藤原正彦のレビュー一覧

  • 祖国とは国語
    藤原ていの「流れる星は生きている」に影響を受け「満州再訪記」が含まれる本著を購入。
    気軽に読めるウイットに富んだエッセイも多いのだが、教育論、生きる上での価値観・考え方について示唆に富む発信が多く自分の中での整理にも役に立つ。
    ウイット満載だが、留学していた英国仕込みなのだろうか。「満州再訪記」の最...続きを読む
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―
     藤原正彦は、最近の発言にはちょっと気をつけるべき点があると思うが、この初期の頃の随筆は非常によい。解説で南木佳士が述べているように、この本と『若き数学者のアメリカ』は一級の随筆である。ただ、相変わらず愛国調は鼻につくけれど。
     ケンブリッジ大学に派遣留学した経験が描かれている。イギリスという国とそ...続きを読む
  • 世にも美しい数学入門
    面白かったなあ。数学解くのは嫌いだけど、見るのは大好きです。谷山・志村予想の話はすごい良かった。数学が虹をかける。そして、神様の手帳。理系は、特に数学が専門の人達は、ロボットみたいで感受性に欠ける、みたいなことを言っている人たちがいるだろうと思うけど、間違いなくそれは間違いである。それをこの本で確認...続きを読む
  • 日本人の誇り
    久々に心に響くいい本を読んだ。
    日本人としての誇り、自信、やる気が湧き上がってくる。

    家族愛、故郷愛、祖国愛があってはじめて人間の根幹が形成され、人類愛に繋がる。自分は家族、故郷、祖国を心からちゃんと愛せているか、自分に問いなおしたいと思った。

    惻隠、和の尊重。日本人が世界に誇れるこの精神は個人...続きを読む
  • 日本人の誇り
    『国家の品格』でおなじみの藤原正彦氏による、戦中戦後史を通じていかに日本人が祖国への誇りを解体されて来たかを検証する良書。

    現代日本の抱える漠然とした閉塞感が「誇り」を基軸として言語化されている点に強く共感し、問題意識はありながら具体的方策が見出せていなかった自身の思考の整理にも非常に役立った。
    ...続きを読む
  • 若き数学者のアメリカ
    喜怒哀楽を幅広く体験できた一冊。中でも、大いに笑ったこと、群れの中で虚無感を抱くこと、人が本能的に愛を求めるのに共感できたことが印象的。一つ一つの出来事に伴う感情を誤魔化さず綴ることに、これほど引きつけられるとは。私自身も言葉を活用して、感情をより深く味わってみたい。
  • 日本人の誇り
    久しぶりの藤原正彦氏の一冊。今停滞している日本が昔の良き日本に戻るためには、明治からの100年戦争を経てGHQと日教組に骨抜きにされた現状を打破できない。そのためには、真の独立国家になり、愛する自国を取り戻すしかない。個の重要視の限界⇒和を持って尊しとなす。憲法改正。自国による防衛。誇れる日本。
  • 心は孤独な数学者
    「数学者」とタイトルにありますが、本の中で数学の公式や定理はほとんど出てきません。著者自身も数学者でありながら、どちらかというとこの本で取り上げられているニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンという3人の偉大な数学者の人となり、そして生まれてから死ぬまでの人生そのものを見つめる「伝記の著者」としてのス...続きを読む
  • 若き数学者のアメリカ
    担任の数学のおじいちゃん先生がまじめな顔をして読んでいたので、難しい数学の数式が出てくるような話かと思いきや、痛快アメリカ滞在記でした。
  • 祖国とは国語
    「祖国とは、血でも、民族でもなく、国語である」
    小学校における国語教育についての重要性をといた一冊。科学的根拠とかはなく、首をかしげるような主張もいくつかあったが、それでもこの一冊は最高。
    なぜ文学や歴史に触れるのか。哲学をするのか、芸術を愛でるのか、、など深く「教養」について考えさせられた。
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―
    本の中で「ケンブリッジファイブ」のことをさりげなく触れているのですが、この部分を膨らませてほしかった。もちろん、話に聞いたこと、伝説として伝わっている事柄が多くなりそうですが、興味をもってその部分を読ませてもらいました。著者の文章の持つ磁力の強さ、上手さは言うまでもありません。
  • 祖国とは国語
    「祖国とは国語」5

    著者 藤原正彦
    出版 新潮社

    p65より引用
    “大学の本領は直接の応用を視野にいれない基礎研究にあり、
    それこそが国家の科学技術力の基盤なのである。”

     数学者である著者による、国語の大切さをとくとくと説いた一
    冊。
     国語教育についてから著者の生地を訪ねる旅についてまで、...続きを読む
  • 世にも美しい日本語入門
    対談形式の本です。
    とても読みやすく、「入門」の名にふさわしい本だと思います。
    日本人の地力は、日本語と日本語によって書かれた”文学”から来ているということを良く解らせてくれます。
    この本では先人の書かれた本が例として多く載っており、読んでみたい気持ちになりました。

    そう長い本ではないので、一読を...続きを読む
  • 名著講義
    『国家の品格』での熱い想いにに非常に共感を抱いた、数学者・藤原正彦氏。
    そんな藤原さんの、お茶の水大学での"読書ゼミ"の様子を綴った一冊になります。

    講義で取り上げている本は、全部で11冊+2冊。

     『武士道』(〇)
     『余は如何にして基督信徒となりし乎』
     『学問のすゝめ』(〇)
     『新版 き...続きを読む
  • 日本人の誇り
    日本の歴史観が、変わった。これまでの近代史の中で、突っ抱えてきたわだかまりのようなものが、取れた気がした。欧米に仕込まれた百年戦争にまだピリオドがうたれていない。ピリオドを打つための大きな1手は、日本国憲法の日本人による作り直しと米軍基地の排除だと思った。
    著者の歴史観は、我流と謙遜するが、奥が深い...続きを読む
  • 古風堂々数学者
    国語教育の重要性について、この本を読んで築かされました。今さらだけど猛烈に本を読んでます。
    読んでいて日本人であることに誇りを持てて来る気がするのと同時に、自身も武士道精神を愛して卑怯を憎む日本人になりたいと思いました。
  • 名著講義
    新渡戸稲造 『武士道』

    内村鑑三 『余は如何にして基督教になりにし乎』

    福沢諭吉 『学問のすすめ』

    日本戦没学生記念会編 『新版 きけわだつみのこえ』

    渡辺京二 『逝きし世の面影』

    山川菊栄 『武家の女性』

    内村鑑三 『代表的日本人』

    無着成恭編 『山びこ学校』

    宮本常一 『忘れられ...続きを読む
  • 心は孤独な数学者
     この本は、ニュートン、ラマヌジャン、ハミルトン(数学者のほう)という偉人についての伝記を、著者が実際に彼らの生誕ないし活躍の地に足を踏み入れたエッセイとして綴るものである。
     
     タイトルを一見するととても寂しい数学者の印象が伝わってくるが、実際はそれほど単純な話ではない。

     この本においては、...続きを読む
  • 世にも美しい日本語入門
    藤原正彦の小学校の時の先生が、安野光雄だったとは、つい一月前に知ったばかりでした。
    まえがきを藤原正彦が、あとがきを安野光雄が書いているだけでも贅沢だ。
    二人について興味がない人が読んでも、面白くないかもしれない。
    絵と数学というそれぞれの専門家の二人が、絵本、小説などの作者として日本語につい...続きを読む
  • 父の威厳 数学者の意地
    冷厳なはずの数学者が、涙もろくて自他ともに認める猪突猛進?!妻、育ち盛りの息子三人と暮らす著者。健全な価値観を家庭内に醸成するためには、父親の大局的認識と母親の現実的発想との激論はぜひ必要と考えるのに、正直、三人の部下を従えた女房の権勢は強まるばかり・・・父、夫、そして数学者としての奮戦模様を描いた...続きを読む