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現在の世界経済危機を単なる景気循環の問題としてとらえるならば、この先を読むことはできない。むしろ、資本主義そのものの大転換、400年に一度の歴史の峠に我々が立っていることを認識してこそ、経済の大潮流が見えてくる。資本主義の歴史的な構造変化を大胆に描いてきた異色のエコノミストと国家への深い洞察にもとづいて理論的考察をくりひろげる哲学者が、経済学者には見えない世界経済の本質を描く意欲的な対論。【目次】はじめに――市場経済だけで資本主義を語るエコノミストたちへ/第一章 先進国の超えられない壁/第二章 資本主義の歴史とヘゲモニーのゆくえ/第三章 資本主義の根源へ/第四章 バブルのしくみと日本の先行性――日米関係の政治経済学――/第五章 日本はいかに生き抜くべきか――極限時代の処方箋――/対談を終えて/「歴史の峠」に立っているという認識を 水野和夫/経済学的常識への挑戦 萱野稔人
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年04月26日
原油価格を巡っての先進国と新興国の交易条件が変化し、これにより変動費が高騰したため、景気の変動とは関係なく、固定費、つまり賃金を引き上げられなくなった。これに対し、アメリカは実物経済の比率を下げ、金融経済のレバレッジにより国家経済を巻き返そうとした。ヨーロッパも同様だが、レバレッジ係数はヨーロッパの...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月14日
資本主義とは自由な市場原理における経済活動ではない。なぜならその市場のフレームやそこでのルールの策定は市場原理とは別の力(国家による政治力)によって決められているからだ。バブルが崩壊したとき公的資金という市場とは別に調達された資金が、資本主義のシステムを支えているのはそのいい例だ。本書は資本主義を歴...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月11日
大澤真幸との対談でじわじわと感じてはいたけど、今回は萱野念人という結構若手の哲学者との対談で、ドゥルーズ=ガタリへの言及があった。その線ではあまり掘り下げがなかったけど、水野氏の他の著作と同じく、現在の経済的行き詰まりを一過性の問題としてみるのではなく、歴史的な転換期にあるものとしてとらえている。
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Posted by ブクログ 2018年10月31日
資本主義が始まって以降の歴史的な分析がわかりやすく明快だった。
今までこの本に気づかなかったことを悔しく思うほど。
スペインやポルトガルが新大陸を発見するだけでは世界の海の支配を確立するには十分ではなかった。16世紀以降、オランダが造船技術を革新して世界の海を支配する基礎をつくり(空間革命)、それ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月12日
私の現在の世界経済に対する解釈と合致する本でした。内容はそこまで濃くないですが、簡潔に要点を押さえてまとまっており、①コストパフォーマンスの高さ、②非常に分かっている(偉そうですんません)世界経済の解釈が行われている、点に於いて☆5にさせて頂きました。
まず、近代の先進諸国が現在の新興国などで安く...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月01日
歴史に学び、現状と今後に対して深く考察する名著
1973 オイルショック
先進国の交易条件の悪化→変動費の増加→人件費の減少→景気回復と所得回復の分離
(1971ニクソンショック)1974
実物経済から金融経済へ
95~08の13年間で100兆ドル(米4割、欧3割)
・石油価格の決定権WT...続きを読む
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