藤原正彦のレビュー一覧

  • 心は孤独な数学者
    天才中の天才ニュートン。ニュートンの「プリンキピア」を12歳で読破した早熟の天才ハミルトン。ヒンドゥーの女神のお告げを受け、新定理を量産した神がかり的天才ラマヌジャン。天才はなぜ天才なのか。才能ゆえの栄光・・・しかし、それと同じ深さの懊悩を、彼らは抱え込んでいたのではなかったか──憧れ続けた3人の天...続きを読む
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―
    「一応ノーベル賞はもらっている」こんな学者が闊歩する伝統の学府ケンブリッジ。家族と共に始めた一年間の研究滞在は平穏無事・・・どころではない波乱万丈の日々だった。通じない英語、まずい食事、変人めいた教授陣とレイシズムの思わぬ噴出──だが、身を投げ出してイギリスと格闘するうちに見えてきたのは、奥深く美し...続きを読む
  • 古風堂々数学者
    ①武士道精神を愛して卑怯を憎み、②他人の向上に熱心な性向を持ち、③論理的、合理的でないものを尊ぶ情緒の国に生まれたことを誇りとする、情に掉さしてばかりの数学者はいかに誕生したか。論理の美しさとユーモアが見事に和した、珠玉の傑作エッセイ。

    ひとつ気付いたことは、藤原正彦のエッセイ集には、たいてい最後...続きを読む
  • 数学者の言葉では
    かつてコロラド大学で教えた女子学生から挫折の手紙が届いた。筆者は彼女を激励しつつ、学問の困難さを懇々と説く。だが、困難とはいえ数学には、複雑な部分部分が張りつめた糸で結ばれた、芸術ともいうべき美の極致がある。また、父・新田次郎に励まされた文章修業、数学と文学の間を行き来しながら思うことなど、若き数学...続きを読む
  • 数学者の休憩時間
    コンピューターにはなく、人間の思考にだけあるもの──それは「死」の感覚と「他人の不幸を思いやる気持ち」。数学者だからこそ見極められた明晰な論理の底には、深い情緒が流れている。妻の初産にうろたえる夫の心、思考の限界に挑む学者の気概、父・新田次郎の足跡を慈しむ旅の日記。そしてちょっとトボけた身辺雑記。選...続きを読む
  • 心は孤独な数学者
    天才は幸せでない。
    そんな気はしていたが、それにますます確信が深まった。

    生来の素質だけではなく、不遇な幼少時代の環境も手伝って特異な偉業を産む頭脳が形作られたり、天才であるがゆえに平凡な幸せから引き離される結果となったりするように見える。
    天才であることと、幸せであることは相入れないのか。

    ...続きを読む
  • 世にも美しい日本語入門
    画家の安野光雅、数学者の藤原雅彦、2人の「日本語について」の対談を冊子にしたもの。

    あぁ、日本語ってホントに豊かなんだ、そしてお2人のユーモアも素晴らしい。
    というのと、今後読んだら良い本のガイドブックにもなっています。

    この「世にも美しい日本語入門」は、
    対談集なので、楽に読めます。 ...続きを読む
  • 父の威厳 数学者の意地
    文章全体ににじんでるまっすぐな人柄に好感。まったくきどってなく、カッコをつけずに言葉を綴れるのってすごい。
  • 古風堂々数学者
    祖国とは国語の次に読んだ藤原氏の作品。平成の大不況時にこんな本が書かれていて、当時のことをほとんど覚えていない自分にとって状況を理解し、それを批判的展望した一意見が非常に勉強になった。ぜひまたよみなおしたい。くやしいことに、今本を読みすぎていて、読んだ内容がごちゃ混ぜになっている。
  • 若き数学者のアメリカ
    数学が嫌いだからって理由でこの本を避けないでください。光る視点、引き付ける表現。さりげなくすばらしい文学です。
  • 父の威厳 数学者の意地
    おむすび頭の頑固おやじ風イラスト(表紙)を見ただけでこの本の雰囲気が分かるというものです。藤原さんの本はどれをとっても独特のユーモアがちりばめられ、芯のしっかり通った日本男児の心意気が感じられます。やわに成り下がった日本人に喝!
  • 古風堂々数学者
    外国に留学経験のある筆者が見た、日本文化と欧米文化の違い、そこから来る日本という国への愛情であるとか現代の教育や文化に対する考え方、提案など、盛り沢山な内容。
    小学校時代は「読み書き計算」を軸に教育を行うべきであって、理科や社会は中学・高校からで十分、という提案は驚くと同時に大いに共感できる、革新的...続きを読む
  • 世にも美しい日本語入門
    安野光雅(と藤原正彦の対談)にクラフト・エヴィング商會の装丁なんて素敵すぎる。両者とも齢相応のかたくなさが目についてしまって、対談内容だけを取り上げてしまえば藤原氏が小川洋子と語った「世にも美しい数学入門」よりも劣るけれども、「美しい日本語」が矢継ぎ早に出てくるのは流石。そう、本書にも取り上げられる...続きを読む
  • 心は孤独な数学者
    ニュートン,ハミルトン,ラマヌジャン彼らそれぞれのバックグラウンドを丁寧に説明し,著者が実際に訪ね,実際に書いていたノートを拝見したり,故郷の住んでいた家などを訪れるともう本の中からもこれらの偉大な数学者たちが裏で一生懸命に過ごしていた熱い努力が伝わってくるような作品でした.数学者としてだけでなく,...続きを読む
  • 世にも美しい日本語入門
    日本人の必読本。抽象的な日本生まれの漢語を生み出した西周さんのこと。私は強制されて読書するのは天邪鬼だからこのまないけれど、読書ゼミというのは名著に出会う良いきっかけになるはずだ。宮本常一「忘れられた日本人」無着成恭「山びこ学校」新渡戸稲造「武士道」を読みたい。
  • 世にも美しい日本語入門
    画家と数学者が日本語を語るのが面白くて購入。お二人のいずれにも日本語でインプットされたことが元になり、絵であり、数学でありのアウトプットになっている。面白い。
  • 世にも美しい日本語入門
    ひとりの数学者とひとりの画家が語り合う日本語の魅力。そのリズム・表記・文学… 失ってはいけない大切なものが、言葉の中にはあるんです…
  • 心は孤独な数学者
    数学者、藤原正彦の大天才数学者3人をつづった本。といっても半分以上はインドの大天才、シュリニヴァーサ・ラマヌジャンに割かれています。そしてラマヌジャンの天才っぷりにビックリ!
    それと各地に実際に赴き、藤原氏が思い、感じたことをつづった文章が秀逸!!
  • 古風堂々数学者
    さらさらと読めるエッセイ集。
    著者の考えや感性に共感するところが多いのと、私には到底及ばない発想が斬新で心地よい本でした。あとがきも面白い。
  • 心は孤独な数学者
    この本を読んでわかったことは1、天才も凡人と同じように、いやそれ以上に悩む。2、天才だからといって幸せとは限らない。