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その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。 鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。 有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。
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Posted by ブクログ
小川洋子さんのユニークで素敵な世界観が詰まっている本! この島に生きる人々はある朝「何か」を失くしてしまう。 例えば香水、宝石、鳥…それに纏わる思い出や、愛情や感情が全て薄れてゆき、数日もたてば忘れてしまったことも忘れてしまう。 そんな「消滅」が少しずつ進み、人々の心の空白が増えていく世界の話。 ...続きを読む 小川洋子さんの風味豊かな表現がゆっくり楽しめてとてもよかった。 登場人物の感性が素敵だな〜。
一つずつ消えていく記憶 けれど、人間の心や感情まで、誰も奪うことは出来ない。 素晴らしい本です。一気に読んでしまいました。 全ての言葉に無駄がなく、完成されていると感じました。 生きる事、誰かを想い大切にすること、今の時代にこそ読むべき本だと思います。
話を全て理解できるわけではない。 でも、小川洋子さんの静謐な世界観が強烈に心に残る。 消滅する世界に順応していく人。 消滅せずに狭い部屋に潜む人。 この奇妙な世界に、秘密警察の存在が輪をかけて恐怖心を煽る。 ところで消滅がやってきたら、記憶も消える。そして残された世界で生活する。となると、私にもこれ...続きを読むまで消滅は起こってるのかな。記憶に残ってないだけで。
この作品の読書感想文を書くには、私の文章力はとても足りない。 それくらい圧倒されるのです。 小川洋子さんの紡ぐ言葉たちは小川さんが作り出す物語同様、優しくて繊細で儚い。 一文字も逃したくない洗練された文章。 この物語の世界はとても寒くて淋しくて不安で切ないけれど、そんな状況下で蝋燭の火をぽっと灯し...続きを読むたような、懐かしい温かさがある。 それは登場人物たちの優しさや気遣いであったり、私自身の思い出を思い起こさせてくれる力があったりするからなのかな。 ハッピーエンドではないしどうしたって哀しくなってしまうけど、その温もりを感じたくて、何度でも読んでしまう。
温かくて優しいのに、冷たくて寂しくて残酷。 消滅を強要されることも、それを平気で受け入れるのも寂しくて、怖しい。 そして、私にとっての「密やかな結晶」とは何だろうかと考えてみる。
今1番好きな本。淡々と存在が消えていく事を受け入れながら生きる人、いつまでも存在が消えない人の想い。じわじわと涙が溢れる。大事にしたい一冊。
長濱ねるちゃんのエッセイを読んで、購入。「糸」ぶり2作目。 一週間という、十分すぎる時間をかけて読みました。 洋画を観ているかのような小川洋子さんの文体。 ページをめくる度に物語に傷をつけてしまわないか…と不安になるほどの繊細すぎる本作。 しばらくは、「言葉」がわたしにとって一番消滅してほしくな...続きを読むいもの、と思いながら読んでいました。 でも毎日少しずつ読み進め、考えるうちに 「やさしくてあたたかくて安心できる、わたしがわたしでおさまることのできる場所」になりました。 (長くてまどろっこしいですね…) その場所のさす意味が具体的な場所(例えばお店とか)なのか、虚構の世界(本の中)なのか、ひとなのか、 少し目を閉じるだけでもポンポンと浮かんできます。 自分の都合でその場所に訪れ、癒してもらっているなんて図々しいことだけど 絶対に消滅させたくない、わたしの確かな結晶たちでした。
存在と消失ってなんだろ…って考えてた そこにあっても認識できなかったら存在してるとはいえないのかもしれないし、そこになくても想いを馳せることができたら消失と言わなくてもいいのかもしれない
この島では、大事なものが一つずつなくなっていく。 それらは私たちの知っている他愛のないものばかりで、そんな日がほんとうにやってくるのかと思うと、背筋がゾクゾクしてくる。 そして、ニ、三日もすれば、何をなくしたかさえ思い出せなくなっている。 なくすということは、忘れるということ。 小川さん独特の美し...続きを読むい世界に、また足を踏み入れてしまった。 静謐すぎて、読み進むのがもったいないと思ってしまう。 そして、ある意味狂気さえも孕んでいる。 記憶を失わない特殊な人間は、記憶狩りに連れ去られてしまう。 小説を書いて暮らしているわたしは、船の中に住んでいるおじいさんに、編集者のR氏をかくまってあげたいと告白する。 父が昔書庫として使っていた小部屋は、まるで隠れ家のようで、「アンネの日記」を思い出させる。 バラ、写真、木の実、そして小説までもが容赦なく消えていき、物語の結末は衝撃的で、主人公の書き上げた小説があまりにも残酷で、声も出せないくらいだった。 この世には、何事にも抗えず、事実を受け入れることしかできない者がたくさんいるということを知って、胸が痛みます。
突然訪れる消滅にも慣れ 静かにでも確実に 終わりに向かっていると 理解しながらの日々の暮らし 諦念のムードが満ちているものの ささやかな幸せはきちんとそこにある すべての消滅後の世界はどうなっている?
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