小説・文芸 - 小学館文庫作品一覧
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3.3男と女の噂の真相を、小説に仕立てた作品集 その街ではいくつもの噂話がささやかれている。 結婚から五年が経ち、すっかり冷えきった仲になった夫婦の噂(「好色」)。 酒と博打と女が原因で街から夜逃げした若い男の噂(「カップル」)。 不幸な事件で命をおとした夫と、未亡人となった女の噂(「アーガイルのセーターはお持ちですか?」)。 街のデパートに勤務する男と、街から上京して活躍している女優との噂(「輝く夜」)。 ある交通事故をきっかけに男が悔やむことになる冬場だけあらわれる娼婦の噂(「あなたの手袋を拾いました」)。 アーケード街で似顔絵を描いて街に住み着いた男の噂(「いまいくら持ってる?」)。 かつて街じゅうの男が群がったホステスとある男の噂(「グレープバイン」)。 そしてその街にはひとりの「小説家」が暮らしていた――。 噂はいつも事実よりひと回り大きい。ただ「小説家」にとってこれほど興味をひかれるものもない。噂の収集に余念のない語り手の「私」はその真相を探りつつ、実際に耳にした噂の数々を可笑しみと皮肉にみちた小説へと仕立てあげてゆく。 文壇屈指の小説巧者・佐藤正午が、その街に暮らす「小説家」の視点を借りて描いた、著者真骨頂とも言える作品集。全七篇を所収。
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3.0人生という「なぞなぞ」に正解はあるのか? 語り手は、一人暮らしを続ける四十七歳歯科医・和也。実家の父親の看病を名目に妻は不在、大学生になる二人の息子も家を出ている。三歳になるアメリカン・ショートヘアと自適の生活を続けていたが、NHKに勤務する兄・靖彦がアルコール依存症のため緊急入院したことから、物語は動き出す。記憶のなかに留まる、ゼラニウムを描いた一枚の油絵を発端に、入院先の病室から問わず語りに幼少期の記憶を紐解いていく兄。 やがて、その絵は、彼ら兄弟の亡き父が描いたものであることへと逢着する。そして、ゼラニウムとともにその絵に描かれていた少女は、戦時中に五歳で亡くなった叔母であった。同じく五歳で亡くなった彼らの妹と同じ、明子という名の――。 物語終盤。愛娘を過剰に守ろうとするあまり、兄・靖彦は心を乱し、自身の家族を軟禁しての先の見えない小旅行へと事態は発展する。兄の行方を突き詰め、対話を試みる和也。そのなかで、和也は、無自覚にひた隠してきた自身の持つ生の不全感のルーツに思い至る。
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3.3復活した悲運の作家、幻のデビュー作。 『海炭市叙景』で奇跡的な復活を果たした悲運の作家、佐藤泰志のデビュー作の文庫版を電子化。山羊、栗鼠、兎、アヒル、モルモット…。バスに動物たちを乗せ、幼稚園を巡回する「移動動物園」。スタッフは中年の園長、二十歳の達夫、達夫の三つ上の道子。「恋ヶ窪」の暑い夏の中で、達夫は動物たちに囲まれて働き、乾き、欲望する。青春の熱さと虚無感をみずみずしく描く短篇。他に、マンション管理人の青年と、そこに住むエジプト人家族の交流を描く「空の青み」、機械梱包工場に働く青年の労働と恋愛を描写した「水晶の腕」を収録。作者が最も得意とした「青春労働小説」集。
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3.6直江兼続から高杉晋作まで、58武将の実像! 戦国時代を見よ! まず謎めいた北条早雲があらわれた。織田信長がいた、明智光秀がいた、武田信玄がいた、上杉謙信がいた、直江兼続もいた。 江戸時代はどうだ。松平忠直がいた、天草四郎時貞がいた、大石内蔵助もいた。大塩平八郎がいた、そして幕末には高杉晋作や坂本龍馬などがあらわれたではないか。 綺羅(きら)星のごとくあらわれた、英雄、梟雄(きょうゆう)、軍師たちには「歴史の段階的発展理論」など関係ない。運命にのぞみ、人間くさく立ち振る舞い、闘い、倒れ、そして日本の歴史を燦然と輝かせた。その魅力を、『逆説の日本史』の著者が、異色の武将列伝として描き出した。 目次 北条早雲-五十六歳から戦国大名に 斎藤道三-修正されたスーパースター像 松永久秀-中年をすぎて登場した梟雄 北条氏康-郡雄割拠の関東を制圧 武田信玄-最強軍団の意外な弱点 柴田勝家-鬼柴田とよばれた猛将 生駒親正-豊臣政権の「監査役」的老将 明智光秀-なぜ本能寺の変を起こしたか 石川数正-ヘッドハンティングされた武将 上杉謙信-天下を取らない正義漢 ほか
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4.1市川拓司のもうひとつの名作、待望の電子化! あの『いま、会いにゆきます』よりも好きだという人が数多くいます。堤幸彦氏の映画『恋愛寫眞』との競作として世に出、その後『ただ、君を愛してる』と題して再度映画化され、物語の完成度とともに、恋することの切なさや美しさをリリカルに描いた傑作恋愛小説として話題を呼んだ、市川拓司氏のもう一つの傑作です。物語のラストで語られる名セリフ、「別れはいつだって思いよりも先に来る。それでもみんな微笑みながら言うの。さよなら、またいつか会いましょう。さよなら、またどこかで、って。」の言葉の意味を、ぜひ味わってみてください。
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-元「ダ・ヴィンチ」編集長が書いた長編小説 聡子は32歳、6度目の結婚記念日に夫から離婚を切り出され、あっさりと承諾する。かねてから結婚に希望も安寧も求めていなかった聡子は、離婚後の自らの経済基盤を確立するため、男子大学生を相手にした「テレフォン・アドバイザー」というビジネスを始める。それは、「セシル」と名乗り、1日2回、「客」である男性に電話をかけ、世間話をしたり相談に乗ったりするというものだ。母親や友人も巻き込み、新しいビジネスは順調に推移するかに見えたが、突然、彼女の前に「客」のひとりである池内太郎という大学生が現われ、彼女の生活は急転する。
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3.5秀吉の遺した財宝を巡る争奪戦!新伝奇小説 江戸時代の天保期、諸藩の財政は危機的状況にあった。 松枝近忠は、自分が府内藩当主である大給近訓の実子であることを告げられる。そして、近訓から藩の財政的な窮状を救うために、秀吉が遺したという百万両に相当する財宝を探し出すよう命じられた。その秘宝は、対外貿易で潤沢に蓄えたもので、長崎から秘密裡に運び出されていた。その中心にあったのは石田三成、三成が協力を依頼したのは、大谷吉継と真田幸村、実際に動いたのは、長崎奉行の寺沢広隆と敦賀の廻船業者である高島屋伝右衛門だった。そして、ギヤマンの皿と奉納の絵馬、宝刀の茎(なかご)が揃わなくては財宝の場所がわからず、収められた石窟を開けることができなかった。近忠が、この話を聞いたとき、密かに盗み聞きをしていた男がいた。それは、その当時処刑されたことになっていた鼠小僧次郎吉だった。次郎吉は、実はその秘宝に所縁のある家の末裔だったこともあり、秘宝を探し始める。さらには、ギヤマンの皿を持っていた高嶋屋伝右衛門の子孫、五郎左衛門や高嶋屋と昵懇の仲にある小浜藩も秘宝を得ようと動きはじめる。全3冊でお送りする伝奇時代小説、第1弾。
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3.4『ヒミズ』の園子温、快進撃の原点!! 高校生のユウは、ある日をさかいに、父親から懺悔を強要される。ユウは父の期待に応えるべく、毎日、「罪作り」に励むようになる。それは次第にエスカレートし、気付けば彼は“盗撮のカリスマ”になっていた。 運命の女性・ヨーコと出会ったユウは、生まれて初めて恋に落ちる。が、ヨーコには、謎のカルト教団の魔の手が近づいていた。ユウは必死でヨーコを救おうと試みるが、盗撮の件がばれて徹底的に拒まれる。やがて、ユウの真っ直ぐなヨーコへの愛情は、予想を裏切るクライマックスをたぐり寄せる……。 宗教、盗撮、監禁、そして――世界に向けて衝撃作を発表し続ける映画界の鬼才・園子温が実話をベースに挑んだ、無敵の純愛エンタテインメント作。
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3.5医療ミステリー第一人者仙川環初の連作小説 医療ミステリーの第一人者である仙川環氏の初となる短編連作小説が登場!『STORYBOX』誌で連載した同名作品7話と、連載では読めなかった文庫書き下ろしの最終章を加えた新しい試みの作品。 著者の大ヒット文庫作品『感染』『繁殖』『転生』『再発』『潜伏』に続く話題騒然必至の力作。 連作のテーマは、身近にある「薬」。風邪薬、ピル、向精神薬、花粉症治療薬……。正しく使えば問題ないこれらの薬を巡り、8組の男女が織りなす黒い人間模様を活写。 登場するのは、リッチな医療カウンセラー、失業中のDV夫、美貌の女性カウンセラー、さえない精神科医……。日常に潜む悪意と偶然に翻弄され、ごく普通の家庭、人間関係が崩壊していく恐怖をスピード感溢れる筆致で描いています。仙川環ファンにはたまらない、ひりひりする読後感に快感を味わってください。
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3.4大ヒット『感染』の仙川環、待望の最新作!父親が急逝してやむなく実家の医院を引き継いだ成田真澄(なりたますみ)は、中央から田舎の町医者に転じた未練に悶々とする中、従妹が原因不明の病に倒れ、治療方法も分からぬまま死に至らせてしまう。そしてその友達も同様の死を遂げる。友人で獣医の渡良瀬敦彦(わたらせあつひこ)と共に真相を探るうち、その症状が狂犬病と酷似していることが判明した。国内では撲滅したはずの殺人ウイルスが約半世紀を経て再上陸したのだ。政府の正式発表により町民はワクチンを求めてパニックに陥り、飼い犬の無差別殺害も続出した。はたしてその感染源は――!? 『感染』の仙川環が新たな境地を開くパニックサスペンス大作の登場だ。
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3.9もし、もう一度、あの時間に戻れるとしたら。そして、やり直すことができるとしたら――。大好きだった年上のある女性、産んだ直後に死んでしまった母、交通事故で亡くなった息子……。 一九八六年、門司。“あること”をきっかけに、過去に戻ってしまった登場人物たちそれぞれの群像劇。映画『黄泉がえり』原作者・梶尾真治氏が、新たな試みとして取り組んだ、映画『この胸いっぱいの愛を』の原作者自らの手による異色のノベライズ作品。
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4.0ベストセラー『魔界都市』シリーズでおなじみの超伝奇バイオレンスの立役者が描く奇想の万華鏡世界。東北の寒村に一人の濃艶な女が辿り着いた。それがすべての始まりであった。異次元世界から次々と躍り出た物の怪たちが女をめぐりくりかえす壮絶な死闘。妖術、幻術、奇想、空想を駆使して描かれるあやかしの世界が読者を魅了してやまない。
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4.1伊豆・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。 現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。 折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の重大な警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせる。 小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。 全国民必読。二十一世紀にも読み継がれる400万部を記録したベストセラー小説。
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3.4
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3.6駄菓子屋の奥に、子どもだけの食堂開店! 激務の末にロケ先で怪我を負い、心身ともにダメージを負った楓子は憧れて入った映像制作会社を25歳で退職した。実家で無為徒食の生活を過ごした後、80歳になる祖母が営んでいた東京・下町の駄菓子屋「かすがい」を継ぐことになった。 1ヶ月経ち、「おばちゃん」と子どもたちに呼ばれるのにも慣れ、常連の子の顔と名前も覚えて来た頃、ひとりの少年の存在に気がつく。夕刻にやって来てきっちり300円分の菓子を買って帰るのだ。その理由に気がついた楓子がとった行動とは──(第一話 その名も『かすがい食堂』)。 貧困、いじめ、摂食障害など問題を抱える子どもたちのために、楓子は店の奥の台所で食事を提供することにした。肉汁のあふれるハンバーグ、もりもりごはんが進む野菜炒め、みんなで囲む寄せ鍋……!! 楽しく温かい食卓を描く全四話。
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4.3最期を見据えた生き様から光を得る人生賛歌。 舞台は、美しくもありときに恐ろしい顔を見せる海と島。3人のおじいさん=ジイの生き抜く姿と,そのジイから思いを受け取る人々の心模様をときに温かく、ときにいきいきと、ときに静かな筆致で描ききります。全3編の物語。 ●海神~わだつみ いじめが原因で不登校になった小学四年生の優生。ある日、瀬戸内の島に暮らす曾祖父を訪ねることになる。死期が近いはずの曾祖父・清次は、病人とは思えないほど元気に優生らを案内し、饒舌に振る舞う。その後入院となった曾祖父と優生が交わした二人だけの約束とは……。 ●夕凪~ゆうなぎ 70代後半の老医師とそのクリニックに20年以上勤め、支え続けてきた48歳看護師の女性。ある日、クリニックを閉院すると宣言した後老医師が失踪する。必死で探す看護師の女性が行き着いたのは瀬戸内の島。もう戻らない、と告げる老医師の覚悟とは。静謐でほのかに温もる大人の慕情。 ●波光~はこう すべてを陸上競技に捧げてきたが、怪我により人生どん底になってしまった澪二。試験を前に逃げるように子供の頃訪れていた島にある祖父の家へ。石の博物館のリニューアルオープンの準備を手伝ううちに、今まで知り得なかった祖父の青春時代、親友、そして唯一の後悔を聞き……。 ※この作品は単行本版『海とジイ』として配信されていた作品の文庫本版です。
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4.0希望と再生の物語、映画「前科者」小説版! 罪を犯した者、非行歴のある者の更生に寄り添う国家公務員、保護司。阿川佳代は保護司になり早3年。仕事にやりがいを感じ、道を外れてしまった「前科者」のために奔走していた。担当する前科者の中の一人・工藤誠は、真面目な仕事ぶりを雇い主から評価され順調に更生していた。このままいけば自立の日も近いと心を躍らせる佳代だったが、最後の面会日を前に、誠は忽然と姿を消してしまう。その頃、謎の連続殺人事件が発生し──。 阿川佳代をあの有村架純が、工藤誠を森田剛が演じる話題の映画「前科者」が2022年1月全国公開。消えない罪を背負った者は、過去を乗り越えることができるのか。感動のオリジナルノベライズ! (底本 2021年12月発行作品)
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3.7長野オリンピック金メダルに隠された実話。 1998年長野オリンピックスキージャンプ団体。金メダルを狙う日本代表チーム(通称:日の丸飛行隊)。その中心選手、原田雅彦のジャンプを特別な想いで見つめる男がいた。元日本代表・西方仁也だ。前回のリレハンメルオリンピック団体戦で、原田の失敗により惜しくも銀メダルに終わった西方は、長野での雪辱を誓い、日々練習に励む。ところが4年後、代表には選ばれず、不本意ながら裏方であるテストジャンパーとなっていた。 誰もが知る、長野オリンピックスキージャンプ団体金メダル。その栄光の裏に、誰も知らないテストジャンパー25人の闘いがあった。 長野オリンピック大逆転の金メダルに隠された感動の実話。西方仁也役に田中圭。土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小阪菜緒など、豪華出演者による映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(2021年5月公開予定)。
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3.7可愛さ余って憎さ百倍――でも、愛してる! 江戸は柳橋で一番人気の芸者・菊弥は、男まさりで気風がよい。芸は売っても身は売らないを地でいっている。 そんな芸者仲間からの信頼も厚い菊弥だけれど、ただ一つだけ欠点がある。実は、根っからの「ダメ男好き」なのだ。 恋人で岡っ引きの北斗は、誰がどこからどう見ても、「ダメ男」。しかも、自分は「デキる男」と深く思い込んでいる。なのに、菊弥は恋心が全然吹っ切れない。 その「ダメ男」で恋人の北斗が、「菊弥馴染みの大店が盗賊に狙われている」と知らせにやって来た。もちろん、しっかり小遣いをねだるのを忘れないところが、腹が立つ。 事件を解決しようとしているのか、それとも、引っかき回そうとしているのか分からない、飄々とした北斗の姿を見て、菊弥はひとり呟くのだった――。 「世間のみなさま、すみません」 新進気鋭の人気作家が描く、ほのぼのお笑い捕物帖第一弾!
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4.3夫がいても、息子がいても、恋はするわ。 名門高校に息子を通わせる縁で出会った3人の母たち。 浮気相手と失踪した夫を待つ杏、 不倫夫に悩むセレブ妻・まり、 専業主夫を持つバリキャリ妻・優子――三様の人生はやがて交錯し始める。 それぞれが夫に不満や諦め、怒りを抱え、 落第寸前の息子たちへの不安も募る。 これまで築き上げてきた人生、キャリア、そして家族―― 守るべき尊さと、何か物足りない虚しさを奥底に秘めた3人がふとした瞬間に向き合ったのは、「妻」でも「母」でもない、「女」としての自分だった。 平凡な毎日に突如現れた“恋”との出会いは、母たちの人生に何をもたらし、何を失わさせるのか。 『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』などの代表作がある柴門ふみの同名漫画を原作に、『セカンドバージン』『大恋愛~僕を忘れる君と』など社会現象を巻き起こした名ドラマを世に送り出した大石静が脚本を執筆。 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗という豪華キャストが織りなす母たちの惑い、揺らぎ、エロスが話題となったドラマでは、心に響くセリフも多数。 読み返す度に、彼女たちの迷いに共感し、よろめきにトキメキ、強さに背中を押されるサプリメントのような一冊です。
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5.0「最強の世界」を目指して冒険が始まる! ここは、湖に面した芝浜高校。極度の人見知りだが人並外れた空想力を持つ浅草みどり、カリスマ読者モデルでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな金森さやかの三人は映像研究同好会を立ち上げ、アニメ制作に打ち込んでいく。 しかし、学内の治安維持を担い絶大な権力を持つ「大生徒会」は、映像研の起こした問題行動に目をつけ、その活動を“不適切”だと判断。 部活の統廃合、資金繰り……様々な逆境を乗り越え、文化祭を目指すことになった映像研メンバーは、脳内にある「最強の世界」を実現すべく奮闘する。 主人公の浅草みどりに齋藤飛鳥、水崎ツバメに山下美月、金森さやかに梅澤美波と乃木坂46の人気メンバーを迎え、『あさひなぐ』の英勉監督が「絶対に手を出してはいけない原作」を実写映像化。 アクション、美術、VFX、アニメなどあらゆる技術を総動員し、日本映画界が持つすべてを駆使して制作されたエンターテインメント超大作をノベライズ。 この作品はカラー写真が含まれます。
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3.7浅田次郎の大人気旅エッセイシリーズ第4弾。 100万ドルに値する体験をした!“浦島太郎が食べたご馳走と、滅多に会えない織姫と彦星の恋の行方に想いを馳せる”表題作ほか、爆笑と感動と法悦の極上エッセイ集。JAL機内誌『SKYWARD』人気連載エッセイ「つばさよつばさ」文庫化。 <BR※この作品は過去に単行本版として配信した『竜宮城と七夕さま』の文庫版です。
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-二つの殺人事件の背後に「戦争の亡霊」が! 女性カメラマンの夏川えりは、故郷の岐阜・高山へ向かった。高山から足を伸ばし、世界遺産の白川郷、さらにその奥の無人の村・R村へたどり着いた。実は、祖母・夏川勝子は太平洋戦争末期に従軍看護婦として満洲に渡っていたが一時帰国し、R村で行方不明となっていた。そして、勝子のことを調べようと思って訪れたえりも、R村で姿を消してしまった……。 そして、東京・三鷹でひとり暮らしの72歳、浅野真治が遺体で発見された。十津川は、関係者から驚くべき証言を得る。浅野の父親が唱えた「永久戦争論」について、真治は原稿を書くことになっていたという。それは敗色濃い日本軍が沖縄戦でとったとされ、少年兵を使うものだった。そして、歴史に葬り去られるべき戦術を現代にも継続させようとする一群の存在があった。 十津川警部は、二つの事件にうごめく「戦争の亡霊」の行方を追い始めた。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『十津川警部 高山本線の秘密』 の文庫版となります。
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3.5老いを笑いに変えるエッセイ。待望の文庫化。 皮膚科では「老人性」を連呼され、老眼鏡は片時も手離せなくなり、数々の言い間違いに物忘れ……。著者が「老い」を実感した出来事が、次から次へと、ときに毒舌を交えながら軽妙に綴られる。「アサガオ」と言っているつもりが「アジサイ」と言い続けて夫に指摘されたエピソードや、若いショップ店員に「ジーパン」と言っても通じず、「デニムですね」と言い換えられて衝撃を受けた話など、クスッと笑える話題が満載。その一方、体調の急変で倒れた話や、自身の乳ガン闘病記まで、考えさせられる話もぎっしり。乳がん闘病記では、告知から術後までの事象と心の動きが、時間軸を追いながら克明に綴られています。ひとつ間違えば重くなりがちなテーマながらときに笑いまで誘うのは、筆者の軽妙な筆致のなせる業。 「ああ、あるあるある」と共感したり、思わず声を出して笑ってしまったり、時にはホロッと泣けたり。 さらに、同じく著名な漫画家である夫君も頻繁に登場し、格好の題材に。共に歳を重ねたからこその絶妙な掛け合い、いつのまにか逆転した!?夫婦の力関係など、偽らざる夫婦関係も垣間見え、それがまた深い味わいに。 「老い」が愛おしくなる一冊です。
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4.0佐藤勝利(Sexy Zone)高橋海人(King & Prince)出演、『セトウツミ』の此元和津也が脚本を手掛けた、ドラマ・映画・Hulu横断「ブラック校則」プロジェクト待望のノベライズ化。 クラスの最底辺を生きていた創楽(佐藤勝利)と中弥(高橋海人)。ある日、恋するあの子が生まれ持った美しい栗色の髪を黒く染めるよう強要され不登校に。『こんなルールは、もうたくさんだ』…いま2人の男子高校生が立ち上がる! ちっぽけな自分でも何かを変えることができる。ダメな自分でも一歩踏み出せるかもしれない。恋するあの子のため、500人の生徒の自由を手に入れるために、「ブラック校則」と大人たちに立ち向かう。創楽&中弥コンビが繰り広げる、奇想天外な戦い方とは?
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-話題のアニメーション映画ノベライズ! サーフィンが大好きな大学生・向水ひな子は、マンションで起きた火事の消火に来ていた消防士の雛罌粟港と出会い、恋に落ちる。幸せな日々を過ごす二人だったが、あるとき港が海の事故に巻き込まれ、命を落としてしまう。大好きな海を見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、なんと水の中に港の姿が……。 世界が注目するアニメーション監督・湯浅政明による待望のオリジナル最新映画「きみと、波にのれたら」(2019年6月公開)をノベライズ! 巻頭カラー全16ページで、映画の見所となるシーンとその原画も掲載。小説でしか読めないオリジナルエピソードも楽しめる、贅沢な1冊になっています。 ひな子と港の世界を、小説版文庫「きみなみ」でも、とことんお楽しみください。
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4.3超ド級の映画「空母いぶき」を完全小説化! 巨匠かわぐちかいじの同名コミックを原作とし、壮大なスケールで描かれた映画「空母いぶき」を完全ノベライズ! 【ストーリー】 ――そう遠くない未来。東アジア海域における領土争いは激化、日本近海でも軍事衝突の危機が高まりつつあった。 日本最南端の波留間群島沖では、国籍不明の武装集団が海上保安庁の巡視船に発砲し、乗組員を拘束、領土の一部を占拠した。未曾有の緊張が高まる中、政府は航空機搭載型護衛艦『いぶき』を旗艦とした第5護衛隊群を現場海域に派遣する。 戦うか、護るか――。 敵潜水艦のミサイル攻撃に対し、航空自衛隊のエースパイロットから『いぶき』艦長に抜擢された秋津竜太と、海上自衛隊生え抜きの副長・新波歳也の決断は? この国の未来を左右する運命の24時間。
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3.0音楽に全てをかけた青春映画完全ノベライズ。 2人の「JOE」を中心に結成された大人気バンド「JoKers」。人気絶頂の最中での突然の解散から3年。「JOE」は全米デビューを果たし「JK」として日本に凱旋する。もう一人の「JOE」・海江田丈は解散をきっかけに音楽を捨て、別の道に進もうと大学でくすぶっていた。丈と音楽をやることを諦められないJoKersのメンバーは、ロックカフェのオーナーの照雄に泣きつく。そこで照雄は、カフェに出入りしている桜、真緒、リナの3人で女子高生バンド「DROP DOLL」を結成させ、丈に指導させることで音楽への情熱を取り戻させようとする。いきなりバンドを組まされた3人は丈のスパルタ指導に反発しつつも、音楽の楽しさに夢中になっていく。そんなひたむきな彼女たちを見ているうちに、徐々に音楽への想いを再燃させる丈、しかし、彼女たちのステージが目前に迫った時、帰国した「JOE」が突然現れて……。音楽に全てをかけた若者たちを描く本気の青春映画を完全ノベライズ化。映画にはない登場人物のバックグラウンドストーリーも。
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3.8死者の無念は食べて解決。洋食異界ミステリ。 匂いに誘われて入った「洋食店 幽明軒」で、無職の和泉沢悠人はアルバイトを始めることになった。厨房で働くのはシェフの九原脩平と妻・香子、フロアは娘の果菜子が担当している。悠人は果菜子に教わりながらバイト初日の仕事をスタートさせた。無事に営業を終えた午後8時、急に店内の温度が下がり、ドアからゆらりと現れたのは幽霊? 幽明軒は、現世に思いを残した死者が訪れる洋食店だった。 死者たちは、好きな洋食を一品オーダーし、それを食べることで過去のわだかまりを解消することができるという。悠人が初めて接客したのは、大正時代に交通事故で無くなった珠代だった。オーダーはライスオムレツ。結婚を誓い合った恋人と食べる予定のまま、些細なすれ違いから食べることの出来ないまま死んだ。シェフの脩平は珠代の話を聞きながら、恋人の本当の気持ちを導き出す(第1話「別れのオムライス」)。 「ナポリタンに込めた息子の気持ちとは」「私は誰に殺されたのか」死者たちが遺した思いに寄り添う“幽冥と顕世のはざまの”洋食店での人間模様を描く、全5話収録の食×異界ミステリー!
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4.1心も体も変わる、ランジェリーラブコメディ。 広告代理店に勤める32歳の國枝颯子は、うっかりノーブラで出勤したある日、慌てて駆け込んだランジェリーショップ「Toujours Ensemble(トゥージュール・アンサンブル)」で男性のフィッター・伊佐治耀に出会う。 「脚を組むくせがある」「夕食はいつも8時以降」「20歳の頃から5キロ以上太った」「2年以上、恋人がいない」――フィッティングをしただけで、伊佐治は颯子の生活習慣をすべて言い当ててしまう。いい加減な生き方を指摘された颯子は、自分を見つめ直すようになる。 自分の“女らしさ”を否定して生きてきた後輩の百田馨、旬を過ぎたスキャンダル女優の本城夕妃、女装の趣味があるクライアントの大狼社長、出産後のセックスレスに悩む同期の美鈴・・・・・・颯子をとりまく人々も、伊佐治のランジェリーの魔法によって少しずつ変わり始めて――!? 一歩前に踏み出せずにいる女子たちに贈る、前代未聞のランジェリー・ラブコメディ!!
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3.7長谷川平蔵の甥っ子が人足寄場与力に! 人足寄場は、平之助の伯父である長谷川平蔵が立案実施した施設である。罪を犯した者たちに職業修業を施し、社会に復帰させる画期的な仕組みだった。 定掛与力として、阿比留平之助は平蔵とともに勤めることになった。平之助が、人足寄場を歩いてみると、男には大工や左官、屋根葺き、鍛冶、紙漉き、表具など、女には裁縫や機織りなど、さまざまな仕事を訓練させていた。ただ、予算の限りがあり、正すべきところも直せなかった。 その頃、盗賊鬼洗いの鉦七の押し込みがあり、事情も知らないまま逃走用の船の船頭に雇われて捕まった、癸助という男が入ってきた。気がかりなのは、一人残してきた妹のトミのことだった。ある日、人足寄場に入ってきた男たちが癸助と親しくなる。鉦七一味は、自分たちに繋がる証拠を知っているかもしれない癸助を殺そうとしていたのだ。 長谷川平蔵は、自宅で倒れてから、徐々に弱っているようだった。 平之助は、癸助を救うことが出来るのか。鉦七に迫ることが出来るのか。 平之助の活躍を描く、人情味溢れるシリーズ第一作!
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3.8心が柔らかくなる、あやかしエンタメ開幕! 愉しく読めて、ままならぬ浮き世も楽になる。 これぞあやかしエンタメの隠し玉! ――高田郁さん(作家)推薦! 「あんた、迷いを晴らしたいんだろ。いくら出せるかね?」 ●第一話 みれん玉 おみつは、三味線の稽古場で出会った京さんに惹かれている。京さんからもらったかんざしをなくしてしまったおみつは、占い老婆から「えにし玉」を渡される。 ●第二話 やっかい玉 おこうは、女主人お種の営む一膳飯屋・亀屋で働いている。浮いた話一つなく暮らすおこうに、占い老婆は「すかれ玉」を手渡す。 ●第三話 びびり玉 俵兵衛は、若殿から命じられた難題に、困り果てていた。解決の糸口が見つからないところで、占い老婆に出会い「肝っ玉」を借りる。 ●第四話 忘れ玉 正太は小間物屋の一人息子だが、記憶力が良くない。道に迷った正太の前に老婆が現れ、「覚え玉」を差し出す。 ●第五話 よくばり玉 団子屋で働きながらつましく暮らすしているトメには、毎日の楽しみがない。そんなある日、占い老婆から持っているだけで飽き飽きするほど金が入り込んでくるという「あきあき玉」を借りた。
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4.5父と娘の熱くて愛おしい日々を綴るエッセイ。 《彼女たちはどこにでもいる小学生の集まりでしかないのだ。それでも私たちにとっては、メッシやクリスチアーノ・ロナウド以上に関心を寄せる、唯一無二の選手たちだった。》(本文より) 娘が入団した地域の少女サッカーチームの、〈ボランティアコーチ〉になってしまった父。サッカーは見るのもやるのも好きだけれど、人に〈教える〉ことは大の苦手という彼が、やがて子どもたちのプレイに夢中になり、仕事以外の時間のほとんどをチームに捧げるようになる。運動が苦手だったはずの娘は、悔しさやチームメイトとの友情を糧に、「どんなときでも絶対あきらめないディフェンダー」としてレギュラーを勝ち取るまでに成長していく。 ごくごく平凡だけれど、時に泣きたくなるほど愛おしい、サッカーをめぐる父と娘の日常を描いた名エッセイの文庫版を電子化。
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3.8半分以上実話?? 借金返済サスペンス! いっときは売れっ子作家となり、一千万円近くの貯蓄があった小説家の僕。しかし、諸事情により単行本の刊行が先延ばしになり、収入が激減。浪費癖も手伝って気がついたら、三百万円以上の借金を抱えていた! このまま僕は破産してしまうのか?! うろたえた僕は稀覯本を売って日銭を稼ぐものの、元カノで資産家の娘・靴乃コ(かのこ)に、お寿司を奢ってしまうような自堕落な生活を改められず、同じマンションに住む、なぜか巫女姿の要容子(かなめようこ。職業は「高利貸しで魔法使い」)には、「お金を返せる目処がつけられないのなら、死ぬべきですね」と言われる始末。 唯一の頼みの綱だったクレジットカードも使用限度額を超え、いよいよ家賃の支払いもできなくなった僕は、出版社の担当編集者たちに泣きつき、文芸誌で小説の連載をさせてもらうことになる。が、震災をテーマにした小説を引き受けたところ、まったく書けなくなってしまった。
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-今年いちばん心があったまる育児小説! 独居老人の孤独死でますます若い人が居着かなくなり、住まうのは「ワケアリ」の住人ばかりになったオンボロアパート「オアシス荘」。夫や子どもに先立たれた孤独な「おばあ」と「おかみさん」、経営していたレストランチェーンが倒産し借金取りに追われるようになった「シャチョー」、ささいな事故がきっかけでホームレスに転落した元サラリーマンの「空き缶拾い」、そして妻に逃げられても夢を捨てられず生活保護受給者となった自称作家の「ブンガク」。人生失敗だらけの大人たちが鬱屈を抱える日々を送るなか、アパートの一室に生後間もない女の赤ちゃんが置き去りにされた。突然の出来事に右往左往しながらも、彼らは力を合わせて親探しと育児をはじめる。見捨てられた小さな命を生かそうとそれぞれが知恵と力を出し合うなかで、彼らの人生が少しずつ変わりはじめる……。
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-命がけで作家の夫を愛した妻の壮絶な記録。 「一緒に死のうと思ったわけでもないだろうに、同じ日に寄り添うように亡くなった。幸せな夫婦だったと思います」(本文中の渡辺淳一氏の証言より) 急逝した太宰治のピンチヒッターとして急遽、新聞連載を執筆することになった船山馨は一躍売れっ子作家となるが、その激務をこなすためにヒロポンに溺れてしまう。元編集者の妻・春子もまた彼とともに中毒になり、なりふり構わず借金を重ね薬物を買い漁った。ふたりは恩人・林芙美子の死をきっかけに薬物を絶つが、馨の作家としての評価は地に墜ちる。それでも夫の復活を信じる春子は、人生の汚れ役を一手に引き受けながら家族を守るために奔走する。 昭和の時代を壮絶に生きた作家と、その妻の破天荒な人生を克明に描いたノンフィクション。
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4.1純愛小説の名手がつづったキュートな物語! 彼女の履いていた靴下の話がきっかけで付き合い始めた高校2年の僕たち。平凡な毎日を送っていたある日、彼女は唐突に僕に言った。 「私ね、後、一週間で死んじゃうの」 病気の進行を知り、運命を受け入れていた彼女は、残されたわずかな時間を自分らしく生きたいと願う。僕は心が追いつけないまま、彼女の望みをかなえることに奔走した。 少し寒いからあたためてほしい。そう言って僕のベッドで眠った翌朝、彼女に死が訪れる――。 透明なラストシーンが胸に迫ります。乙女派のバイブルと呼ばれた名作『ミシン』の系譜を正統に継いだ、切ない、切ない純愛ストーリーです。
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3.0悩むなら、旅に出よ。「言葉」を巡る紀行文。 「旅は、思わぬ出逢い、思わぬ人の一言を耳にして、考えさせられることが数々ある。このエッセイはそういう旅で出逢った言葉なり、人の行動を書いたものだ」(あとがきより) 世界を巡る作家・伊集院静が、20年以上続く国内外の旅の日々を振り返りまとめた、心に残る33の言葉。巡礼の道を辿ったスペイン、クロード・モネを取材した北フランスのルーアン、ウィスキーの蒸溜所を見学したスコットランド・アイラ島、白神山地の森を歩いた青森県。旅先の風景、忘れがたいエピソードとともに、フランシスコ・ザビエル、ヘミングウェイ、王貞治、城山三郎、恩師、家族らの言葉を紹介する。それらは何気ない事柄でも、私たちに人生を考えるヒントや勇気を与えてくれる。大切にしたい“ひと言”を見つけられる紀行文集、待望の文庫化!
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4.5世紀の大発見が、ここにある! のび太が恐竜博の化石発掘で見つけた化石。恐竜のたまごだと信じたのび太は、タイムふろしきで化石を元の状態に戻すと…生まれたのは双子の恐竜! しかも、未発見の新種だった。のび太に似て、ちょっと頼りないキューと、おてんばなミュー。個性の違いに苦労しながら、親のように愛情たっぷりに育てるのび太だったが、やがて2匹が現代で生きていくには限界が来てしまう。キューとミューを元の時代に返すことを決心したのび太は、ドラえもんや仲間たちとともに6600万年前へと出発。キューやミューの仲間を探す旅がはじまった!
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3.5ラスト1行に震撼!驚愕の恋愛ミステリー。 奈子は、大学の通学路ですれちがう男性がとても素敵で、ずっと気になっていた。話しかけることもできず日々は過ぎ、いつのまにか彼と会えなくなってしまう。彼との再会を夢見る奈子。親友の葵とともに彼の行方を捜すも、いつもあと一歩のところですれ違ってしまう。果たして彼と奈子は再会できるのか?その先にある「戦慄のラスト」とは・・・・?! 短編「四谷三丁目の幽霊」、蘇部氏による抱腹絶倒「ぬぁがーいあとがき」収録。解説は狩野大樹氏。 WEBで期間限定全文公開をするとたちまち大反響。「最後の結末に身の毛もよだちました」「とにかく面白くてあっという間に読めた」「何度も読むと違う面白さが浮かび上がってくる」など沢山の感想が編集部に寄せられた。 読み始めたら止まらない!驚愕の展開が待ち受ける恋愛ミステリーを是非ご堪能ください! ※本書は『小説X あなたをずっと、さがしてた 【電子オリジナル版】』の文庫版です。 電子オリジナル版には入っていない、書き下ろし短編『四谷三丁目の幽霊』、あとがき、解説文が入っております。
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 都市のそばには川がある。川のそばにはヒトがいる。カヌー、カップル、花火…人間って何て変てこな生きものだろう。川はいつも同じようでありながら、少しずつ変わっている。昨年とまったく同じ景色が広がっているように見えても、そのふところでは、ヒトの想像を絶する数の生命のいとなみが、日々あたらしく息づいている。不登校の高校生なまず君とその脱サラ叔父さんのコンビがつづる多摩川138キロの珍道中。
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 残忍な殺人者にも、肉親を想う優しい一面がある。自ら死刑を望むこともある。本書は、ある死刑囚の手記から描き出された殺人者の心の軌跡である。1975年、北九州市で4人を殺害した暴力団員川辺敏幸は、77年に死刑判決を受ける。しかし、彼は弁護士による控訴を取り下げ、絞首台への道を選んだ。母一人子一人の不幸な幼年時代から、凄惨な殺害現場の模様まで。母親へのインタビューも加えた迫真の犯罪小説。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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4.0電話の向こう側には、感動があった。 あなたがかけた通販の電話。沖縄につながってるって知ってましたか? 東京の商社をリストラされた理美は、故郷の沖縄に帰った。しかし、働き口はコールセンターしかない。いやいや面接に行ってみたものの、その近代的な設備に圧倒され、働くことを決意する。研修がはじまった。役を演じろ、ウイスキーの顔を作れ! など、はじめて聞かされることに戸惑う日々。そして、実務につく日がやって来た。クレーマーにおせっかいおばちゃん、かまってちゃんなど、トラブルにてんやわんや。そんな理美が、会社の代表として「電話応対コンクール」に出場することになる! 手に汗握るコンクールの結末は? 果たして理美は、日本一になれるのか? あまり知られていなかった業界のディティールと、そこで働く女性の成長を描く、本邦初のコールセンター小説の誕生です!
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3.0元アイドルが、探偵界のセンターに挑む! 人気絶頂のアイドルグループを惜しまれながらも卒業し、昔からの夢を果たしてガールズケイリン選手となった「ゆらち」。いつかケイリン界のセンターに立つべく、練習に明け暮れる毎日だ。 ある日、絶大な人気を誇る女流漫画家が自宅で殺害された。よりによって、容疑をかけられたのは、ゆらちの叔父であり競輪の師匠だった。殺害された日に、師匠は女流漫画家の新作の取材目的で会うことになっており、漫画家宅近くでの目撃証言もある。 殺人などできるわけながない師匠の嫌疑を晴らすため、ゆらちは元アイドルの人気と人脈、ケイリン選手である機動力と体力を活かし、難事件の解明に乗り出すのだが……。逆転に次ぐ、逆転! 真犯人は果たして……。 元スーパーアイドルのケイリン選手は、ミステリー界のセンターに立てるのか?
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 昭和初期、日米親善のためにアメリカから日本へ贈られた青い目の人形と、それに応え日本から贈られた市松人形。太平洋戦争勃発で数奇な運命をたどった「小さな親善大使」たちのその後を現在まで追跡し、戦争の愚かさと平和の大切さを訴える移植の書き下ろしノンフィクション。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 アジア新世紀の鍵を握る都市・上海……折しも天安門事件10周年。新たな胎動を始めた中国の先端都市を牛耳る金脈と人脈をあぶり出す著者会心の書き下ろしノンフィクション。(1999年発表作品) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 武田側との通謀を疑われ、徳川家康は正室築山殿と嫡男・信康の処分を織田信長から強要される──。信長への忠誠か、子への愛か──究極の選択を迫られた家康は伊賀忍者の頭目・服部半蔵に切腹の使者を命じる。徳川一族を陥れんと暗躍する武田方の間者との死闘、横筒を吹く謎のくの一。天下取りの影に抹殺された男の生きざまと、歴史の節目に見え隠れする忍びの者たちの活躍と苦悩を描く。拓殖重兵衛『半蔵の槍』後日譚を併載。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
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4.0魅惑のホテルを舞台にした31編の旅物語。 建築プロデューサーを志す「僕」は、通勤中の交通事故で入院したことをきっかけに、それまで勤めていた設計事務所を辞めることを決意する。将来の夢は「究極の空間」を設計すること。そのためには、若いうちに外国の一流建築を見て回りたい。世界各地の「憧れのホテル」に泊まって、ゲストの心を掴む秘密を知りたい…。 そんな想いを抑えきれず、二十代の後半からしばしば貧乏旅行に出るようになった。相棒は、愛用の一眼レフのカメラ。 ニューヨークでは、フィットネス・センターで大男を激怒させて大ピンチ(「ジョン・ポートマン」)、フェニックスでは、ホテルの駐車場に寝泊まりしてゲストになりすます(「フェニックスの寝床」)。その後も、インドのシュリナガルでは、ボートホテルの料理の秘密を知ってショックを受け(「湖上の選択」)、エジプトのアスワンでは、老婦人が紹介してくれる友人に下心をふくらませる(「ミミ」)。そして、イタリアのサン・ジャミーノで出会った少年が教えてくれた「ブラウニーの伝説」とは……!?(「ブラウニーの棲むところ」) 笑いと歯ぎしりが満載!! 眠るのがモッタイナイ、魅惑のホテルを舞台にした31編の旅物語。 解説はB’zの稲葉浩志さん。 【ご注意】※この作品はカラー写真が含まれます。
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-恋愛と戦争、旅と読書を語りつくした随筆集。 [色]―口紅、汗、匂いとエロス。男を待つ時間の記憶。少女から大人の女へと時は過ぎゆく。 [旅]―日々を暮らす福岡から自らの分身「マイマイ新子」のふるさと山口県防府へ、そしてアジア、ヨーロッパへ。 [風]―老いの問題から拉致問題まで、9・11からイラク攻撃まで。2002年から2009年までの世界を丸ごととらえた斬新で古びない時事評論。 [流]―中高年の恋愛は「黄色の純愛」だ。映画やオペラ、音楽を娯しみ、昨日の通りに明日を生きる。 [本]―読んだつもりの本と嫌いなはずの本を語り、川端康成・三島由紀夫から須賀敦子・吉田修一までを味わう。 そして、巻頭には夢のような恋愛を描いた珠玉の短篇小説「花迎え」を特別収録。 高樹のぶ子の魅力を一冊に収めた芳醇なエッセー集。
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3.8本好きの作家がつづる、心躍る読書エッセー。 ひとりひとりの人生が重なり合い、関わり合っただれかの時間が縫いつなげられ、無限へ、永遠へと広がっていく。本が、物語がある世界とは、なんとすばらしいのだろう。 この本は、まるごと物語にのみこまれることの至福に満ちた、すべての本とすべての本を必要とする人へのラブレターだ。 著者は語る――「収録してある本はほとんどすべて、読みたくて読んだものであり、読んでみておもしろかった本ばかりだ。こんなにも世界にはたくさんの本がある。私はこれらの活字を追いながらじつに膨大な、幸福な時間を過ごしてきた。その幸福な時間が、この一冊には詰まっている」
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-忍術使いの侍が活躍する本格時代劇が登場! 著者の谺雄一郎氏は、2010年に小説『十三人の刺客』を上梓し、映画の大ヒットと共にその確かな筆致で注目を浴びた本格派時代劇作家です。今作品は御家人・多々羅醇堂を主人公とする書き下ろしシリーズの第一作目になります。 …時は江戸末期。多々羅醇堂は、気楽な御家人生活を送る酒好きな快男児。しかしもう一つの顔は江戸に起こる事件の数々を追う名探偵。名奉行遠山金四郎から密命があれば得意の忍術を使って怪事件を解決していく---。 実直な旗本・座光寺伊織が何者かに惨殺された。不可解なこの事件を醇堂が追っていくうちに、時の将軍の側妾・お美代の方が密かに催す淫靡な宴の実態に突き当たった---。 小粋な芸者・蔦吉、美丈夫な七化けの巳之助ら力強い手下も活躍して事件の闇を暴いていきます。
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5.0甘い幸せな嘘が詰め込まれたラブストーリー 都会での新進気鋭のシナリオライターというプレッシャーから逃避行したナオキ。すべてを投げ捨て、あてもなく彷徨いたどり着いた海の美しい港町で、彼はバーテンとなる。そこで出会った家族のような常連客の面々、そして、真っ白な画用紙のようにピュアで心の美しい琴美との恋から、彼は次第に自分を取り戻す。そしてそこでの出会いをバネに取り組み始めた、新たなシナリオ。 その頃、世間では新しいドラマが人気を博す。そこで描かれる恋愛は、まさに琴美が大切にしている、彼との秘密のデートだった。「なぜ?」・・・そして、次第にすれ違う、二人の恋。ドラマの中で進む、二人にそっくりな恋愛模様。 ドラマは終盤、皮肉にも脚本家としての自分を取り戻したナオキが、それにより琴美とすれ違いはじめ、二人の恋愛は、ハラハラ、ドキドキの展開に。 ドラマの恋の行方は?そして、ナオキと琴美の恋の行方は・・・? ベストセラー「あらしのよるに」の著者、きむらゆういちが書き下ろしたラブストーリー(文庫版)を電子化。
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4.2復活した悲運の作家の青春小説集 泳いで、酔っ払って、泳いで、酔っ払って…。夏の大学町を舞台に、若い男女たちが織りなす青春劇。プール、ジャズ、ビール、ジン、ラム、恋愛、セックス、諍い、そして暴力。蒸し暑い季節の中で、「僕」とアキ、文子、道雄、慎の4人は、プールで泳ぎ、ジャズバーで酒を飲み、愛し合い、諍いを起こし、他の男たちと暴力沙汰になり、無為でやるせなく、しかし切実な日々を過ごす。タイトルの出典であるガルシア・ロルカの詩の一節「僕らは共に黄金の服を着た」は、「若い人間が、ひとつの希望や目的を共有する」ことの隠喩。僕たちは「黄金の服」を共に着ることができるのだろうか? 他に、職業訓練校での野球の試合をモチーフとした「オーバー・フェンス」、腎臓を患って入院している青年の日々を描く「撃つ夏」を収録。青春の閉塞感と行き場のない欲望や破壊衝動を鮮烈に描いた短篇集。「黄金の服」と「オーバー・フェンス」は芥川賞候補作品。
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4.3人気作家が挑む、3.11以降の世界 『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の作者、5年振りの現代長編! 未来を見失ったすべての人たちに贈る、傷ついた魂たちの再生と挑戦の旅路。 2011年3月11日、東日本大震災発生。 多くの日本人がそうであるように、平凡なサラリーマン・野田圭介の人生もまた一変した。 原発事故、錯綜するデマ、希望を失い心の闇に囚われてゆく子供たち。 そして、世間を震撼させる「ある事件」が、震災後の日本に総括を迫るかのごとく野田一家に降りかかる。 「どうだっていいよ。仮に原発がなくなったって、どうせろくな未来はないんだ」 「被災地の人たちには悪いけど、ここだけは無事に済みますようにって、本気で祈ってる自分が情けなくて……」 「道筋だけ示しておいてやれ。目指すべきものが示されれば、放っておいても子供たちは歩き出す」 傷ついた魂たちに再生の道はあるか。 祖父・父・息子の三世代が紡ぐ「未来」についての物語――。
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3.650年を経て甦る、映画を超える本物の感動 どうにもならない事情から、無人の昭和基地に置き去りにされた15頭のカラフト犬たち。その一年後、「タロとジロが生きていた!」という奇跡的なニュースに日本中が沸き返った。あれから50年。南極第一次越冬隊に「犬係」として、さらに一年後の第三次越冬隊にも参加し、タロジロとの再会を果たした唯一の人物である著者による、真実の感動ストーリー。映画『南極物語』にも描かれていない、探検と観測の一年。そして犬たちとの日々――。
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-困難な時代を生きた戦国時代の29人の肖像戦いに明け暮れた戦国時代は、生と死は隣り合わせの時代だった。 男たちは夢や理想を抱いて、乱世を生き抜こうと戦ってきた。 敗戦を通じて、落胆することなく自らを鍛え上げてきた者。困難な状況をものともせずに、力をたくわえ己の立場を築いていった者。 さらに男たちは、運命を分かつ決断のときどう動いたのか――。 徳川家康、直江兼続、黒田官兵衛、千利休ほか、本書に登場する二十九名の男たちは、我々を勇気づけ、今後のヒントを与えてくれるに違いない。 二〇〇九年NHK大河ドラマ『天地人』原作者が、思いを寄せた人物を通して描く、逆境に打ち克つ生き方。
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3.6映画化決定でふたたび話題沸騰! 2017年「年間ベストセラー総合第1位」(日販・トーハン調べ)のエッセイ集が待望の文庫化。新たに本書が売れに売れた後の「怒濤狂瀾の日々」を綴ったエッセイや、旭日小綬章を受章した際の爆笑記者会見の模様、畏友・瀬戸内寂聴さんの解説を収録しています。 小学生からお年寄りまで世代を超えてゲラゲラ笑いころげる面白さで、各界の著名人も笑って泣いて大絶賛! ◎安藤優子さん 「とにかく痛快でした。言いたいこと言って、縦横無尽に切りまくる。でも不思議なくらい温かい」 ◎瀬戸内寂聴さん 「彼女の表現にはユーモアがあって、笑わせますよね。全28編、それぞれ必ず1回か2回は、思わずゲラゲラ笑ってしまいました」 ◎辻村深月さん 「読み終えて本を閉じ、思わずにはいられなかった。九十歳、それでもやっぱりおめでたい、と」 ◎又吉直樹さん 「本を読んで、久しぶりに笑いました!」 2018年に亡くなった落語家・桂歌丸さんは「この本は年寄りの教科書。佐藤さんの“角張った生き様”は老い先短い自分がどこに向かうか考える上で、とても参考になりました」と仰っていました。 ※この作品は単行本版として配信されていた『九十歳。何がめでたい』 の文庫本版です。
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3.9時代小説界最後にして最強の新人! 主人公・秋月六平太は、かつて信州・十河藩の供番(籠を守るボディーガード)を務めていたが、家中の権力闘争に巻き込まれゆえあって浪人となった。いまは裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の付添い屋(これもボディガード)で身を立てている。 血のつながらない妹の佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えているが、本人にその気はない。相惚れの髪結い・おりき、音羽界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次とともに、浮き草な日々を過ごしながら、付添稼業を続ける日々だ。 その六平太のまわりには、幸せになりきれないが、一生懸命生きている人たちの悩み事が今日も迷い込むのだった。妹・佐和の祝言までを描くシリーズ第一弾。「雨祝い」、「初浴衣」、表題作「留め女」、「祝言」の四話を収録。人情話ここにあり!
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4.4月9ドラマ、完全ノベライズ! 天然パーマが印象的な久能整は、友だちなし恋人なし、そしてカレーを愛する大学生。晴れ渡った秋のある日、アパートの自室で気分よくカレーを煮込んでいたところ、突然、玄関のチャイムが鳴った。やって来た男は、大隣署の刑事・薮。整はそのまま任意同行を求められ、身に覚えのない疑いをかけられて事情聴取を受けることになる。 事件の被害者は、整とは高校・大学の同級生で、薮によると犯行の目撃者もいるらしい。二日、三日…と取調べが続き、刑事たちと言葉を交わすうちに、整は事件の裏側に隠された「事実」に気づくことに!? よどみなく次々と繰り出される整の鋭い言葉が、真相を浮かび上がらせ、人々の心も解き明かす――。人気漫画家・田村由美による大ヒットコミックを原作とした、主演菅田将暉のTVドラマを完全ノベライズ! (底本 2022年2月発行作品)
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4.0作文得意な少女は作家になる夢を追いかけた。 全三章の構成。 第一章「〈希望〉を書く」――小学生時代の作文修行から作家デビュー、数度の挫折を経て直木賞受賞までを描く半生の記に始まり、「武道館で見たくらいに小さいけれど、でも見える」という愛に満ちた長文の忌野清志郎論など。全21篇。(第一章は全体の半分を占める) 第二章「旅の時間・走るよろこび」――〈旅のエッセイ〉と見せかけて実はフィクションという見事な短篇小説「それぞれのウィーン」で幕を開け、「永遠、という美」と題したシャネルN゜5のドキュメントがつづく。そして台湾・韓国・バリ・スペインへの旅、さらには那覇マラソンと西表島マラソンの鮮やかな記録。全12篇。 第三章「まちの記憶・暮らしのカケラ」――これはUR都市機構の雑誌に連載された17篇を一挙収録。住んでいる町の素顔から東日本大震災で失われた町、そして日々の暮らしを生き生きと描いたエッセイまで。全17篇。 2012年から2019年までに書かれたエッセイの中から厳選した充実の一冊。そのなかでも冒頭に収録した半自伝は女性誌に連載された15ページに及ぶ感動的な名篇である。 ※この作品は単行本版として配信されていた『希望という名のアナログ日記』の文庫本版です。
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3.9林真理子が描く『風と共に去りぬ』第一巻! 〈小説『風と共に去りぬ』を読んだことがあるだろうか。私を作家へと導いてくれた小説である〉――自身の「原点」と語るあの名作を、ヒロイン、スカーレット・オハラの一人称小説として林真理子が鮮やかにポップに現代に甦らせた! 南北戦争時代の米国ジョージア州。「このあたりいちばんの美人」ということになっているスカーレットは、わがままでうぬぼれやで思慮浅く、華やかなドレスとパーティー、そして男の子たちにちやほやされるのが大好き。「他の娘の恋人を奪うのが趣味」だと、まわりの女子どころか実の妹にまで嫌われている。 そんな史上最強のヒロインの波瀾万丈な人生。恋あり、三角関係あり、冒険あり。最高に面白い、待望の第1巻!
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-男子に野球で挑む、名門女子校のモガ9人! 時は、大正十四年七月――。 東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅は、洋食屋《すず川》の一人娘で、十四歳。 ある日突然、級友の小笠原晶子に、「一緒に野球をしていただきたいの!」と誘われた!? 親が貿易を営む御令嬢の威厳に圧され、思わず頷いてしまう小梅……。 野球がどんなものかをまったく知らないのに! どうやら、小笠原家のパーティーに出席していた、朝香中学の岩崎荘介に関係している模様。 しかも、晶子と荘介は、なにやら因縁があるらしく――。 なんとか、英語のアンナ先生から野球を教えてもらえることにはなったが、思わぬ壁が立ちはだかって。 大正モガが、野球にグルメにと、ハイカラな時代を奔り回る、シリーズ第一弾!
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4.3最高の調味料は、“優しさ”と“思いやり”。 中原温人は社会人四年目の少女マンガ編集者。恋人のたんぽぽさんと、美味しい食事をするのが一番の楽しみ。そんな彼が作る料理は、人の心の綻びを癒してくれる。そこには「優しさと思いやり」が詰まっているから――。 心の空腹も満たす美味しい八皿、どうぞ召し上がれ。 ●第一話 肉じゃがよりも優しく ある日突然温人の家を訪れた姉・木の実。仕事のトラブルに落ち込み、号泣している。見かねた温人は、姉に肉じゃがを供する。時間をかけてじっくり煮込んだ、甘く蕩けるような味わいに、木の実は自分を省みるのだった。 ●第二話 きのこパスタは戦わない 人気マンガ家・卯月りおんの原稿が上がらないという。編集部に不満を覚え、一方的に絶縁宣言したのだ。助けを求められた元担当の温人は、食材を携え卯月の仕事場に赴く。 ●第三話 山形のだしエクスプレス 温人の友人・琉惺は、家柄も外見もパーフェクトなイケメン。そんな彼が、同僚女性に恋をした。だが温人が話を聞くと、琉惺の恋愛ベタが発覚し……。 登場レシピは卵焼き、ホットチョコレート、卵リゾット、カレー、親子丼など。大切な人に美味しいごはんを作ってあげたくなる。心温まる全八編。
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4.0笑ってしんみり。元気が出る物語エッセイ。 この本は、見事な「恋愛小説集」だ。フィクションとエッセイの間を行ったり来たりする不思議な作品ぞろい。これを物語エッセイと名づけることにしよう。2010年12月に刊行された単行本に、強烈きわまりない〈マチコさん〉を主人公にした中篇(筑摩書房刊『問題があります』所収)を加えた完全版。全34篇を収録。著者自身によるイラストレーションも多数掲載しています。 ※没後10周年の企画として、表紙を差し替えました。 この作品は2014年5月より配信している『そうはいかない』の内容と同様のものです。
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4.8全ての親娘に。もらい泣き必至の結婚式小説。 「あたし、生まれてきてよかった」 ベストセラーシリーズ『バッテリー』完結から12年! ついに辿り着いた あさの文学の最高到達点! 謹啓 光がきらめきを増し、本格的な夏の到来を感じるころとなりました。 この眩しい季節に、わたしたちは結婚いたします。 つきましては、わたしたちの結婚の宴にぜひとも ご臨席をお願いしたく、 招待状をお送りさせていただきます。 わたしたちが、わたしたちの新たな旅立ちを 祝っていただきたいと思う方々だけを ご招待した、ささやかな宴です。 ご多用中とは存じますが、どうか、よろしくお願い申し上げます。 謹白 日時 七月一日 午前十一時より 場所 やまべリラホテル 二階 インディゴ 九江 泰樹 瀬戸田 萌恵 「私たち、本物の夫婦になれるかな?」 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『末ながく、お幸せに』 の文庫版となります。
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-生きてるクジラを楽しもう! 2018年12月、突然IWC(国際捕鯨委員会)からの脱退を表明し、2019年7月より商業捕鯨を再開することになった日本。世界的な反捕鯨の風潮のなか、それは正しい選択なのか? クジラとの長い歴史をもち、クジラの恩恵を深く受けてきた日本だからこそ、新しいクジラとの付き合い方があっても良いのではないか? ジュラ期の恐竜、ブラキオサウルスの25メートルよりもさらに10メートル以上も長い、現存する地球最大の哺乳類、クジラ…そのクジラが目の前でジャンプする姿を見ることが、面白くないはずがない。好奇心のかたまりのキューソク氏が、自ら体験したクジラの魅力と不思議をたっぷり語る、汗と涙と笑いの体験的事始め探鯨エッセイ集。今回のIWC脱退問題および最新鯨図鑑+ホエール・ウォッチングポイントガイドも付いて、この一冊で、居ながらにして、今日からあなたもクジラを丸ごと楽しめます。
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-勝海舟を妻たみの視点で描くシリーズ第1作。 辰巳芸者のおたみは、贔屓にしてくれている函館の豪商渋田利右衛門の席で幼馴染みの勝麟太郎と再会する。麟太郎は、野犬に襲われたおたみを命懸けで助けたことがあった。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと言ってくる。無理な話と諦めていたおたみの所に、ある日麟太郎の父小吉がやってきた。小吉には気に入られ姑のお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言を挙げ、溜池のあばら屋に所帯を持った。新婚生活はしばらくすると薪を買う金もなくなり、天井板をはがして使うようになった。 麟太郎は、蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を1年借り受け、2部写本を作る作業を始めた。1冊を自分の学問用に、1冊は高額で売ることで家計が潤うのだが、毎月500枚を移すという難作業を、おたみも協力することで成し遂げることができた。 一家は3人の子どもに恵まれ、小吉の死後は母親お信と麟太郎の妹お順が同居してきた。 麟太郎は大砲作りを指導したあと、幕府に取り立てられ、海軍伝習所に勤め、さらには咸臨丸に乗船してアメリカに行くことに。麟太郎は、夢に向かって突き進んでいた。
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2.5孤独を見つめる作家が描いた最高傑作! 少年の頃に足を怪我し、父を亡くし母親の手で育てられたわたしは、母に気兼ねする内向的な性格になっていた。そして、親しかった友人の自死と、恩師とも言える神父の失踪。若き日の二つの喪失を抱えて生きるわたしの前に現れたのが、教え子である女子大生の真琴だった。 心ざわめくわたしは、真琴に勧められるままに山陰の神社を巡る旅に出ることになった。それが、二つの喪失に関しての謎を解き明かすことになるとは――。 波風の立たないように静かに暮らしていたわたしに、大きな転機が訪れる。 構想6年。美しい文章で綴られた著者の最高傑作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。
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-映画「かぞくいろ」の小説版ストーリー。 地方のローカル線を舞台に鉄道にまつわる人々の人生を綴った映画「RAILWAYS」シリーズ第3作。夫を突然亡くしてしまった奥園晶は残された夫の連れ子・駿也を抱え、夫の故郷・鹿児島に住む義父・節夫に会いに行く。節夫は、長い間疎遠だった息子の死、突然現れた息子の嫁、久しぶりに会う孫の存在に困惑。行くあてがないという2人を自宅に住まわすことを決め、3人の共同生活が始まる。生活のため仕事を探していた晶は、義父と同じ肥薩おれんじ鉄道の運転士を志し、試験を受けることを決意。新しい出発を夢見るが…。 映画では、辛い生い立ちの中、やっと手に入れたはずの幸せも崩れ、それでも強く生きるシングルマザーを有村架純、とまどいながらも二人を温かく支える義父を國村隼が演じる。 本作は、映画脚本を原案にオリジナルストーリーを盛り込んだ小説。有村架純演じる晶の裏に隠された波乱の人生に感涙必至です。
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-耽美女子vs九州男児の異色のラーメン小説。 家族経営の博多とんこつラーメン店「満月亭」。店の前で行き倒れていた耽美ファッションの怪しい女を、見るに見かねてラーメン店で雇うことに。ひたすら美しい世界を探求するその女は、店の中を完全に耽美の世界へと模様替え。ラーメンと耽美という異色なコラボレーションが博多で反響を呼び、地元テレビ局が取材に訪れる。それをきっかけに大ブーム到来。あれよあれよと人気店に成長するのだが・・・・。老舗ラーメン店に突如舞い降りてきた少女は、店を救う天使か、それとも廃業に追い込む悪魔なのか?!ラーメン嫌いな耽美女子と生粋の九州男児・蓮華によるラーメン戦争勃発!新感覚ラーメン小説誕生!
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4.0イケメン和裁士が解く、着物に隠された秘密。 ファッション雑誌から、着物専門誌の編集部へ突然異動になった陽菜子は、体力だけが自慢の新米編集者。極度の着物嫌いな母親の影響で、アンチ着物派だった陽菜子は、思いがけない事態に戸惑いを隠せない。さっそく取材を任されて向かった浅草で、美形の和裁士・桐彦にインタビューすることになるが、知識のなさを思い切りさらして大失敗! 桐彦はそんな陽菜子を「ねこちゃん」と呼び、未熟さをからかってきた。『会いたくない男ナンバーワン』に認定した桐彦と、その後もたびたび顔を合わせる陽菜子は、いつも余裕な態度で陽菜子に意地悪する桐彦にムッとするばかりだった。 そんなある日、母親と違い着物を愛する祖母に教えを請おうと、祖母の古い着物を見せてもらうことになった陽菜子。だが、美しい着物たちの中に一つだけ、無残な保存状態の着物が。祖母の様子に疑問を感じた陽菜子は、着物の専門家である桐彦に相談をすることになって……。 いじっぱり女子と眼鏡着物男子な和装士が、着物にまつわる謎と秘密を解き明かす! じれったい恋の行方も気になる、浅草着物ミステリー!!
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4.0「裏日本」の魅力満載、酒井版『陰翳礼讚』。 常に時代を先取りする話題作を刊行してきた酒井順子氏が、“控え目だけれども鋭い光を放つ”日本海側の魅力を存分に伝えるエッセイ。 経済発展=幸福と、太平洋側を「表」として走ってきた日本ですが、とくに東日本大震災以降、その構図はくずれつつあります。経済至上主義によって、私たちは、日本人にとって大切なものをたくさん失ってきたのではないかということに、多くの人が気づき始めています。 そして、その開発の手を逃れて、ひっそりとマイペースで生きてきた日本海側=「裏」には、裏だからこその日本の大切なもの=「幸せ」が、たくさん詰まっていることに、日本中を何度も旅してきた著者は魅了されました。 都道府県別幸福度ランキングでは、トップ3は福井、富山、石川の北陸三県。富山にある世界一のスタバ、日本海が必須の演歌、美人が多い秘密、谷崎潤一郎、水上勉、泉鏡花、川端康成が描いた「裏」、顔を隠す盆踊り、金箔のほとんどを生産する金沢…などなど 「裏日本」の宝ものが次々と紹介されます。「裏の幸せ」を求めて旅に出たくなるエッセイです。
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4.3みずみずしい感性が光る永遠の恋愛小説集。 「ひとつ例にとると、『傘を探す』という作品。僕はこの、失われた雨傘を探して夜の街を、人から人へとめぐり歩くストーリーをいまでも面白いと思います。 もし若い佐藤正午がこれを書いていなければ、いま僕の手で新たに挑戦してみたいくらいです。 短編集『夏の情婦』を読み返して、この五編がいずれも、書くべきときに書かれた小説である、と三十年後のいま思える、それが僕の率直な感想です」 (本書「三十年後のあとがき」より) 「鳩の撃退法」、「月の満ち欠け」と、次々に小説読みたちを唸らせる傑作を発表し続けている著者が、「永遠の1/2」でのデビュー直後に執筆した恋愛小説五編を収録。 「傘を探す」の他には、小説賞を受賞した三十一歳のぼくがネクタイを介して大学生の自分と年上女性との恋愛を追憶する「二十歳」、男と女のフラジャイルな関係を気だるい夏の残暑のなかに再現してみせた「夏の情婦」など。 いずれも恋愛をテーマにしているものの、その語り口は変幻自在で、すでに「小説巧者」の片鱗をうかがわせる作品ばかりだ。 【ご注意】※集英社より一九九三年三月に刊行された文庫をもとにして、新たに著者が書き下ろした「三十年後のあとがき」を加えて、再文庫化したものです。
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-抱腹絶倒してしんみり。交友エッセイの名品。 全9章構成。吉行淳之介 阿佐田哲也 尾上辰之助(初代) 芦田伸介 園山俊二 柴田錬三郎 秋山正太郎 近藤啓太郎 生島治郎 脇役も多士済々。著者が名エッセイストである証拠に、吉行淳之介の章から一場面をご紹介。 《いかなる経緯からか、膣外射精の話となり、何気なく「あれは妊娠の怖れがありますからね」と口を挟むと、卓上の三人の手が止まった、ように感じた。視線を牌から上げて御三方のご尊顔を拝し奉ると、各様に眉を上げたご表情。/(……)「いえ、あの、先っぽがちょいと濡れますところの、カウパー線液とやら言うんでしたっけ? あの中にも精子が含まれておりまして……/聞き囓りの、我が膣外射精危険説は却下された。/「数十年、その枝に頼りしも、我、かくなる仕儀と相成りしことの一度としてあらざるなり」「阿呆も休み休みに」。/翌日、「あー、吉行です。昨夜の膣外射精野郎は、そのうち手痛い目に遭いますな。いや、貴君が正しい、正しい」。/医者に確かめたのだという。/(……)/感心を通り越して、嗚呼、ぼくは凄いサロンに身を置いているのだなと、見開いた目の中を多数の精子があっちへ行ったりこっちへ来たり。》
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5.0悩みも悲しみも笑い飛ばす最強女の一代記! 匹田サダ、大分の名家生まれ。サル顔が原因で田舎の農家へ嫁に出される。実家への対抗心から村初めての精米所を設立し、大繁盛。男の子を九人産んだ。女太閤様。ブスでも鼻つまみものでも、超魅力的and超パワフル! ボンボンの兄や、美人の妹に負けちゃおれん。サダは家族を飢えさせることもなくよく働いたが、歯に衣着せぬ物言いのせいか、誰にも好かれなかった。息子たちにまでくそババアとののしられたが、それでも彼女は、日本一の女太閤様だった。 「私にはな、金剛様がついちょるんじゃ。じゃあけん、精米所をやれば成功するし、子どもを産めば、みな男の子じゃ。金剛様にかぎらず神様も仏様も、自分の足でしっかり立っちょる者の味方じゃけんな」 悩みも悲しみも笑い飛ばす、最強女の一代記!
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-尊厳ある死を迎えるための老詩人の試みとは。 広告制作会社でクリエイティブ・ディレクターとして働く42歳の私は、CF撮影で17歳のモデル、サキと知り合う。自宅が近いということもあり、サキを送って行くが、彼女は途中コンビニに立ち寄り、大量のパンと菓子を買い込み、「あなたの部屋に連れて行ってください」と懇願した。私の家に着くと、サキは購入した食べ物を一気に食べ、今度はそれをすべて吐いた。案じて私がサキの肩を抱くと、彼女は「あたしと、セックスしたいですか」と訊く。そして、「でも、するのは祖父の部屋だけにしてください」と続けた。後日、サキの祖父の部屋に行くと、そこには斑ボケの始まった78歳の老詩人、長谷川がベッドにひとり横たわっていた。長谷川はすでにほとんど寝たきりで、下の世話も自らままならずの状態。私はサキに頼まれ、長谷川を風呂に入れるが、老詩人の刺激的な言葉に共鳴するものを感じるのだった。以後も長谷川の部屋を訪れることになる私だったが、ある日、この老詩人の口から、彼が心に秘めていた計画を打ち明けられるのだった。
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-超絶エンタメコミックノベライズ化第二弾! 警官を懲戒免職された、元気と腕っ節の強さが取り柄の男・菊川玲二。その資質を見込まれた菊川は、薬物を扱うヤクザ・数寄屋会の轟周宝を捕らえるべく、潜入捜査官になっていた。数寄屋会の直参になるため、数寄屋会総本部に菊川は日浦たちと乗り込んだが、幹部から直参の条件として、菊川は轟周宝のボディーガードを務め、極悪非道なチャイニーズマフィア・仙骨竜を関東から一掃しろという任命を受ける。 そんなある日、轟周宝の美しい妻・毬子と娘・カレンの買い物に同行をしているところを仙骨竜に襲われてしまい、なんとカレンが連れ去られてしまう……。そして、カレンは上海に連れて行かれたことが分かった。菊川は無事にカレンを連れ戻すことができるのか!? 2016年12月23日より全国東宝系にて映画公開予定の、『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中、大人気コミック『土竜の唄』。ノベライズ化は待望の第2巻です。
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4.2本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫版を電子化! 新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。 サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。 本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!!
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4.8この医療活動は日本の底力だ。 簡易ベッドで埋め尽くされた待合室、廊下にあふれる被災者、家族の安否もわからないまま不眠不休の極限状態で働く医療従事者の姿――東日本大震災で災害医療の最前線となった石巻赤十字病院での全記録です。 約20万人が居住する石巻圏の医療施設がほぼ壊滅状態となり、唯一、水没を免れ、自家発電機を所有していたこの病院に人々が殺到。また、石巻市役所が浸水のため孤立、一時は300か所以上に膨れあがった避難所への医療提供やアセスメント(評価付け)も医師自らが担いました。結果的に救えない命も少なくはありませんでしたが、それを最小限に留める努力を、赤十字の組織力と機動力をもって全力で行ったこの病院の取り組みは、今後の災害医療のモデルケースになるともいわれています。 かつてない規模で行われた過酷なトリアージ、津波被害特有の“低体温症”患者への対応、避難所の劣悪な環境が引き起こした肺炎――石巻赤十字病院が体験した死闘の100日間を追い、そこで生まれた様々な人間ドラマと交差させながら描くノンフィクションです。 ロングセラー単行本を、増補(5年後の石巻赤十字病院・約1万8000字)した文庫化版を電子化! 【ご注意】※この作品はカラ―写真が含まれます。
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3.0愛猫喪失から立ち直っていく男女を描く物語。 「もしもあなたが誰かを本気で愛したら、行き着く先には悲しみがある。悲しみ以外のものはない。なぜならあなたの愛した者は死ぬ。それでも誰かを夢中で愛したあなたは救われる。私にそのことを教えてくれたのは、一匹の猫だった……」(プロローグより) 著者自身の、愛猫との別れの体験をもとに、喪失から再生、そして、小さな生き物たちを愛することの素晴らしさをとことん掘り下げた物語。猫を描かせたら右に出る者はいない小手鞠るいの、作家生活の集大成となる渾身の小説。
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-「モンスターU子の嘘」作者の悪女小説。 「演じること。それがわたくしのすべてです。女優・清宮朝子も藝の神様が与えて下さった役だと思い、一生懸命演じております。わたくしに素顔なぞいりません――」 誰もが目を奪われ、憧憬の眼差しを向ける銀幕のスタア・清宮朝子は、数々の名作を残すも、突如、姿を消してしまう。 それから、月日の流れた平成二十五年春。ある保険会社のテレビCMを機に再燃した清宮朝子ブームを背景に、彼女を大伯母にもつ女優・清宮凜子、そして彼女の母で元女優の清宮祥子は、某テレビ局の開局六十周年期年のドキュメンタリードラマ「清宮朝子を探して」の製作記者発表会見に臨んでいた。伝説の女優を係累に持つ凜子が、再現ドラマで朝子を演じるという話題性で、多くの報道陣が詰めかけていたのだ。半世紀を経て、謎の失踪を遂げた朝子の狂気の第二幕が今、上がる。
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-ドラマ「ホテルコンシェルジュ」小説版! 非日常が味わえる外資系一流ホテル「ホテル・フォルモント」。そのホテルの料飲部から念願のコンシェルジュデスクに配属になった天野塔子は、「絶対にお客様にノーと言わない」がモットーの体育会系女子だ。完璧主義者でプロ意識の高い先輩コンシェルジュ・本城和馬や、一流旅館で究極のおもてなしを身につけたヘッドコンシェルジュ・珠久里太一などとともに、日々、お客様の笑顔のために奮闘していた。 一方、合理主義者で利益率を高めることに躍起になる日本法人社長・成沢暎一は、海外のホテルを渡り歩いたホテルウーマン・片岡美穂子を経営戦略室ゼネラルマネジャーに迎える。片岡は部下思いで現場肌の総支配人・鷲尾陵介と元同僚だというが……。 どんなお客様も必ず笑顔にしたい! 豪華なホテルを舞台に、ホテルマン&ホテルウーマンの至極の“おもてなし”を描いたハートウォーミングストーリー! TBS系ドラマ「ホテルコンシェルジュ」の小説版の文庫版を電子化。上巻は小説版第一話から第五話を収録です。
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-【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 競馬界の1年の総決算ともいうべき有馬記念は実力日本一を決定するレースでもある。そこでは、本命馬の圧勝、息詰まるマッチレース、奇跡の復活、そして大波乱と、さまざまな歴史に残る名勝負が繰り広げられてきた。その中から、シンザン、カブトシロー、テンポイント、オグリキャップ、トウカイテイオーなど感動の10戦を、「優駿」誌上に掲載された寺山修司、山口瞳、遠藤周作、古山高麗雄らの観戦記で再録。さらにその後の馬と人を書き下ろしの「蹄跡」で追う『十番勝負』シリーズ第3弾。
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5.0【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 面妖怪異な風貌、1メートル90センチを超える巨体。豪快な勝ちっぷりの反面、あっさりと敗北を喫し、玄人に好まれた横綱男女ノ川。反面、男女ノ川は「奇行」の人であった。横綱になって早稲田大学に入学。引退し、角界初の一代年寄になってもあっさり廃業。その後、衆議院議員に立候補して惨敗。私立探偵、保険外交員などになり、アメリカ映画に出演すらした。最後は老人ホームに入り、野鳥料理店の下足番として生涯を閉じた、まさに波乱万丈の「奇人」ぶりを活写する。