紀ノ川

紀ノ川

649円 (税込)

3pt

小さな川の流れを呑みこんでしだいに大きくなっていく紀ノ川のように、男のいのちを吸収しながらたくましく生きる女たち。――家霊的で絶対の存在である祖母・花。男のような侠気があり、独立自尊の気持の強い母・文緒。そして、大学を卒業して出版社に就職した戦後世代の娘・華子。紀州和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・昭和三代の女たちの系譜をたどった年代記的長編。

...続きを読む

紀ノ川 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    明治、大正、昭和へと続く、母から子、孫に至るまでの年代記。
    有吉版『細雪』のよう。細雪よりはだいぶコンパクトながら、明治のお家騒動にとどまらず、昭和までの時代の移り変わりが書かれているのがすごい。
    川の流れのように続いていく命と、変わっていく「家」のあり方を体感することができ、しっかり満足感。
    「〜...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年02月24日

    明治時代に和歌山に生まれ育った花を中心に、子の文緒(大正)、孫の華子(昭和)を通して、時代の移り変わりを描いた作品。
    私の義実家は和歌山なので、話言葉や食べ物(駿河屋のまんじゅう、富有柿)、地名(岩出)和歌山城やぶらくり町が聞き覚えがあるもので、読んでいておもしろかったです。
    私は強い女性の話が好き...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月17日

    めちゃくちゃ面白かった。
    第1章が終わり、第2章が文緒が女学生になったところから始まることに気づいた時点で「文緒が女学生になるまでに何があったかも教えてよ!!花の視点を共有してよ〜!」と駄々をこねたくなった。

    内孫、外孫、長男がどう、と家父長制的な視点を持つ花に対し、文緒が「実際に深い交流があるの...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年07月23日

    朝日新聞の和歌山紀行での推薦本である。有吉佐和子は、恍惚の人や複合汚染で有名になっていたので、その本を読んだが、こうした昭和の初めの地方の和歌山の女性を描いたとは思わなかった。和歌山を昭和にかけて知るにはガイドブックとして最適であろう。

    0

    Posted by ブクログ 2023年04月27日

    23.1.21〜2.5

    有吉佐和子、面白すぎ❗️
    花と祖母の関係性、習慣。絆。嫁入りの様子は鈴木清順の映画を思い出した。
    カバンに大量のキューピーをぶらさげて田舎を闊歩してる文緒、可愛げありすぎ。
    華子を見つめる花の目線と、終盤に彼女が語る言葉で感極まった。

    武蔵美に友達の卒制を見に行った帰りに...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年08月03日

    花(明治)・文緒(大正)・華子(昭和)の三代記と、少し前の朝ドラを彷彿とさせる構成。事前に著者の生い立ちを確認していると、自伝的小説だと言うことに途中気づく。

    開始早々泣きそうになった。
    嫁入り前の花が祖母の豊乃と寺の石段を上るシーンから入るのだが、孫へのはなむけの言葉がもう優しくて、優しくて…。...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年11月27日

    三代に渡る女の人生。
    描く人が違うとまた濃厚さが違う。
    風景の描写も流れる時間もまた違って方言まで美しく感じる。
    気丈な花が老いてワガママになるのも計算の内なのか、今まで抑えていた気持ちをボケたふりして孫に語っているような気がして、というよりそうあってほしいと思う。

    0

    Posted by ブクログ 2021年07月04日

    おそらく、本で読んだだけならここまで強烈に印象に残ることはなかったことだろう。
    毎朝のNHKの朗読で一回、それを録音で収録したものでもう一回。初夏のウォーキングのなかで聴いた。
     柔らかな紀州訛りと、もう失われた少し遠い時代の生活や言葉を背景に、“真谷のごっさん”花の見つめた世界に同化しながら浸った...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月06日

    ラジオで朗読されていたので購入。題名からちょっと最近の人にはとっつきにくいのではないかと思う。女性4代の血脈が、紀ノ川の水脈のようにしっかりと、静かにゆるやかに流れる。女性の強さを感じる。女性の生命力、ミトコンドリアの力を感じさせられる良書。

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月05日

    有吉佐和子の代表作。読んだのではなく、NHKラジオ「朗読の時間」で聞いた。目からではなく耳から、という朗読の面白さを初めて実感。朗読50回シリーズ。
    朗読は、俳優の藤田美保子さん。藤田さんの朗読の上手さも、この作品の魅力を一層引き出していた。

    0

紀ノ川 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

紀ノ川 の関連作品

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

有吉佐和子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す