水野和夫のレビュー一覧

  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    世界経済を歴史的観点から分析した内容で、グローバリゼーションも格差拡大も賃金減少も、すべて資本家が利益を求めるために国家(国民)を見捨てたためであると説明しています。

    14〜15世紀のヨーロッパではペストの流行によって人口が減少したため、労働者の実質賃金が上昇し、封建領主層は没落していった。この危...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    大澤真幸との対談でじわじわと感じてはいたけど、今回は萱野念人という結構若手の哲学者との対談で、ドゥルーズ=ガタリへの言及があった。その線ではあまり掘り下げがなかったけど、水野氏の他の著作と同じく、現在の経済的行き詰まりを一過性の問題としてみるのではなく、歴史的な転換期にあるものとしてとらえている。
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  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    水野和夫と大澤真幸の顔合わせは意外だったが、以前より知り合いだったらしい。2人の対談を通じて、経済学的な観点と社会学的な観点から、いまにも崩れそうな資本主義について、歴史的なスパンでとらえ直している。
    近代とともに発展した資本主義は、現代に至ってかつてないレベルでグローバル化した。この帰結として、搾...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    経済成長国が減っため今は資本主義の成長が終わる転換期じゃないか、という主張を軸に、武力・政府と経済との関わりが論ぜられたりします。アベノミクスには批判的な立場。理論的で説得力があり、勉強になりました。
  • 資本主義の終焉と歴史の危機
    本書は2014年3月に発行された本だが、小生は2014年4月に一度読んでいる。このほど再び本書を読み、時の流れと共にさらに説得力を増してきたと思った。
    「西欧的な近代化は、途上国から資源を安く購入することで成り立っていたが、途上国の近代化によってその条件はもはや消滅した」。まさにその通りではないか。...続きを読む
  • 世界経済の大潮流
    バブルが起こるのは、「成長」の幻想にとらわれ、量を増やそうとするから。
    リーマンショックと原発事故の根っこが同じだという論点は意外であったがまさにその通りと納得させられるものだった。
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    市場は国家の存在なくしてはその枠組みを持ちえないという前提のもと、経済覇権国の利子率の推移を下に現在は歴史的な大転換の位置にあるという議論。
    これまでの歴史的な流れにおいては、実体経済で隆盛を極めたのち経済体系が金融化する、ことを指摘しリーマンショックはその終わりを意味するものとしている。
    しかしい...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    ・多くの経済学者やエコノミスト達は取り扱うべき経済現象をモデル化可能な範囲に限定し、その枠組みのなかで理論の完成度やモデルの精緻化を競っている。しかし、今やその枠組みそのものが崩壊しつつあるのではないか。水野さんのまなざしはその枠組みの外に注がれているのである。
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    資本主義が始まって以降の歴史的な分析がわかりやすく明快だった。
    今までこの本に気づかなかったことを悔しく思うほど。

    スペインやポルトガルが新大陸を発見するだけでは世界の海の支配を確立するには十分ではなかった。16世紀以降、オランダが造船技術を革新して世界の海を支配する基礎をつくり(空間革命)、それ...続きを読む
  • 資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか
    資本主義は普遍的なものなのか、過渡期的なものなのか?なぜ西洋〜キリスト教の下で発生したのか?国民国家と資本との関係は?

     ローマから始まって、スペイン、オランダ、イギリス、アメリカ、日本、EU…。歴史上、ヘゲモニー国家は生産拡大→金融拡大→バブル→崩壊というサイクルで移行して行きます。その指標とし...続きを読む
  • 文藝春秋2月号

    文芸春秋3月号

    年間購読にしているのですがどうしたら読めますか
  • 世界経済の大潮流
    「現在が未来に食い込むにつれて、過去はその姿を新しくし、その意味を変じていく。」という清水幾太郎が訳書のはしがきで書いた言葉が、まさに体感出来る本です。今、起こっているグローバル経済の流れをブローデルの「長い16世紀」との近似から、中世から近代へのシステムを転換させた歴史の断絶と同じことが進行してい...続きを読む
  • 世界経済の大潮流
    終わりなき危機からどう離脱するか?
    9.11、リーマンショック、3.11、二一世紀に連続する危機の根底にあるのは、現代資
    本主義のドラスティックな構造転換だった。経済を人類史的な視野から眺め、これか
    らの経済を展望する。未来のための経済書!
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    私の現在の世界経済に対する解釈と合致する本でした。内容はそこまで濃くないですが、簡潔に要点を押さえてまとまっており、①コストパフォーマンスの高さ、②非常に分かっている(偉そうですんません)世界経済の解釈が行われている、点に於いて☆5にさせて頂きました。

    まず、近代の先進諸国が現在の新興国などで安く...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    非常に面白かった。その名の通りのこれまでの資本主義の歴史を踏まえた超マクロ展望の視点は新鮮だった。これから両氏の他の著作も読んでみようと思う。
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    すごく為になった一冊。経済の行く末を『国家』という枠組みも取り入れて、現在の世界情勢、日本の立場を書いています。今までは市場が拡大することを前提に、経済が回ってきた。しかし世界的飽和状態で低成長のだから資本主義は崩壊していくと言うもの。歴史から見た世界主権の移り変わりも勉強になった。
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    歴史に学び、現状と今後に対して深く考察する名著

    1973 オイルショック
     先進国の交易条件の悪化→変動費の増加→人件費の減少→景気回復と所得回復の分離
    (1971ニクソンショック)1974
     実物経済から金融経済へ
     95~08の13年間で100兆ドル(米4割、欧3割)

    ・石油価格の決定権WT...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    今までの先進国経済は、資源国から安い資源を輸入して得られる高い収益によって、高成長を続けてきた。(植民地時代の収奪の仕組みと基本的には同じ)
    これが、オイルショックを契機として成り立たなくなり、もはや実物経済ではやっていけなくなり、金融によって利益を上げる仕組みに変化していく。
    金融経済化はヘゲ...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    元エコノミストの水野さんと、インテリヤクザ風社会学者の萱野さんの対談本。
    対談本ですし、小難しい経済用語が殆どなく、平易に解説してくれているので、サクサク読み進んでしまいます。
    今、私たちは重要な歴史的転換点に立っているのだなとワクワクした気持ちになりました。
    良かれ悪しかれ、変化していく時代に生き...続きを読む
  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    約1ヶ月前に読んだばかりですが再読しました。
    資本主義の歴史を、軍事力や空間革命に裏打ちされたヘゲモニー(覇権)の推移を交えて解説されていて、読み応え有り。その中でも交易条件の悪化等が実物経済の利潤率低下を招き、そして金融経済化するといった流れはとてもわかりやすい。
    また、個人的に日本について今後は...続きを読む