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日本文学×新解釈=新視点!な1冊。
大学時代、日本文学科で数々有名な作品を読んで考察をしてきた身としては、日本文学を少し王道から逸れた見方をすることで生まれた新解釈が面白い1冊でした。
さらに、突拍子もない解釈を無理やり進めるのではなく、本文の中の一説や文豪自身の背景などを引き合いに出しながら順を追ってロジックを組み立てていく様にページを捲る手が止まりませんでした。
個人的には「走れメロス」の回が面白かったです。中学で必ず触れる作品ながらも話が進む事に「確かにそういえば!」と思わされる箇所が随所にありました。
続編も機会があれば読もうと思います。
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有名文学にこんな一面が?たら思うような説が盛り沢山。自分が無知なだけだけど、こんな読み方がどのくらいされているのだろう。鯨作品では、バーと談義の相性が良すぎる。バーテンダーのノリがいいことと、疑問が的を得ていることも。こういう視点でもう一度4作品を読むと、読みやすくなったり印象が変わったりして楽しいだろうなー。 『こころ』が百合小説って!と思ったけど、宮田説を聞いていると、そうかも…って思ってしまう。 これは作者の考え?凄いです。 鯨作品、読み返そう。『走れメロス』と『銀河鉄道な夜』、特に、『藪の中』!
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名著の珍妙な新解釈を語るお話
夏目漱石「こころ」は百合小説
太宰治「走れメロス」はセリヌンティウスの夢
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」と父親の関係が投影されている
芥川龍之介「藪の中」の真犯人は誰か?
「こころ」の百合小説という解釈は「ねーよ」と思うけど、他のに関しては「確かに」と頷ける部分もある
ってか、「こころ」の「遺書分厚すぎ問題」は僕も思ってたし
先生と外国人の関係は腐った方々が喜びそうだなぁとか思った記憶があるけど、さらに百合まで妄想するのはやりすぎっしょ
ってか、女性の登場人物なんてお嬢さんとそのお母さんくらいしか思い浮かばなかったけど、「そんな人いたなぁ」ってキャラを絡みに入れるのは無理筋じゃね?ww
Kは本当に自殺なのか?遺書は本当に先生が書いたのか?という疑問に関しては疑う余地はないと思うよ?
「走れメロス」はとある自由研究で、ほとんど歩いているのでむしろ「走れよメロス」というツッコミもあったなぁ
あと短剣を何故持っていたのかとか、盗賊の云々の下りとかを物語の要請と割り切るのも個人的にはできないかな
「政治がわからぬ」を伏線として取り扱うというのも面白い発想ではあるよね
宮沢賢治の父親との不仲は結構有名なので、別に意外なものでもないよね?
「藪の中」は考えようによってはミステリだし、この説もある程度の説得力はあるものの
推測による部分が多すぎてやはり断定できるだけの証拠もない
ただ、誰が誰に告白しているのかという着眼点は盲点だったな
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2022.11.19 再読
再読しました。
以前に読んでいるので、まあ、大体内容を把握したうえで読み返したところです。各編で導かれる結論については、このシリーズですし、それも一応聞いておきましょうか、アハハ、という感じで楽しいのは変わりありません。今回自分で驚いたのは、そこに至るための疑問(謎)の提示でした。なるほど、確かにこの点については古くから論じられているけれど、一定の読み方は提示されるに至っていないかも、ということを確認しました。改めて、名作と言われる作品の奥の深さを、ミサキさんの指摘により首肯したところです。
軽い本なので、再読、三読はあるのか、と思っていましたが、再読してもとても楽しめました。
2020.1.12 初読
まぁ、いつも通りの鯨統一郎さん、という感じで楽しく読み終わりました。トンデモ本として認知される場合も少なくないように思っていますが、展開の後ろには相応の知識があっての話。「そうだよね、そうだよね、それもありだよね」と思わせるところが、さすがです。
銀河鉄道の夜が一番面白く感じました。それもありだよね、と一番思いました。あとの3編は、どうかなあ、それもありだよね感はちょっと低いかなあ。
ミサキさんと話すのは楽しいだろうなあ、と思います。引き出し上手ですね。こんな人になれたらいいなあ、と思いました。話題にあった酒を選ぶのも素敵です。むしろ、酒によって話題を提供・深化するということでしょうか。
笑いながら少し賢くなったような気にさせてくれるお得な本、という感じでしょうか。
P.39に「精一杯の皮肉で対抗しするしかない」とあるのですが、「精一杯の皮肉で対抗するしかない」でよいのかなあ?あるいは「精一杯の皮肉で対抗し、するしかない」と読点を付けるのかなあ、ちょっと、読みづらい感じがしました。
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初めて鯨さんの作品を読んだのでまだよく作風がわからないのですが、面白かった。軽い読み物なんですが、文芸作品が題材になっていると俄然興味が湧きます。古典(もはや古典でしょう)が苦手でもさわりに触れられる満足感があるんじゃないかなと思う。実際また読もうかなって思えたし、これシリーズになっているといいんだけど。『藪の中』がとりあげられていたのでなぜかたかまりました。
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登録前
子どもの頃に読んだ桜川東子シリーズが面白すぎて期待をしすぎてしまった感が否めない。
面白いことは面白かったけど桜川東子シリーズを読んでしまうと個人的に星5までは付け難い。
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『邪馬台国はどこですか?』シリーズと同じバー「スリーバレー」を舞台に、有名な文学作品に新たな解釈が加えられる。
『こころ』は百合小説、『走れメロス』はセリヌンティウスが見た夢、『銀河鉄道の夜』は健司と父親の物語、『藪の中』は犯人が特定できる。
バーテンダーは松永に代わり、『歴史はバーで作られる』のミサキに交代。
急角度から切り込んでくる宮田の新説は面白い。しかし、相手の文学者で語り手でもある曽根原は居丈高で、端々にミサキを意識した心情をつぶやくのは余計。
(地の文が中立のものと曽根原のものとが入れ替わりながら物語が進む)
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首を傾げる部分はあったが(特にメロスと銀河鉄道の夜)面白かった
歴史ものと違って文学は読んだことがあるとどうしても一家言持ってしまうところがあるので「そうかな〜…」と思いやすいかも
漱石のこころは百合小説である説が1番好き
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「こころ」はクライムノベル。
では犯人は?その動機は?なぜ一人だけ名前があるのか?
収録作の中ではこれが一番面白かった。
「銀河鉄道の夜」は前々から現実で衝撃の事実を知った主人公があっけなく気持ちを切り替えて家路を急ぐのが不思議に思っていたのでそこを突っ込んでほしかった。
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バー〈スリーバレー〉での女性バーテンダーとの会話から、夏目漱石の『こころ』に関する疑問点を論議する羽目になった文学部教授の私。
そして途中からやってきた宮田という常連客が、『こころ』を百合小説と断言します。
議論は白熱し、次々と出る新解釈。
太宰治『走れメロス』、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』、芥川龍之介『藪の中』の新しい解釈も。
相変らずの鋭い推理。
いや~、面白かった。
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『邪馬台国はどこですか?』のスピンオフという感じ。
240ページほどなので、気軽にさくっと読めるお手頃な本。
独特な解釈は健在で、読書を翻弄させてくれる。
一度作者の手を離れた作品は、作者の思いもよらぬ解釈を読者にされるのもよしと本文中でも語っている通り。
それぞれの解釈を、否定しないで許容する読み方って大事だな。
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読み始めたときは「こころ」も「走れメロス」も読んだことがないから、読んでみようかなと思っていたけど、読み終わる頃には読まなくていいやという結論に…w
ミサキさんが絡んでくるミステリーが読みたいな。
Posted by ブクログ
「歴史はバーで作られる」の続篇なのかな。結局、村木老人ってなんだったんだ。
本作は趣向を変えて、日本文学の謎。まあ、どうしたって重箱の隅を突いて、無理矢理解釈だろうと思ったけど、読んでいる最中は、成程ねえと思わせるんだから、技だよね。
「藪の中」が一番、無理かな。真実がそうなら、作品の文学的価値はドッと下がるぞ。芥川がそんなこと意図すると僅かでも思えない。自殺のきっかけが云いたかったことなのかな。でも、やっぱり説得力がないなあ。
各編にはこころもよう、なぜかメロス、銀河鉄道の世界から、藪の中へ、と副題がついている。
井上陽水に寄せているんだと思うけど、僕はもうすぐ還暦だからピンと来るけど、若い読者には分からないんじゃないかな。