坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 葛橋
    表題作を含む中篇小説が3本収められています。
    ミステリーでもホラーでもないけれど、人間の心の奥深くに潜んでいる説明のできない“不思議さ”のような部分がどの話の中にも書き込まれています。
  • 死国
    お遍路が右回りなのは生の結界を作る意味がある、ってのは面白いと思いました。
    死霊が溢れる際の情景描写はすごかった。
    あれほどまで生に執着があるものなのか。後悔しない生き方をするのが大事ということを考えさせられます。
  • 狗神
    最後まで展開読めなかった!
    なんか日本の古来風習とか、日本人っていう生き物を考えてしまった。
    映画化もされているようで、今度見てみたいと思いました。
  • 死国
    四国(死国・しこく)に昔から伝わる話。お百度回りを逆に巡ると死んだ者が生き返るという。遍路 四国霊場巡礼を続ける男。何十年振りかにふるさとに帰ってきた主人公が感じる 死んだはずの幼なじみの視線。

    こわ~い。やっぱり 古い言い伝えがあるような田舎ってやっぱコワイ。山に囲まれて、騒音がないところは何か...続きを読む
  • 蛇鏡
    板東さんのホラーにはまっていた時に読んだ本。
    霧菜に、すごく共感してしまった。

    怜が元彼のことを考えている時の
    ・私は浮き輪のように彼にしがみついているだけなのかもしれないという言葉に考えさせられた。
    あぁあたしもしがみついてたのかも。
  • 桃色浄土
    四国へんろの区切り打ちから帰ってきたときに見つけた一冊。
    子供の頃に読んだ『お月さんももいろ』と、補陀洛渡海の合わせ技。すごいねこのヒト。エログロのイメージがあったけれど先入観持つのは食わず嫌いとおんなじなんですなー。
    あらためて、『死国』なんて読んでみよーかしら…。
  • 蛇鏡
    ひっそりと歩み寄る恐ろしさを感じる秀作。
    心の弱い部分につけ込まれるとどうしようもなくなる様は、共感できるだけにわかっていながらも罠に嵌っていく心境にさせられる。
  • 桜雨
    ジャンルはホラーサスペンスと言えるだろうが、
    ロマンス要素もかなり強かったと思う。
    三角関係に絡む一枚の絵画の謎解き。
    最後の最後にハッとするような結末が!
  • 旅涯ての地(上)
    俺、この人のやったこと、それについての考え方、絶対に許せないし、納得できないんだよね。でも、別の作家の本読んだときに、この作品の方が面白いという声を聞いて、気になった。
    一体この人がどんな作品を書くのか?てことも含めて。
    で、読んでみて、、、、、ヤラレタナァ・・・。今年読んだ中では一番かも。。。
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  • 蟲

    男の俺にはいまいち実感わかなかったがそれなりに読める。
    妊娠した主婦が蟲によってどうのこうのという話。
  • 道祖土家の猿嫁
    郷土の高知を舞台にした作品は多く、明治中期とか山村というのも別作品とイメージがだぶりました。しかし、旧家地主に嫁した女性の話は、民権運動、大正デモクラシー、第二次大戦、オリンピックまで続き、死後のエピソードを現代の曾孫が締める。
    都会や事件からでなく、昔からの因習を抱えた田舎村の視点で歴史を見ると、...続きを読む
  • 死国
    一気に読んでしまった〜!

    日本にいる際にどうしてもっと日本古来を知ろうとしなかったかなぁ、って思う。
    大変興味深かった。
    私、ちなみに四国には一度も行ったことないんです…。
  • 屍の聲
    坂東先生は日本社会の閉鎖的かつ土着的、湿った雰囲気を描くのがとても上手だと思います。背筋がぞくりと震えあげるようなホラーは逸品です。
  • 蛇鏡
    日本神話を土台に、人の心の移ろいを写し出す。「そのおかたやったら、絶対に変わらへん心で、あんたを愛してくれはる。」「誰やの、それは?」
  • 蛇鏡
    日本古来の八百万の神への信仰に興味があるので、それだけでも楽しめた。でもそこに、結婚を控えた女性や、下半身不随の少女などの揺れる心境が見事に重ねて描かれていて、日常の中の心の迷いからふと、「あちら側」の世界に引き込まれてしまうこと、あるのかもしれないなぁ・・・と思ってしまう。
  • 狗神
    とにかく面白かった。舞台といい、人物の描写、恐怖の演出、どこをとっても、実に丁寧に描かれていて、読み心地がいいです。特に人と人との関係を通した恐怖感がいい感じだと思います。出だしから前半部分にかけての怖さは、読んでいて鳥肌がたつくらいでした。

    話の進め方も唐突ではないので、細かく読んでいけば、大体...続きを読む
  • 旅涯ての地(上)
    私は坂眞砂のホラー小説が大好きだから、歴史ロマン大作ということで、なかなか読むきにならなかったのだが・・・。父を宋人(中国)、母を倭人にもつ主人公・夏桂の数奇な運命の物語。マルコ・ポーロ一族の奴隷になり西の涯てへ。これってミステリ?なんて言わないで〜。人間、そのものがミステリ〜っていうことで・・・。
  • 死国
    20年ぶりに帰ってきた地元で仲の良かった幼馴染が亡くなっていたことをはじめて知る比奈子。
    帰省中に起こる様々な出来事にゾワっとした。
    土俗ホラーといった感じで、四国のお遍路や口寄せなど色々盛り込まれていてなかなか面白い。
  • 死国
    高知の風習が描写されていて、いつもながら、高知の山々、自然、川などが目に浮かぶ。登場人物の言動も高知の人間そのまま。リアルと想像をうまく織り交ぜている。
    お盆に松明を木の棒の先にくくりつけて、火をつけて高く掲げる。死んだ人が帰ってくるための目印になる。というのは、祖母から教えられた。
    『死国』という...続きを読む
  • 死国
    生者も死者も怖い。
    娘を失った母の気持ちはわかるが、母もこの地の呪いのような物に囚われてしまっていたのかもしれない。
    ハッピーエンドで終わるかと思いきやの最後のワンシーンで、誰も彼もみな囚われた小さな世界から抜け出せないのだと思った。
    本当にありそうな話。