小林泰三のレビュー一覧
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アーヴァタールが殺されたら本体が死のループから抜け出せるって思ったけど、アーヴァタールが本体と別人格認識だったら死の選択肢すら持たないし、そもそも死のループに入った時には本体が冷静に判断できる状況じゃないし、どっちみち死亡エンドになるからどうやっても報われない。Posted by ブクログ
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ヤバい。
人間の思い込みってやつを死ぬほど味わわされた。
当たり前の様に感じていた事が最後にガラッとひっくり返される。
特に『後妻』は圧巻で、思わずお見事と呟いてしまった。
流石は小林泰三、発想が柔軟でしなやかな作者の力量を思い知らされる傑作。Posted by ブクログ -
久し振りに小林泰三の作品を手に取る。やはり面白い。
読んでいても、飽きが来ない。読むのが楽しい。
ストレスが無い。これだけ素晴らしい作家は本当に稀有な
存在だ。亡くなったのが本当に惜しい。
文庫化されている作品は順次読ませて貰っている。
まだ、文庫化されていない作品も有る。
早く全ての作品が文庫化さ...続きを読むPosted by ブクログ -
未収録作品集。どれもこれもがシュールだったりユーモラスだったりグロテスクだったり、インパクトのある作品ばかりです。
お気に入りは「メリイさん」。これ、「怨霊」の別バージョンですよね。やっぱり抱腹絶倒。怖いはずなのに大笑い。
「逡巡の二十秒と悔恨の二十年」、これは恐ろしいような、優しいような。どう考え...続きを読むPosted by ブクログ -
この人は明らかに、作品、作品で自分の作風、文体を自在に変化させている。おそらく遠慮なく物語を書かせれば、とんでもないものを書くのではないか富と思うのです。
ゾンビという設定を科学の中に落とし込み、それが出現した社会の法体制、揺らいでしまった「死の基準」を司法がどうするのかということまで書いていきます...続きを読むPosted by ブクログ -
凄く面白かった~名作万華鏡 芥川龍之介篇、となっているからどんどん続いてほしいな。
芥川龍之介の短編世界と、現代日本世界を生きる人間が一時的にクロスオーバーする、という筋立て。この文庫本に収められている4編がうっすら連作なのも良いし、過去の小林泰三作品とも重なっているのも長年のファンには嬉しい仕組み...続きを読むPosted by ブクログ -
宇宙規模の壮大なスケールに感動しました。
ある日突然、全人類の記憶が10分程度しか持たなくなる危機が訪れます。
半導体チップを身体に埋め込み、記憶を記録する人類へと進化していきます。
身体と記憶が完全に分離した時「魂」は存在するのか。
死後再生が可能な世界では、様々な葛藤が生まれます。
「あなたはあ...続きを読むPosted by ブクログ -
最初はプククと笑いながら読んでたんだけど、あれ、これは一体どこへ連れて行かれるの?
予測不能の物語に、さすがとか、まいったとかは言えないわ。
恐れ入りました。Posted by ブクログ -
ダイアローグの小林泰三節(ぎざぎざしていて不条理)はデビュー作から変わらず健在でうれしい。タイトルから哲学的ゾンビの話題か?と思いきや、そうではなく所謂ホラー分野に出てくるゾンビの方だな、とゾンビの踊り食いのスプラッター描写にドキドキしながら読み進めていくと、なぜか次第に哲学的ゾンビ(何をもって人間...続きを読むPosted by ブクログ
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ついにあの人が主役に! 性格最悪でしかも○○までやっちゃってるけど、探偵としてはとっても有能な新藤礼都が活躍する連作ミステリ短編集。ずけずけと歯に衣着せない辛辣な物言いは実に爽快です。……だけど、実際には付き合いたくないよねこの人(笑)。というよりも、他にも関わり合いになりたくないような人がいっぱい...続きを読むPosted by ブクログ