藤原正彦のレビュー一覧

  • 国家の品格
    この本が大ブームになった頃に買ったのに15年以上読んでおらず、先日読んだ同著者の『若き数学者のアメリカ』に感銘を受け、慌てて読んだ次第。
    海外での豊富な経験の元、祖国日本を愛するが故の著者の結論、警鐘、提唱は説得力と納得性のあるものだった。
    今思えば、バブル崩壊後の長い景気低迷、同時多発テロの勃発や...続きを読む
  • ヒコベエ
    藤原正彦先生の少年時代の自伝的小説。おもしろい。戦後当時の様子が生き生きと描かれている。ひこべえは体も大きく運動も得意で頭も良い、こんな恵まれた少年だと充実した章ね時代を送れるんだろうなと思った。数学者の藤原先生なので算数・数学ネタを期待するが、いくつか算数ネタが入っていて良かった。幼少の頃から計算...続きを読む
  • 父の威厳 数学者の意地
    日英米の文化に関する考察や数学の話など非常に興味深く濃い内容で良かった。いつも思うが藤原先生のエッセイは密度が濃く読んでよかったと思う。ただ最後の検便を巡る学校との争い、ここが本書のクライマックスかと思うが、全く共感できなかった。おもしろかったが。
  • 国家の品格
    「あ~なんか聞いたことあるな」って思って手にした家にあった有名な本。

    基本的にいかに日本の「武士道精神」が素晴らしく欧米の合理思考がダメかについての比較論。
    アメリカ育ちとして気分がよろしくない部分もちらほら。

    でも言ってることは分かるし概ね正論だと思います。日本人はもっと日本人であることに誇り...続きを読む
  • 祖国とは国語
    「国語教育絶対論」では染まりきった欧米の思想にはっとさせられる。自由と便利を追求した先に待っていることの恐ろしさを想像させられる。時折それはあまりにも極論すぎやしないかと思う節もあったが。

    「いじわるにも程がある」では気楽に読める短いエッセイ集だが時に大切な教訓に目が止まる。

    「満州再訪記」では...続きを読む
  • 祖国とは国語
    「一に国語、二に国語、三四がなくて五に算数」の言葉は知っていましてが、それを提唱したのが「品格ブーム」の立役者でもある筆者だとは知りませんでした。「英語は5%ほどのエリートが流暢に操れれば充分」等、かなり強気な持論をお持ちで(本人は米ミシガン、英ケンブリッジで研究)、逆に新鮮だと感じました。
  • 国家と教養(新潮新書)
    2021.10.2

    正しさを測るための価値観、それを身につけるためには教養が必要。教養はさまざまな体験から得られるけれども実体験には限度がある、故に読書は必須。
  • 国家と教養(新潮新書)
     教養の必要性について述べた本。西洋や日本における歴史の中での教養の位置づけに大部分の論述を割きつつ、最終章で現代における教養の必要性について述べている。
     教養を厳密に定義することには著者も消極的であるが、著者は教養を「情緒や形と一体になった知識」、最終章での言い換えでは知識・情緒・意志や道徳と主...続きを読む
  • 日本人の誇り
    日本に植え付けられた「敗戦国観」を拭い去り、本来の日本人の誇りを取り戻せ、といったところ。
    これを読んで、
    「でも戦時中の日本人は…」とか「やっぱり真摯に反省すべきでは」とか思っちゃう人は戦後日教組の歴史観にのまれちゃってるのか…。悩ましいところだけど、でも大東亜戦争(あえて使う)開戦に至る米英の思...続きを読む
  • 国家の品格
    武士道。名誉は命よりも重い。金銭よりも道徳。
    運命を引き受ける平静な感覚、生を賤しみ死に親しむ(仏教から)▼主君への忠誠、祖先への尊敬、親孝行(神道から)▼為政者の民への慈悲(儒教から)

    新渡戸武士道は日清と日露の間。西洋列強が日本に警戒感を持ち始めた時期。

    敗者への共感、劣者への同情、弱者への...続きを読む
  • 日本人の誇り
    太平洋戦争の評価について、詳しい見解が述べられていますが、総括では今の日本人が改めて認識すべき事が書かれていました
  • 国家の品格
    「論理」は一見絶対に見えるが、実は現実社会にあてはめると欠点が多いという指摘が面白い。1、重要な事柄は論理で説明できないことがある。2、論理には始点が必要 3、論理の跳躍にはリスクあり=単純にならざるをえない。 とかく仕事は論理が重要視されるが、情緒・形といった、無常観が変形して培われた惻隠の情も、...続きを読む
  • 本屋を守れ 読書とは国力
    対話形式。論理的思考のみでは大局を見通せない。広い視野で物事を考えられるようにするなら、ICT教育や英語教育より、読書で文化や教養を身につけるほうが先でしょう、という考えに頷いてしまう。歯切れのよい語り口で、紙の活字本派に響く内容だった。本屋を守る方策に関しては、サラッとしか触れていないので、そのあ...続きを読む
  • 祖国とは国語
    ところどころ笑いつつ、藤原氏の語彙力に驚いた。
    初めて出合った四字熟語も多いので、今度使ってみようかな。
  • 国家の品格
    東大で数学を極めた筆者が、ゲーデルの不完全性定理を示し、論理だけでは重要な問題は解決できないと悟り、情緒や形が大切だと言っていることに驚いた。

    英語に関しては、筆者と同じく、がっつり文法を始めるのは中学からが良いと思う。それまでは、読み書きの基礎を築き、かつ広く「本を読む」習慣をつけるべきだと思う...続きを読む
  • 本屋を守れ 読書とは国力
    本屋に立ち寄って書架を眺めるのはとてもワクワクする。本屋、読書の話かと思いきや、海外に滞在された経験から、予想以上に広い話に発展して得した気分。日本の学校教育において、交ぜ書きではなくルビ打ちを提唱されている点には大いに賛同する。岡潔先生の著作の話から、一般に、意味がなく排除すべきと思われている「情...続きを読む
  • 世にも美しい数学入門
    学校教育で数学に馴染まなかったけれど、最近興味を持つ機会があったので、読みやすそうなものから。数学…見えないものを見るような不思議な世界。
  • 本屋を守れ 読書とは国力
    「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」と著者は言う。確かにそうだ。
    スマートフォンは「眼に見えないもの」を大切にすること、「この世界にはまだまだ自分の知らないことがある」という謙虚さ、紙のにおい、質感、重量、字体の微妙な違い、行間の間、次の句までの一拍などは一切省かれてしまう。知らないうち...続きを読む
  • 本屋を守れ 読書とは国力
    教養とは、実利とは縁遠い役に立たない精神性の総体で、目先の利益は齎さないが、心の奥底に効くもの。教養がなければ大局観は磨けない。その教養を磨くには読書しかないという著者の自論が熱く語られている。
  • 本屋を守れ 読書とは国力
    読書習慣の喪失による国語力の低下の弊害を嘆き、子供期の読書を推進する本。思想の強めな表現も散見されるが、メッセージには説得力があり読書の重要性を再認識できた。
    対話形式ではあるが、インタビュアーは多くを語らず、著者の言葉が多いためわかりやすかった。