藤原正彦のレビュー一覧
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日英米の文化に関する考察や数学の話など非常に興味深く濃い内容で良かった。いつも思うが藤原先生のエッセイは密度が濃く読んでよかったと思う。ただ最後の検便を巡る学校との争い、ここが本書のクライマックスかと思うが、全く共感できなかった。おもしろかったが。Posted by ブクログ
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「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数」の言葉は知っていましてが、それを提唱したのが「品格ブーム」の立役者でもある筆者だとは知りませんでした。「英語は5%ほどのエリートが流暢に操れれば充分」等、かなり強気な持論をお持ちで(本人は米ミシガン、英ケンブリッジで研究)、逆に新鮮だと感じました。Posted by ブクログ
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2021.10.2
正しさを測るための価値観、それを身につけるためには教養が必要。教養はさまざまな体験から得られるけれども実体験には限度がある、故に読書は必須。Posted by ブクログ -
教養の必要性について述べた本。西洋や日本における歴史の中での教養の位置づけに大部分の論述を割きつつ、最終章で現代における教養の必要性について述べている。
教養を厳密に定義することには著者も消極的であるが、著者は教養を「情緒や形と一体になった知識」、最終章での言い換えでは知識・情緒・意志や道徳と主...続きを読むPosted by ブクログ -
対話形式。論理的思考のみでは大局を見通せない。広い視野で物事を考えられるようにするなら、ICT教育や英語教育より、読書で文化や教養を身につけるほうが先でしょう、という考えに頷いてしまう。歯切れのよい語り口で、紙の活字本派に響く内容だった。本屋を守る方策に関しては、サラッとしか触れていないので、そのあ...続きを読むPosted by ブクログ
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本屋に立ち寄って書架を眺めるのはとてもワクワクする。本屋、読書の話かと思いきや、海外に滞在された経験から、予想以上に広い話に発展して得した気分。日本の学校教育において、交ぜ書きではなくルビ打ちを提唱されている点には大いに賛同する。岡潔先生の著作の話から、一般に、意味がなく排除すべきと思われている「情...続きを読むPosted by ブクログ
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「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」と著者は言う。確かにそうだ。
スマートフォンは「眼に見えないもの」を大切にすること、「この世界にはまだまだ自分の知らないことがある」という謙虚さ、紙のにおい、質感、重量、字体の微妙な違い、行間の間、次の句までの一拍などは一切省かれてしまう。知らないうち...続きを読むPosted by ブクログ -
教養とは、実利とは縁遠い役に立たない精神性の総体で、目先の利益は齎さないが、心の奥底に効くもの。教養がなければ大局観は磨けない。その教養を磨くには読書しかないという著者の自論が熱く語られている。Posted by ブクログ
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読書習慣の喪失による国語力の低下の弊害を嘆き、子供期の読書を推進する本。思想の強めな表現も散見されるが、メッセージには説得力があり読書の重要性を再認識できた。
対話形式ではあるが、インタビュアーは多くを語らず、著者の言葉が多いためわかりやすかった。Posted by ブクログ