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井上ひさしが生涯考え続けた、日本と日本語のこと。母語と脳の関係、カタカナ語の弊害、東北弁標準語説、やまとことばの強み、駄洒落の快感……溢れる知識が、縦横無尽に語られる。「日本語とは精神そのもの。一人一人の日本語を磨くことでしか、未来は開かれない」――母校・上智大学で行われた伝説の連続講義を完全再現。日本語を生きるこれからの私たちへ、“やさしく、ふかく、おもしろい”最後の言葉。
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Posted by ブクログ
2019.8.29済。 非常に読みやすい文体。 こういう文体好きだなあ。 「美しい日本語はひらがなと漢字のバランス」 「劇のセリフは、観客に即分かる単語で」
「日本語」というものに常に向き合ってきた人の言葉がここにはあります。 講義録だからほんとに井上ひさしさんの話を聞いているみたいです。 専門知識ももちろんあります。第4講に出てくる、助詞の「は」と「が」の違いなんかの話はすごく面白かった。 だけど、この本の魅力はそれとは別のところにあるのかなっ...続きを読むて思います。 それは、この講義の中に井上ひさしさんの「日本語」や「日本人」や「人間」に対する思いがあふれていることだと思います。 こんな人がいてくれる。 危機感を持って話をしてくれる。 そしてそれは、やさしくてあったかい。 名講義だなって思います。 直接聞きたかったな。
日本語の事を考え続けた著者が、母校、上智大学で行った「日本語教室」の講義を再現したもの。 印象的なのは「母語」の話。 「母国語」ではなく「母語」 「母国語」は自分が生まれた国で使われている言葉だが、「母語」は母親や愛情をもって世話してくれる人々から聞いた言葉のこと。 日本で生まれたとしても「母...続きを読む語」は日本語ではなく、関西弁、東北弁という事になる。 そして、「母語」は「道具」ではなく「精神」そのもの。 この「母語」をベースに第二言語、第三言語を習得していく事になる。そして、その「母語」以内でしか別の言語は覚えられない。 つまり、外国語を覚えるためには「母語」がきっちり話せなくてはならない。 このあたり、子供への英語の早期教育を主張している人達に聞かせてあげたい。 ところで、本書のように「日本語」をテーマにした場合、「日本語の乱れがひどい」と嘆いたり、警鐘を鳴らす、という事になりがちだが、著者は「美しい日本語」などありえないとバッサリ。 方言が入っていようがどうしようが、ものを正確に表現する、自分の気持ちを正確に相手に伝えられる、相手の言うことがちゃんと分かる、そういう言葉を使っていく事の方が大切だ、と著者は言う。 読んだ本の感想を書くようになった理由が 「仕事に関するメールの文章があまりにもわかりにくかったために、翻って、自分の書いている文章が分かりやすいか心配になり、普段から、ある程度まとまった文章を書く練習をしておこう」 と考えたため。 それだけに、こういう事を言われると、この文章自体が自分の考えを正確に、分かりやすく表現できているか心配になる。 また「日本語礼賛」に陥っていない点もいい。 それどころか、完璧な国などない。どこかで必ず間違いをやらかす。その間違いに自分で気付いて、自分の力で必死に苦しみながら乗り越えていく国民には未来があるが、過ちを隠し続ける国民には未来はない、と言っている。 このように書くと、本書に対して、堅苦しい印象を受けるかもしれないが、講義の時の語りかける口調のままのため、読みやすい。 むしろ、ところどころに著者のユーモアも顔を出す。 著者の「座右の銘」は「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」だったらしい。 本書も正にこのことを実践しているかのような内容だった。 ところで、先の「美しい日本語などありえない」という話も含めて、どこかの国の、選挙を経なければなれない職種の人々に聞かせてあげたい。 ある面、作家以上に言葉を駆使しなければいけない人達の言語能力、大丈夫だろうか。
氏の講演を聴いたのは数回しかないが、あんな感じでこんな風に語っていたのだろうなあ、ということを偲ばせるものであった。 彼の考えることばの起源、「原縄文語→前期九州縄文語→琉球縄文語→琉球諸方言」などについて、もっといろいろ聴きたかったな。
非常にためになった。このような素晴らしい(自らの糧になる)本を読むたびに、本と云うものを有り難く思う。高高1,500円程(物量によるが)で買えるのだから。
さすが!!とても面白かった!!! 2001年から上智大学で行われた講義の内容を記録した本です。井上ひさしさん、お目にかかることはできなかったけれど、こういう講義なら、一度受けてみたかった。。。 「日本語教室」という題ではあるけれど、ここに詰まっているのは、「日本語」というひとつの言語を通じて見る世界...続きを読む像であったり、文化人類学のような考察であったりします。 また、言語学の視点からの母音の話やアクセントの話、聞き取りやすい語、発音しづらい音についての話などは、そのまま日常生活にも生かせる知識ばかり。下手なハウツー本の何百倍もためになります。 帯に「やさしい。ふかい。おもしろい。」とキャッチコピーがありますが、まさにその通り。 思わず、他の同系色の著作もまとめ買いをしてしまいました。
日本語を特別視せず、俯瞰的にどのような性質を持った言語であるかを、軽妙な語り口で講義してくれる一冊。母語は精神であると言い切り、日本語で言い表せることまで外来語でまかなうようになってしまうと、精神の衰退を引き起こすと喝破する。著者の井上ひさし氏の教養の深さが随所ににじみ出ていて舌を巻く。
本書は、日本語そのものを学ぼうというのではありません。 井上ひさしが考える、日本語の現状をさらっと把握して、「日本語とはどういう言語か」ということを考える書です。 気になったことは以下です。 ・15歳を過ぎるとどんな言葉も覚えることができない ・母語は道具ではない、精神そのものである ・日本は、...続きを読むいつもそうです。世界で一番強い文明を勉強します。中国そして、欧州、戦後はアメリカです。 ・日本には、自分の住んでいるところは大したことなくて、優れたものは他にあるという、そういう精神構造はいまだにあります。 ・たいへん便利で、大きな文明が入ってくると、そこにもとからあったものはなくなっていって、大きな文明に吸収されていく、言葉も然り ・言葉が自然に消えていくということはありません、必ず何かの、社会的、経済的、政治的圧迫で消えていくのです ・日本語の文法はどこから来たのか。ウラル・アルタイ語族、つまり、トルコ語と、日本語がよく似通っていることから、どうやらウラル山脈あたりから、シベリアを通ってやってきたのではないかということになっています。 ・ほんとうに日本語はたいへんですよね。やまとことば、漢語と、外来語の3つを覚えなければなりません。 ・日本語の音韻体系は簡単で完結で、非常な合理性をもっています。五十音図を思い出してください。あれで日本語の音全部を云いつくしているわけですからすごい ・近代国家にとって必要なものは、少なくとも3つある。貨幣制度、軍隊制度、そして、言葉の統一です ・いずれにせよ、明治国家は言語を統一しようとして、標準語をつくろうとしました ・逆にいうと、まだまだ日本語は完成されていないのです、また、そもそも日本語というものがあること自体おかしいともいえます ・日本語では音節が子音で終わることはありません、かならず母音で終わります ・日本人にはもう文法は必要ない ・一般に「口語文法」というときの「文法」というのは、だれか整理し組織立てたものなのか、わからない。これはつまり、私たちひとりひとりそれぞれの文法があるということです ・私たちは日本語の文法を勉強する必要はないのです、無意識のうちにいつのまにか文法を身につけていますから。 目次 はじめに 第1講 日本語はいまどうなっているのか 第2講 日本語はどうつくられたのか 第3講 日本語はどのように話されるのか 第4講 日本語はどのように表現されるのか 井上ひさし著書・単行本目録(抄) ISBN:9784106104107 出版社:新潮社 判型:新書 ページ数:192ページ 定価:720円(本体) 発売日:2012年04月10日 14刷
さまざまな視点から日本語について学べる一冊。 近年、グローバル教育が盛んに行われているが、日本語の学習を疎かにしてはいけない。母語を土台に第二言語を習得していくので、結局、母語以内でしか別の言葉を習得できない。 また、日本語(言語)について考える場合、日本語だけで考えても正確には分からない。他のもの...続きを読むとの比較検討によって理解することができる。 このことから、やはり、外国語の習得には日本語力が必要だと感じた。 その他にも、日本語に同音異義語が多い理由や、連濁、「は」と「が」の違いなど、当たり前に身につけている法則についても解説してある。
我々日本人が無意識にやっている、日本語のささいな使い分け、日本語の成り立ち、構造など、筆者の深い教養と分かりやすい説明で興味深く読め、勉強になった。また、外来語を漢訳した際に生じた齟齬というべきもの。権利や自由の話。日本人の考え方に、漢字の選択が影響したというのは面白かった。 読み通してみて、日本語...続きを読むとは、良い意味で、あいまいなものであり、つかみどころがなく、その一方で実に面白いものなのだなと感じました。
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