【感想・ネタバレ】四畳半神話大系のレビュー

そうだ森見登美彦の京都、行こう。

過去を振り返って、あの時ああしていればあるいは…。と考えることは誰しもよくあることだと思います。
この小説ではそんなもしものルートで一体何が起きていたか、いや何も起きていなかったか…。そんな様子を覗き見ることができます。
たらればの道を歩むのもまた自分なのだとすると、実は何をしていても大して現状は変わらないのかもしれない…。

森見作品の京都っていいですよね。先生の作品を読んでいると京都に行きたくなります。
地図にしるしをつけて、作品に登場した聖地の巡礼を行ったこともあります。
そうしてから読み返すと、さらに良い読書体験をすることができますよ。おすすめです。

本作に登場する樋口氏は、別の森見作品『夜は短し歩けよ乙女』にも登場します。
私は、『四畳半神話大系』と『夜は短し歩けよ乙女』のどちらから読むかによって、読者が想像する彼のビジュアルは変化する説を提唱したい…!
紙版の『夜は短し歩けよ乙女』のあとがきにマンガ家・羽海野チカ先生のイラストが寄せられていたので、羽海野先生は『夜は短し歩けよ乙女』から読んだのではないだろうか…と思いました。
どちらも未読で、樋口氏のイメージがどう変化するのか気になる方は、『夜は短し歩けよ乙女』から読んでみるとよいかもしれません。

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Posted by ブクログ

大学の新入生時に選んだサークルによって、その後の学生生活が薔薇色になるか、はたまた無意に過ごすことになるのか。全体が四話で構成されており、それぞれ別のサークルを選ぶ(人生の選択肢を選ぶ)ことによってストーリーが進んでいきます。

第一話から第二話に移ったとき、涼宮ハルヒのエンドレスエイトのような、時間ループものだったら嫌だなと思っていたら、パラレルワールドだったので一安心。ただし、これが四話続くのはキツイなと思いながら読み進めていたら、第四話でちゃんとオチを用意していました。個性的な登場人物たちが語る多彩な言葉遊びや、海外文学にも理解があるなど、著者は頭いいんだなと感心しきり。

それにしても、人生の選択肢を「もしも」と回想したところで、大して変わらない人生…『輪るピングドラム』でいうところの「きっと何者にもなれない」人生なのだろうということは、年を重ねるほど理解できますけどね。若いときを思い返してみると、主人公と同様に、いろいろ思い悩んで違う人生を夢想していた事が、なんだか懐かしく思い出されて、微笑ましい気持ちになりました。

余談ですが、ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』がたくさん出てきます。未読でも問題ないですが、読んでいればより楽しめるでしょう。また
『海底二万里』の他に、スティーブンソン『宝島』、シェイクスピア『リア王』、デフォー『ロビンソン・クルーソー』のあらすじを知っているといいかもしれないです。しかし、どれも名作なので未読の人は一読をおすすめします。

追記:屋台の『猫ラーメン』は、最終話の「八十日間四畳半一周」のタイトルに引用された、ジュール・ヴェルヌ『八十日間世界一周』に出てくる話しが元ネタかもしれない。主人公がインドのボンベイで「ジブロット(兎の白ワイン煮込み)」を注文して食べたら、あまりの不味さに「この兎は殺されるときに、にゃあにゃあと鳴かなかったかね」と給仕頭に問いただす場面があります。こちらの味は、不味かったようですが。

追記:古書店の『峨眉書房』は、李白の七言絶句『峨眉山月の歌』という詩から名付けたのかも知れない。ヒロインの明石さんの嫌いな「蛾」と峨眉山(中国四川省の仙人が住むと言われる山)の「峨」に絡めているのでしょう。明石さんは、古書が好きなので対象的ですね。あと、峨眉(蛾眉)の美人であったり、峨眉山の「眉」は眉唾物の意味で捉えると、本作がより味わい深い作品であるように思えてきました。

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2023年12月28日

Posted by ブクログ

タイムループ系かと思いきや、パラレルワールド
入るサークルによって人生がかわる??

前情報なしだったので最初?だらけだったけど、そういうことか!と分かってからは不思議な世界に入り込んで楽しめました!

あの時こうしておけば。。。と悩んだことがある人ならよりおもしろいかもです!

なにげない日常をこんなに魅力的に描けるのはさすが森見登美彦先生だなと!

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2024年05月14日

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運命の黒い糸にぎうぎうに縛られ不毛で赤裸々な学生生活を送ってしまう「私」だけど、憎みきれない小津との友情も黒髪の乙女明石さんへの恋心もどのみちひっくり返せない運命···こわいよ無限四畳半!バラバラがひとつになる妙味とセルフつっこみ的文章が快感。

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2024年05月14日

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大学生活を終えて、あのときあのサークルに入っていたら、あのときもしこういう経験をしていれば人生違っただろうかと、考えたことがある人におすすめする。

だんだん分かっていく感じも面白いし、「世のため人のためということを考えたとたん手足の関節が動かなくなる」小津と彼のことを妖怪みたいだと思い、うっとうしく思ったり、たまにぶち殺したくなったりする私との関係がとても面白かった。
「夜道で出会えば、十人中八人が妖怪と間違う。残りの二人は妖怪である。しかしながら、彼は私のたった1人の友人であった。」

パラレルワールドの中で、ひとつの世界では私の下着がなくなり、もうひとつでは2倍に増えたりして、つながったり、つながらなかったりしながら四章の話が横に広がっていくのが新鮮に感じた。

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2024年05月08日

Posted by ブクログ

森見さんの代表作。
これがきっかけで、似た空間を繰り返しながら別の話に繋がっていく構成が大好きになりました。
読んでたのは確か高校生…?中学生…?
淡々と進む描写もあれば、「あれ、?そんな描写だったかな、」と戻りたくなる部分もあるなんとも不思議な話です。
また改めて読みたい本。

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2024年03月13日

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森見作品で一二を争うくらい好き。
“私”の選択によって生まれた並行世界。
出会う人や起こるエピソードが、全く同じだったりちょっとだけ違ったり。本当にお見事な小説ですよね!
最終話、四畳半世界から抜け出した後に訪れた鴨川デルタの美しさたるや。似たような文面なのに、他の並行世界で読むより一層キラキラ煌めいた川面が頭に浮かび上がってくるのはマジックだなぁ。四畳半タイムマシンブルースの最後の場面の鴨川の描写も素敵ですよね。
“私”は気づいていないのかもしれないけど、薔薇色のキャンパスライフを送っていて本当に羨ましい。。映画サークル「みそぎ」の一員としてひっそり紛れ込みたいです。

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2024年01月30日

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「あの時こうしていれば」なんて、やり直したってどうせ大して変わり映えしない。無意義で不毛な学生生活も奇怪な友人も捨てたもんじゃないよ。

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2023年12月26日

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森見さんの作品は「夜は短し〜」に続き2作品目。同じ人物もちらほら登場。愉快なキャラクターと文章、独特な世界観、韻を踏むような構成が素敵。

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2023年10月15日

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言葉の豊富さがすごい
楽しい気持ちで読めてとても面白かった
情景や登場人物について色々想像しやすかった
また読んでみたいと思う小説
とても良かった

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2023年10月11日

購入済み

実に楽しい学生たちの生きざま

森見先生好きにはバイブルであろう。私個人的にはアニメが初見だったのだが、アニメも原作も沼落ちするだろう。テンポがよく愛すべき登場人物たちも実に面白い。私も笑いを堪えて読んでいた。

#ハッピー #笑える #アツい

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2023年04月07日

ネタバレ 購入済み

ヒロイン明石さんが魅力的。

TVアニメ化もされた名作。文豪調の語り口がとにかく面白い。
平行世界のSFオムニバス集ともいえるが、全編でヒロイン明石さんのクールキャラと悪友小津のひょうきんさが光る。
続編?から先に読んだので、こちらのほうが倍くらい長くて驚いた。実質2巻分くらいあるかな。

#癒やされる

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2022年10月29日

tea

助演男優賞 小津

いろんな変わったキャラ総出演
特に小津が素晴らしい
森見登美彦さんのセンスのある言い回しが好きです。

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2022年05月03日

購入済み

森見登美彦ワールド

独特の言い回しがとても面白く、笑ってしまう。400ページあり少し長いと思う方もいるだろうが、非常に軽妙な語り口で物語が進んでゆき、テンポがよいので苦ではないと思う。アニメもあるのでそちらもおすすめ。

#深い #笑える #エモい

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2021年07月03日

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4つの平行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。
冴えない大学生の私が、どのサークルに入るかでそれぞれエピソードが変わりますが、ちょっとずつ話しが違ったり同じだったりと工夫されていてとても面白かったです。
登場人物は魅力的な人ばかりですが、やはり小津とは運命の黒い糸で結ばれていたんですね。
『猫ラーメン』や『もちぐま』など、登場アイテムも魅力的。
どのような選択をするかが重要ではなく、どのように行動するかで生き方が変わっていく、ということを感じた作品でした。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

並行世界モノの若干ファンタジーな青春長編。
作品を通して「可能性」について考えさせられる内容だった。
限りたる選択肢から何をして、何をしないのか、その結果どんな未来があるのか。
主人公自身のifもそうだし、主人公と小津の対比も見事!
数ある選択肢から何か一つを選ぶのか、小津のように全部選ぶのか。
学生の頃に戻れるなら自分に読ませたい一冊。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

京都の大学生の奇想天外ストーリー
あれ?パラレルワールド!?
どんどん深みにはまる不思議さ。
なんだかよくわからないけど、ストーリーに流されちゃえ。

そして最後にはちょっと真剣に自分が選んできた人生と、もしも選んでいたらあったかもしれない人生をふと考えてみたりしました。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

森見さんのこのシリーズは大学生の必読書籍にするべきだなあと感じました.
行動を起こすことの楽しさを教えてくれます.

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2024年05月06日

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京都の大学生の主人公が個性豊かなキャラクター達と関わり合って様々な事件を繰り広げていく。4つの並行世界で構成されているので、1つの章が終わった後に次の章でも同じ文面が何度か出てくる。

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2024年03月11日

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大学の時に一話だけ見て挫折したアニメの原作。
ファンの多い作家さんなので、やっぱり読んでみたいなーと思い。

途中までは正直スローペースで読み寝落ちしたりしてたけど(夜間授乳中に読んでるため)、四畳半にとじこめられたあたりから「ん?面白いぞ?なんだこれ?」となりそこから昼夜忘れて一気読み。オモロかったー

京都で鬱々とした大学生活を送る主人公が「もしも別のサークルに入っていたら…?」と不思議な並行世界に迷い込んでいく、ファンタジー?SF?
(ジャンルはよくわからない。)

秘密機関「福猫飯店」とか猫を煮込んだ(という噂の)猫ラーメンとか、四畳半(n)、四畳半(n+1)とか。
見ているだけで心の中のサブカル少女が疼き出す世界観。
そこかしこにでてくる京都の描写も繊細でよい。

文句ばかりの捻くれた若者を叩きおこすようなメッセージ性があり、読み終わった後おいしいご飯やお風呂や周りの人にちょっとだけ感謝した。

とはいえ一番好きだったのは、本の半分くらいがめちゃくちゃセンスのいい悪口やぼやきで構成されているところ。森見先生のワーディング、そういう芸でM-1でれそう。

「まさに悪の権化というにふさわしい。ホモサピエンスの面汚しである。」
↑これは是非今後使っていきたい。

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

読みながら頭の中は?ばかり。
これこそ、ザ森見登美彦ワールドだなと思いました。
この不思議さに慣れてしまえば森見登美彦さんの作品はどれを読んでもおもしろく感じます。
私の?を解決してくれたのは最後の話でした。
なるほどとも思ったけど読んでいるときは不思議でたまらなかったな。
京都の地名が出てくるたびにあの場所かな?とか想像しながら読むのも楽しいです。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一章を読み終わった時点ではこのあとどうやってアニメ化するほど面白い予想外の展開になっていくのか想像できなかったけど、二章、三章でなるほど並行世界の話かつところどころ並行世界同士交わってるなぁと気付かされてからは面白かった。

同じ展開(文章)が違和感なく散りばめられてて洒落た作者だなぁと思った。


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2024年01月03日

Posted by ブクログ

以前読んだ森見登美彦さんの作品が、自分には読みづらくて中々読み進められなかったことから、森見登美彦さんの作品には苦手意識があったのですが、この作品はそんなこともなくスルスルと読めました。めちゃくちゃ面白かったです。終始阿呆なことしかしていないんだけど、それが癖になります。登場するキャラクター全員が愛らしいです。並行世界という話の構成も楽しかったです。

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2023年12月12日

Posted by ブクログ

森見登美彦の作品は文体が独特で少し苦手だったけど、これはするする読めた!

あの時この選択をしていれば、、って悩むことは自分自身多々あるけど、結局同じような結果になるというのは妙に納得してしまった。

キャラクターが魅力的で主人公も小津もアホらしくてかわいらしい。

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2023年11月03日

Posted by ブクログ

パラレルワールド系だからちょっと長いけどこの本見て森見登美彦読むようになったぐらいすきなやつ
京都の大学生が主人公だから文字で読んでるだけだけど京都のその場所が思い浮かぶ感じ☺️
主人公ひねくれ系だから恋愛要素もちょっとあるけど無駄な恋愛描写なくて読みやすい
言い回しがすき!

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大変面白かった。
もしもあの時、こうしていたら…ああしていたら…というパラレルワールドのお話だけど、着地点はみな同じ。
私には、全部「薔薇色のキャンパスライフ」に見える。

樋口師匠がいい。
「我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である」
一見すると意味不明な言葉が輝いている。
アニメも良いです。

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2024年03月28日

Posted by ブクログ

大学生の苦悩と青春を甘酸っぱくバカバカしく描いた作品。
独特の文体は好みがわかれるかもしれないが、慣れると癖になる。装飾過剰で大袈裟な表現が、たまにクスッと来る。
最後に、ああそういうことか、となる仕掛けもあったりして、完成度は高い。

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2024年04月11日

購入済み

摩訶不思議な恋物語?

古めかしい語り口で語られる、卑猥なる四畳半パラレル恋物語。
主人公は孤高なる生き様を貫く?自堕落な大学三回生。
それに付け入るは、パラレルワールドを行き来し悪事の限りを尽くす妖怪小津。
無茶な要求ばかりする、仙人のように達観した小津の師匠、樋口。
樋口師匠と激しい悪戯合戦を繰り広げる城ヶ崎先輩。
んな人々 (主に小津) の巻き起こす騒動に巻き込まれながらも、怠惰さを以て抵抗する主人公の前に現れた一輪の華、黒髪の乙女、明石さんとの四畳半での目眩く恋の物語。
なのでしょうか。

独特の語り口が印象的な作品です。
表紙は可憐で古風な乙女が幻想的なタッチで描かれていますが、内容は大正ロマンな乙女の恋愛ものではなく、孤独で卑猥な大学生(男性21歳)の、特に努力や甘酸っぱい思いをするわけでもなく、最後に何故か成就してしまう摩訶不思議な恋物語です。

非常に不思議な作品です。
他の作家には無い感性で描かれています。癖になるかも。

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2014年09月16日

Posted by 読むコレ

何とも不思議な物語に出会ったものです。

四つの短篇からなる一冊ですが、四篇とも同じ主人公、同じ時系列、同じ場所を中心に広げられる異なる物語。
いわば読者は四篇の並行異世界を体験する事になります。

予備知識ゼロで取り組むと、この辺の仕組みを正しく理解するのに半分、約二〇〇頁も要してしまいましたが、理解してからは楽しさ倍増。
最近氏の作品の世界観も理解し始めてきた所だったので、余計な気を回す事無く純粋に没頭する事ができました。

ただ、最後の一篇は解決編に見えて読者を混乱させるだけだった様な。
発想は凄く楽しかったけれど。

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2014年04月06日

Posted by 読むコレ

アニメ化もされ話題の四畳半神話体系、モリミーの
ブレイク作品。「夜は短し~」しか読んでいなかったですが
こちらの方が癖も少なく読みやすいですねー。
ややSFチックなパラレルワールドが展開され、それに
従ってまるでコピペの様な文章が中毒性あります。

アホな生活をしすぎて色んな事を悔い改め始めた
自分が迷い込んでしまった四畳半無間ループ。
些細なきっかけ一つで過ごす時間は当然違えど、
やはり諸悪の根源「小津」との出会いや、謎の師匠
「樋口」、そして麗しく孤高の君「明石」さんとの出会いは
あって自分の世界はそれほど激変なんかしないのだ。
選択した後の行動で少しは自分自身や環境なんか
変わるんだ。例え、魚肉ハンバーグとカステラしかなくってもw。

ちょっとしょっぱく少しだけ個性派のウジウジした
ほろ苦い青春SF小説なのだね。

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2013年03月08日

Posted by ブクログ

森見登美彦さんの京都の描写が大好き。実家が近いから戻ると京都へ遊びに行くこともあるけれど、住む人の目線で描かれているからまた違った魅力があっていいんだよね。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

夜は短し歩けよ乙女が好きでこちらも読んだ。
主人公が周りに振り回されながらも大学生活を送る姿が目に浮かび楽しく読めた。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

森見さんの作品はいつも不思議な世界。
各章の内容が似通っていたため個人的には読んでいて退屈になってしまった。
少しの変化を楽しめる人にオススメできるのでは!

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2024年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どのサークルに入るか、4つの選択肢の中から、選んだサークルによって分かれる4つの並行世界の話。

4つの章で、全く同じ文が沢山出てきて、読み飛ばしたりして途中、飽きてきてしまったが、文章が面白い。
特に、最後の章の、「八十日間四畳半一周」が面白かった。挫折せず最後まで読んで良かった。
カステラと魚肉ソーセージと大根のかけらを食べ続けてるところが面白かった。
蛾の大量発生がなぜ起きたか、この章でわかった。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

冴えない三回の大学生が様々な並行世界で繰り広げられる物語。

どんな選択をしても大筋は同じやけど、小さな選択が大きく人生を変えることになることを教えてくれる作品。
日常系の作品はあんまり好きじゃなかったけど最終話は伏線回収もあり、展開も気になりで面白かった。

京都で聖地巡礼したいなぁ。

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

何を見せられていたのだろうか、いや、何を読まされていたのだろうか。良い意味で、何なんだ?でした。
京都の大学に通う男子学生の話だけど、全く憧れもしなければワクワクもしない。爽やかとは真逆の所にいて、意味不明で、とにかく、何やってるの!?の「私」の話。そして4章目でようやく話が動いていく。…何か深い。
人生には本当にたくさんの選択する場面があって、その選択によって少しづつだけど世界が変わっていく。あの時ああしておけば…なんて100万回くらい思ったことがあると思う。だけど、私は私で、どんな選択をしても「私」は変わらない。選択も大切だけど、私がどうしたいかと、私がどうするか、が一番大切なのかもしれない。

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2023年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昨年の丁度今頃、森見氏の作品「夜は短し歩けよ乙女」を読みました。

京都の学生譚でありますが、ややファンタジーチックな味のある作品でありました。
それに負けず劣らずおもろい作品でありました。

・・・
そして本作。

主人公は、解説の佐藤哲也氏曰く「重厚かつ尊大」な「私」。かれが大学三回生として、無駄に過ごした日々を振り返りつつ、青春をばかばかしくもひねくれた形で親友かつ敵でもある「小津」とともに表現します。

四畳半という都会の貧乏学生の、アナクロニズムかというくらいの典型の住居を中心に、「そうであったかもしれない」別の学生生活のシナリオを、雄大・尊大でばかばかしい文語調で語ります。

四つあるどのシナリオ。結局どう転んでも時間を無駄に過ごすような大学生活にしかならないのはご愛敬笑

なお、「夜は~」の黒髪の乙女は、本作でも「明石さん」として頻繁に登場。というか樋口先輩など関連するキャラ多数。

・・・
あ、因みに「ツボ」的なのはやはり酔っ払った羽貫さんを前にした「ジョニー」との対話ですね笑

男性ならではの「残念?」なシーンですね。散々道徳とか人に悪くしないなんて教育を受けていくと、狼に変身する仕方やそのタイミングが分からなかったりしますよねえ。

ジョニー、何であそこ脳みそを乗っ取らなかった! まあでも主人公の気持ちも分かります。君は要するにヘタレなのだ。そして君は昔の私である。

・・・
でねえ。こういうアホな学生の話を読んでいると自分の時代も思い出すんですよ。

私が学生であった1990年代でもこういう風呂なしトイレ共同みたいなボロアパート、絶滅寸前でしたが、ありました。バンカラ的生き方への憧れの象徴でありました。

そこで私も東京で風呂なしのボロアパートで独り暮らしをしてみました。が、当時の彼女(今の嫁さん)に、「可哀そう!」と情けをかけられ、ほどなくして同棲へと格上げ頂いたのも懐かしい思い出。そんなかつてを想起させます。

・・・
そして舞台。京都ですよ、京都。

四条とか下鴨とか白川とか、私はうっすらとしか分かりませんが、京都にご縁のある方はかなり楽しく読めることでしょう。また京都という街が、文語で語られることが実に似合う街じゃあありませんか。

・・・
ということで森見氏の作品、二作目でした。

青春小説、学生モノ、京都を舞台にしたものが読みたい、そんな方にはお勧めできると思います。
読後に学生に戻りたくなる、そんな作品です。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

遊び心100%と言う感じの小説。自分はどういう選択をしたとしても結果は大して変わらないという救いのない話といえば話なのだが、それを微塵も感じさせないのは作者の力だろうか…一応ハッピーエンドだからかもしれないが。
この人の小説は世界観を受け入れるまでに時間はかかるけれど、一度入り込んでしまうとスラスラ読めて楽しい。おそらく無理な人にはずっと無理な気もする。

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2023年10月13日

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