水野和夫のレビュー一覧
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「交易条件」「利子率革命」「経済の金融化は終焉を意味する」など、各国の経済の成熟化への流れ、世界経済の潮流がかなり分かりやすく解説されている。
水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」と併読するとかなりよし。Posted by ブクログ -
資本主義の変遷と金利•利子の歴史、ここからモデル化された枠組みを超えた現代経済を分析されています。
特に、経済の本でありながら資本主義が終焉を迎えることに言及される点は見ものです。Posted by ブクログ -
読みづらい文体だが、主張は明快である。
ゼロ金利の意味とは何か、どうして実質賃金が下がるのか、中間層が没落する理由は何か。
これらの疑問が氷解した。もはや成長は幻想である。Posted by ブクログ -
幾人かの学者らが、資本主義、近代が終焉に向かっている事を指摘するが、本書の著者・水野和夫氏もそうである。
水野和夫氏は、マクロな視点で歴史に注目し、超低金利が、『長い16世紀』が利子率革命により、中世を終わらせ、近代システムが開始したように、現在の低金利が、資本主義と近代システムを終わらせるという...続きを読むPosted by ブクログ -
大量消費社会を終え、成熟した社会に生きる人々は何を目指せば良いのか。エネルギーが枯渇していく将来を見据えれば、成長が鈍化する事は避けられない。Posted by ブクログ
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資本主義という謎 (NHK出版新書 400)
(和書)2013年10月14日 00:37
水野 和夫, 大澤 真幸 NHK出版 2013年2月7日
格差を絶えず付け続ける運動が資本主義である。
それに対し格差を解消することを目指す平等と平和の哲学がある。
資本主義の中から格差を解消する対抗運...続きを読むPosted by ブクログ -
地球上の資源が有限であることから導き出せる考察である。
仮に、構造改革や積極財政では近代の危機は乗り越えられないのだとしたら、国民への最先端技術への教育を通じて直接投資していくしかないのではないだろうか?
教育こそ生きた投資である。
少くして学べば、則ち壮にして為すことあり
壮にして学べば、則ち老い...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かったー。搾取する対象がなくなることが資本主義の限界ってことは前に何かで読んだが、資本が国境を越えるようになった1995年以降、国民国家と国家資本の利害が一致しなくなり中間層の下流化(格差拡大)と共に民主主義も破綻しつつある。Posted by ブクログ
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現在は、16世紀以来、世界を規定してきた資本主義がフロンティアを失ったことで終焉に向かい、国民国家を解体させる大転換期にあることを示す画期的な一冊。Posted by ブクログ
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これは確か、経済ブックガイドからだったか。プラス、帯の内田樹推薦コメントもポイント。
若干読み流してしまった部分もあるんだけど、基本的にはリーダビリティが高く、読みやすいものだった。可視資本が飽和した後、ネット世界という不可視資本に活路を見出したのは凄いけど、次にそれさえも飽和してしまったら、その先...続きを読むPosted by ブクログ -
資本主義が臨界に達している現代に警鐘を鳴らし、脱成長、脱資本主義を進めるべきと主張する著者。あまり経済関連の書籍は読まないけど、肌感覚で実感している現在の経済の問題点を線で繋げてくれるような分かりやすい解説で、おすすめ。Posted by ブクログ
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水野さんの分析、やはり鋭い。山口さん、相変わらず危機感と悲壮感いっぱいだけど、学者としての状況分析に深みを感じない。なぜ?Posted by ブクログ
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2019/06/14:
600年続いた、西欧の資本の蒐集による資本主義は、未開拓の地がなくなったことで、限界に達した。
アメリカが電子空間を新たな未開の地としたが、一時的な者だった。
これからは、再び帝国の時代に、それも「閉じた帝国」の中で、資本の拡張を前提としない「定常経済圏」による社会がう...続きを読むPosted by ブクログ -
昨今の日本の経済の低成長を経済の成熟期ととらえる点が新鮮だ。確かに欲しいものがないくらい十分豊かな日本になった。成長しないことを否ととらえ高度成長期のノスタルジー的に追い求めることは限界に達しているのかもしれない。資本主義の次なるパラダイムを提唱できる経済学者は現れるのだろうか。Posted by ブクログ
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一年に一回のペースでO.A.されているスペシャルは特に内容、人選ともに大変興味深く蒙を啓かれる。経済、心理、歴史。つまりおよそ平和を取り巻く全方位から論考、議論されるため、立体的かつそれぞれの書のエッセンスにとどまらず、タイムリーな論議にもなっており、実践実用的だ。
とりあえずは過去作をコンプリー...続きを読むPosted by ブクログ -
とても実感に近い著書だった。
資本主義は1番優れたシステムだと思っていたがもしかしたらそうでは無いのかもしれないと考えるようになった
どんなに政策を打っても利子率が上がっていないと言うことがそのサイン
資本主義は中心と周辺から構成され中心が利潤率を高め資本の自己増殖を推進していくシステム
資本主...続きを読むPosted by ブクログ -
前作を受けて、「長い21世紀」の果てに、世界はどうなるのか、といった問題について、著者の展望が述べられている。それは十分に説得力のあるものだ。ヨーロッパはやはり底力がすごい。米国追随一辺倒のこの国に未来はあるのか?あきらめないことが大事と著者はいう。Posted by ブクログ