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南太平洋の王国イリアキに残る謎の砂絵「金の汗」。世界の行く末を告げるというその伝説が解明された時、かつて跋扈した日本人の欲望と情念が甦る。明治末期に移民として辿り着いた鉱夫。戦時中に軍の機密を帯びて訪れた特攻隊兵士。彼らは、この地に何を封印したのか? 三つの時代を往還しながら、物語の陶酔に誘う南洋小説の傑作!
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Posted by ブクログ
やはり、坂東眞砂子は、おもしろい。テンポが、他の作家と違う。亡くなる前の力作であり、秀作と思う。 時空を超えた話が、違和感なく伝わる点では、タイトル、サブタイトルなどを外連味たっぷりで、出版社と売らんかなとしてかいている時代劇やミステリー作家とは、明確に一線を画しており、読みごたえがある。 この...続きを読む本では、作者の幅広い知識が詰め込まれ、散りばめられている。量子の世界や、放射線など、難解な学問すら、文学に転換されている。 売らんかな作家とちがい、日頃から、人というものを、その根幹である生命と生殖で見つめて、平たくいえば生と性を大事に考え抜いた作家だったと思う。 物理、医学までの幅広い知識を持って考えるこの作家は、情理だけでしか行動しないネット社会民からは理解されない子猫殺し事件発言で、自らバッシングの対象となった。 この女性の作家は、芥川龍之介や水上勉、横溝正史などと並ぶ文筆家と思うが、女性であることは、やはり違いがでる。 全てが遺作となったの今、久々に読んだ坂東眞砂子さんの作品。安物のミスがはやる中、時々読みたいと思う。
南の島に古くから伝わる砂絵サリタを軸に、戦前、戦争末期、そして現代のストーリーが交代で進んでいく。途中からは、死んだ人間の視点も時折加わり、それぞれのストーリーがひとつにつながって、伝承の謎も解明された…と思いきや、時間が巻き戻され…。 夢だったというよりも、もうひとつの未来だったのか。 視点が変...続きを読むわるたびに、前の段の言葉をつないでいく手法も凝っていて、うまい。勤勉とは対極にある、南の島の粗野な力強さは、作者の得意とする舞台設定で、描写にも熱い息づかいを感じる。 直木賞を受賞した山妣の印象が強烈で、ずっと追いかけているが、じつのところ最近はピンとくる作品がなかった。本作は、久し振りに読み応えがあった。
幻の話だったのか? 最後に少しホッとしたり、あれこれくびを突っ込むものではないと思ったり。 どの地域にも言い伝えというようなものがあるように思う。物事を具体的に示しているというわけではなく、何かになぞらえて示しているような歌のようなものであったり、絵などであったり。 宝探し的なことって人をワクワクさ...続きを読むせるものなのかなぁ。
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坂東眞砂子
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