井上ひさしのレビュー一覧

  • 東慶寺花だより
    映画の画面がとても美しかったので、それを脳裏に描きながら読みました。改めて、短編の中のエピソードの中から、新たな要素も加えて、映画がうまく作られていたのだと思いました。
    女の方から離婚を申し出ることができなかった江戸時代、最後の頼みとされた東慶寺。戯作者かぶれの医者見習いという信次郎を狂言回しにした...続きを読む
  • 東慶寺花だより
    映画を見て、気になったので 購入
    短編集だったんですね でも こちらも面白い
    信次郎さんが 頭の中で大泉さんで動いていました 本当ぴったり
  • 東慶寺花だより
    ストーリー・テラー井上ひさしの本領発揮、人情もの時代小説。夫婦やその他の人情の機微に、泣かされたり膝を打ったり。
    井上ひさし本人による、巻末特別収録も読む価値あり…というか保存版です。
  • 井上ひさしの読書眼鏡
    井上ひさしは 日本語が好きな日本人だなと読みながら思った。
    辞書が、睡眠薬という言葉から、活字中毒者の症状がでている。
    たぶん 辞書を読んだら イメージがわいてきて 眠れなかったのではないか。
    物知りの話には飽きてしまう。
    未来を見据え、英知をつくり出せる真の知者が思いのほかに少ないという指摘は強烈...続きを読む
  • 父と暮せば
    こまつ座で舞台になっている他、宮沢りえ主演で映画化されたり、人形劇団むすび座で人形劇化されている。
    戯曲は読みづらいというイメージがあったけれど、映画を見てから読んだということもあってかとても読みやすかったし、おとったんと美津江の身に起こったことや、二人の思い、美津江が心を揺らしながらも一歩一歩前に...続きを読む
  • 東慶寺花だより
    映画が面白かったので原作を読みました。駆込み一件ごとの一話完結になっていて、一つ一つ、一人一人の事情がミステリー風に解き明かされていきます。優しく明るい語り口で、笑えるところも多くて、ほのぼのと読ませてくれます。お互いをとても大切に思う夫婦あり、本当にひどいことをする人もあり。映画の方は二時間くらい...続きを読む
  • 円生と志ん生
    戦後の荒廃やらバタバタをユーモラスに描きつつ、井上ひさしの「笑い」についての考え方も垣間見える佳作。

    表紙の絵がだれが見ても角野卓造(笑´∀`)
    舞台でも観てみたい!
  • 「けんぽう」のおはなし
    憲法というものがどういうものなのか。
    井上ひさしさんが、小学校などでお話をした時の内容を絵本のしたそうです。わかりやすい言葉で書かれていて、教科書なんかよりも憲法への理解がすすみます。
  • 吉里吉里人(上)
    売れない小説家の古橋健二は、雑誌『旅と歴史』の編集者である佐藤久夫と取材旅行のため、上野発青森行きの旧交十和田3号に乗っていました。ところがとつぜん、ライフルを手にした少年が、列車を停止させます。東北の一寒村が「吉里吉里国」として日本からの独立を宣言し、古橋らは外国人として検問所へ連れて行かれること...続きを読む
  • 東慶寺花だより
    面白かった。
    映画が観たいなぁと思ったんだけど、やはり本の方がわたしは好きなので^^
    なかなかに楽しくもあり哀しくもあり盛りだくさんでありました。久しぶりにワァーと読みました。
  • 東慶寺花だより
    井上ひさしの『東慶寺花だより』を読み終えました。
    やはり並みの小説家じゃありませんね、この作家は。

    すんなりと入っていける導入部、
    夫婦の機微を一枚一枚ときほぐしてゆく巧みな筋立て。
    そこにあの鎌倉の四季折々の草花が彩りをそえています。
    なによりも言葉が美しい、
    そして、その用いようが人の息づかい...続きを読む
  • 東慶寺花だより
    もう、本当に本当に面白かった。
    映画の原作だから、と言うことで読み始めた。。。、が、ものすごく味わい深い一冊。読むことで映画のすごさも分かるし、小説の凄みも感じる。

    初めて朗読した本だった。歯切れとテンポの良い日本語を味わいたくて、休日に1人でひとすら朗読。咄家さんになった気分。
    美しい日本語、筋...続きを読む
  • 私家版 日本語文法
    読みやすい日本語文法エッセイ。引用文が古文、文学、野球のヤジと多種多様。なんとなく使っている日本語の意味を考えさせる一冊。
  • ブンとフン
    作家が生みだした怪盗が小説を世界中で大暴れするだけの話ですが、文体が軽快、痛快でついつい笑ってしまいます。この手のナンセンス作品は読んだことがありませんでしたが、楽しく読めました。
  • 一週間
    今年の4月に亡くなった井上ひさし氏最後の長編小説。場所は昭和21年のシベリア。ソ連極東赤軍の捕虜となった元共産党員小松修吉は、その過去を買われて日本軍捕虜の思想教育の一環として発行されている新聞社に協力を要請される。そこで取材するうちに、収容所から脱走し3千キロ逃走の末、捕まった入江軍医将校からレー...続きを読む
  • 吉里吉里人(上)
    2012年の11月に買ったまま、あんまり長いので途中で放ってしまっていた本書。ついに腰を入れて読み始めることができました。

    これでもかこれでもか、って程、ネタをぶっこんでくる作歌魂に驚嘆。細部の演出がすごい。吉里吉里語の説明箇所とか。描写が映像的で、読みながら吉里吉里国を頭の中で作っていける感じ。...続きを読む
  • 新釈遠野物語
    遠野近在の国立療養所でアルバイトをしている“ぼく”は、その山中に住む犬伏老人に出会う。老人は“ぼく”に、遠野に伝わる奇天烈な話の数々を語って聞かせた。柳田國男の名著「遠野物語」を井上ひさし氏が新釈したもう一つの「遠野物語」。

    話し上手な犬伏老人のインチキ話の数々に、誇大癖のある“ぼく”は当初疑心暗...続きを読む
  • 新釈遠野物語
    誇大癖のある"ぼく"と、語り部である
    いんちき臭い犬伏老人が「遠野物語」の序文に
    なぞらえつつ紹介され、つるりと始まる物語。

    山の緑の稜線に重なる白い夏雲。
    世界が反転するような不思議で美しい
    桜の花びらほどの大きな雪の舞う景色。

    美しい描写にうっとりしながら、
    老人の話す怪異に夢中になりページ...続きを読む
  • 日本語教室
    「日本語」というものに常に向き合ってきた人の言葉がここにはあります。
    講義録だからほんとに井上ひさしさんの話を聞いているみたいです。
    専門知識ももちろんあります。第4講に出てくる、助詞の「は」と「が」の違いなんかの話はすごく面白かった。

    だけど、この本の魅力はそれとは別のところにあるのかなっ...続きを読む
  • 一週間
    読み終わった日が、ソチ五輪の開会式。かの日のソ連と今日のロシアでは大きく異なるのは承知。あの頃、ソ連がなくなるなんて思ってもいなかったなあと感慨。大きくなりすぎた国のひずみと、それを塗りこめる強引な手法は、現代の隣国を見るに必然なのか。その適応力と厚顔無恥は、小さな島国に閉じこもる我々には見習うべき...続きを読む