坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 桜雨
    今まで四国、奈良と古き因習の残る小村、または町を舞台に伝奇ホラーを展開してきた坂東氏が今回選んだ舞台はなんと東京。しかも本作はホラーではなく、戦前の画家の探索行と昭和初期の情念溢れる女と男の業を描いた恋愛物。

    しかし、舞台は東京といっても年寄りの街、そして仏閣の街、巣鴨。やはり死がテーマの一部であ...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    なぜこの本を予約したのかさっぱり思い出せません。ともかく読んでしまう。
    1993年角川ホラー文庫創設。そこから30年あまりの作品の中から精選収録のアンソロジー。
    竹本建治「恐怖」1983
    小松左京「骨」1972
     SFっぽさあり
    宇佐美まこと「夏休みの計画」2017
     新しいなって思う
    坂東眞砂子「...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    角川ホラー文庫ベストセレクションのアンソロジー。第二弾の「恐怖」の方を先に読んでたけどこれが第一弾。
    綾辻行人「再生」鈴木光司「夢の島クルーズ」は既読でした。「再生」すごく久々に読んだけどやっぱり最高だな…。初読のなかでお気に入りは今邑彩「鳥の巣」山荘で出会った女性と主人公の会話が進むほどに不穏さが...続きを読む
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集
    【2024年10冊目】
    ホラー小説のアンソロジー!1作目から怖くて、「どうしよう寝れない怖い」となりましたが、いろんな作家さんのホラー小説が味わえて、結果オーライでした!

    1番怖かったのは、やはり「浮遊する水」でしょうか。「仄暗い水の底から」も拝読したことがあるので、多分読んでるはずなんですが、当...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    カバーイラストは濱口真央。

    ■綾辻行人 「再生」 (『亀裂』、『眼球綺譚』)
    中高生の頃に既読。再読。
    思った以上に・・・・の「・・」で笑ってしまった。

    ■鈴木光司 「夢の島クルーズ」 (『仄暗い水の底から』)
    中高生の頃に既読。再読。
    当時はすごい大人の話だと思っていたが、マルチ勧誘というしょ...続きを読む
  • 貌孕み
    総合評価で4よりの★3です。
    坂東さん=ホラーの認識が強く、星をどの分野として評価するか悩みました。
    全体的に現在、過去、未来と嘉津間の語りで繰り広げられる世界観。最初は馴染めなかったけど、馴染みだしたら面白い!!
    流石!坂東さん。
    一つ一つのストーリーは、ちょっとクセが強い内容もあるので、好き嫌い...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    読んだことのある話が最初2話続いたので
    同じ本を買ったかと焦った。
    オーストリア人の幽霊にイラつく。
  • 道祖土家の猿嫁
    【あらすじ】
    土佐の山村で、ワールドワイドな百年物語の幕が開く。
    祭りの唄は海を渡り、男と女は血を超えていだきあう。日本人はどこから来て、どこへ行くのか──。濃密な筆致でこの国の根源に迫る大河歴史ロマン!

    明治中期、土佐・火振(ひぶり)村の名家、道祖土家(さいどけ)に18で嫁いできた蕗(ふき)。そ...続きを読む
  • くちぬい
    放射能汚染を恐れ、東京から高知の山村に移住した夫婦の物語。
    山村での不気味な出来事が中心ですが、夫婦間の微妙な心理のすれ違いの描写に、常に嫌な予感しかしない…
    後味も悪いですが、最後の小節で更に唖然としてしまいます。
  • 死国
    自分の住んでいる四国を舞台にこれほどまでの土俗ホラーが繰り広げられるのにまず驚いた。寒風山トンネルとか石鎚山とか馴染みのある地名が出てくるので、自分の住んでいるところがとんでもなく恐ろしい死者の地のように感じた。

    しかし、この死者を甦らせる逆打ちという儀式、これが本当にあるのか、または言い伝えとし...続きを読む
  • 曼荼羅道
    富山の薬売り。いく先々の家に、薬箱をおいてもらい、使った分のお代をいただいて、新しい薬を補充していく。そんなあらかたなことは知ってはいるが、実際は、どうだったのか? 台帳をめぐって、南国の島まで、足を延ばした商売がうかびあがってくる。綿密に資料にあたった作品である。ただ、そのありかたと想像的展開は上...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    角川ホラー文庫ベストセレクションのアンソロジー。
    小松左京の「骨」は既読でしたが、久々に読んでも怖いと思った。震災の後の大洪水というくだりが東日本の震災のことを書いてるようで、それが1972年に書かれていたというところにまた戦慄。
    坂東眞砂子「正月女」何かのアンソロジーで読んだか、それとも同じような...続きを読む
  • 葛橋
    初めて読んだ著者の作品が、今まで読んだことのない類だったので、別の作品も読んでみようと思って手に取った。
    前回のものは単なるエロ小説だと思ったが、今回は違った。読んでいる間中、ずっと後ろを確認したくなるような恐ろしさがあって、話にも引き込まれた。
    でも、どの話も読後感が良くなく、「イヤミス」ならぬ「...続きを読む
  • 狗神
    期待したほど怖さはなかったが、面白く読めた。「ホラー」というよりは、角川文庫の惹句のように「伝奇ロマン」というほうが合っているかも知れない。横溝正史へのオマージュか、と思わせる要素がいくつかあり、横溝ファンとしては軽くくすぐられる感じ。だが実は全然関係なくて、自分がタイトルに引っ張られただけ、という...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    色々なテイストのホラーを楽しめる1冊。
    何話かは読んだことがあったけれど
    再読も良き。

    井上雅彦 「よけいなものが」
    短い話だけれど、私的にはゾワゾワ度高し。

    福澤徹三 「五月の陥穽」
    これは生理的な恐怖。
    思わず叫び出したくなる。
  • 朱鳥の陵
    この作家の特徴なんでしょう、文章の粘質さみたいなものは。これについては、読者の好き嫌いの問題になるでしょう。
    内容としては結構面白いのですが、結末が意外にあっさりしていて肩透かしを食らわされたな、というのが正直なところです。
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    坂東眞砂子さんの『正月女』と恒川光太郎さんの『ニョラ穴』が印象的。
    平山夢明さんと小林泰三さんのはもう何度も作品読んだことあるけど、相変わらず好き。
  • ブギウギ 敗戦後
    陽気なタイトルとカバーの絵から、昭和の人情物語かと思って読んだんだけど、思いがけずミステリーでした。
    しかも「ブギウギ 敗戦前」という前編があるらしい。どおりで箱根訪問の描写がそっけないと思った。でもそれ以外は特に違和感なく、リツの逞しさ(学ばなさ?)が味わい深いです。
  • 死国
    結局は三角関係の話。と思うと陳腐だけれど。
    四国の自然とか古事記の世界と合わせると、情景が豊かに浮かんでくる。
    ちょっと四国が怖くなった。四国の人はどう思ってるんだろう?
    結局男は死んだ女のもとに行ってしまうのだけど、そんな呪縛から逃げれないのは不幸なこと。主人公もせっかく帰省したのに踏んだり蹴った...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    あまり好みの内容ではなかった。

    ただ、正月女の話はばあちゃんに聞いたことある話に良く似ていた。「正月」という所が「西の女」という話だった気がするけど、昔話なんてそんなもんか。ちょっとゾッとしたけど。