作品一覧 2024/05/08更新 猫目荘のまかないごはん 値引きあり 試し読み フォロー あやかしよろず相談承ります 試し読み フォロー かすがい食堂 試し読み フォロー からくり探偵・百栗柿三郎 試し読み フォロー クロワッサン学習塾 続巻入荷 試し読み フォロー 断片のアリス(新潮文庫nex) 試し読み フォロー 散り行く花 試し読み フォロー ねんねこ書房謎解き帖 文豪の尋ね人 試し読み フォロー 拝啓、未来に生きた昔のぼくへ 新選組青春録 試し読み フォロー 冥土ごはん 洋食店 幽明軒 試し読み フォロー 落語家、はじめました。~青葉亭かりんの謎解き高座~ 試し読み フォロー 1~11件目 / 11件<<<1・・・・・・・・・>>> 伽古屋圭市の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 猫目荘のまかないごはん 伽古屋圭市 タイトルと文庫背表紙の印象から猫目荘で作り出される美味しいご飯食べて癒されて…なんて温かくほのぼのとの〜んびりとしたゆるい系小説と思って読んだらそんな事はなかった! いや、そういう一面もあるけれど、それだけではなかった。 それだけではなかったのがすごく良かった! 家族との確執から家を出て東京へ、東...続きを読む京へ来ても就職、婚活もうまくいかず自信をなくした伊緒。 まかない付きに惹かれ猫目荘へ入居した。 そこで出逢う人々、事柄が自分の人生と向き合う覚悟をくれる! 自分の足で一歩を踏み出そうとする伊緒の葛藤が描かれている。 ふっと刺さる言葉が、改めて噛み締める言葉が、猫目荘の住人の人生の中に散りばめられている。 伊緒を通し、自分自身もいかに狭い世界の中で生きているか思い知らされた気分。 とにかく動け、自分の人生の中で自分自身がコントロール出来る事を増やす、その覚悟…そして世の中の多様性…頭で理解する事と心が理解する事はまた別なのだという事…自分の中では分かっていたと思っていた事は実はいかに頭の中でしか理解していなかったのか、そして息苦しいと思う身の回りは実は自分自身が壁を作りどんどん狭くしてしまっていた事…今更ながら思い知らされた。 自分の今を生きる事が手一杯で必死すぎて気付けば雁字搦め…身動き取れなくて苦しくさせているのは自分自身ということに気付けなかった。 視野を広げるって、自分を解放するってこういうことなんだよ!となんだか腑に落ちて気持ちが少し軽くなった! 本書との出会いに感謝! Posted by ブクログ 猫目荘のまかないごはん 伽古屋圭市 変に斜に構えたりせず、素直な気持ちで読むと「いいなぁ...」と思える(^ ^ ひねくれて見ると、善人ばっかりしか出て来ないような印象で(^ ^; うっそ臭ぇ、と言えなくもない(^ ^; 住人たちは「あぁ...いそうだな、こういう人」と「まさかそんな...」の間くらいの絶妙なキャラで( ^ ^ でき...続きを読むすぎな感じもしなくもないが、でも物事がうまく転がる時って、すべてがこう「流れに沿ってハマる」んだよなぁ...とも思えて(^ ^ つまり、すべてが「極端に走る」ことなく、絶妙なバランスで成り立っている、ということなのでせう(^ ^ そのバランスを保ちつつ、最後まで破綻なく、しかも面白く描ききった作者は、やはりただ者ではない(^ ^ ちょうどうちの子供が大学を辞めてニートな生活をしている時に読んだので、何というか普通以上に感情移入してしまったような(^ ^ Posted by ブクログ 猫目荘のまかないごはん 伽古屋圭市 読みやすくて癒されました。 今年の読む1冊目に選んで良かったです! こちらの作品は本屋さんで表紙の可愛らしさに惹かれて購入しました。 古い建物だけど格安家賃が魅力の下宿屋「猫目荘」。降矢伊緒は再就職も婚活もうまくいかず猫目荘にやってくる。 2人の男性大家が作るまかないは読んでいて食べたくなってきます...続きを読む。 猫目荘の住人たちやボタン(猫)と過ごすうちに伊緒は 今までとは違う考えや気持ちに気がついていきます。 伊緒の過去に何があったのかも大きく関わってきます。 周りに合わさせる生活より自分らしく生きたい! 読後感も良くオススメしたいです。 Posted by ブクログ 猫目荘のまかないごはん 伽古屋圭市 なりわざか、かりうどめさつじんも、なにくわないきやらわかわいかわいなおかん、きやっばれえ、ひぞくもしかあ!なかいからわかばいたん?も、とちいるびびりあここ、いだしだしをとわれなかったいぬわしよりの、ひくいひたまおんちようただだよ!いくいないかあかいかだより、あこうろ?ろぱねくすよりのよいと、たまつけ...続きを読むだいかあ、や、どすいばんじようのはっかあめやよりあみらあぜ、ほしもふるよな、よなきはん、しきい?へどくそんと、ぱたとちりとあんはたにはたをあかるくししゆうもしか!おんなぬんか、じやまくにこさんまつたかそんしたぜよ Posted by ブクログ 猫目荘のまかないごはん 伽古屋圭市 購入したきっかけは単純で、「表紙に猫がいたから」というだけのもの。出版社の広報アカウントが「猫」関連で取り上げていたから、作者さんを知りもしないまま本屋で在庫確認をしたら「理論在庫はあるはずなのに見当たらない、取り寄せ対応でも良いでしょうか」と店員さんに頼まれて、そこまでして読みたい気持ちがあったわ...続きを読むけではないけれど、断るのも何だしとそのまま取り寄せてもらってお迎えした本でした。 わざわざ取り寄せたのだから、面白いと良いのだけど。期待があるのかないのかわからないまま読み進めて、最初は主人公の身勝手さにイライラしました。悲劇のヒロインに酔っているのか?その程度のことで?と序盤は全く共感出来なかったのですが、猫目荘の住人たちを一人、一人と知って、主人公の価値観が増えていく、視野が広がっていく中で、自分にもまた気付きがあると思いました。 接客業へのスタンスが、主人公とは全く違うのにどこか似ている。プロ意識があるからと割り切っているつもりでやはり割り切れない気持ちの叫びが主人公とリンクした時、ボロボロと涙が溢れていました。 私は毒親育ちです。主人公のように恵まれた境遇にはなく、親が敷いてくれるレールすらない。そういう面では主人公に反発を覚え、けれど主人公の料理をしないという気持ちがどこから生まれたのかが紐解かれた時、根本にあるのが自分も似たような想いだと気付いて、新井さんの言葉に救われたのです。 弟と、歳の離れた末の妹は自由に遊んでも許された子供時代、私とすぐ下の妹だけは「女の子なのだから」と家事をやらされて、それをすごく不満に感じていました。兄弟の格差、女の子なら料理が出来て当たり前、そんな風に育てようとする親が嫌で、そんな親の理想通りの「女の子」になりたくなくて、私もまた主人公と同じように親に反発して料理を教わることはすまい、家事に人生を費やすまいとどれだけやらないかで生きてきました。 泣いている主人公を案じて新井さんが駆けつけてくれて、話を聞いてくれて、理解を示してお菓子作りを強要するのではなく時間だけを共有してくれた時、「いいなぁ」と思いました。私には猫目荘はなく、新井さんもいないから。 でも、猫目荘の住人たちが示した価値観は、主人公に投げかけた言葉は、住人たちが私に向けるものではなくても、苦しんでいる一人一人の心に届いた作家さんの言葉で、自分にもまたそれを汲み上げることが出来るのではないかと思えた時、主人公の成長と共に私もまた自分自身を見つめることが出来ました。 正直、この作品の主人公にはクセがあります。合わない人はきっとどこまでも合わないでしょう。 けれど、うつ病を患い、かつて月に20冊程度は読めていた本が月に2冊程度読むのがやっとまで落ち込む中でそれでも何とか自分らしさ、自分の好きなことを取り返したくて1日数ページずつ頑張って読んでいたこの本で、かつて自分が読書に抱いていた気持ち、どうして本が好きなのかを思い出すことが出来ました。 決定的だったのはシチューの描写。他のまかないは元々親への反発で料理を勉強して来なかった私には作るには難易度が高いのだけど、具だくさんのシチューをおいしく食べる主人公に、すごく羨ましい気持ちになって。でも、シチューなんて自分でも作れるんですよ。病気になって何もかもが億劫で、自分自身をケアすることも出来なくて、それでもそれを「仕方ない」と諦めていた私。具だくさんのシチューを作る。たったそれだけのことさえ自分のためにしてあげられない、してあげない私。それに気付いた時、どれだけ自分が自分を蔑ろにしていたのかと現実を目の当たりにしてハッとさせられたのです。 私は大袈裟なのかもしれませんが、事実としてこの本は、精神疾患や親との確執に苦しむ人間の心に届きました。努力することを諦めてはいけないこと、食事や人との関わりが大切なこと、何より、自分が自分を大事にして、信じて、一歩ずつでも歩いていくこと。それらを思い出させてくれた、素晴らしい良作です。 1日1食、最低限生命を維持出来る程度にエネルギーを摂取出来ればそれでいい。食事に対してそんな風に投げやりになっていた私の意識を変えて、自分を愛することの意味を気付かせてくれた大切な一冊になりました。 Posted by ブクログ 伽古屋圭市のレビューをもっと見る