた。」「それが本当なら」 【洒落の題名】「屁で空中ウクライナ」「ザ・先生ション!」 【人気歌人に学ぶ】「どうして長嶋有さんは枡野浩一なんかとつきあってるの?」「日本ゴロン」「世界音痴」「にょっ記」
-
-
-
3.6
-
4.3男が一人、老いて死んでいくのを看取るのは、本当によかった。 夢に見た専業詩人の生活、ぽっかりとした自由。 もんもんと考え、るると書く。 カリフォルニアのキャニヨンを犬どもを従えひたすら歩く。 料理や洗濯は、しないことにすぐ慣れた。 山賊のように台所で立って食べた。卵ばっかり食べていた。 ひとりの肩にのしかかるローンに光熱費、熊本地震、石牟礼道子さんのこと、末っ子の結婚、 そして……日本に帰ろう。 「みんなホルモンのせいでしたと、今は言い切りたい」―― 女のための戦記『閉経記』から五年。 書くことで生き抜いてきた詩人の眼前に、今、広がる光景は。
-
4.1
-
4.0
-
3.5底辺女子が人生逆転!? 不遇な家庭に育った17才のユキが、子供を持ちたい人々と貧困女性を救う〝代理母ビジネス〟の賭けに出る。 義父の策略で、違法な代理母出産をさせられた16才のユキ。命がけで出産したにもかかわらず、報酬はすべて義父の手に。再び代理母をさせ稼ごうとする義父の手から逃げだしたユキは、自らの経験を逆手に取り、自分のような貧しい女性を救う大胆な〈代理母ビジネス〉を思いつく。ユキを支えるのは医師の静子&芽衣子のタッグと、ゲイのミチオ&一路。さまざまな事情を抱えた「子どもを持ちたい」人々が、最後の砦としてユキたちを頼ってやってくるが……日本の生殖医療の闇、貧困層の増大、妊娠・出産をめぐる負担など、現代日本が放置した社会問題を明るみにしながら、「代理母」ビジネスのタブーに切り込んだ話題作。