井上ひさしのレビュー一覧

  • 吉里吉里人(上)

    くだらないユーモアで笑いっぱなし、唯一無二の圧倒的な引力を持つ大名(迷)作。
    井上ひさしに特別な思い入れは無いが、本作品に関してはボリュームに怖気付かず是非読んでほしい。
    壮大な群像劇仕立て、一冊約600p(×3冊)の狂ったボリュームだが、あっという間に読ませてしまう所に、当時の井上ひさしのギラつ...続きを読む
  • 十二人の手紙
    何気なく手に取った本。ひっさしぶりに惹き込まれた!湊かなえの新作が出ない間はいつも本マイゴになる。だがしかし!めっちゃ面白かった!たぶんまだまだ伏線理解できてないけど(笑)いや〜!好きすぎる。料理でなにかしら煮込んでる間にも読んだりしてた(笑)
  • 吉里吉里人(下)

    上巻感想参照。
    この容量での上中巻、一切だれる事なく面白しろさが続く最強(狂)のブラックエンタメ作品だと思った。
    ラストも完璧、とてもいい読書体験だった。
  • 東慶寺花だより
    まさに名人芸のような井上ひさしさんの遺作。素直に面白いと思いました。
    本書は「縁切寺」と呼ばれた北鎌倉の東慶寺が舞台。妻の側からの離婚が難しい時代、寺の境内に身につけているものを投げ込めば、駆け込みは成立。そして駆け込み人が東慶寺で24か月過ごせば、夫は絶縁状を書かねばならないというシステム。井上さ...続きを読む
  • 野球盲導犬チビの告白
    伝説の天才打者、横浜大洋ホエールズの田中一郎選手。昭和54年度は本塁打56本、打率4割7分4厘という驚異的な記録を打ち立てた彼は、実は盲人だったのです。
    その彼を先導したのが、盲導犬でした。
    この物語は盲導犬チビの目線で描かれています。田中一郎もスゴいけど、このチビがまたスゴい!野球のルールを知りつ...続きを読む
  • ブンとフン
    父が子供の頃に読んだ本と聞いて、こっそり買って読んでみた一冊です。
    想像以上に、凄く楽しめます。本が読者に語りかけてくるスタイルで、ページの中にのりしろがあったり、切り取り線があったり。昔大好きだったかいけつゾロリやおばけマンションを思い出して、ワクワクしました。
    何回も読みたくなるフレーズが沢山あ...続きを読む
  • 一週間
    レーニンの手紙にそんなに価値があるのでしょうか。手塚治虫の『アドルフに告ぐ』のヒトラーの出生証明みたいなもんだけど…。でも、『東京セブンローズ』の対ソ連版みたいな感じで面白かったけどね。
  • 十二人の手紙
    ネタバレになるか分からないですけど念の為。
    本屋で堂々と売り出されていたのでつい購入。短編集なので読みやすいですし、想像をふくらませながら読み進められるので楽しいです。
    最後の話で、まさか繋がってるとは…とびっくりしました。読み返すのも楽しいですね。
  • 十二人の手紙
     「昨日の夕方まで、お父さんやお母さんのそばにいたのに、幸子はいま東京の下町の空の下でこの手紙を書いている、本当に夢を見ているみたいです。」
    で、始まる就職のため上京した娘が両親に送った手紙。うん、やっぱりええなあ。昭和の育ちの良いお嬢さんは普通にこんな手紙書かはったんはなあ…と思い読み始める。
    ...続きを読む
  • P+D BOOKS 東京セブンローズ(下)
     分厚い単行本を一日に12頁ずつiPadで撮影して、通勤電車での読書の友にしていました。
     戦時中そして戦後すぐの日本の首都東京の様子が描かれていて、当時の社会や家庭の様子、日本人の考え方や考え方の変化をありありと思い浮かべることができました。井上ひさしさんの「日本語」に対する思い、こうあるべきとい...続きを読む
  • 十二人の手紙
    「読んでいないなんてもったいない!」
    「マニアだけが知っている」「隠れた名作ミステリ」
    「濃密な人間ドラマ×圧巻の超絶技巧」
    本当はこれのほかにも「オビ」に書かれた文言があるのだけど…自分基準のネタバレ禁止ポリシーに若干引っかかるため書かずにおきます。あー!おもしろかった‼︎
  • 父と暮せば
    原爆で父や友人を亡くし、自分だけが幸せになってはいけないと思い詰める。反面、新しい出会いに生まれ変わりたいと想う自分がいる。再生に向かう物語。
    原爆だけではなく戦争のなかで加害者と被害者が同時に存在することの不合理。
  • 自家製 文章読本
    文章読本として三島丸谷はじめこき下ろしてるくせにその実用性は足元にも及ばないという感想を見受けたが、そもそも井上ひさしは文章読本など書く気はまるでなく、文芸作品として他の文章読本をいじり倒し、茶化し、弄び。そしてそれらを書いた作家たちを最大限にリスペクトを現してしているのだ。特に丸谷才一版の多岐にわ...続きを読む
  • 十二人の手紙
    帯が印象的。
    40年以上前に出版された話題の本。
    ほぼ手紙で構成された連作短編ミステリー。
    最後のエピローグがとにかく凄い。
    言葉の節々から伝わってくる背筋がゾワッとする世界観にも不思議な魅力が。
    お気に入りは鍵と里親。
  • 吉里吉里人(下)
    下巻に入り、更にテンポアップ。面白さにグイグイのめり込む。吉里吉里国の独立の戦略である、医療立国、金の隠し場所に迫る。
    相変わらずの言葉遊びと、荒唐無稽のストーリーだが、段々と中毒になってきた様に面白いと感じる。
    そして、一気に物語はラストのクライマックスへ。
    ラストで、この物語を紡いできた記録者が...続きを読む
  • 井上ひさしの読書眼鏡
    井上ひさしさんも、亡くなられてから10年。(佐野洋子さんと同じく)

    最初から、最後の松山巌さんの〆の解説文「中継走者としての読書」まで面白かった。

    読んで良かった。

    多分これから何度も何度も読み返すことになるだろうな。

    それにしても、東日本大震災の前にお亡くなりになったとは思えないほど、“今...続きを読む
  • 吉里吉里人(下)
    上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』の...続きを読む
  • 吉里吉里人(中)
    上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』の...続きを読む
  • 吉里吉里人(上)
    上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』の...続きを読む
  • 「けんぽう」のおはなし
    「明るい勇気」をもらえる本。
    実際に小学生に話された内容が元になっている。
    なんと分かりやすく、勇気をもらえる本だろう。
    国のことや憲法のこと、平和のことが、この1冊に凝縮されている。
    「主権者教育」の第一歩に!