• 有頂天家族

    森見版平成狸合戦

    森見ワールド炸裂!
    ちょっと笑えて、ちょっと切なくて、ちょっと感動できるお話です

    阿呆なら阿呆らしくと堂々と生き抜く狸家族に迫る罠
    でも罠を仕掛けるライバル狸一家もまた阿呆揃い
    阿呆と阿呆の化かし合いに平和的決着は訪れるのか

    そんな阿呆らしく、カオスな物語だけど、ウルッとさせてくれるのは流石森見登美彦といったところでしょう
    そして最後はほっこりします

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  • 水族館ガール4

    前に進んだ

    色々と前に進みました。
    不器用ながら一歩一歩、仕事も恋も。
    いやー、成長しました。由佳も、梶先輩も、ヒョロ君も。

    水族館の裏側を見せてくれる本シリーズ、今回はラッコとペンギン。
    可愛いだけじゃない生態や事情を教えてくれます。
    今までこういった水族をぬいぐるみのように可愛いと思っていた人でも、
    これを読むと彼らを可愛いではなく、愛おしいと思うようになるのではないでしょうか。
    そんな水族館のスタッフのような気分にさせてくれます。

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  • 遺跡発掘師は笑わない 悪路王の左手

    古代歴史ロマンと、意外な展開

    岩手の平泉を舞台にした歴史ロマンとミステリーに引き込まれました。
    世界遺産の地で、桓武天皇やら坂上田村麻呂やら阿弖流為やらの遺物を巡って謎の敵と戦う主人公達。
    しまいには百済王だの台湾の政治家の陰謀だのまで絡んで一体誰が誰の敵なのか味方なのか、話がどんどん複雑になっていきます。
    でも、最後に事件の真相に迫ったときは、あ、こう来たか、そうかそういうことかと納得させられます。

    古代史と近代史、それに複雑な人間関係が織り交ぜられた緻密なミステリーです。
    歴史好きでなくても楽しめますし、思わず歴史が好きになりそうです。

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  • 遺跡発掘師は笑わない まだれいなの十字架

    尻上がりに面白くなってく

    第1巻はそれほどでもなかったのですが、2巻3巻と巻を重ねるに連れ尻上がりに面白くなっていくシリーズです。
    この第3巻目までくると主要登場人物達のキャラクターも立つようになって、物語の世界に入り込みやすくなります。
    繊細でぶっきらぼうな天才肌の主人公無量、それに恋する体力自慢のお笑い担当萌絵、無量の保護者のような冷徹イケメン忍、おっさんを絵に描いたようなやり手所長の立石と、読むほどに味が出てくる各キャラクターが物語を盛り上げてくれます。

    なによりストーリーがよく出来ています。
    考古学や歴史をよく調べて、緻密なストーリーを作り上げています。
    歴史好きはもちろん、そうでなくてもミステリーありスリル...続きを読む

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  • 四十郎化け物始末 3冊合本版

    気楽に読める

    剣の腕もそこそこ立つし、頭も割とよく回るが、人間臭いダメ親父感のある浪人が、ある日勢いから化け物退治を生業とするというコミカルな作品です。
    妻は、くノ一と違いシリアスさはないので気楽に読めます。

    出てくる化け物も本物の化け物じゃなく、人が色んな企みを持って化け物騒ぎを起こしてるのですが、まあ出てくる人物がどいつもこいつも人間臭い、憎めない。

    オヤジの哀愁が漂った作品です。

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  • パパママムスメの10日間

    家族に感謝の気持ちを思い出して

    家族3人の心が入れ替わるというコメディです。
    面白可笑しく描かれてますが、お互い立場を入れ替えたために見えてくるものがあり、当たり前だと思っている互いの仕事や家事や学生生活を経験することで、互いの立場を理解し、それぞれに感謝の気持ちを持つ、そういう大事な事を思い起こさせてくれます。
    ハートウォーミングな作品です。

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  • 水族館ガール3

    水族の生態と人間の成長ドラマ

    ドジで一生懸命な主人公がまた帰って来ました。
    今作では更に水族館員として成長しています。
    ただ、ドジっぷりもパワーアップ。でも、そんな時はやっぱり先輩が助けに来てくれる?かな?

    そんなお約束もありつつ、今作でも水族と水族館の裏側を紹介しながら、昨今の社会事情も絡めながら、爽やかに物語が進んでいきます。

    但し、今回は今まで以上に難問が水族館に降りかかります。
    そして、主人公だけではなく、水族館全体、館員全員が右往左往の大騒ぎ。
    しかも、それを取り仕切るリーダーにドジ主人公が立候補で、騒動はエスカレート。

    頼りの先輩は出張延期でこっちも大忙し。
    果たして水族館と恋の行方はどうなるのか?

    ...続きを読む

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  • パパとムスメの7日間

    父、あなたは偉大ではなかった?

    よくある心が入れ替わった系の小説ですが、これは親娘が入れ替わるというのが新しいです。
    そして娘に言われるがままの父、あなたは偉大ではなかったのですか?
    しかも娘が会社でも活躍するという。

    内容的には予定調和的なコメディで読みやすいです。
    今時の大手会社員の悲哀も皮肉を込めて描かれてます。
    シリアスだったり重い話だったり泣けたりはしないので、
    リラックスして読める感じです。

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  • 風神秘抄【上下合本版】

    平安ロマン

    日本の史実と神話を題材としたロマンティックなファンタジーです。
    主人公の草十郎と糸世が成長してゆくのを見てると、愛おしく感じてきます。
    あと、ヘンテコな烏の鳥彦丸がいいキャラ出してます。彼がいなければ面白さが半減するのではないでしょうか。
    全体として話の構成もよくまとまってて、読み易いです。

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  • 白鳥異伝[下]

    悲運を超えて

    悲劇と悲恋が続く中、主人公達がどう悲運を超えて行くのか、最後の最後までドキドキしながら読みました。
    ひたすら運命に抗い、一途に想い人に尽くそうとする主人公達の姿は、思わず応援したくなり、最後は報われて欲しいと願わずにいられませんでした。

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  • 白鳥異伝[上]

    悲恋の行方は

    日本神話シリーズ第3作目ですが、今回は最初から不吉な予感が漂っています。
    主人公はいつもながらのやんちゃな女の子です。悲劇を乗り越えながら成長してゆくのですが、果たして彼女の悲恋の行方はどうなるのか。報われてくれれば良いのだけれど。

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  • 薄紅天女[下]

    愛憎渦巻く古の都

    登場人物それぞれの愛と欲と憎しみとがぶつかり合ったり、すれ違ったりして、怒りやら悲しみやらが渦巻きます。
    高貴な生まれ故に自由に自分の人生を決められない自由気ままなヒロインが、どうやって運命を乗り越えて行くのかが見どころです。

    キャラクターそれぞれがクセがあって、衝突したりしてるけど、皆憎めないんですよね。皆が皆大事な誰かの為に戦ってるので。だから最後は誰もが幸せになる道が見つかって、読後感が良かったです。

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  • 薄紅天女[上]

    日本史ロマン

    日本史の奈良、平安時代あたりを舞台にした冒険活劇です。
    坂上田村麻呂とか出て来て、都に降りかかる呪いやら、東国の蝦夷退治やらなんやらと、日本史好きな人には良さそうです。

    そんな中で、物語の核となるのは、敵方の兵士と恋に落ちた少女の悲恋と、それに引きずられる少女の生まれ変わりの少年と、少年の元気な取り巻き達の愛憎入り交じる冒険劇。
    少女漫画のようであり、少年漫画のようでもある作品です。

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  • 空色勾玉

    儚くも愛おしい神話

    日本神話をベースにした物語です。
    ファンタジーであり、ロマンティックでもありますが、冒険物でもあります。
    ファンタジー系少女マンガといった趣でしょうか。小説ですけど。

    ただ一点、編集の仕方が残念です。改行がなく、読み辛い点があります。

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  • 流星ワゴン

    大人のSF

    親子関係を主軸にした、不思議な旅の物語です。
    ハートウォーミングで、読後にちょっと勇気をもらえる作品です。

    人生に失敗した主人公が不思議なワゴンに乗って過去を見直す旅に出る。その中で自分に関わった家族とのすれ違いやぶつかり合いを経て、もう一度自分を見つめ直す。
    自分もそんな経験出来れば良いんですけどね。
    現実は小説じゃないから出来ないけど、でも読んでる内に自分の人生も見つめ直させられます。

    そんな感じの、人生の岐路っぽい所に立ってる、若くもなく、年寄りでもない、まだまだ先は長いんだけどいつの間にか折り返し地点に来ちゃってる中途半端なポジションにいるおじさん向けのSF小説です。

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  • 中原の虹 全4冊合本版

    中国近代戦国史

    清朝末期から中華民国建国までを描いた戦国史とも言える作品です。
    史実と異なる点は色々ありますが、スケールの大きな時代小説と言えます。

    作中ではどうも中国人というものを過大評価しているようですが、その辺はフィクションということで、日本人の好みに合う中国人像が描かれているのでしょう。
    昔の日本人は中国に幻想を抱いてますからね。

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  • 蒼穹の昴 全4冊合本版

    壮大と言うに相応しい故事

    一言で言い表せば「壮大」に尽きます。
    悪名高い西太后と、己の野心ばかりの側近達と、腐敗しきった官僚達とが織り成す、今の中国にも通ずる権力闘争の物語。
    巨大過ぎる国家をどう纏めるのかというのは難題ですね。本作にはその苦労が描かれています。

    歴史好きも、そうでない人でも、読むほどに物語に引き込まれて行くでしょう。

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  • ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~

    新たな展開へ

    物語は1つのピークを迎えました。
    ここから終盤へ入っていくようです。

    次巻ではまた厄介な敵が再登場しそうです。
    複雑な家族関係はどうなっていくのでしょうか。

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  • ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~

    ラスボス登場

    今巻でついにラスボスが登場しました。
    前の巻まで名前だけはずっと出ていた、例のあの人です。別に名前を言ってはいけないわけではありませんが、ネタバレを避けるためにと思い、あしからず。

    そしてついに、栞子さんと五浦くんはあの人と初対決します。その過程で周りの人物の秘密も徐々に暴露されてきます。今まで色々打ってきた布石が今巻では効いてますね。

    五浦くんと栞子さんも、なにやら進展があった模様。
    栞子さん達は、今後あの人との新たな戦いに本格的に挑むのでしょう。続きが気になります。

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  • ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~

    少しづつ成長暴かれていく謎

    この本を読んでると、作者は本当に本が好きなのだな、と感じます。
    1巻につき3冊程著名な古い本が紹介され、ザックリとあらすじや作者にまつわる話、他の関連本等も紹介されます。
    読者は自然にそれらの本に興味を抱くようになるんではないでしょうか。

    本巻では、古本に関する謎を解きながら、少しづつ主人公栞子さんの謎にも迫ってゆきます。
    栞子さんと五浦くんの運命はどうなるんでしょうか。続きが気になります。

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  • ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~

    そもそも栞子さんが謎

    古書店店主の栞子さんが古書にまつわる謎を解いていく体の物語ですが、そもそも栞子さんが謎です。
    どうやらこの2巻でその謎解きの入り口に入ったようです。
    ここから古書店の店員であり、栞子さんに憧れる五浦くんによる謎解きが始まるのでしょうか。栞子さんも自分の運命に立ち向かわなければならなくなりそうです。
    五浦くんは果たして栞子さんの心を開かせて、めでたく結ばれることができるでしょうか。

    話が段々盛り上がってきそうな予感がします。

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  • ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

    古書好きの事件簿

    古書をめぐる事件の数々を古書店の店主が推理し解決していくというお話です。
    主人公?は店員の五浦さんで店主の栞子さんではない模様。
    店主は頭は切れるが、人に心を開かず、いまいち腹黒い。

    ストーリー作りは良く出来ていて、万能鑑定士Qのような雰囲気の作品です。

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  • 水族館ガール2

    クスっとくる、水族館裏話

    1巻より面白い。尻上がりに面白くなってく感じです。

    水族館の裏方、苦労話を個性豊かな面々がコミカルに物語ってくれます。
    水族館のお仕事のみではなく、水族館の社会的役割や意義、海洋生物の生態等のためになる話が多く、でも登場キャラクター達がコミカルに掛け合いながら教えてくれるので、知識が意識せずともスーッと自然に頭に入ってきます。

    新しい事にチャレンジし、失敗しながら成長してゆく主人公、それを温かく厳しく見守る豪快な上司達、癖のある外部業者とのやり取り等、リアルお仕事系小説としても面白味があります。

    また、職人気質な梶先輩との恋に四苦八苦、しかも今回は遠距離で右往左往してる主人公の姿も面白い...続きを読む

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  • 合本 陰陽師(一)~(十二)【文春e-Books】

    ゆるりとした、怪しい物語

    陰陽師安倍晴明と、音楽の才人源博雅を中心とした、雅な都に起こる奇怪な物語です。
    様々な怪異を解決する天才陰陽師と、本人は自分でよく分かってないながら鋭いアドバイスをする人の良い博雅のコンビに、妖怪じみたライバルの芦屋道満、面倒は全て晴明に丸投げの師匠賀茂保憲。それぞれがそれぞれに活躍します。

    基本的にはショートストーリー集なので読みやすいです。あまりアップダウンのある物語ではなく、ゆるゆると進んでいくので、読んでいる側も雅な気分になります。

    人の執念や欲や情が人を鬼に変え、または人と神や仏と呼ばれる力を持つものとのこじれた関係を直してゆく、というのが基本となっており、そこに人々のドラマが垣...続きを読む

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  • 超合本 妖怪アパートの幽雅な日常

    本当に優雅な日々

    妖怪及び妖怪並に怪しい人間の住むアパートに引き入れられた、迷える高校生の成長物語です。
    周りの人々に支えられながら、トラブルを乗り越えて少しづつ成長していく主人公と、その周りの人々の織りなす人生劇です。

    物語自体は面白いのですが、事あるごとに出てくる「今時の若者は」論調が不快でした。
    説教親父のように突然始める今時の若者批判が、せっかくの物語の雰囲気をぶち壊している点が残念です。

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  • 路地裏のあやかしたち3 綾櫛横丁加納表具店

    最後は晴れやかに

    ラストは爽やかに終わりました。清々しい読後感です。

    奥深い表具の世界で個性の強い妖怪達が綴る心温まるストーリーは、3巻で終わってしまうのが勿体無い位愉快なものでした。そして主人公の青年の成長、もう少し見てみたかった気もします。

    登場人物達が(半分は人ではないけど)互いを思いやりながらも騒動を巻き起こす、それに振り回されっぱなしの青年、同情しながらも羨ましい気持ちにもなります。こんな妖怪達なら会ってみたい。

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  • 路地裏のあやかしたち2 綾櫛横丁加納表具店

    前巻よりも面白い

    人間の常識からかなり外れた感性と思考を持った、やたら行動力のある妖怪達に振り回される主人公の人間の高校生、ちょっと可哀想だけど、それ以上に妖怪達との暮らしを楽しんでるようで、微笑ましいです。

    ほのぼのした妖怪コメディといった感じの作品です。

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  • 路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店

    不思議な表具の世界

    表具屋という、日本画を飾るための掛け軸職人を生業にしている化け狐と、お仲間の愉快な妖怪の面々のちょっと奇妙な物語です。
    心霊現象を解決していく体のショートストーリーですが、特段怖いというわけでもなく、むしろほのぼのしています。

    何百年も生きてる妖怪達の話ですが、妖怪達が随分と現代化しています。
    個人的には化け狸の樹さんのキャラが気に入りました。人を化かそうとしているのに、分かりやすすぎる性格で周りに見抜かれまくってるとかw。良い人、いや狸なんでしょうね。

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  • かのこちゃんとマドレーヌ夫人

    小さな成長物語

    小さな女の子と、人間と犬の言葉を理解する猫との、少し不思議な物語です。
    小さな女の子、かのこちゃんの成長と、それを温かく見守る両親と、一緒に成長する親友のすずちゃんとの心温まる小さな物語。そこに不思議な猫のマドレーヌ夫人がかのこちゃんを優しく手助けをする、読んだ後に心が少し暖かくなる本です。
    また、マドレーヌ夫人の夫である犬の玄三郎さんもとても素敵です。

    これは小学校の図書館に置いておくべきの本ですね。

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  • ホルモー六景

    あれ、もしかして本編より良い?

    鴨川ホルモーの外伝的短編集なのですが、もしかしたら本編より面白いかも。
    意味不明なホルモーという競技を題材にしているのに、意外にも話が広がりを持ってます。
    シリーズ化したら結構面白いのではないのでしょうか。

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  • 鴨川ホルモー

    真剣なバカバカしさ

    ストーリー自体はバカバカしいながら、その中で真剣にもがき空回りする主人公達の様子に共感します。
    本人は真剣なんだけど、傍から見ると笑いのネタにしかならないという物悲しさ。自分にもそういやそんな経験があったなと、痛い程身につまされます。

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  • ペンギン・ハイウェイ

    淡い初恋物語

    独特の文体で定評のある森見氏ですが、今回も炸裂してます。
    少年とおっぱいの大きなお姉さんとのちょっと不思議な物語。藤子F不二雄氏のSF短編集を思い起こさせるような、素敵なお話です。

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  • スロウハイツの神様(上)

    下巻を読んで

    下巻も読んでからレビューを書きました。
    上巻だけだと話も盛り上がってないので、そんなに面白くないと感じてましたが、これは是非下巻も読んで頂きたい。
    上巻はただの前菜です。メインディッシュとデザートは下巻にあります。

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  • スロウハイツの神様(下)

    長い双方向片思いの末に

    最後は愛、で締めますか。しかも急展開、なようでいて、実はそれまでの全てが最終話の振りだったと。

    最初はトキワ荘のような、作家の卵の集まるアパートでの個性的な住人にそれぞれ降り掛かる悲喜こもごもの人生劇場を描いてるのかな、と思ってたら、あら不思議。まるで関係ないように思えた1つ1つの小さなお話が、最後にミステリー小説の謎が解ける瞬間のように1つに繋がっていく、辻村深月小説の醍醐味、最終話での大どんでん返しが待ってます。

    上巻は盛り上がり処に欠け、主人公の環にも共感できず、そんなに面白くないなと思ってたら、下巻になってからストーリーが深くなっていき、一気に面白くなってきます。なので最後まで読み...続きを読む

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  • アルケミスト 夢を旅した少年

    退屈

    世界的な評価は高いらしいですが、自分には正直言って退屈でした。
    理由としては、基本的に一神教的な価値観に基づいて書かれた物語である点です。結局全ては神の手によって人の運命が決められていると、それを学ぶ旅をする少年の物語が本書の肝な訳ですが、信じてない人間にとっては何でもかんでも神頼みで、信じてれば必ず助けてくれるとか、非常に宗教的で御都合主義です。

    自力で成長して運命を切り開いていくハリーポッター等の小説の方がよっぽど好感を持てます。
    同じ様な心の旅系の児童書なら、特定の価値観や哲学に固執していない星の王子さまの方がずっと面白いです。

    一神教徒でなければ特に共感もできず、面白いとも感じない...続きを読む

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  • 図書館戦争+別冊図書館戦争 全6冊合本版

    後味は、甘く

    これまでも有川氏の作品は何冊も読みましたが、これぞ正に代表作!
    シリアスな戦闘あり、駆け引きあり、無茶作戦あり、ピンチあり、笑いあり、でも最後はやっぱり甘々な展開になるんですね。
    第1巻で散々堂上をチビチビ罵ってた主人公郁が、最終巻では堂上教官に嫌われたらどうしよう~とか、勝手にやっとれいといった感じです。

    エンタメとして様々な要素が詰まっているので、万人ウケすると思います。
    有川作品初めての人には丁度いいかも。どんな作風か分かりやすく、読みやすいので。

    別冊2巻で主人公以外の恋の行方も決着ついたようで、スッキリ終わってます。

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  • 水族館ガール

    水族館の実態

    水族館の裏側が見れる小説です。
    個性的な人々の中に飛び込まされた新人職員の、コミカルな奮闘記。ドジあり、失敗あり、励まされ、恋もする、それでも少しづつ成長してゆき、一人前になったかなと思ったら、結局またドジをする。そんな主人公と共に、水族館で働いている気分になれる、水族館好きにはたまらない作品です。

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  • 冷たい校舎の時は止まる(下)

    最後は雪解けのように

    上巻を読むとホラー感満載ですが、下巻を最後まで読んだ後は、雪解け後の季節のように、冷たく澄んだ、爽やかな空気が心の中を流れるようでした。

    登場人物それぞれの、一見無関係のように思える過去の物語が意外にも1つに繋がっており、上巻から続く謎が解けていく様は、まさにミステリー小説さながらです。
    ホラー、ミステリー、青春、恋愛と、様々な要素を兼ね備えており、誰でも楽しめる作品ではないでしょうか。

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  • 冷たい校舎の時は止まる(上)

    続きが気になる

    一言で言えば、誰かの精神世界に閉じ込められた8人の高校生のお話で、ミステリーとホラーの要素が混じってます。
    そしてよくある、この中の誰か1人が実は。。。といった展開なのでしょうか、下巻を読まないと分かりませんけど。

    なにより引き込まれるのが、この辻村深月という作家のストーリー作りの巧みさです。無関係に思える各登場人物の細かなサイドストーリーが、複雑に絡み合い1つの大きなストーリーの全体像を徐々に浮かび上がらせていく。それでいて一人一人のキャラクターがしっかりと描かれている。その構成のストーリー作りの巧みさは女性作家の中ではNO.1なのではないかと思ってます。

    上巻を読み終えた時点ではまだス...続きを読む

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  • 大統領の首 妻は、くノ一 蛇之巻3

    ついにフィナーレ

    くの一の物語もついにフィナーレが訪れました。
    儚く散っていく忍者の運命を乗り越え、たどり着い新大陸での戦いにも終止符が打たれます。
    何だか一つの人生を見尽くしたような気分になります。
    まさに大団円!

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  • 幽霊の町 妻は、くノ一 蛇之巻2

    まさかの鴈二郎登場

    まさかまさかの鴈二郎登場です。しかも容姿が変わっていないとか。
    果たしてこの先織江と彦馬は鴈二郎と戦う事になるのでしょうか。

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  • いちばん嫌な敵 妻は、くノ一 蛇之巻1

    新たな戦い

    日本を離れてアメリカで新たな戦いが始まりました。第1巻は敵の紹介といった所です。
    2巻以降本格的な戦いが始まるのでしょうね。

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  • RDG レッドデータガール 全6冊合本版

    いつの時代も愛は地球を救う

    一言で言えば山伏と陰陽師と忍者の霊能学園バトル。
    漫画の原作になりそうだな、と思ったらなってるんですね。

    山伏やら陰陽師やら戸隠やらが出て来て、表に裏に駆け引きを重ねていくのが基本基軸になってますが、そこに日本のそういった密教の歴史が豆知識のように出てくるのが面白いですね。

    ストーリーり尻上がりに盛り上がっていきます。優柔不断な主人公にイライラさせられる部分はあるものの、周りの仲間と共に少しずつ成長していくのを見るのも面白いものです。そして最後は大体途中から読めてくるとは思いますが、愛は地球を救うものなんですかね。やっぱり。

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  • 妻は、くノ一 全10冊合本版

    江戸末期の浪漫譚

    まず、歴史小説としては書き方が現代的であり、非常に読みやすいです。なので若い人でも十分に楽しめます。むしろ若い人向けといえる無いようです。

    七夕の織姫と彦星を連想させるような、くノ一の織江と賢い変わり者の彦馬。お互い再会を願いながらも、くノ一という過酷な運命を背負って孤独に戦い続ける織江、それを一途に追い続ける彦馬。ロマンチックでもあり、ドラマチックでもあり、悲劇も喜劇もありの恋物語です。
    そこに彦馬の上司でもある松浦静山のスケールの大きな野望が絡んでくるので、壮大な歴史小説ともなっています。
    そして実在の人物である松浦静山と彼が実際に記した甲子夜話も、物語の重要な鍵となっており、これらへの...続きを読む

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  • 夜は短し歩けよ乙女

    文章でしか伝わらない面白さ

    本作品は漫画化もされているようですが、文章でしか伝わらない面白さもあります。
    古風でモダンな京都を舞台に繰り広げられる、古典的で斬新な恋愛喜劇。
    古都京都に巣食う天狗やら古本の神様やら風邪の神様やらを巻き込みつつ、主人公は意中の乙女を射止めるべくがむしゃらに無駄な努力を重ね、遂には地に足が着かずに京都の冬空へ飛び立ちます。
    恋愛街道全力逆走の彼に微笑むのは、恋の神か笑いの神か?

    猥褻で爽やかな五ツ星の現代浪漫譚です。

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  • 四畳半神話大系

    摩訶不思議な恋物語?

    古めかしい語り口で語られる、卑猥なる四畳半パラレル恋物語。
    主人公は孤高なる生き様を貫く?自堕落な大学三回生。
    それに付け入るは、パラレルワールドを行き来し悪事の限りを尽くす妖怪小津。
    無茶な要求ばかりする、仙人のように達観した小津の師匠、樋口。
    樋口師匠と激しい悪戯合戦を繰り広げる城ヶ崎先輩。
    そんな人々 (主に小津) の巻き起こす騒動に巻き込まれながらも、怠惰さを以て抵抗する主人公の前に現れた一輪の華、黒髪の乙女、明石さんとの四畳半での目眩く恋の物語。
    なのでしょうか。

    独特の語り口が印象的な作品です。
    表紙は可憐で古風な乙女が幻想的なタッチで描かれていますが、内容は大正ロマンな乙女の恋...続きを読む

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  • 海の底

    パニックホラー系

    ハリウッドによくあるような、モンスターがうじゃうじゃ出てくるパニックホラー物のような展開ですが、アクション主体ではなく、極限状態での人間関係の機微を描いたドラマチックなストーリーです。
    どちらかというと、パトレイバーや踊る大捜査線のような感じです。
    でも出てくるキャラクターは、あぶない刑事のように飄々としていながら、繊細であり、それでいてたくまし人を持ったたちです。

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  • 空の中

    引き込まれる駆け引き

    空の中に居た謎の生物との焦れるような言葉の駆け引き。
    大人と子供と老人と、男と女のギリギリの駆け引き。
    そんな駆け引きに引き込まれます。
    作者曰く、大人向けのライトノベルだそうですが、確かに子供には難しいかも。

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  • 塩の街

    奇想天外なSF ラブストーリー

    人類滅亡の危機、それを救うのは元自衛官、そしてその恋人に待ち受ける過酷な宿命!
    と、まるでハリウッド映画のような展開。
    しかし、ハリウッドの作家でも思いつかないような奇想天外な設定に、アクの強いキャラクター。
    それを甘くて苦い、そして切ないラブストーリーでまとめ上げる、凄いとしか言い様のない作品です。
    無茶苦茶な設定のはずなのに、読んでる内にその世界観に待ち受けるにドンドン引き込まれます。
    これぞジャパニーズSF 。

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  • 女医が教える 本当に気持ちのいいセックス

    男性必読

    女性にとってはごくごく当たり前の内容、男性にとっては必読の内容でした。
    この本の作者の先生と、マリリン先生の本、どちらか一冊は男性は一度は読んでおいた方がいいのではないでしょうか。

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