小林泰三のレビュー一覧

  • 海を見る人
    短編集と思い呼んだが、実は一つの長編であった。
    楽しみ方が幾つも存在し、一度だけではなく二度三度と読んでしまう。
  • 臓物大展覧会
    おどろおどろしいタイトルのわりには読後感は爽やか。コメディやハッピーエンドもあり、明るい気持ちになれました。ハズレなしの良作短編集。
    最初の「透明女」だけは安定のグロですが、他はだいたい健全。星新一オマージュの「釣り人」、アイザック・アシモフ的な世界観の「造られしもの」なんて特に上品で、おいおいグロ...続きを読む
  • 目を擦る女
    「目を擦る女」は好きなジャンルだと思って読んだら、乗り切れない自分に驚いた(笑)。
    映画ならホラー≧SFなのに、読書だとSF>ホラーな自分の好みを再認識。
    「Σ」「脳食い」「未公開実験」「予め決定〜」はすべて仮想世界をうまく取り入れた作品。それぞれに違った論理性があり、どれも甲乙つけがたい秀作。

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  • セピア色の凄惨
    同一人物がある人の話を聞くという構成からなる短編4つ。
    どれもレベルが高いけど一番いいと思ったのは『ものぐさ』。
    実際に起こらなくもなさそうなところが怖い。ゴミ屋敷の人って面倒くさがりってレベルを超越してるんだろうな。
  • 海を見る人
    ハードSF+愛
    SFも愛も理解しがたいからこそそのハーモニーが絶妙なのか
    『キャッシュ』『海を見る人』『門』
  • 臓物大展覧会
    読んでるだけで臓物の臭いがしてくる短編集。
    グロを比喩じゃなくて直球で表現してくるから痛い臭い気持ち悪いことこの上ない。
    この人のSFとホラー混じった感じが最高に好き。
    『透明女』が突き抜けてるから他が物足りないかもしれない。
  • 目を擦る女
    「その数字は君が計算して初めて存在するのだろうか?
    それとも、計算する前にすでに存在しているのだろうか?」

    (超限探偵Σ/脳喰い/空からの風が止む時/刻印/未公開実験/予め決定されている明日)
  • 家に棲むもの
    ホラー短編集。「食性」のラスト1~2行が秀逸。「肉」は「目を擦る女」収録の「未公開実験」とリンクしている作品なので、そちらを先に読むと楽しめる。「お祖父ちゃんの絵」はとても気に入っていて、大好きな作品。「ヤンデレ」という言葉を聞くとこの作品が思い浮かぶ。
  • 目を擦る女
    ハードSFからホラーまで、彩り豊かな短編集。「超限探偵Σ」には誰もが脱帽することだろう。「未公開実験」は他の作品とリンクしていて面白い。ターイムマスィ――ン!
  • セピア色の凄惨
    長編ですがオムニバス形式なので読みやすかったです。頭のおかしいヒロインが探偵に変な調査を依頼したと思ったら、探偵も頭おかしかったという超展開ワロタ。特に「ものぐさ」が抱腹絶倒。小汚くてシュールな雰囲気が筒井康隆の「家族八景」ぽいと思いました。ただしエロと超能力はない。
  • 海を見る人
    「母と子と渦を旋る冒険」が一番よかった。宇宙探査機の近親相姦とは新しすぎる。へ、変態だー!
    時間や空間がねじ曲がった世界、タイムパラドックス、宇宙の謎系ストーリーが好きな人におすすめ。とびきりの非日常が楽しめます。
  • 海を見る人
    時間の流れが違う場所に暮らすふたりの恋。
    時間という隔たりに嘆いて、事象の地平面である海面に飛込んでしまうことで、女の子の姿は広がり続ける。
    それによって主人公や残された人たちの主観の中では、少女の恋をした時間は永遠に思えるような年月のなかで引き伸ばされつづける。ありえない恋をしたふたりのお話「海を...続きを読む
  • セピア色の凄惨
    コメディ?ホラー?
    いいえ、一度味を占めると抜け出せない、これぞ泰三ワールド。

    いつもは一つ二つくらいハズレがあったんだけど、今作は一貫性があったからか、全てが面白かった。
    特に「ものぐさ」、と「安心」は笑いこけた。

    目を背けたくなるようなグロテスクな箇所が多かったけれど、全体を通して貫き通され...続きを読む
  • 海を見る人
     再読。表題作に惹かれたけど、読んでみたら二番めの「独裁者の掟」がストライクだったという思い出。
     相変わらず私の頭では理解が追いつかないレベルのハードSFだけど、それを差し引いても面白い。壮大な世界観を予感させながらばっさり終わらせた「時計の中のレンズ」や「天獄と地国」も好きだし、「キャッシュ」の...続きを読む
  • 天体の回転について
    表紙を除いて最高だた。
    コミカルな部分、ロジカルなSF部分、グロな部分が揃ってた

    表紙がアレじゃなきゃ小林泰三入門としてみんなにオススメするのに…
  • 海を見る人
    短編集。
    「海を見る人」「門」を再読。
    いくつもある箱庭的な世界観の中で、やはりこの2作品は素晴らしい。

    「海を見る人」は、場所によって時間の流れが異なる世界でのひと組の男女を巡る物語。悲劇的な内容なのだけど、恐ろしいほど綺麗な結末に身震いする。

    原因は結果となり、結果は原因となる。
    そんな作品...続きを読む
  • 脳髄工場
    犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。
    健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。
    両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?
    人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に...続きを読む
  • 忌憶
    アイディアが凄く好きで、人間の記憶の持つ怖さというか…常識と認識の狭間というか…

    怖いです。

    難解なテーマだと思うけど、とても面白くてスイスイ読めました(笑)
  • 脳髄工場
    衝撃的。

    本当に世界が誰かによって操作されてたらどうしようって考えた。

    どうしようもないけど・・・。
  • 目を擦る女
    どれもこれも、小林泰三色が濃く出てて、ファンとしては美味しい一冊。
    あぁっ、もう大好きなんです。小林ワールド。