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数学とは当面は何の役にも立たないが、後世になって非常に役立つこともある、という奥床しい学問である。そうすると、何によって価値判断するかというと、主に「美しいかどうか」なのであり、美的感受性を育てることが非常に重要である――ガウス、ラマヌジャン、谷山豊と古今東西の天才数学者たちのエピソードも交えながらユーモア溢れる語り口で、数学の美しさを証明していく〈世にも珍しい〉対談集。
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Posted by ブクログ
「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」の反対が数学。 なかなか役立つ時が来ないし、その時が何千年後だったりする。 そもそも役立つことを目指さない、美しさと感動だけを求めるのが数学。ただその一心で取り組んでるのが数学者だというのは、世間の数学者へやイメージとだいぶかけ離れている気がする。
三角形の内角の和は180度。 平べったい三角形もとんがった三角形も…。 そしてそれは100万年前も100万年後も変わらない。こんな真理はない。 →「三角形の内角の和が180度だという美しさを どれだけ情熱的に語ってくれたかで、小学生の数学への興味は変わる」 →本当にその通りだ。 この本を読み終わった...続きを読むら数学は確実に好きになる。 今後、友愛数や完全数を ユーモアを交えて日常会話に溶け込ませたい。
ホント、美しい!! 学校教育としての算数&数学と、数学者たちを魅了する数学との齟齬はなんだろう。 本来、そっちへ進むべき人たちが、学校の数学で多く淘汰されてしまってる気がしてならない(><) あきゅFBで、どなたかがオススメしてた本。 すっごい!すっごい!面白かった♪
面白かったなあ。数学解くのは嫌いだけど、見るのは大好きです。谷山・志村予想の話はすごい良かった。数学が虹をかける。そして、神様の手帳。理系は、特に数学が専門の人達は、ロボットみたいで感受性に欠ける、みたいなことを言っている人たちがいるだろうと思うけど、間違いなくそれは間違いである。それをこの本で確認...続きを読むした。簡単に読めるので、万人に薦められる一冊。
藤原正彦(1943年~)氏は、東大理学部数学科卒、東大大学院理学系研究科修士課程修了の数学者、エッセイスト。お茶の水女子大学名誉教授。新田次郎と藤原てい夫妻の次男。『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。「論理より情緒」、「英語より国語」、「民主主義より武士道」という氏の自説を説...続きを読むいた『国家の品格』(2005年)は、200万部を超えるベストセラーとなった。 小川洋子(1962年~)氏は、早大第一文学部卒の小説家。『妊娠カレンダー』の芥川賞ほか、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、菊池寛賞、紫綬褒章等を受賞・受章。また、記憶が80分しかもたない数学博士と家政婦の母子との交流を描いた『博士の愛した数式』は、読売文学賞、本屋大賞(第1回/2004年)を受賞し、ベストセラーとなった。 本書は、『博士の~』を執筆する前に、小川氏が知人を通じて藤原氏を紹介してもらったことをきっかけに、同書発表後に改めて行われた二人の対談をまとめ、2005年に出版されたもの。 私はノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。また、私は対談本をあまり好まず、それは、焦点がぼやけて物足りなさが残ること多いためなのだが、本書については、藤原氏も小川氏も過去に作品を何冊も読んでいて、この二人の対談がつまらないはずはないと確信があり、手に取った。 そして、(学校で習ったもの、習わなかったもの含め)様々な定理・公式が如何に美しいか、また、数学者が何故それらに魅入られるのかが、期待に違わず興味深く語られ、一気に読み切ってっしまったのだが、それは、小川氏がもともと、『科学の扉をノックする』(様々な分野の科学者7人との対談エッセイ)や『そこに工場がある限り』(様々な工場の見学エッセイ)のような本を出してしまうほどの好奇心の塊で、また、藤原氏が、(『国家の品格』で繰り返しているように)現在の実学重視の風潮に大いに疑問を持ち、「高貴な学問の代表である数学の復権を試み」るという思いで答えていることにもよるのだろう。(尚、本書は単独でも楽しめるが、『博士の~』に関する記述も多いので、同書を読んでからの方がベターだろう) 藤原氏は、あとがきで、次のように書いている。「数学や文学や芸術でもっとも大切なのは、美と感動だと思う。これらは金もうけに役立たないし、病気を治すのにも、平和を達成するのにも、犯罪を少なくするのにもほとんど役立たない。しかし、はたして人間は金もうけに成功し、健康で、安全で裕福な生活を送るだけで、「この世に生まれてきてよかった」と心から思えるだろうか。「生まれてきてよかった」と感じさせるものは美や感動をおいて他にないだろう。数学や文学や芸術はそれらを与えてくれるという点で、もっとも本質的に人類の役に立っている。読者がそんな私の、そしておそらく小川さんの、想いを感じていただければ幸いである。」 藤原氏と小川氏ならではの対談で、「数学の美しさ」が分かりやすく説かれた良書である。 (2022年9月了)
学校でこんなふうに教えてほしかった! 数学はただの計算式でなく、美しさを追求する学問なんですね。おもしろい! 中田あっちゃんの数学の動画を見ていたので、ラマヌジャンやオイラー、フェルマーの名前が出てきたときは「あー知ってる!」と嬉しくなりました♪
学校教育で数学に馴染まなかったけれど、最近興味を持つ機会があったので、読みやすそうなものから。数学…見えないものを見るような不思議な世界。
匿名
数学の美しさを、小川洋子が質問者となり、藤原正彦が述べている。小学校、中学、高校と習ってきた数学の美しさというものを改めて気付かされた。高校数学レベルの詳しい解読署を読みたくなった。 オイラーの定理とかπの話とかとても興味深い。
「博士の愛した数式」で知った小川洋子と藤原正彦の共著とみて思わず手に取った一冊。博士の愛した数式同様、数学に精通していなくとも数学の美しさをほんの少し感じられる内容だった。数学はヨーロッパのものと思っていたけど、日本人の美的感覚やアジア民の寛容性(ゼロの発見)も数学に貢献していることを知って、なんだ...続きを読むか鼻タカな気持ちになった。数学は役に立たないから面白い。数学は得意じゃないけど好きだから少しでも面白さを理解できるように一生勉強したいと改めて思った。
数学は難しいというイメージですが、話を聞いていると(読んでいると)、数学者が数学に魅了される気持ちはよく分かります。 自分にはやはり難しい世界ですが、美しいというのは理解できたと思う。
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