鯨統一郎のレビュー一覧

  • 努力しないで作家になる方法
    読む前は、作家になるためのマニュアル的な本の類いと思っていたが、作家志望の男・伊留香総一郎が『邪馬台国はどこですか?』でデビューするまでの経緯がたどられた感動的な小説だった。特に妻の陽子さんは立派だと思う。作家という職業は、相当な覚悟がなければ目指せないものだと実感させられた。エンターテイメントが他...続きを読む
  • 三つのアリバイ~女子大生桜川東子の推理~
    シリーズ完結。
    いつもの雑談から、思いもよらぬ方向への着地。

    本筋とは関係なかったみたいだけど、本作と前作だけ全ての「という」が「とゆう」と表現されたのはなんだったんだろう?
    頻出っぷりがすごいし、これによって誰も彼も頭悪そうに見えてしまうので、何か意図があるのかと思った。
  • 邪馬台国はどこですか?
    バーでの常連客の会話、それが逸れに逸れていつの間にやら歴史の話に……。
    歴史のミステリーに推理を駆使して挑む作品なのだが、これが目から鱗、いやはや楽しめた。
    様々な知識がてんこ盛りだが、衒学趣味ではないので気楽に楽しめる。
    歴史上の人物の本当の姿、謎……目から鱗の短編集だ。実に楽しい一冊である。
  • 金閣寺は燃えているか? 文豪たちの怪しい宴
    川端康成の雪国、田山花袋の蒲団、梶井基次郎の檸檬、三島由紀夫の金閣寺といった文学作品について、その深層に秘められた真意を推測しようとするもの。架空の話との注釈が巻末に付されているが、本質をついている部分もあるように思われ、興味深く拝読した。なお、登場人物の一人、宮田は各章の終わりに、必ずカシスシャー...続きを読む
  • 邪馬台国はどこですか?
    歴史ミステリという、あまり馴染みのないジャンルに初めて手を出してみた。
    宮田六郎の論理展開と発想の豊かさに取り憑かれ、さくっと読んでしまった。
  • 鬼のすべて
    最後は一気読み。
    元々鬼とか妖怪に絡む話か好きで、こういった妖怪はなぜ生まれたのかみたいな話が特に好き。
  • 新・世界の七不思議
    初めて鯨さんの作品を読んだが、解釈が面白い。
    受験で世界史を専攻していので、全てが理解できて大変面白かった。
  • ただいま家事見習い中 ハウスワーク代行・亜美の日記
    家事代行の話で豆知識もあって勉強になりました。
    いつでも正直に人に向き合っている亜美ちゃんは、誰からも愛されるキャラで好きになりました。また、続編があったら読みたいです。
  • 幸せのコイン
    読みやすくて優しいお話。

    コイン(500円玉)が人に渡ることによって起こる
    その人にとって良い事。

    こんなコインが自分にも巡ってきたらな〜とも思いながら、登場人物達はしっかり自分の意思で行動を起こしているので、自分も意思を持って動き始めないとなと改めて思わせてくれた。

    会話の文が多めで読みやす...続きを読む
  • 新・世界の七不思議
    登場人物のキャラクターはともかく、様々な説がズバッと語られてて痛快だった。

    始皇帝の件なんか中国の歴史が好きな自分にはすごいロマンスを感じた。ナスカの地上絵やストーンヘンジの話も凄い興味深かった。

    賢い人が読んだら色々意見もあるだろうが、自分はしっかり楽しめた。
  • 三つのアリバイ~女子大生桜川東子の推理~
    九つの殺人メルヘンからのシリーズ最終作。
    いままで短編集だったけれど。この最終作は一編の物語。
    相変わらず、脱線気味のアイドル談義などタップリ。そろそろ事件の話に戻って欲しいなと思う処もあった。
    謎解きの部分はこのシリーズで求めるべきものじゃないから、まあ良いかな。
    何となく終わりが見えてきたけど、...続きを読む
  • 文豪たちの怪しい宴
    日本文学×新解釈=新視点!な1冊。

    大学時代、日本文学科で数々有名な作品を読んで考察をしてきた身としては、日本文学を少し王道から逸れた見方をすることで生まれた新解釈が面白い1冊でした。

    さらに、突拍子もない解釈を無理やり進めるのではなく、本文の中の一説や文豪自身の背景などを引き合いに出しながら順...続きを読む
  • まんだら探偵 空海 いろは歌に暗号

    あっ、そう言うこと

    史実に作者の想像が織り交ぜてあり、その想像が、歴史として本当にあったのではないかと思えてしまう楽しい本です。
  • 文豪たちの怪しい宴
    有名文学にこんな一面が?たら思うような説が盛り沢山。自分が無知なだけだけど、こんな読み方がどのくらいされているのだろう。鯨作品では、バーと談義の相性が良すぎる。バーテンダーのノリがいいことと、疑問が的を得ていることも。こういう視点でもう一度4作品を読むと、読みやすくなったり印象が変わったりして楽しい...続きを読む
  • 邪馬台国はどこですか?
    「ぼくはね、ブッダの本当の悩みは、人生とか生とか死とかじゃなくて、奥さんの浮気だったと思ってる」

    ブッダは悟りを開いていなかった、邪馬台国は東北にあった、聖徳太子は実在しなかった…… 夜な夜な繰り広げられる歴史談義で、雑誌ライター・宮田六郎は突飛な仮説を披露する。

    「そんな、まさか」と思いながら...続きを読む
  • 幕末時そば伝
    タイトルの面白さに、うっかり買ってしまった。古典落語が好きで、この物語の素材となった噺は何回となく聴いたものだ。それだけに、ただ単に噺をなぞるだけの物語になっては興ざめだと思った……のだが、その心配は杞憂だった。うかうかと幕末の日本の動乱が、異譚という形で古典落語と融合させている。そしてまた、古典落...続きを読む
  • 邪馬台国はどこですか?
    ワインメニューに入れてって話を振っておいて、中盤でまだワイン入ってないのって降りつつ、最後の締めでワインが出てくるのはが物語として綺麗すぎる。
    キリストの話でワインなのが自然だからうまいことやるなーと思った。

    日本書紀?古事記?の内容が羅列されたときは読めなさすぎで辛かった。
  • Valentine Stories
    ラブラブ甘々なものは全くなく、
    どれもどこか切ないのが小説って感じでした。

    やっぱりあんまり幸せすぎるのは
    ネタにならんのでしょうな。
  • 邪馬台国はどこですか?
    予想外の仮説を立て、それに説得力を持たせていくという構成の短編小説集
    どれもよかったけど、個人的には「ブッダは悟りをひらいていないのでは?」が面白かった
    作者が拾ってきた証拠しか見えないので頭から信じることには抵抗があるけど、それでも面白かったし納得させられた
    他にもシリーズあるようなので読んでみた...続きを読む
  • タイムスリップ水戸黄門
    好色な水戸黄門(という設定)が、山中で狼に襲われ絶体絶命なところを、時空移動機で石松が助け、結果21世紀にタイムスリップさせてしまうことから始まるひと騒動。今回は自家用車根絶を目指すテロリスト、無駄な高速道路建設を目論む政官財の癒着という社会派な展開を見せる。驚いたのは長良川河口堰や川辺川ダムという...続きを読む