水野和夫のレビュー一覧

  • 資本主義と不自由
    2014年から2015年にかけての著者による大学での講義をベースにしているので、やや内容は古いかな・・と。ただ、「水野理論」が講義形式でまとめられているので理解しやすい内容でした。現状を世界の「帝国化」としてとらえ、拡張する場所を失った資本主義の未来を解き明かします。
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    「超マクロ展望世界経済の真実」と併読するとよい。

    グローバリゼーションの進展によって、発展途上国(周辺)と先進国(中心)という構図は内部化された。それが、先進諸国における格差の拡大と中流階級の消失である。

    「利子率革命」「価格革命」に代表されるように、もう世界経済は大幅な成長を見込めない。
  • 次なる100年―歴史の危機から学ぶこと
    1000ページくらいあり長く脚注が非常に多いが過去の歴史から生まれた階級を変わることは少ない、富める人がどんどん富む社会になっている。

    国際収支はゼロサムでアメリカが支配層になっている
  • 資本主義の終焉と歴史の危機

    フロンティアはもうないのか?

    「フロンティアがなければ資本主義は死ぬ」という著者の主張は説得力がありそうな主張に見える。この説の根拠として、成長率を利子率と仮定してみて、過去数百年間の利率(=資本利益率)の推移と、実物空間 電脳空間のフロンティアの量の推移の相関を挙げている。さらに実感としての最近の資本主義経済の手詰まり感がある...続きを読む
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    「資本主義」の根源的な発生にまで遡って対談する本書の内容には、ちょっと衝撃を覚えた。果たして「資本主義の終焉」が来るのだろうか。
    本書は歴史解釈の本かとも思うが、こう言う視点もあるのかと新鮮に思える。
    「資本主義は限られた割合の人にしか成立し得ない」「15%対85%」とは驚きつつも納得の思いも持つ。...続きを読む
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    先進国が横並びの低金利と中間層の没落が何年も続いていることを理由に水野和夫さんは「資本主義の終焉」に入っていると主張する。

    先進各国では(日本もご多分に漏れず)自己責任の新自由主義やグローバリズムを喧伝することで中間層を没落させて富裕層にさらに富を集中させていく構造があり、99%の人々にとって資本...続きを読む
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    現状、資本主義が末期状態にあり、だましだまし延命させているだけだということが分かる。
    その一例がアベノミクス。異次元金融緩和によって資産価値(株価)を膨張させ、あたかも経済がうまく回っているかのように見せかけている。しかし持続可能なシステムではないから、いつか破綻する。
    利子率の水準が利潤率の水準を...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 「平和」について考えよう
    ロシアのウクライナ進攻。
    中東でも中国、北朝鮮でもなく、東欧の文明国と思っていたロシアが、まさか。
    スマホによって、リアルタイムに発信される戦況。被害を受けたウクライナの人々の、生の声と表情は、戦争というものの圧倒的な破壊と惨状を物語っていて、それが今まさに起きているということをダイレクトに伝えてい...続きを読む
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    先進国における金利の低下を根拠として、利潤率の減少、すなわち資本主義の終焉を論じでいる本。
    資本主義を延命するために金融市場にバブルを生成し、その崩壊によって労働者が割を食うという構図の解説はとても興味深く感じた。
    現状の資本主義の代替案に関しての記述が弱く感じたので(他書籍で詳しく解説なさっている...続きを読む
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    11のエリアの第一人者との対談。非常に為になった。個人的な関心の重みもあり、中でも、東浩紀氏、石川善樹氏、水野和夫氏、平野啓一郎氏、山極寿一氏のパートは示唆に富んだ内容であると感じた。
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    資本主義が永続不能なシステムであるということは今や衆庶の知るところであるが、金利の推移を見れば、その終焉は「いつか来る」程度のものではなく、もう我々の眼前に迫っていると言える段階まで来ていると警鐘を鳴らすのが本書である。水野によれば70年代には既に資本主義は有限性の隘路に逢着していたそうだ。そこでア...続きを読む
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    水野和夫(1953年~)氏は、早大政経学部卒、早大大学院経済学研究科修士課程修了、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミスト、民主党政権の内閣官房内閣審議官、国際投信投資顧問顧問、日大国際関係学部教授等を経て、法政大学法学部教授。
    本書は、2014年に出版され、経済書にもかかわらずベストセ...続きを読む
  • これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講
    11人の識者へのインタビュー集。編者の好みなのか分野と言葉は違えど、思い描いている未来社会は似通っている人選のようにも思えます。気になる人物ばかりだったので問題ないですが。

    近代の強い個を持続できるほど人間は強くなく、場の関係性の上に柔らかい弱い個をなんとか保っているのが実情。そんな個人でも生きや...続きを読む
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    ---- 感想 ----
    近現代の資本主義の流れが特にとてもわかりやすく、面白く読めました。
    今まで「非正規労働問題」などのワードを見かけても何も思わなかったけど、過去からの流れを頭に入れると、その意味も頭に入ってきて、かなりアンテナの感度が上がった気がします。
    知識の少ない自分にとっても説明がわか...続きを読む
  • 正義の政治経済学
    -白か黒ではない、その間の葛藤に、<正義>はある
    -「可処分時間」の増加
    -よりゆっくりより近く、より寛容に

    水野さんの極端なケーススタディは面白い
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    1970年代に始まった「長い21世紀」。それは、800年続いた、資本主義の終わりの始まりに他ならない。

    16世紀末から17世紀初頭の「長い16世紀」における利子率革命は、中世から近代資本主義へとシステムを大変換させた。それと同等の変革期が、1970年代からの「長い21世紀」であると水野は説く。それ...続きを読む
  • 過剰な資本の末路と、大転換の未来 なぜ歴史は「矛盾」を重ねるのか
    資本主義に限界が来ていること。これはわかった。その資本主義は限界を迎えるとグローバリゼーションを産み出し、国家は帝国主義か覇権国をいずれ目指すようになる。それは資本主義の仕組み上、宿命なのではと感じた。
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    何気に手に取って、そのメッセージ性に衝撃を受けた。

    [受け取ったメッセージ]
    日本が世界に先駆けて資本主義の終焉に直面している。ゼロ金利と低成長がその証拠、とのご主張。
    しかし、ゼロ金利は資本主義からの卒業を意味している。日本は成長願望にとりつかれて倒錯した
    経済運営をしている。資本主義にどっぷり...続きを読む
  • 資本主義がわかる本棚
    資本主義について深く知るというよりは、あまり知らない人が触れてみるのに向いている。水野和夫氏の著書を読むきっかけに。
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
     グローバル化が資本主義というシステムから、多くの人を幸福にする機能を奪っているというような話だったような気がする。強欲なものが勝つとすれば、より強欲にならざるを得ず、ドラッカーや松下幸之助は見向きもされなくなり、日本型経営は競争に勝てなくなっているようですね。