坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 狗神
    引き込まれるような表現であっという間に読み終わってしまった。
    地方の古い因習や、近親相姦を扱ったディープな話ではあるが、美しい文体によりおどろおどろしさよりも妖しげな魅力を感じる傑作。
  • 朱鳥の陵
    世にも恐ろしい物語。

    たしかに、大和言葉が多く、一部人名が教科書的な書かれ方をされていないため、最初はとっつきにくいが、徐々に物語のパワーに押され、数時間で読み切ってしまった笑。

    圧倒的な情報量と古代史の暗部を描いた内容は圧巻の一言!最後はものすごい無惨な結末だが、不思議とさわやかさが残った。
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  • ブギウギ 敗戦前
    ただの田舎の話と思いきや、ナチや旧日本軍の計画に及んでいく意外な展開に、坂東さんは本当に素晴らしいストーリーテラーだったのだな、と尚更夭折が惜しまれます。
  • 朱鳥の陵
    私の中で夭逝の惜しまれる作家ナンバーワンでした。本作はラストが衝撃的で、読み終わった後もしばらく現実に戻れませんでした。最初はふりがなだらけの文章と難しい名前の登場人物で読みにくいかと思ってましたが、すぐに話に引き込まれ、ほぼ一気に読んでしまいました。ふりがなの分、本の厚さのわりに文字量は少ないので...続きを読む
  • 旅涯ての地(上)
    【本の内容】
    <上>
    13世紀、イタリア。

    元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。

    名は夏桂。

    密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。

    その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大...続きを読む
  • 旅涯ての地(下)
    【本の内容】
    <上>
    13世紀、イタリア。

    元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷した時、一行の中に宋人と倭人の血を引く奴隷がいた。

    名は夏桂。

    密貿易に失敗した彼は奴隷に身を堕とし、マルコたちに買い取られたのだった。

    その運命は、偶然手にした一枚のイコンによって大...続きを読む
  • 狗神
    土俗的な風習や田舎の閉鎖性、憑き物、呪いという
    ある種の和製ホラーの方向性を位置づけた記念碑的作品
    なのだなあということを確認しながら読むような感じだった。

    物語の舞台となる村落の描写を読むたびに
    隣人・村人との不思議な距離感と村全体の閉鎖性と緊密性に覆われた
    小野不由美『屍鬼』の舞台である外場村...続きを読む
  • 狗神
    中学生のときに読んで衝撃を受けた作品。
    読み返してみようかな(*´ㅈ`*)
    犬神伝説とかオカルト系好きにはたまらない!
  • 狗神
    和製ホラー。
    美希に降りかかる恐ろしい出来事たち。
    それでも幸せをつかもうとする彼女に、災厄は訪れてくる・・・。

    とりあえず、やっぱりこういう伝説とか怖いものが多いですね。この犬神伝説以外にも色々な怖い伝説は日本各地に残っていると思います。
  • 神祭
    坂東さんの神髄、土着的な怖い話。日本てなんて素敵な国だったんだろうと思える。もうちょい昔に生まれてたかったな。
  • 死国
    タイトルからして強烈で内容も未だに鮮明。読んだ当時は中学生かな?とにかく怖かった。けれどまた読み返すと抱く感想はまた異なり、魅力的。自分の中では名作です。
  • 旅涯ての地(上)
    初めて読んだ時、いままでなかったぐらいに衝撃的で
    深く印象に残った。今でも、たまに夢に出てくるほど…
  • 桜雨
     それは目を奪う絵だった。 
     薄墨の夜を背景にして紅蓮の炎が舞いあがる。燃えているのは木造の家屋だろうか、炎に照らされて二人の女の顔が浮かんでいる。何を考えているのかはわからない。苦しみを抱えているようでもあり、頬を緩めて、苦しみから解放された安堵の表情にも見える。火焔が起こす上昇気流に揉まれ乱れ...続きを読む
  • 屍の聲
     こんなに怖いホラー小説は読んだことがない…

     各地の民話や伝承に着想を得た怪談ですが、文章が圧倒的にうまいから、どの短編も現実のように感じる。
     最近の、なにかゲームの世界のようなホラーとは一線を画する、本物のホラーです。
  • 狗神
     表紙の智内兄助の絵がものすごくいいです。ゾクゾクします。

     狗神使いという特殊な家系の主人公が、土佐の土着的な伝承と閉鎖的な村社会の中で次第に追い詰められていく過程が怖いです。
  • 死国
     四国、それは『死国』へと通じる。

     四十八カ所の霊場を死者の年の数だけ逆まわりすれば、すなわち「逆打ち」をすれば死者は甦るという。

     東京で生活に疲れた主人公の比奈子は郷里である高知県の村に帰る。幼友達とも再会、初恋の相手、文也とも再会し淡い恋の記憶がよみがえる。しかしいつも一緒で一番仲の良か...続きを読む
  • 狗神
    深い。
    最初に読んだときはそれほど面白いとは思わなかったけれど、二度三度じっくり読み込んでいくとじわじわと怖くて面白い。ラストの突き放したようなような終わり方も、流れからしたらいいじゃないだろうか。
    いい意味で後味が悪いのがいい。ホラーはこうじゃなきゃ。

    原作を読みこんだあとに映画を見た。とっても...続きを読む
  • 旅涯ての地(下)
    読むのに苦戦・・しかし、気づくと物語の中に自分がいるような錯覚を覚えるくらい細やかな描写は、時にはっとして読む手を止めるほど。

    死んで天の国に逝くことを渇望し、生き地獄のような現世で厳しい戒律の信仰に身を捧げ生きる人びとは・・・死ぬために生きるみたいで読んでて苦しかった。
  • 旅涯ての地(上)
    13世紀、イタリア。元王朝クビライ・ハンに仕えたマルコ・ポーロ一族がヴェネチアに帰郷したとき、一行の中に宋人(チャイナ)と倭人(ジパング)の血を引く奴隷がいた。名は夏桂(カケイ)。彼が手に入れた一枚のイコン(神を描いた板絵)が、やがてカタリ派と呼ばれる異端信仰の村に大きな波紋を投げかけ、一つの村が、...続きを読む
  • 神祭
    どれも 少し前まであった時代

    生活の中に 普通に神祭が執り行われていた頃
    黄金色に波打つ稲穂の海原を 一升瓶の包みを下げたり晴れ着を着て風呂敷包みを下げ年に一度の神祭の日にやってくる”お客さん”。。
    どれも 懐かしく 昔話のように近くて遠い世界のお話
    もちろん こんなことをしたら 罰が当たるのでは...続きを読む