坂東眞砂子のレビュー一覧

  • 蛇鏡
    「死国」「狗神」などで知られる坂東眞砂子氏のホラー・カルテット(実質)最終作。
    「死国」から変わらない、作者独特のテンポのよい語りのスタイル、土俗的暗さを持つムラの描写はそのままに、ストーリーの展開、登場人物の描き方、そして神話・民俗学的奥行きの深い世界観が完成を見た。
    舞台は他の小説の舞台と異...続きを読む
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集
    傑作ホラーを集めたアンソロジー。1993年以降に発表された全8編を収録する。「七つのカップ」の姉妹編。
    浮遊する水(鈴木 光司)
    猿祈願(坂東 眞砂子)
    影牢(宮部 みゆき)
    集まった四人(三津田 信三)
    山荘奇譚(小池 真理子)
    バースデー・プレゼント(綾辻 行人)
    迷い子(加門 七海)...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    名作の寄せ集めなのでもちろん良い
    ただ半分は読んだことある作品だった
    読んだことなくて面白かった作品が収録されてる短編集を買うことにした
  • 道祖土家の猿嫁
    明治から昭和まで、高知県の山間部の集落から贄殿川流域農村へ嫁いだ蕗の100年の物語。
    蕗は猿みたいな見た目の嫁だというだけで、特別な人ではない。脈々と現代にまでつながる人々の生活と家族の中で働く嫁の姿を映し出す。

    道祖土家は地主で、嫁いだ家には義父母と義祖父母がいて、さらに出戻りの義姉が誰の子かわ...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    岩井志麻子と澤村伊智がよかった。

    岩井志麻子先生、バラエティ出てきた時文章との差にぶっ飛んだもんな。今回も硬くて陰鬱な空気感。読み慣れるまでちょっとかかる。

    学校は死の匂い。うん。好意、真っ直ぐ返ってきてほしいよね。古市くんがいい人格付与されてるなぁ。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    どれも面白かった。
    『リング』著者の鈴木光司の作品は初めて読んだが、リアルな生々しさがあった。
    特に好きだったのがビルとビルの隙間に落ちる『五月の陥穽』。

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    角川ホラー文庫約30年の遺産!90年代から現在までの最恐セレクション。

    1993年4月の創刊以来、...続きを読む
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    小林泰三『人獣細工』、怪奇趣味的でもありSF的でもあり。
    すごいなこれ。惜しい人を亡くしたって改めて思った……

    他の作品もどれも良かったけど恒川光太郎『ニョラ穴』が特に好き。
    程よく謎が謎のまま残ってて余韻のゾワゾワ感ヤバい。やっぱホラーはこういう読後感が残ってこそですよね!

    ジワジワ怖い、ゾッ...続きを読む
  • 葛橋
    高知の村人の特性、山の風景、すべてがリアルに描写されている。誠実で良心的な人間の心の奥に潜む、憎悪や復讐心。良い人間が虐げられて、でも死んでからちゃんと復讐する。気分がいい。高知の女は気が強い。
  • 狗神
    初めて読んだ坂東眞砂子氏の作品。トリックのあるミステリーなのか、ホラーなのか‥‥ホラーでした。濃い血の繋がり、いわゆる近親相姦と、閉鎖された山村での村八分が描かれています。ドロドロですが、先が気になって、あっという間に読破。
  • 蛇鏡
    この人の小説は一筋縄ではいかない。予定調和で決して幕を閉じないのだ。
    人間の業はまだ終わらないというメッセージが共通して感じられる。

    そして、『死国』、『狗神』、この作品と3作品通して共通しているテーマが、死者の再生。失われた者たちが生者の心の隙間を利用して甦ってくるという設定が一貫して、ある。
    ...続きを読む
  • 死国
    『ぼくらの頭脳の鍛え方』(立花隆・佐藤優)をきっかけに本作に興味を持った。読んだ感想として、自分が好きな和風ホラーゲーム「零 赤い蝶」と似た雰囲気や展開で、個人的に読みやすい小説であった。本作は高知県の矢狗村を舞台に、小学時代に過ごした村を訪れた主人公の明神比奈子、かつて主人公の親友で今は亡き日浦莎...続きを読む
  • 狗神
    なんとも業の深い物語である。
    前作『死国』と同じく作者の故郷、高知の山村、尾峰という閉じられた空間を舞台に、昔ながらの風習が息づき、「狗神」を守る坊之宮家とそれらに畏怖の念を抱く村の人々の微妙な関係をしっかりした文体で描いている。

    前作『死国』でも感じた日本の田舎の土の匂いまでも感じさせる文章力は...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    いやあ……怖かった。
    ずーっとゾワゾワ落ち着かない話に、オチで心臓が凍りそうになった話も。さすがベストセレクション。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    綾辻先生以外のお話は読んだことがなかったので、どっぷりと楽しめました。今邑彩さんと小池真理子さんのお話はどっぷりホラー。福澤さんのはラストが不気味。何より初岩井志麻子さん。いや、こんな硬派で素敵な文章を書かれる方だと思わなかったのでわびっくり。他の本も読んでみたくなりました。こうした編者がテーマに沿...続きを読む
  • 葛橋
    面白かったです。
    暗すぎず、怖すぎず。一本樒が一番好きかな。またたび酒の虫の話は、わ〜!と思ったけど。梅酒とかつけてみたい。
    そういうまめまめしい女性の暗い話がかなりツボでした。
    葛橋も、あの世につながる話ですごく魅力的。性的描写がなければもっと好きだな。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    依って件の如し、良かったなぁ。
    読んでいるだけで灰色の空とじっとりとした空気を感じられる作品でした。
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    澤村伊智、岩井志麻子、鈴木光司さんの作品は既読だったので、それ以外の作品を。こういう感じの怖さか、という作品が多かったけど、中では鳥の話が面白かったです。短編は手っ取り早く面白くていい。
  • 狗神
    著者の名前はどことなく聞き覚えがあり、読み終えて気づきました。

    1999年に「リング2」と同時上演され、映画館で見た「死国」の原作者。

    調べてみると高知県の産まれだそうで、納得。

    映画「死国」も舞台はもちろん四国、本書の舞台も高知県の山里で、そこで暮らす美希が主人公です。

    彼女の一族は「狗神...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    表題「再生」は伊藤潤二の「富江」のような不気味さがあり、
    それを受け入れてしまう語り手もまた気持ち悪すぎる。

    「鳥の巣」の結末にもひんやりとさせられた。

    「依って件の如し」
    「ぼっけぇきょうてぇ」でも読んだけど
    今読み返しても岩井志麻子の作品はこの作品集のなかでも圧倒的だと思う。

    明治時代(?...続きを読む
  • 狗神
    いつもながら四国の情景に心奪われた。
    田舎の嫌な人間関係と、畏れとのバランスが良かった。いつも男女関係があるけど、恋愛感情なしでは運命に勝つの難しいのかな、、
    救われない話だったけど、それも儚い伝承の話の味を出していた。
    いつも土地神様とか昔ながらの逸話が絡むので面白く読ませていただきたした。