屍の聲

屍の聲

495円 (税込)

2pt

3.8

「惚けてしまったおばあちゃんは生ける屍や。正気のおばあちゃんは死にたがっている」そう信じた少女は溺れる祖母を見殺しにした。そして通夜の席で一瞬、確かに祖母は蘇った――表題作「屍の聲」のほか、5編の恐怖短編を収録。因習としがらみの中で生きる人間たちの、心の闇に巣くう情念の呪縛。濃密な風土を背景に描く、恐怖の原型とは。記憶の底に沈む畏怖の感情を呼び起こす本格ホラー小説集。

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屍の聲 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2017年08月15日

     こんなに怖いホラー小説は読んだことがない…

     各地の民話や伝承に着想を得た怪談ですが、文章が圧倒的にうまいから、どの短編も現実のように感じる。
     最近の、なにかゲームの世界のようなホラーとは一線を画する、本物のホラーです。

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    Posted by ブクログ 2017年02月23日

    濃密な情念に満ちた重めのホラー短編集。血縁や婚姻による繋がりの中で、しがらみや重圧、自身や他者の欲望によって、心をすり減らしていく人々の物語。怪異が存在する話もそうでない犯罪小説的な話もありますが、人の身勝手さや嫉妬心、伴侶や家族に対する無意識の甘えがストレートに表現されて、ずしりとくるものがありま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    坂東先生は日本社会の閉鎖的かつ土着的、湿った雰囲気を描くのがとても上手だと思います。背筋がぞくりと震えあげるようなホラーは逸品です。

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    Posted by ブクログ 2021年01月26日

    相変わらず不気味な小説を書く作家。舞台は四国か。土臭い闇の世界がよぎる坂東のホラーは他の者の追随を許さない。短編集だがテーマとして共通しているのは“迷信”“ことわざ”“いいつたえ”など。これもおどろおどろしい雰囲気をかもしている。中でも、猫が死者を跨ぐと死者が生き返る、何ていうのは本当にあるようで恐...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年01月18日

    ①屍の聲
    ボケてしまったおばあちゃんと、その孫のお話。お年寄りの介護って本当に大変。よく、子供や孫が真摯に世話をする様子が描写されるけど、本当に、偉いなぁといつも感じる。介護って、それだけ大変なこと・・・まだ中学生の布由子の抱える負担感は相当なものだ。なんとなく、気持ちもわかってしまうのは、自分への...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年09月06日

    正月の元旦に女の人が死んだら、その村の女を七人引いていくゆうがよ(正月女)…など、田舎の地縁と人の執着心が歪を生み出すバッドエンドなホラー短編集。
    方言での会話が作り出す風土風習に絡めとられるような陰の雰囲気に独特のクセがあって、キモ怖くて面白い。

    「屍の聲」「猿祈願」「残り火」「盛夏の毒」「雪蒲...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    田舎の鬱屈した空気の中に燃える情念をテーマにした短編集。
    読みやすい中にも,ホラーとしての雰囲気が漂う。
    個人的には「屍の聲」,「正月女」が良かった。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年03月15日

    呆けて孫のことが分からなくなったお婆ちゃん、でも時々呆けていないお婆ちゃんが出てきてそのお婆ちゃんは死にたがっている...これは孫の気持ちが分かりすぎてキツイ

    どの話も人間が生きる屍になっている
    でも同時に燃え上がるような生も感じていて、圧倒された

    雪蒲団はどうして繁さんが殺されなければならなか...続きを読む

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