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討論会の帰り道、ふと立ち寄ったバー〈スリーバレー〉。そこでの女性バーテンダーとの会話から、彼女が以前から感じていた夏目漱石の『こころ』に関する疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、こんな場末のバーで講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで議論は白熱し……。太宰治『走れメロス』はセリヌンティウスの夢だった? 『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治と父親の物語? 芥川龍之介『籔の中』の真犯人は誰? 文学談義4編で贈る、『邪馬台国はどこですか?』シリーズ第5弾!
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年01月16日
日本文学×新解釈=新視点!な1冊。
大学時代、日本文学科で数々有名な作品を読んで考察をしてきた身としては、日本文学を少し王道から逸れた見方をすることで生まれた新解釈が面白い1冊でした。
さらに、突拍子もない解釈を無理やり進めるのではなく、本文の中の一説や文豪自身の背景などを引き合いに出しながら順...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年09月28日
名著の珍妙な新解釈を語るお話
夏目漱石「こころ」は百合小説
太宰治「走れメロス」はセリヌンティウスの夢
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と父親の関係が投影されている
芥川龍之介「藪の中」の真犯人は誰か?
「こころ」の百合小説という解釈は「ねーよ」と思うけど、他のに関しては「確かに」と頷ける部分もある
...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月12日
2022.11.19 再読
再読しました。
以前に読んでいるので、まあ、大体内容を把握したうえで読み返したところです。各編で導かれる結論については、このシリーズですし、それも一応聞いておきましょうか、アハハ、という感じで楽しいのは変わりありません。今回自分で驚いたのは、そこに至るための疑問(謎)の提...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月07日
初めて鯨さんの作品を読んだのでまだよく作風がわからないのですが、面白かった。軽い読み物なんですが、文芸作品が題材になっていると俄然興味が湧きます。古典(もはや古典でしょう)が苦手でもさわりに触れられる満足感があるんじゃないかなと思う。実際また読もうかなって思えたし、これシリーズになっているといいんだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月07日
バー〈スリーバレー〉での女性バーテンダーとの会話から、夏目漱石の『こころ』に関する疑問点を論議する羽目になった文学部教授の私。
そして途中からやってきた宮田という常連客が、『こころ』を百合小説と断言します。
議論は白熱し、次々と出る新解釈。
太宰治『走れメロス』、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』、芥川龍之介...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月13日
『邪馬台国はどこですか?』のスピンオフという感じ。
240ページほどなので、気軽にさくっと読めるお手頃な本。
独特な解釈は健在で、読書を翻弄させてくれる。
一度作者の手を離れた作品は、作者の思いもよらぬ解釈を読者にされるのもよしと本文中でも語っている通り。
それぞれの解釈を、否定しないで許容する...続きを読む
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