ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは決まって一冊の本が抜き取られていた――。客室係の「私」だけが秘密を知る表題作など、静謐で豊かな小説世界が広がる、“移動する”6篇の傑作短編集。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
"移動する"物語六篇からなる短編集。職業、年齢、性別も様々な人々が登場する。かつては有名だったけれど落ちぶれてしまったハリウッド俳優とロイヤルスイートの客室係。元市民病院の案内係と孫娘。元迷子係と遠い親戚の少女。虫博物館で出会った男女。村で唯一の託児所の園長。バルカン半島の小国の...続きを読む作家とその希少言語の通訳者。世の中の人々に知れ渡るわけではなく、彼らだけが知っている密やかな約束、あるいは生きた証、尊厳という美しいものの数々を、まるで生まれたばかりのグッピーの赤ちゃんを岩や藻の隙間から網ですくいあげるように丁寧に的確にすくいとっている印象がしました。偉大な人と絶賛される人の人生だけが輝かしいのではない。寂れた裏庭に、ビルとビルの間の路地裏にいるそんな人の人生にも、輝く瞬間があったことをこの物語は教えてくれるのです。 小川洋子さんの小説はやはりいいなぁ…。
「約束された移動」「ダイアナとバーバラ」「元迷子係の黒目」「寄生」「黒子羊はどこへ」「巨人の接待」“移動する”物語、六篇。 ここに収められている作品に登場する老人たちの、穏やかな立ち居振る舞い、言葉づかい、仕事ぶり、そして、熱帯魚、子羊、小鳥、子供たちとのふれあい、そのどれもすべてが美しい。 それ...続きを読むらは、人目につかず、ひっそりとした佇まいなのだけれど、普通と違ってどこかずれてしまっている、その哀しさがまた美しいと思える。 一旦この物語に足を踏み入れてしまうと、読み終わるのがもったいないとさえ思ってしまう。 濃密で不思議な魅力のある、独特な世界。
ため息出る。。 「約束された移動」は、大きな人生のうねりだけではなく。 不特定多数のうちのたったひとり、 自分だけに差し出される手によって(しかしそれさえも錯覚なのだけど) あらゆる移動は約束され、人々は自分の還る場所に還ってゆける。 喪ったものを少しの間だけ愛でて、そっと閉じて、また還る。今は...続きを読む無くても、愛でていた事実について、あなたと私が証人になる。 『薬指の標本』でも思ったけどそんな描き方をしているかんじがする
小川ワールド全開。 不思議で残酷で懐かしくて愛おしくて切なくて。 絵本を読んでいるような小説。 素晴らしすぎです。
6編の短編それぞれに、独特の世界観があり小川ワールドに引き込まれた。映像なしに文章だけで、異次元空間を体験できた。
「移動する」物語6篇。 それぞれ主人公の秘密をこっそり教えてくれているような感覚になる。 秘密という言葉は尊厳という言葉に置き換えてもいいという解説も印象深い。 そして毎回作者の人や動物の表現が緻密で驚かされる。
連作ではないが共通した静謐で風変わりな雰囲気を纏った短編集。 お気に入りは1・3・2・6編 目立たないけど特別な人に私もなりたい。
一目は奇怪だ。 全部思い込みで独りよがりなのでは、と思う。 けれど「一目」の向こう、事実の奥、真実と呼べるものをどれだけ知っているのかと自問するとき、それは各々の胸内にしか息づかないことを風を受け止めるように思い出す。 秘密、誇り、傷痕…… いろいろな名がつくかもしれないそれを、本を開くときだけ、...続きを読む読み手もひそやかに共有している。 (藤本可織氏の解説も素敵です)
小説の中でだけ展開される優しい世界。 ファンタジーといえばそうなんだろうけど、読んでいるときはそう感じさせない。けれど本を閉じるとその感覚は失われる。ま、小説なんだから当然なんだけど、それにしても上手いよね。
繊細でちぐはぐで欠損があり美しい小川洋子の物語を共有するには言葉を紡ぐしかないのだなあと強く感じる1冊。これをどうやって映像化する?
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
約束された移動
新刊情報をお知らせします。
小川洋子
フォロー機能について
「河出文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
不時着する流星たち
博士の愛した数式
試し読み
ブラフマンの埋葬
アンネ・フランクの記憶
アンネ・フランクをたずねて
生きるとは、自分の物語をつくること
いつも彼らはどこかに
犬のしっぽを撫でながら
「小川洋子」のこれもおすすめ一覧へ
▲約束された移動 ページトップヘ