小林泰三のレビュー一覧

  • 脳髄工場
    11の物語の短編集
    5ページで終わるほど短いものもあり、とても読みやすい本でした。
    小林泰三にしては設定が普通な感じもありましたが、「さすが!」と思わせる場面もあり、十分に楽しめました。

    『脳髄工場』
    周りのほとんどの人々が脳髄に機械をとりつけ、極端な感情を抑制されている世界で、自由意思を...続きを読む
  • 目を擦る女
    短編7作すべてにはずれがまったくなく、すべてが最高に面白い。

    『目を擦る女』
    ある女性が、引っ越してきた隣に住む女に、「この世界は自分が見ている夢だから、自分が目覚めると消えてしまう。現実の世界は酷い有様になっている。」とおかしなことを言われ、現実と夢との区別がつかなくなっていく。
    女が現と...続きを読む
  • 家に棲むもの
    やっぱり小林泰三(ヤスミ)は面白いなぁ、と実感する短編集

    〈家に棲むもの〉
     昔殺人があり、丘の中腹にぽつんと建つ、継ぎ接ぎだらけの家。
     そこに住む嫁は、姑がぼけ始め奇妙な行動をするのを我慢しながら、夫の単身赴任からの帰りを待つ。
     姑は独り言を言い始め、娘は知らない全裸のお婆さんをちょ...続きを読む
  • アリス殺し
    会話がなかなか進まない感じが最初は戸惑ったがだんだんハマって不思議の国での会話が面白かった。展開は予想できなくておもしろくて一気に読めた。私は不思議の国のアリスを詳しくは知らなくてわからないものもあったので、不思議の国のアリスを読んでもう一度読み直したい!
  • 安楽探偵
    簡単に読める。感想としては多少正直オチが弱いと思う話もあったり、「あぁ。」の一言しか心に残らなかった話もあった。しかし私の心を射止めた話としてダイエットの話がある。あれは読んだ後にニヤニヤしてしまった。アイドルのストーカーの話は読んでいて、とある映画を連想した。
    いずれにせよ楽しめたので満足でした。
  • 人獣細工
    世にも奇妙な物語に出てきそうな話だった。
    人獣細工の、最終的に全身が豚だったとわかったときはゾッとした。
    後味が悪い短編集。
  • クララ殺し
    メルヘン殺しシリーズ第二弾目。

    前回アリス殺しを読んで面白かったのですぐに探して読んでみたが、これまた面白い。


    最後の《アレ》は、《アリス殺しの前》な訳ではなく 《またレッドキングが眠りについた》と解釈しておく。いいね、こういうの大好き。


    前に《人外サーカス》を読んだので、【徳さん】の事は...続きを読む
  • アリス殺し
    揚げ足を取り合うような会話文は読むのが面倒だったが途中から慣れた。あの堂々巡りの会話文で不思議の国の知性の乏しい感じを表現できているのがすごいと思う。
    種明かしパートは気持ちよく読めた。
    地の文がほぼ皆無なのにグロテスクなシーンは細かく描かれていて不気味だった。未知の生物とグロの取り合わせが苦手で途...続きを読む
  • 臓物大展覧会
    グロ多めで嬉しい
    人違いで誘拐される話が大好きなのでありがたかった
    透明女の動機がかなり良かった 自分を助けてくれた人たちに恩返しがしたくて、自分が今1番素晴らしいものを共有してあげよう(押し付け)としているの、順当に人とコミュニケーション取ってこなかった人特有の思考でいい 自分が欲しいものは他人も...続きを読む
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
    特殊設定ミステリと、小林さんの独特なセリフ回し(これ大好き)がたまらなかった。
    死ぬとゾンビになる世界で起きた密室殺人事件。
    瑠璃の秘密もずっと気にはなっていたけど、そういうことだったのねと。
    混沌の世界観の中での最後清々しさがあるのご良き!
  • アリス殺し
    アリスの世界と地球(でいいのかな)での姿の組み合わせを誤認させてくるのは絶対あるよなぁと思ってましたが、ハム美がそっちだとはさすがに気付きませんでした…ハム美………怖かったよねハム美………

    過去作がホラーの棚でよく見かける書名(玩具修理屋 怖そうすぎて読んだこと無かった)だったので、全体的な不穏さ...続きを読む
  • 見晴らしのいい密室
    QRコードだけやけに見覚えがあったけど前に読んだのか?記憶になかった、何度も楽しめてたらラッキー

    タイトルに密室って入ってたからミステリ期待したけどどっちかといえばSFに軸があった。

    ・見晴らしのいい密室
    表題作になるほど?読者視点では外の世界も二次元だからそんなに面白くなかった。夢オチは好き。...続きを読む
  • 人獣細工
    ホラー?なのか?
    怖さよりも気持ち悪さみたいのが先立つ雰囲気
    「人獣細工」も「本」も友達がすごく良いな
    「吸血狩り」は解説と同じこと思ったけど、いやでも、色々怪しいことあったしな…いずれにしろ「吸血鬼」が悪いですね
    「本」おもしろかった。安部公房の「人間そっくり」思い出しましたね。去年読んだからか
  • ドロシイ殺し
    クララ殺しに比べてアーヴァタールの関係性が分かりやすく書かれてたので混乱しなかった。

    オズマの印象が最初と最後でガラリと変わった。オズの国というテーマもあってかクララ殺しよりもなんでもありストーリーだったけど余裕で引き込まれた。
  • 人獣細工
    3編の短編からなるホラー小説集です。

    タイトルの人獣細工も含めて、全てが衝撃的なラストを与えてくれます。終盤に向かうまでの狂気に染まっていく描写にもつい夢中になり、読み進める手が止まりません。

    短編なので読みやすいのも良かったです。
    2作目「吸血狩り」は特に、少年の心情描写も見事でした。没入間に...続きを読む
  • 天体の回転について
    「灰色の車輪」「三〇〇万」が特に好き。
    古典SFでよくモチーフにされがちなテーマを、よりとっつきやすく再構築したような印象の短編集でした。
  • アリス殺し
    会話中心の小説で、会話も不思議な感じで設定含め好き嫌いが分かれそう。ハマる人は楽しいだろうな。
    想像してたよりファンタジーすぎてびっくりした。ミステリーってこういうのもあるんだなって衝撃、感動?
    夢である不思議の国に現実が翻弄されてるかと思いきや、地球が夢だったのかぁ〜発想がおもしろい!すご!

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  • アリス殺し
    めちゃくちゃ面白かった!

    正直、ファンタジー要素の入ったミステリって、どうしても不可解なところが多くご都合主義な感じなのであんまり好きでは無いんですけど、こんなにゴリゴリファンタジーで面白いミステリがあるとは!!
    新ジャンルを開拓してしまった...

    不思議の国での会話が、ほぼ描写無しで会話文だけ...続きを読む
  • アリス殺し
    『神獣の都』以来、ヤスミン作品九作目。メルヘン殺しシリーズ第一弾。ずーっと楽しみに積んでいたのですが、ツイッターを見ていたら「御逝去」との文字ががが・・・えッ!?と、目を疑いました…。ショック過ぎて本当に辛い……。ファンとしては作品を読むことが一番の供養かと思い、このタイミングで読み始めました。
    ...続きを読む
  • アリス殺し
    とんちんかんな会話で「ふしぎの国のアリス」の世界観がきちんと伝わりました。

    結末もよかった。おもしろかった!