小林泰三のレビュー一覧

  • 玩具修理者
    良い狂いっぷり!
    正常と狂気の狭間で、何が正しくてなにがおかしいのか、その境目が曖昧に溶け出し、気づくと混乱の渦。
    淡々と進む会話が泥沼にはまるかの如く、ずぶずぶ思考力を失わせ、新しい世界線に立たされる気分。
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1
    小林泰三『玩具修理者』
    沙藤一樹『Dーブリッジテープ』
    朱川湊人『白い部屋で月の歌を』
    森山東『お見世出し』
    あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』
  • 未来からの脱出
    「殺人鬼にまつわる備忘録」のSF版…と思いきや、ラストでぐるりと印象が変わる。確かにホラーだ。
    相変わらずの思考実験めいた会話が楽しい。
  • 臓物大展覧会
     グロさに定評がある小林泰三作品の中でも特に血生臭い作品。「透明女」は女性を解体している描写が妙にリアリティがあって読んでいて痛みを感じるような錯覚に陥った。
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    小林泰三さんと宮部みゆきさんは、このアンソロジーでなく読んでいたのですが、改めて、う! (ーー;)

    岩井志麻子さんは日本らしい、湿気たっぷりのホラーで、やはりうまいですよね。

    去年から読みはじめて、ようやく完読。
    ことしは去年よりも読みたい本がたくさんあるので、出だしは順調でうれしいかも。
  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年
     ホラー、ミステリー、SF、落語などバラエティーに富んだ短編集。どの作品もクオリティが高かったが、特に「侵略の時」「メリイさん」「食用人」「サロゲート・マザー」が面白かった。
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
     ゾンビが蔓延した世界で起こる殺人事件。発想も去ることながら、終盤で明かされる驚愕の真実に驚かされた。
  • アリス殺し
    他の方の感想にもありましたが、なんせ会話がかなり長い!この会話に最初は「これから面白くなるのか??描写が一切書かれないのに、物語の世界に入ることが出来るのか??」と思ってしまいました。
    が、読んでみたらページをめくる手が止まらない!会話ばかりなのに、小説の世界にどっぷり浸かってしまいました…びっくり...続きを読む
  • 杜子春の失敗~名作万華鏡 芥川龍之介篇~
    芥川の小説をモチーフにしているが、そこはやっぱり小林泰三。
    一筋縄ではいかない登場人物とグロ描写がいい。
    バランスがよく、短編集だということもあり、読みやすかった。
    ラストは秀逸。
  • 人獣細工
    狂っている。最高に狂っている。二話目の吸血狩りも一般的に読んだら陰鬱な読後感が襲ってくる一遍だと思うんだけど、それすらも箸休め要員。シュールで最早ホラーコメディの様な気もしてしまうのにしっかり気色の悪い「本」が、この中では一番好きでした。グロいのに爆笑してしまう。

    呂太后が威夫人を人豚にするという...続きを読む
  • AΩ 超空想科学怪奇譚
    宇宙からの侵略者を宇宙から来た別の生命体と合体して迎え撃つという有名すぎる構図ですが、敵味方双方がいろいろと手加減なしだと、こんな嫌な感じになりますよねって思いながら結構楽しめました。主人公の名前も有名ヒーローの2番手と2番手の組み合わせでオマージュか皮肉だったりするのでしょうか。
  • 人獣細工
    実際に今の現代において豚の心臓を人間に移植しているので、人獣細工はホラー小説じゃなくなるかもしれないなと思った。全身に豚の臓器になったらそれは自分なのか豚なのか考えたこともなかったので主人公の葛藤が面白かった。
    3話の中で『本』が一番好みでした。不気味でした。表現がグロいのもあるが、人の狂い具合がな...続きを読む
  • アリス殺し
    表紙と作品名に惹かれて購入。
    言葉尻を捉えて屁理屈を捏ねてなかなか話が進んでいかない会話は、ある種のリアリティを感じさせられた。
    最後の最期はあー…という感じ。
    この作者の他の作品も読んでみたくなった。
  • 玩具修理者
    電車の中で読んで、最後変な声出そうになった。
    お見事。
    会話で崩れていくのを描写するあたりがとても好み。
  • アリス殺し
    ほぼ会話文で進行するのですぐ読めた.
    4回くらいどんでん返しが小出しにされるので終盤は面白い...
    けど、結末はあまり好きじゃなかった.
    (若干、某角館感あるよな〜...)
  • 玩具修理者
    1.玩具修理者
    よくある話で普通だった.最後の文まわりが少し腑に落ちないにはなった.
    2.酔歩する男
    凄い面白いになった.時間に対しての概念を根底から考え直すきっかけにはなった(?).この物語の構造にケチをつけようとしても、結局自分主観の世界で、逆にいうと視点がそれしか無いので、物理法則などは第三者...続きを読む
  • 玩具修理者
    「玩具修理者」
    会話文主体で淡々と物語が進みますが、修理過程の描写など妙なリアリティがあり面白かったです。最後に分かる真実で、初めから読み直したくなります。短いので読みやすかったです

    「酔歩する男」
    タイムトラベルについての部分が物理学や時間の定義などかなり難解で文系の自分は頭痛を起こしました。考...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    名作の寄せ集めなのでもちろん良い
    ただ半分は読んだことある作品だった
    読んだことなくて面白かった作品が収録されてる短編集を買うことにした
  • 玩具修理者
    ・小林泰三の魅力を感じるに相応しい2作品の抱合せだった。
    ・玩具修理者は、グロい表現が日常表現のように違和感なく出てきて、それがまた不気味さを感じる。
    ・予想の一歩先のオチも面白かったし、これだけの読後感をあの短さで与えられるのはすごい。
    ・酔歩する男は、とてつもなく巨大なものがゆっくり迫りくるよう...続きを読む
  • 玩具修理者
    小林泰三の真骨頂。
    ヤバいホラー。うまく言えないが、行間に静かな狂気と怨念がいる気がする。

    玩具修理者、酔歩する男、兆し、人獣細工

    これらはホントにヤバい。
    ホラーという括りに収まらないなにかがある。
    筆力と情景が迫ってくる。
    読めばわかるこのヤバさ。
    是非。