有吉佐和子のレビュー一覧

  • 香華
    有吉佐和子さんの本の中で一番お気に入り。女性の内面の感情描写がすごいです。大正(明治かも)から戦後まで行きた女性主人公の生きざまの話。主人公が賢く仕事も出来る人で好き。遊女の母への愛憎っぷりがすさまじいです。超憎いし腹立つけど結局許して受け入れる親子愛。主人公が同じ名前だから余計感情移入。
    最近の小...続きを読む
  • 香華
    絢爛な色彩と感触の世界。「女」を花柳界の中心で生きる美しすぎる母親と、針で支える娘。あまりにも「女」をどっぷり生きていて、圧倒されます。
  • 青い壺
    良本。
    1977年の作品。
    ある日、ある窯元の手により見事な青磁の壺ができました。
    その壺はデパートの外商さんに持ち替えられたのち、様々な人々の手に渡る長い旅をするこことなります。

    全てが壺そのものにまつわるお話ではないけれど、それでも壺を手にする者たちの価値観の違いに思わず細く微笑んでしまう。
    ...続きを読む
  • 女二人のニューギニア
    実際にその場に身を置くと大変そうだけど、生きるの楽しい、知らない世界を知るのが楽しいっていうことが伝わってくるような本
  • 青い壺
    50年近く前に書かれたお話とは思えない。
    時代を越えて全然違和感がないってすごいことだと思う。人々の日常生活も生活意識も随分変わったと思うのに、特にひっかかりもなくするすると読めた。
    第七話から第八話のあたりが個人的に好き。
    色が目に浮かぶようだった。
  • 不信のとき(下)
    大好きな作家さん。
    これは、初めて読んだときに、実は下巻から読んだ。
    下巻から読んだのに、「早く上巻読みたい」と思うほど、有吉さんの文章は、何度読んでも飽きない。しかも古くない。他の著作もそうだけれど、内容まで古くないのは有吉さんが鋭いのか、人間とは変わらないものなのか、さてさて。
  • 青い壺
    いやー面白かった。有吉佐和子の小説、初めて読んだけどこんなに面白いんだ。他の小説も読みたくなった。
    青磁の壺の変遷を巡る物語。
    様々な人の手に渡って、果てはスペインまで旅して?また日本に戻ってその青磁の壺を作った本人の前に姿(壺)を現したのが最終章。
    構成が上手い!そしてこの時代の風習みたいなものが...続きを読む
  • 女二人のニューギニア
    1985年に朝日文庫から刊行された『女二人のニューギニア』の再文庫化になります。

    著者の有吉佐和子さん(1931-1984)が、
    ご友人で文化人類学者の畑中幸子さん(1930-)(当時、東京大学院文化人類学在籍、現在は中部大学 名誉教授)のフィールドワークを訪れた際の、壮絶だけども笑えてしまう滞在...続きを読む
  • 女二人のニューギニア
    ウチのおばあちゃんが私と同年代の頃??
    という時代のものであるが、なんて読みやすくおもしろいんだ。
    壮絶すぎるのに軽快な読み口で、ついにやにやしてしまう。
    いやもう、有吉さんよく帰ってこられたな。
    そして畑中さんのパワフルさというかもう強くなければこんな凄いことはできないわ。
    凄まじいもの読んだ。パ...続きを読む
  • 女二人のニューギニア
    面白く読ませていただきました。大きな出来事は起きず、一方で、とても大変な状況のはずなのに、そう思わせない所が良いです。
  • 青い壺
    壺の人生(壷生?)を通して、垣間見れるそれぞれの人生に思いを馳せられるような作品。
    登場人物が基本社会的地位がある程度高く、品の良い人で、嫌な場面はほぼなく、スルスルと読めます。
    ただ、最後の終わり方が少しもやもやしてしまったかなと思いましたが、凄く昔の話(物語の中では)ですのでしょうがないところと...続きを読む
  • 青い壺
    近年再評価される作家の1人有吉佐和子。本作もその流れでまた売れているらしい。流行に乗って読んでみました。

    「舞踏会の手帖」方式だったかグランドホテル形式だったか、小道具が引っ張る群像劇。奇跡的に上手く焼き上がった青磁の壺の持ち主の変転を連作で描いていく。「恍惚の人」の作者だけあって、老後の問題なん...続きを読む
  • 青い壺
    いつの時代も、幾つになっても、女性って変わらないものなんだなと弓香の話を読みながらくすくす笑えた。

    いつも身体の調子が悪いとか、電車に乗るのが心配で胃腸薬と頭痛薬を交互に飲んだりとか。他の人から聞いたり見たりしたらおかしいと思うことを、当人は真剣に行なっている。それが人生なのかもしれない。

    また...続きを読む
  • 紀ノ川
    和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・小話を生きた3代の女たちの年代記。

    祖母の豊乃に手をひかれて九度山の石段を上る花の描写から始まるこの物語は、花が嫁いでからのことがいちばん長く、きっちりと嫁として、妻としての務めを果たし長男を産みその後に長女の文緒を産んだと同時期に豊乃を亡くす。

    母の花とは違...続きを読む
  • 青い壺
    昭和50年の作品だけど、どこかで紹介されたのか今、売れているらしいと知り読んでみた。

    型ものや古色加工を手掛けている無名の陶芸家が作った青磁の壺。その出色の出来栄えゆえに常ならぬルートで売りに出され、壺が辿る数奇な運命。
    デパートで贈り物として買われ、お礼として贈られ、遺産として相続され、空き巣に...続きを読む
  • 悪女について
    富小路公子は普通に仕事してもそれなりに成功する人だったのではないだろうか。
    インタビューする人によって富小路公子の印象がクルクル変わり、「ある人について誰か一人の印象を信じるのは危ない。実生活でも気をつけよう」と強く思った。
    (物語とはいえ)富小路公子本人に真意を聞いて答え合わせしたいけど、生きてた...続きを読む
  • 青い壺
    本屋で帯に惹かれて買いました。奇跡のように焼き上がった青磁の壺が、いろいろな人の手にわたり、そこで描かれる人間模様。別にこれと言って壺が働くわけではないけれど、描かれる人間模様が良かったです。読みやすい話でした。
  • 華岡青洲の妻
    とても日本らしい嫁姑関係が主題の作品。
    話の舞台は江戸時代後期、でもこの小説が書かれたのは1960年代くらいだから、2世代・3世代くらい前まではどの家庭でも似たような感じだったんだろうか(今もか)。
    日本が近代化して150年くらい経つけど、家庭レベルではまだまだ日本は封建的だってことだ。
  • 青い壺
    有吉佐和子さんの作品を読んだのは、本書が初めてです。
    著名な小説家であることは昔から存じており、いつかは読もうと思っていたところ、本屋さんの文庫コーナーの目立つ位置に、本書『青い壺』が平積みされていたので、手に取ってみました。
    裏面の「あらすじ」を読むと、
    人間の有為転変を鮮やかに描いた有吉文学の傑...続きを読む
  • 非色
    書店でマチスのイカロスのカバーを見て、古い版を手にしました。1967年に33歳で書いたとは。国連関係のアフリカ人エリートが笑子に言った言葉、はっきり記憶でてないけど、もう色を超えた、だったか、。有吉佐和子さんの他の本も読んで、記念館に行こうと思いました。