酒井順子のレビュー一覧

  • 平安ガールフレンズ
    こういう本に、学生時代に出会えてたら国語や歴史の授業がもっと楽しかったのかなと思う。大昔の人は使う言葉も生きる環境も全然違って、ひとりの人間として見ることはなかなかイメージできないけど、この本では本当に“女友達”の恋バナや武勇伝を聞いているような感覚に陥る。何百年、何千年かけて科学や技術がいくら発達...続きを読む
  • 男尊女子
    「男尊女卑」ではなく、作者ならではの造語「男尊女子」。一見、「?」と思われがちかもしれないが、しかしこの「男尊女子」という視点から見えてくる現代日本の本質的な問題や状況がみえてくる。
  • 家族終了
    少子化、生涯未婚率の増加、子なし族(作者独特の表現)の増加など、高度経済成長期以降、家の繁栄どころか維持・存続すら難しくなっている現代の日本。さらに、子どもを産み育てるうえで合理性のある法的結婚制度も、子どもがいなければ法的結婚にこだわる必要性もなく、配偶者に先立たれた者同士の老老婚、LGBTの事実...続きを読む
  • 子の無い人生
    前作『負け犬の遠吠え』に続くのが本著。今回のテーマは、子ナシ族と子アリ族(著者ならではの表現)、その延長には単なる婆さんか祖母さんか、あるいは爺さんか祖父さんか、という孫ナシ族と孫アリ族にも繋がってくる。少子化そして晩婚化と晩産化、結婚して子供を産むという社会的通念、さらに結婚に対する個々の考え方な...続きを読む
  • 家族終了

    家族のあり方に迫る

    著者は、自分の家族が変わっているというように書かれて入るものの、そうした家族のあり方を通して、ある意味普遍的な日本の家族像について書き著しているようにも感じられる。
    ニヤリという笑いを誘いつつ、だんだんと著者の考えに引き込まれていく魅力に溢れた一冊。
  • オリーブの罠
    新書だからと構えていたけど、酒井さんの文章、面白い!読みやすい!

    すっかり酒井さんのファンになりました。他の本も読んでみたいと思います。

    そして、、オリーブに3つの時代があったのは初めて知りました。

    わたしは末期のオリーブしか知らず、読み始めて数年後には休刊になってしまったので、かわいい雑誌だ...続きを読む
  • 下に見る人
    本書は、「人間は皆、平等。だから『人を見下さないようにしましょう』」などという道徳的かつ愚直な本ではない。
  • 中年だって生きている
    作者『バブル・コンプレックス』と姉妹本に位置づけられる本かと思います。本書は、若い頃には理解できなかったけれど、中年世代になってみて分かってきたこと、また若い頃とは違った楽しみ方なども書かれており、中年世代の生き方が、ポジティブ(しかし、少し自虐的に面白く)に書かれているように思い、勇気をもらえます...続きを読む
  • バブル・コンプレックス
    バブル世代も50歳代を通り過ぎて60歳間近。自身もバブル世代である著者が、自虐ネタも含めて、バブル世代の特徴を分析している。しかし、同じバブル世代といえども、高校・大学・就職と東京や首都圏で過ごした層と地方で過ごした層とには、若干の違いがあるとも思われる。とはいえ、こうしたバブル世代を通して、戦前・...続きを読む
  • 平安ガールフレンズ
    平安女子を身近に感じられる作品。いつの時代も女子は同じような考え方をするものなんだなぁ。私が友達になりたいのは清少納言!
  • 平安ガールフレンズ
     平安文学は詳しくない私ですが、この時代を思う時にいつも感じるのは、日本って女性文学大国だなぁということ。

     持統天皇のために書かれたという説もある古事記にも多くの魅力的な女性が出てきますし、何よりも始祖の神が女神と言うのは珍しいと思います。(私もそんなに多くの神話を読んでいるわけではないので、そ...続きを読む
  • ananの嘘
    読んでるうちに、アンアンが、トレンドに敏感で、不器用だけど猛烈に恋やおしゃれに邁進する、愛すべき非モテ系の友人のように思えてくる。
    アンアンをほとんど読んだことがなくても、1970年から50年間の、非モテ系女子の日本史として楽しめる。

    この歴史の変遷の中で、山頭火を目指せと提言したり(!)読者のお...続きを読む
  • 男尊女子
    この人って同時代に生きてる人たちの微妙な心の襞みたいなものを描くのが本当にうまいと思う。毎回、あ〜そこそこそうそうと思う。なんというか痒いところに手が届く考察。
    そう!みたいな感想ではなく、そうなのよ〜…と三点リーダーがつく感想。
    でもそれはひょっとしたら私が酒井さんと同世代だからかもしれないけど。
  • 男尊女子
    私は男女平等にすごく敏感な質と自負しているのに、自分自身に実は男尊女卑意識が深く刷り込まされてると気付かされ、大変面白かった。

    また、男尊女卑は女性側のニーズもあって成立している、という筆者の意見にすごく共感した。

    1つの考え方を強要するのではなくて、男性も女性も関係なく、しがらみに囚われず、皆...続きを読む
  • 男尊女子
    『負け犬の遠吠え』から更に磨きがかかっています。酒井順子の的確な指摘をしながらも刺々しさがないなめらかな文体が好きです。本作では日本で男女平等が進まない理由を差別されている側である女性の意識にもあるのだということですが、読めば読むほど「なるほど!」とどんどん納得していきました。レディファーストについ...続きを読む
  • 家族終了
    なかなか面白い本でしたね! 確かに家族はいつしか終了するものです…子孫を残さなければ、ね。社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    けれども、親なんて死なない、と皆どこかで思っている風ですしねぇ…実際死んでみなけりゃ分からないんでしょうね…その後に襲ってくる悲しみ、とか…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)...続きを読む
  • 男尊女子
    男女平等といいながら
    男尊女卑が続く日本はなぜなのか・・・
    それは女性の側にもあると著者は説いている。
    「男尊女子」は私の中にも確かに存在する。親世代の価値観のおしつけ、平成の世を生きるために「何だかな〜」と疑問に思いつつ、「男尊女子」の自分を演じることもあった。
    女性には男尊女卑を良しと考える人、...続きを読む
  • 制服概論
    秘すれば花、制限されるからの妄想。期間限定たからこその魅力。制服の魅力を女性視点から語る。

    ことのほか出来の良いエッセイ。制服マニアの筆者が学生の制服、働く制服など業態別に制服の持つ魅力を語っていく。筆者の持つ制服愛が伝わってくる。

    筆者が女性であるところが良い。男性の制服マニアがスチュワーデス...続きを読む
  • 少子
    爆笑した。少子化にまつわるおふざけエッセイ。いや、半ば真面目かもしれませんが…。九州女子のわたしからすると、リベラルな家庭に育ったサカジュンがうらやましくもある。サカジュンのアラサー時代のエッセイはノリに乗っていてすごい。今の丸くなった彼女の筆も好きよ!
  • オリーブの罠
    面白かった〜!後期のオリーブを読んでいたときは女子大生でしたが、大好きでした。オリーブ。今はクウネルやリンネルにオリーブの魂は生きているのですね。酒井さんの本、本当好きです。初期オリーブがアメカジ志向だったとは知りませんでした。今もこんなロマンチックな雑誌があればいいけれど…難しいんだろうなあ。