水野和夫のレビュー一覧
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1970年代前半から先進国では交易条件が悪化し資本利潤率が低下してきている。高度経済成長が止まり、資本投下によるリターンも得られなくなる。実物経済から金融経済へと舵を切るも2008年の金融危機は金融経済化の方向も息詰まらせることに。定員15%の近代資本主義が新興国の隆盛によりバランスが崩れ、今、世界...続きを読むPosted by ブクログ
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経済学者である水野和夫氏と哲学者である萱野稔人氏との対談本。
この本で、アメリカのイラク戦争の目的が理解できたような気がする。水野氏の指摘が正しいか否かはわからないが、イラク戦争の目的を論じた様々な言説の中で、最も腑に落ちる内容だった。
しかし、萱野氏は実に首尾範囲が広いものだと感心する。Posted by ブクログ -
面白かった。現在、世界経済が内包する諸問題は単なる不況ではなく、資本主義が迎える構造的な大転換であり、パラダイムシフトである、という著者の考察をわかりやすく解説している好著。資源価格に全てを転嫁しているなどややモデルが単純すぎるきらいがあるが(専門家じゃないので詳しいことはわかりませんが)、先進国と...続きを読むPosted by ブクログ
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エコノミストと哲学者による対話集である。ヘゲモニー(覇権)の変遷を観点に世界経済の動向を分析しているのはおもしろい。Posted by ブクログ
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成長を前提とした経済システムは限界を迎えており、それに固執する先進国は財政破綻の危機に瀕している。
著者によると、この現象は、中世封建社会から近代資本主義社会への転換に対応できず、旧システムに固執したことにより財政破綻した16世紀のスペインの姿によく似ているという。
500年に及ぶ資本主義の歴...続きを読むPosted by ブクログ -
資本主義の目的である拡大と成長のための侵食先が欠乏していき、そして金利の低下から資本主義の終わりと未来への警告を唱える一冊。
ルターとスノーデンを同列に考えるなど、ちょっと強引かなと思うところもあるが、資本主義の終焉を憂える根拠は理解できる。
エネルギー問題など色々あるが、著者の指摘する資本主義の侵...続きを読むPosted by ブクログ -
大著である。
イコン、コインの次は、芸術が価値を持つ。その理由は、先進国で金利がつかなくなり、蒐集、収奪を特徴とする資本主義経済が終焉する。とのこと。
芸術が価値を持つとの提案は勇気ある。本当にそうなるのだろうか。Posted by ブクログ -
「中心」が「辺境」を侵食・拡大していくことで成長を続け、資本を永続的にドライブさせていく、それが資本主義社会。「辺境」つまり投資先が無くなってしまったから、利子率が低下しゼロに近づいている。そのせいで、金余りが起きバブルの生成と消滅が起きやすくなっている、という筆者の主張。そこまでは同意できる。構造...続きを読むPosted by ブクログ
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部長に2年前もらった本。積読で再チャレンジ。社会人4年目も終わり頃にようやく意味がわかってきた。
2014年の著者の考察は確実に21年転換期にきているのではないか?コロナ禍で生活様式が変わり、本当に必要なものと不必要なものがわかれ、大量消費主義に終止符が打たれるかもしれない。
はっきり言って、メ...続きを読むPosted by ブクログ -
0成長論、おもしろい。
0成長の世界の中では、きっと資本主義的な成長は止まっているのだけど、資本主義は自然的なものに、もはやなっているので"数"という成長基準とは別の基準の成長という概念を作りクロスで考えていくのが良いのだろうなぁと思った。Posted by ブクログ -
こうして振り返ると「平成」っていいことあったんかなって思ってしまう。
日本は成熟期なのに、いつまで成長、成長といい続けるのか。
やり方がまずいから結果も伴わない。年収がいっこうに上がらない。むしろ下がってる。Posted by ブクログ -
資本主義の来歴と、それが現在陥っている問題、そして資本主義の後にやってくる時代の展望について、エコノミストの水野和夫と社会学者の大澤真幸が語っています。
おおむね大澤がみずからの立場を示しながら水野の考えをたずねるというかたちで議論が進められており、とくに後半ではそうした傾向を強く感じました。ただ...続きを読むPosted by ブクログ -
水野和夫、山口二郎の対談集。今までを語ることはそれなりに可能だが、これからを予想する、指し示すことはとても困難なことだと思う。しかしこれからの10年と章立てるなら、山口にもなにか提起してほしかった。「自由、寛容、博愛などの価値観を学校教育やメディアで意識的に強調していかなければならない」と指摘するだ...続きを読むPosted by ブクログ
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これからの経済成長を目指してはいけない、という主張。20世紀型の資本主義は終わっている。世界中の人々が中間層になることはあり得ない。万が一、そうなったとしても持続はできない。Posted by ブクログ
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70年代以降の新自由主義的グローバリゼーションに対して、世界は閉じていくプロセスに突入した。歴史の危機の解決策は、この国民国家へのゆり戻しの延長には無い。5百年続いた近代システムそのものが資本主義とともに終わりを迎えつつあるからだ。
帝国というと、ダースベイダー、悪い皇帝が支配するイメージでしたが...続きを読むPosted by ブクログ