次なる100年―歴史の危機から学ぶこと

次なる100年―歴史の危機から学ぶこと

3,960円 (税込)

19pt

4.0

近代はどう終わるのか、「第2の中世」は到来するか
圧倒的なスケールで説く、水野「文明史観」の決定版!

【内容紹介】
13世紀以降の社会は「数字(利益)は嘘をつかない」という前提の上に成り立っている。「神は嘘をつかない」という前提で成り立っていた中世キリスト教社会が崩壊していったのは「神が嘘をついた」からであって、人々は来世の天国よりも現世の暮らし向きが年々よくなっていく資本を信じるようになった。そこで、13世紀に教会は利子を認め信者を引き留めた。ところが、21世紀になって、「数字は嘘をつかない」という前提が揺らいでいる。現在は13世紀の身分社会以上に所得の不平等が広がっている。(略)

「21世紀の社会はいかなる方向に向かうか」であるが、社会の在り方は中心概念になにを据えるかで決まってくる。社会の仕組みの中心概念は、21世紀においてはもはやコイン(硬貨)ではない。イコン(聖像)が嘘をついたので、嘘をつかない数字を人々は信じるようになったが、そのコイン(資本)が嘘をつくようになったからである。所有権の概念や株式会社制度を見直し、ケインズのいう「明日のことなど心配しなくてもいい社会」を構築する必要がある。

ゼロ金利社会になって、ようやく日本人は働け、働けという強迫観念から解放され、人間の本質について考える時間を手に入れた。瞑想しても人間の本質はわからないので、「古典」あるいは芸術を学ぶ必要がある。ゼロ金利とは現在と将来の時差がなくなって、現在も将来も同じ価値となったことを意味する。将来もっとよくなるのではなく現在が最高なのである。すなわち、「より遠く」の将来ではなく「より近く」の現在に高い価値が与えられる。「資本の時代」が終わり「芸術の時代」が到来する。「より近く、よりゆっくり、より寛容に」が新たな行動原理となる社会が到来するであろう。(本書「はじめに」より要約抜粋)

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次なる100年―歴史の危機から学ぶこと のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年07月08日

    読みづらい文体だが、主張は明快である。
    ゼロ金利の意味とは何か、どうして実質賃金が下がるのか、中間層が没落する理由は何か。
    これらの疑問が氷解した。もはや成長は幻想である。

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    Posted by ブクログ 2023年01月04日

    1000ページくらいあり長く脚注が非常に多いが過去の歴史から生まれた階級を変わることは少ない、富める人がどんどん富む社会になっている。

    国際収支はゼロサムでアメリカが支配層になっている

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    Posted by ブクログ 2023年03月05日

    大著である。
    イコン、コインの次は、芸術が価値を持つ。その理由は、先進国で金利がつかなくなり、蒐集、収奪を特徴とする資本主義経済が終焉する。とのこと。
    芸術が価値を持つとの提案は勇気ある。本当にそうなるのだろうか。

    0

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