酒井順子のレビュー一覧

  • オリーブの罠
    1988年生まれの私がOliveを初めて手にとったのは小学生の頃。その頃のOliveはかなり渋谷系やカルチャーの香りが強かったけれど、創刊当初の1980年の頃は大分雰囲気が違ったのだなあとびっくり。でも「モテや結婚」やら「ヤンキー文化」やら「バブル時代」やら、常に時代の風潮に対しアンチテーゼを唱えて...続きを読む
  • ユーミンの罪
    「小説現代」連載時の題名が「文学としてのユーミン」…でも酒井順子初の新書として「ユーミンの罪」に変更して大正解!パンドラは箱を開け、アダムとイブは林檎を食べ、もう元にもどれない時代をつくってしまう、そんな不可逆過程の原罪こそが彼女の本質、と言っているようです。本文中にもユーミンと社会の関係をミラーボ...続きを読む
  • 紫式部の欲望
    紫式部って清少納言と比較されては、みんなからじめじめっとした性格でちょっとな…て言われてた人でしょ、なーんて自分の考えが残念に思えた!知的で真面目な女性だったのだ。 そんな性格が息苦しかったひとりの女性が、文字通り、欲望を詰め込んだ物語が、源氏物語。ただのイケメン浮気物語ではない。まーた自分の勝手な...続きを読む
  • 儒教と負け犬
    少子化が進む日中韓の都市の独身女性、東京・上海・ソウルの負け犬、老処女、余女の考え方、趣向、などを著者自身がインタビューし、まとめた1冊。前作の『負け犬の遠吠え』と一緒に読むと面白く、またその分析もユニークで興味深い。
  • 紫式部の欲望
    共感する。
    自分の欲望をストレート出さずに登場人物にさせてスッキリする手法に、改めて紫式部の凄さを感じる。
    三浦しをんの解説もいい。
  • ユーミンの罪
    ユーミンに与えられた影響をこれほど細かく分析できるなんて、さすが酒井順子!
    助手席に座る人生の肯定、男に縛れらない人生の肯定・・・
    結局晩婚化、少子化の一端がこのへんにアリということになるかもしれないけれど、当のユーミンがこの本を読んだら、絶対に「その通り!」とは言わない気がする。
    時代の先読み、時...続きを読む
  • 金閣寺の燃やし方
    小説において金閣寺を燃やした二人の作家、三島由紀夫と水上勉。
    二人の金閣寺(あるいは、金閣寺を燃やした実在の青年僧 林養賢)へのアプローチを、対比させている。

    生い立ちも気質も全く異なるふたりでありながら、金閣寺を結節点として、繋がっている。

    三島由紀夫の金閣寺は何度か読んだんだけども、水上作品...続きを読む
  • 負け犬の遠吠え
    これも再読本。
    このカバーデザインは、佐藤可士和さんです。

    昔読んで名著!と感激して、どこかの
    ビジネス読書会でお勧めしてしまった記憶あるのですが
    改めて読んでもやはり名著。

    本書で頻繁に出てくるキーワード、「いや汁」とか
    「腐臭」など。
    例えば、三十路過ぎた女性が親と同居している、と
    語ったと...続きを読む
  • 負け犬の遠吠え
    どんなに仕事が有能でも、美人でモテモテでも、30代で独身、子無しの女性は負け犬。シングル女性にとってはなんとも屈辱的な定義なのですが、自身も負け犬を自認する著者の、なんともユーモアな語り口についつい笑わされてしまう。
    もちろんただの惨めな自虐に終わっておらず、後輩世代への「負け犬にならないための十か...続きを読む
  • おばさん未満
    40代の独身女性の素直な悩みや気持ちを書いていて、そうそう!と共感できることばかり。
    まさに「言い得て妙」!
  • 都と京(新潮文庫)
    五重塔と東京タワーの絵に惹かれ、思わず買ってしまった。
    特に、京都での敬語の使い方についての考察には、目からウロコ。
    Googleマップで羅城門遺址から大極殿遺址まで歩いてみました。
    今度、京都に行ったらリアルに歩いてみよう。
    途中にある「冷やしあめ」ってまだあるのでしょうか。

    天一は本当に箸が立...続きを読む
  • 女流阿房列車(新潮文庫)
    IKKI『鉄子の旅』と『小説新潮』の相互乗り入れ企画、『鉄子…』キクチとの内容を比較するのもまたよし♪

    キクチ版『鉄子』連載時はIKKIを購読してました
  • トイレは小説より奇なり
    すっごく面白かった。爆笑する本をネットで検索してヒットしたのだが、まさに爆笑だった。
    「させていただく」は宮沢りえの会見からだったのか。そうするとだいぶ長いことブームがつづいているのかな。誰もかれもが、総理大臣までさせていただく言葉にうんざりしているのは
    私だけだろうか。日本人的ってことなんだろうな...続きを読む
  • いつから、中年?
    酒井順子は適格に急所を攻めてくる。
    そうなんだよなぁ〜、とか、わかる!わかる!というところがたくさんあって拍手を贈りたいくらい。
    女性でいることに疲れたとき、著者の本を読むとわたしの中のモヤモヤに少し光が見えたりするのです。
  • トイレは小説より奇なり
    なーんも考えないで読める
    エッセイ、毒舌つき。
    この方がかの有名な作品の人だとは
    まったく知りませんでしたがね…

    しかしトイレの長さは確かにですね。
    あの長さ、っていったいなんでしょうね。
    絶対に「大」何ぞしないのに関わらず…
    今のご時世だったら携帯でも見てるのかしら。

    一番面白かったのは12ヶ...続きを読む
  • その人、独身?
    負け犬作家の酒井順子さんの、三DK(三十代・独身・恋人いない)が何を考え、どんな生活をしているかを語るエッセイ。
    酒井さんのエッセイは、20年位前から読んでるという長~いお付き合い?の私。
    私自身は3年前に結婚したので、負け犬からはイチヌケはしましたが「三十代・独身・子なし」の子なしからは卒業してい...続きを読む
  • おばさん未満
    大好きな水森亜土さんのかわいいイラスト(表紙)が目につき手に取りました。ドキッとするタイトルにも強く感じるものがあり…即、購入!何度頷き、何度失笑したことか…。さらさらっと読めますので、アラフォー世代の女性は是非読んでみてください☆
  • 煩悩カフェ
    着目点、表現力に乾杯!
    「他人のうんちが出なければいいなと思う」煩悩とか
    そこに目をつける?みたいな驚きと深い共感。
  • 食のほそみち
    普通の感覚で「食にまつわるエトセトラ」を語ってるだけなのに
    おもしろい。
    「料理人のモテ方」「読者のバカな質問」のくだり
    非常によかった。
  • 容姿の時代
    笑えた。専業主婦向け雑誌を読むのは馬鹿ばっかり・馬鹿丸出し と思っている とか。
    皆が心の深層で感じていることを気づかせてくれる。