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表具師という仕事は初めて知った。もっとその仕事のことも知りたいと思った。主人公洸之介くんの章も心温まる素敵なものだったけれど、環さん、樹さんたち愛すべきあやかしたちそれぞれが主役となるそれぞれの章もちょっとほろ苦くて心温まる感じで素敵でした。最終章で、もうあやかし達と洸之介くんが別れ別れになっちゃうか・・・とドキドキ心配したけれど、また出会えてほっとしました。2も楽しみ♪
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2014.10.9高校生の小幡洸之介はバリバリのキャリアウーマンの母親と二人暮し。父親は日本画家で、長い間家を出ていたあと、余命半年の身体で帰ってき、残った時間すべてを使って絵を描いた。父親が残したほとんどの絵を画商や美術関係者に買い取ってもらった後に残った絵に不思議な現象が起こり、ひょんなことからそうしたことを解決してくれる場所があることを知る。友人から教えられたその場所は小さい昔ながらの煙草屋の隣の細い路地にある古い日本家屋。そこにいたのは二十歳前後の美しい女性。裏の表具師という彼女、そして、出入りする取り巻きたちの正体は…。父親が残した絵をきっかけに、洸之介と人ならぬ者たちとの奇妙な交流が始まる。最近、よく見かける妖もの、ちょっと苦手なので物語に入るのに時間がかかりましたが、それぞれのキャラクターが魅力的で楽しく読み終わりました。
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一つ一つがとても温かい気持ちにさせてくれる素敵なお話でした。
特に一つ目の父親の絵に関する話では、読んでて涙が出てきました。
表具については全く知らなかったけれど、これを機会にちょっと調べてみたいと思いました。
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主人公の父、小幡洸泉。日本を代表する画家。ふらふらと旅をしながら絵を描く。彼のことを主人公はよくしらない。それにも関わらず洸泉は病に倒れ、親子の時間を作ることができないまま終わってしまう。残ったのは洸泉が描いた絵だけ。
あやかしでありながら、表具師である環と出会わなければ父の残した絵に隠された想いを知ることはできなかっただろう。最初の話から切なさと温かさを伝えてくれる作品だったように思います。
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表具店を営む美しい狐の妖怪・環に父親の絵を介して弟子入りした洸之助とその仲間の妖怪達との人情味深い日常を描いた小説。表具の奥深い作業が分かりやすく描かれている。
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短編連作。
ありがちといえばありがちなんだけど、とある高校生が路地裏にあるあやかしの店に迷い込んでしまい、不思議な事件にかかわっていくって話。
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ちょっと不思議な日常生活。路地裏の向こうは不思議の町でした。そんな感じ。
絵にまつわる怪異を解決していく短編連作でするする読めます。
隣に何気なく暮らす多様性を当たり前として描いているのがよいなあ。
環さんかっこいい~。
表具に詳しく腕利きなのももちろんだけど、普段着が着物で街へ出かけるときも着物なのすばらしい!
着物姿でハンバーガー食べに行く姿に胸キュンでした。
環さんの着物の色と、怪異が解決したときに生じる色がとても綺麗です。
文庫の帯に「文字の向こうに色彩が見えた」とあってうんうん!って思ったり。
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怪しい噂の路地裏に住むのは不思議な美人表具師・・・最近多いあやかしモノですが、表具を取り上げているのが新鮮。絵は好きでも表具には興味持ったことなかったし^^;
キャラは魅力的だけどまあありがちな雰囲気はあるかなあ。でもほろっとさせるところもあり、安心して読ませてくれました。
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「裏打ち」この言葉は表具から来ているのね。表に見える所ではなく裏打ちをしっかりすることで、100年先200年さきまで見据えた作品になる。物語りもしっかりした裏打ちがあって出来あがっている。次作も楽しみ。
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文体やストーリーはライトノベルだけあってやや若いけれど、キラリと光るものがある。「表具」という伝統にスポットを当てて物語を構成しているのも目新しく気に入った。
もう少し表具の仕事について詳しく描いてくれると個人的には嬉しい。
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掛軸・表具、全く知らない世界だったので、とても新鮮だった。固いイメージがあるけど、奥が深い。。興味をそそられる。
父親の絵に込められた想いには、涙。ほっこり温かくなる物語。
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好み。あやかしがたくさんでてきて大騒ぎというわけではなく、絵にまつわる不思議な出来事を収める仕事人(妖)のはなし。キャラのバランスもよかった。
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死んだ父親の描いた水墨画の燕が毎夜毎夜動き出す。小幡洸之は高校の友達から聞いた、妖しいことを解決してくれるという大妖怪を丑三つ時に細い路地の奥へ訪ねていく。結局、そこで出会った狐のあやかしの妙齢の和服美人の表具師に弟子入りすることになる。父親の思いが籠った絵を鎮めるため、新たに表具をやり直すためなのだ。表具師・加納環の周りにはいろいろなあやかしたちがいて、賑やかでほっこりした出来事が次々起こる。
こんなあやかしたちのいる路地裏なら、私も行ってみたいものだ。主人公と同じように、入り浸りになってしまうだろうな。
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★絵のふるまいにお困りではありませんか?
【感想】
・古い友人に表具師の息子がいるけどあの家ではこういうことをしてたのかと思いました。
・妖怪ものとしてはほんわか系で、「妖怪アパートの幽雅な日常」に近いテイストかな。
【一行目】
玉響通りという場所がある。
【内容】
・高校生の洸之介は著名な画家だった父親が生前描いた絵が騒ぐのに困って噂の表具屋を捜し環さんと出会う。
・桜汰の通う小学校で肝試しがはやるが神隠しに遇う子どもが続出。
・結婚詐欺師の樹ごターゲットにした女性宅で鳥の声。
・大人の男性向けにつくられた落ち着いたカフェがいきなり女性客で満杯に。
・環さんの捜していた絵が見つかった?
▼簡単なメモ
【揚羽/あげは】猫又。ギャルメイクと女子高生ファッションを身につけた女の子。実際にときどき高校に三年ずつ通うことがあるらしい。猫舌。
【朝河】長野のタクシー運転手。河童のようだ。
【綾櫛横丁】玉響通りから入る路地。その先には加納表具店しかない。
【五十嵐】暑いさなかでもスーツ姿の紳士。どうやら天狗のようだ。
【樹/いつき】化け狸。善人(善狸?)で、相手のことを考えてしまうので化け狸の正業と言える詐欺師としてはいまいち。とりあえず初歩と言える結婚詐欺にもいいとこまでいきながらいつも失敗している。偽名の姓は篠宮。
【絵】描くものの思いが染み付いて心霊現象っぽいことが発生することがある。あくまでも思念であって、霊魂や付喪神ではない。
【桜汰/おうた】小学生。天狗の王子さま。性格男前だし毅然としており大物になれそうな懐の深さがある。
【桜汰の父】日本の天狗を統べる王さま。
【和馬】西山和馬。clatter of hoofsの店長。
【加納表具店】環の店。
【カプリチオ】ジョージの経営する美容院。
【肝試し】結ヶ丘小学校で流行っている。昼の間に宝を隠し夜になってから探す。が旧校舎を範囲に入れたとたん神隠しが発生しはじめた。翌朝には見つかる。
【裂地/きれじ】表装に使う布。金糸銀糸を使ったものが多い。
【clatter of hoofs】揚羽の元バイト先。馬の絵がたくさん飾られている。
【洸之介/こうのすけ】小幡洸之介(おばた)。主人公の「俺」。結ヶ丘高校二年。亡くなった父親の部屋から聞こえてくる物音に悩まされている。父親の遺した絵を表具するため環に弟子入りすることになった。授業料はハンバーガーの定期的上納。
【洸之介の父】小幡洸泉(おばた・こうせん)という日本画壇を代表する画家。少し前に亡くなった。
【洸之介の母】大手企業に勤めるバリバリのキャリアウーマン。洸泉の放浪癖を知った上で結婚ししばらくは共に暮らし洸之介をもうけた。
【古賀隼人/こが・はやと】桜汰のクラスメート。ひょろりとしている。
【琴子】和馬の友人。渡米した画家。
【ジョージ】鷲谷ジョージ。環たちの酒飲み仲間。河童。「カプリチオ」という美容院を経営している美容師。新しもの好き。名はジョージ・ワシントンから取った。
【沈生麩糊/じんしょうふのり】表具に使う糊。焼き麩をつくる過程でできるものと同じ。材料は小麦粉、塩、水の三つのみ。腐らせ粘着力を落としたものを、あるいは腐らせないものもいずれにせよさらに水で薄めて使うのは後の表具しなおしのとき剥がせることを考慮して。
【建部宗由/たけべ・そうゆう】環さんの師匠。
【煙草屋の婆さん】ほとんど身動きしない。綾櫛横丁に入る道の門番?
【環/たまき】加納環。綾櫛横丁で出会った美女。見た目は二十歳くらい。加納表具店を営んでいる表具師。ジャンクフードが好き。油揚げではなく。生まれは東京ではなく、狩野山というところが故郷で玉城川(たまきがわ)の近くで生まれた。
【玉響通り/たまゆらどおり】「出る」らしい。たばこ屋の横から入る路地が綾櫛横丁。
【坪山義弘/つぼやま・よしひろ】桜汰のクラスメート。背が小さい。リーダー格。
【天雲寺/てんうんじ】「例の絵」があると言われる長野の寺。
【人間】《人間ほど鈍感な生き物は他にいやしませんぜ。(中略)人間が気にするのは人間だけです。》p.285
【化け狸】人に紛れて生きている化け狸はみな詐欺師を生業としている。
【百年】百年後のことを考えて表装する。昔の人は今使っているものが百年後にも使えることをイメージしていたとも言える。そのための技術であり、システムがあった。《更に百年生きるために》。
【兵助】佐伯兵助。でかくてサングラスでシルバーアクセサリーの怖そうな兄ちゃんだが表具師。裏の仕事はできないので環に斡旋する。
【本紙】表装される作品のこと。
【水野隆/みずの・たかし】桜汰のクラスメート。ぽっちゃり系。
【みのり】木内みのり。樹の結婚詐欺のターゲットの一人。太って成金趣味っぽいおばさん。けっこう好い人。この人を騙すのは気が引けるなあ、樹クン。呉服店を営んでいる。店員は熱く、着物が似合いそうな人と出会うとテンションが上がり着せかえ人形を前にした少女のようになってしまい環すら翻弄した。
【森島】洸之介の友人。ホラ吹き大王。自称「情報通」。
【森島の姉】森島以上に情報通だと森島は言っている。行きつけの美容院はジョージの「カプリチオ」。
【弥助】兵助の父。
【結ヶ丘小学校】桜汰の通う学校。洸之介の母校でもある。かつて美術に熱心な先生がいて、その教え子のうち美術家になった人たちがさまざまな作品を寄贈している。中には高額なものも。
【夜市】ご近所の妖怪や成仏を諦めた幽霊たちの集まり。
【蓮華】雪女。ギャルっぽいメイクで女子高生ファッションの常にハイテンションな女の子。夏の間は暑すぎていられないので製氷工場などでアルバイトしている。冬になると姿を現す。蓮華が送ってくれる天然氷でかき氷を食すのが加納表具店夏の風物詩。
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どこか懐かしくなるような雰囲気の本。
出てくるキャラクターがみんな優しくていい人だからほっとする。
お話も面白いし、表具という言葉や表具師という仕事をを知ることが出来た。ただ、もう少し表具師の仕事の場面が欲しかった。
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ファンタジー
連作短篇集
路地裏横丁に佇む表具店。
そこにはちょっと浮世離れした人たちが集っている。
店主の和服美人表具師妖狐、女子高生猫又、小学生天狗、イケメン狸、ギャル雪女にカリスマ美容師河童…
夏に読んだ方がいい?
大丈夫。みんな気の良い妖怪です。
主人公は、亡き父の描いた日本画を表装するためここに弟子入りすることになる。
100年その先を見据えた昔ながらの工法に、現代より遥かに優れた完成度の高さを感じる。
専門の話で結構難しい。
「人間は人間しか見ていないから」妖怪が紛れていても気付かない鈍感らしい。
みんなのやりとりがワイワイと楽しい、それでいて考えさせらることのある良作品。
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夜な夜なの怪奇現象に悩まされ、友人が言った都市伝説が
解決してくれるかも、で出かけた主人公。
路地を抜けると、そこにはあやかしの家がありました状態。
連続短編で、かわるがわる話の軸に。
一番情けなさそうなのは、狸、かと。
それほど周囲にばれているのに、何故選ぶ職業がそれ…。
もう転職(?)した方がいいと思われます。
しかし表具って奥深いです。
自分が使っていないもの、見知らぬもの、は知識がないので
これほどまでに選択肢があるとは思いませんでした。
それこそ星の数ほどの組み合わせ。
同じものは二つと出来なくなります。
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人間に化けたあやかしが集まる綾櫛横丁加納表具店。店主の女表具師・環の裏の仕事は、曰くつきの絵を表装してあげることで怪異を鎮めること。
まず表具師という仕事どころか、掛け軸の知識さえもほとんどなかったので、蘊蓄話が興味深く読めた。ストーリー自体はさほど展開の激しいものではなかったけれど、切なくなったり、ほっこりしたり、落ち着いた雰囲気の中で楽しく読むことが出来た。残念なイケメンこと化け狸さんのお話が一番好きかな。
三部作のようなので、続きが楽しみ。
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掛け軸の表装を行う、表具店を舞台にした話。短編集の体裁で、この1冊に5話が収録されてます。
文庫本の裏の紹介文には「人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも微笑ましい、どこか懐かしい不思議な物語」とあるので、これだけで慣れた客層の方にはどんな内容だか見当がつくのではないかと(笑
文章は、落ち着いた、静かな路地裏の空気のように粛々と進んでいく感じ。大どんでん返しとかはないけど、落ち着いて、安心して読める本でした。
それぞれのキャラクターも、驚きはそこまでないけど、納得感があってしっくり来る感じ。特定の1人がというよりも、全体のバランスが取れてる印象です。
何となく、雨の日とかに家でゆっくりお茶でも啜りながら読んだら素敵かもしれないと思った本でした。
ちなみに、掛け軸を作る際の表装の手順に「裏打ち」ってのがあるというのは本書で初めて知りました。
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画に込められた想いがもたらす怪奇現象を解決する軽ミステリー。
とりあえず楽しく読んだ。
主人公洸之介を除き登場人物のほとんどが題名どおりあやかしなんだけど、作中ほぼずっとみんな人の姿だし、物語的にも、あやかしである必然のあるエピソードはあまりなかったかな。
そう言う意味では、せっかくのあやかし設定をうまく活かせていない気がする。
いやまあ、なにかと不思議ごとを素直に受け入れられるという利点はあるけど。
5つのエピソードのうち、個人的には4話と5話が心に残る。
4話は想いの隠し方がステキ。
でもその内容が揚羽のエピソードだったらもっとよかったかな。
5話は、他の話とは違い謎解きではないのだけど、ただ雪の中に佇む環さんの姿に心打たれた。
本作のハイライトもその場面。
雪の中佇む環さんの手を洸之介が取り、
『帰りましょう。みんなの所へ』
と告げる場面。
おうおう、高校生、生意気だよ!(笑)
でも、その後、みんなと連絡が取れなくなり、化かされたと思って落ち込む洸之介と、ラストの安堵感がやっぱりいい。
ほっこりなれる物語だ。
不思議な表具の世界
表具屋という、日本画を飾るための掛け軸職人を生業にしている化け狐と、お仲間の愉快な妖怪の面々のちょっと奇妙な物語です。
心霊現象を解決していく体のショートストーリーですが、特段怖いというわけでもなく、むしろほのぼのしています。
何百年も生きてる妖怪達の話ですが、妖怪達が随分と現代化しています。
個人的には化け狸の樹さんのキャラが気に入りました。人を化かそうとしているのに、分かりやすすぎる性格で周りに見抜かれまくってるとかw。良い人、いや狸なんでしょうね。
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どことなくXXXHOLiCの香りがしないわけでもないし、まぁありがちな設定という気もするけど、読み物としてはそれなりにキャラたちもよく読みやすくてよかったです。
最終話はちょっとあざとい感じもしたけども。
続巻に期待の★3つで
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正直あまり期待してなかったけど、読んでみたら面白かった。似た雰囲気のものは幾つか思い浮かぶけど、『表具』を取り入れたのはとても斬新だと思う。続きを読むかはまだ未定だけど、機会があったら読んでみたいと思う。
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高校生の小幡洸之介は、画家である父の作品が夜になると動き出すという怪奇現象に悩まされていた。「そうした事件を解決してくれる場所がある」と耳にして訪ねると、そこはいかにも怪しげな日本家屋。意を決して中へ入った洸之介が目にしたのは、驚くような光景だった。そして彼は、加納環と名乗る、若く美しい女表具師と出会う―。人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも微笑ましい、どこか懐かしい不思議な物語。