井上ひさしのレビュー一覧

  • 「けんぽう」のおはなし
    "きみは世界でたったひとり、だれともとりかえがきかない。
    だから、だいじ。
    一人ひとり、みんなだいじなのです。"
    "広い宇宙のなかで、生物がすめる星が、いったいいくつあるでしょう。
    その数少ない星のひとつである地球で、たくさんの試練のつみかさねから人間が生まれました。
    まさに、きせきです。
    その人間...続きを読む
  • 自家製 文章読本
    話すように書け、透明な文章がよい、オノマトペは使うな・・・などなどの、文章法の「常識」に次々と疑問が投げかけられる。
    代々の文豪や学者の言説が、一つ一つ取り上げられ、検討されていく。
    猛烈な勉強に裏付けられているため、議論に迫力がある。
  • 四千万歩の男(五)
    20年ぶりに再読しました。
    伊能忠敬の地図作り旅の最中に、次々と事件を盛り込み、弥次喜多珍道中や水戸黄門のように仕立て上げたお話ということは覚えていたのですが、内容はきれいさっぱり忘れていたので、まるで初めて読むように楽しめました。まさか、あんな終わり方をしていたとは…
    文庫5巻3000ページオーバ...続きを読む
  • モッキンポット師の後始末
    子どもの頃にも読んだ本。読書っておもしろい!! と教えてくれた。ユーモアって、悲しみの中から生まれるものなのかもしれない。
  • 井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法
    井上ひさしさんが、日本国憲法の前文、そして9条を「日本の国のかたち」として、いわさきちひろさんの絵と共に、子どもにもわかるような言葉で解説しているこの著者。書かれているのは簡単な言葉で書かれた憲法の前文と9条条文なのに、なぜか胸がじーんとして涙が出そうになってしまったと言ったら、信じてもらえないかも...続きを読む
  • 一週間
    もう少しロシアの事、戦時の日本について勉強して読んだら更に面白いのではないか。
    登場人物のキャラが非常に分かりやすく、その掛け合いも見事。
    いつの間にか引き込まれていた。
  • 私家版 日本語文法
    以前読んだ「日本語教室」に紹介されていたので読んでみました。

    1981年の作品のため、少し内容は古いですが、
    日本語の文法について、過去の研究者の言葉を引用したり、
    当時の雑誌より言葉を抜粋して、現在の日本語の使い方について
    様々な観点から分析しています。

    その当時の日本語文法の進化に...続きを読む
  • 組曲虐殺
     舞台を見てから読んだからか、情景がどんどん浮かんできて、舞台の復習になりました。笑 よく聞き取れなかったところ等あったので、理解が深まった気がします。もう一回舞台みたい!
  • 私家版 日本語文法
    各章が10頁足らずと短く、衒わない平易な文体のため取っ付きやすい。自宅でじっくり腰を据えてというよりは、移動中のバスや電車で読むに適した軽やかな文庫である。

    中でも「振仮名損得勘定(ルビはそんかとくかをかんがえる)」の章が面白い。他章は「もとよりこれは筆者の偏見にちがいないと思われるのであるが。」...続きを読む
  • ふかいことをおもしろく 創作の原点
    100年後の皆さんへ、作家で劇作家の井上ひさしさんからのメッセージ。創作の原点。含蓄のあるメッセージがたくさん。例えば…本とのつきあい方(情報をどんどん入れて知識に、知識を集めて知恵を作っていく)、笑いとは何か(笑いとは、人間が作るしかないもの それは一人ではできない 人と関わって、お互いに共有しな...続きを読む
  • 父と暮せば
    広島原爆についての戯曲だと思っていたので、もしあんまり悲惨なものだったら通読できないかも。。。と思っていましたが、知人に薦められたので読んでみました。
    想像を良い意味で裏切られ、そして号泣してしまいました。ある程度年齢を重ねた方だったら、誰もが感動できる傑作だと思います。
    今まで戯曲に苦手意識があっ...続きを読む
  • 日本語教室
    日本語の事を考え続けた著者が、母校、上智大学で行った「日本語教室」の講義を再現したもの。

    印象的なのは「母語」の話。

    「母国語」ではなく「母語」
    「母国語」は自分が生まれた国で使われている言葉だが、「母語」は母親や愛情をもって世話してくれる人々から聞いた言葉のこと。

    日本で生まれたとしても「母...続きを読む
  • 父と暮せば
    昭和23年の広島を舞台とした劇脚本。映画も舞台も観ていないため、字面だけで筋だけを追ったということになる。しかし、それだけでもテーマの重さと筋の上手さが伝わってきた。亡き人との対話という奇跡を扱っているが、不自然さは皆無。幸せになることを止めてしまった娘が、一瞬に覚えた「ときめき」「ためいき」「願い...続きを読む
  • ナイン
    ルロイ修道士の話が急に読みたくなったので注文して読んだ。
    懐かしさやら何やらがこみあげてきて涙が出てきそうだ
  • 新釈遠野物語
    久々に手に取り読みました。
    もともとは柳田国男が遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたものですが、これは何度読んでも、不思議な気分にさせられる本です。
  • 新釈遠野物語
    goole mapとwikipediaを見れば、だいたいのことは分かってしまう世の中だけど、それが完全に思い込みであることを教えてくれる1冊。

    目の前にいる人は、人間なのか、獣の類なのか。

    ここからあそこへは、近いのか、遠いのか。

    全ては、やってみなきゃ分からないんだ。
  • 日本語教室
    井上ひさしさんが大学で講義した内容をまとめた作品。

    非常に面白いです。
    正直読んでいて、自分自身がしっかり日本語使えているのか
    心配になります。

    井上ひさしさん独自解釈の日本語の起源や
    現在の日本語のついての説明は、
    ユーモアもあり、非常に分析されていると思いました。
    (作品中では...続きを読む
  • 新釈遠野物語
    「遠野物語」は柳田国男が佐々木鏡石から聞いた遠野地方にまつわる民話・伝説を集めたもの。
    本書は、その「遠野物語」にインスパイアされた物語。

    「犬伏」という名の老人から聞いた物語を「ぼく」が書きとめた、という設定。
    「遠野物語」は語る側も聞く側も誠実な人物だったが、「新釈遠野物語」では語る側は、いん...続きを読む
  • 私家版 日本語文法
    食わず嫌いで、ホント後悔した。井上ひさし先生がエスペランティストということも知らなかった。ごめんなさい。すごく勉強になる本です。
  • 日本語教室
    氏の講演を聴いたのは数回しかないが、あんな感じでこんな風に語っていたのだろうなあ、ということを偲ばせるものであった。
    彼の考えることばの起源、「原縄文語→前期九州縄文語→琉球縄文語→琉球諸方言」などについて、もっといろいろ聴きたかったな。