薬指の標本

薬指の標本

572円 (税込)

2pt

楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは……。奇妙な、そしてあまりにもひそやかな、ふたりの愛。恋愛の痛みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇。表題作ほか「六角形の小部屋」収録。

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薬指の標本 のユーザーレビュー

忘れたくとも失いたくはない過去に区切りをつけ、完結させるため、たくさんの人がその“標本室”を訪れる。持ち込まれる品は様々。例えば、楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、ヤケドの痕。そして、標本技術士の助手になった「わたし」は、欠けてしまった薬指の先端を。
登場するのは、皆、かつて何かを永遠に諦めてしまった人ばかり。寂しさは新たな寂しさを導いて、人々は己の物足りなさを埋めようと、他者にすがる。静謐な文章の底に息づく狂気がとても美しい。
本作は2005年にフランスで映画化されている。主役は「007 慰めの報酬」でボンドガールに抜擢されたオルガ・キュリレンコ。フランス映画らしい静けさとエロチシズムにくらくらとめまいを覚える。原作にほぼ忠実に描かれており、こちらもおすすめである。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    静かで冷たい「標本室」という職場で、少しずつ引き返せない恋に溺れていく一人の女性の物語。
    ここでの「標本」が何を意味するのか、姿を見せなくなった少女は、前任の女性たちは、何処へいってしまったのか。はっきりとしたことが書かれていないからこそ、美しく密やかな世界観が楽しめた。
    「彼に封じ込められていたい

    0
    2025年11月25日

    Posted by ブクログ

    封じ込めること、分離すること、完結させることが、ここの標本の意義だからです。
    繰り返し思い出し、懐かしむための品物を持ってくる人はいないんです」

    0
    2025年10月18日

    Posted by ブクログ

    この話に一切恐怖心が湧かず、親愛感すら湧いてくる事が怖い。いつの間にかそちら側に取り込まれている感じがする。

    0
    2025年10月10日

    Posted by ブクログ

    とても静かで耽美で、それでいて少し不気味だった。
    繊細で丁寧な描写が美しく、少し官能的なものを感じた。
    あの後、どうなってしまうのかが気になって仕方がない。

    0
    2025年08月15日

    Posted by ブクログ

    独特の世界観と丁寧な描写で読む手が止まらなくなる1冊。

    本のタイトルにもなっている薬指の標本が特に好きでした。タイトルからしてグロ注意作品なのかな、と少し気構えて読み始めましたがグロさは感じられなかったので安心して読めます。
    テンポが良く、描写が秀逸なのに難しい表現がないため読みやすい。ついつい読

    0
    2025年08月06日

    Posted by ブクログ

    愛の話。
    苦しくて辛いはずの内容だけど、淡々と日常の様に過ぎてゆく感覚は読んでいてとても気持ちが良いです

    0
    2025年08月05日

    Posted by ブクログ

    平凡な日常を生きる読者がひょんなきっかけで異常な世界に引き込まれ囚われていく様子が絶妙なタッチで描かれています。ページ数少なめの割に充実の物語でした。

    0
    2025年07月01日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さん初読み
    二作とも、主人公との人間関係が第三者に介入できないほど、親密になった後の切なさを感じました。
    これは独特の世界観。
    文字だから、表現できるのですね。

    0
    2025年05月10日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんが作る、どこかにあってほしい、ひょっとしたらどこかにあるんじゃないかと思うような不思議な世界が大好きです。

    「標本」や言葉として切り離すことで、整理したり忘却したいことってありますよね。
    逆に、自分から切り離してしまうことが怖かったり、あえてもやもやしたまま残しておきたいものもある。

    0
    2025年05月07日

    Posted by ブクログ

    標本にしたいものってあるかなぁ 
    語り部屋に入ったら何を語ろう

    村上春樹のよう
    読み終えて、どういうことかなぁってのがいい

    0
    2025年05月17日

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