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夫、旦那、パパ。結婚相手をどう呼ぶかが、女性の深層心理を炙り出す。(「主人」)学歴・年収・年齢・身長が男性より上だと、なぜ女性は負い目に感じるのか。(「高低」)男尊女卑が今なお続く理由は、女性の側にもあることを示す20章。「男尊女子」は、あなたの中にも存在する……?
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Posted by ブクログ
「男尊女卑」ではなく、作者ならではの造語「男尊女子」。一見、「?」と思われがちかもしれないが、しかしこの「男尊女子」という視点から見えてくる現代日本の本質的な問題や状況がみえてくる。
この人って同時代に生きてる人たちの微妙な心の襞みたいなものを描くのが本当にうまいと思う。毎回、あ〜そこそこそうそうと思う。なんというか痒いところに手が届く考察。 そう!みたいな感想ではなく、そうなのよ〜…と三点リーダーがつく感想。 でもそれはひょっとしたら私が酒井さんと同世代だからかもしれないけど。
私は男女平等にすごく敏感な質と自負しているのに、自分自身に実は男尊女卑意識が深く刷り込まされてると気付かされ、大変面白かった。 また、男尊女卑は女性側のニーズもあって成立している、という筆者の意見にすごく共感した。 1つの考え方を強要するのではなくて、男性も女性も関係なく、しがらみに囚われず、皆...続きを読むが1人の人間として、自分らしく生きることができて、それを皆も受け入れるような時代をつくっていきたいと思った。
『負け犬の遠吠え』から更に磨きがかかっています。酒井順子の的確な指摘をしながらも刺々しさがないなめらかな文体が好きです。本作では日本で男女平等が進まない理由を差別されている側である女性の意識にもあるのだということですが、読めば読むほど「なるほど!」とどんどん納得していきました。レディファーストについ...続きを読むても書かれていますが酒井順子がレディファーストを考えるとこうなるのか、深い!と著者の人間性の深みとか厚みを感じました。女性はもちろん、ジェンダー問題に関心がある男性にも読んでほしい1冊です。
男女平等といいながら 男尊女卑が続く日本はなぜなのか・・・ それは女性の側にもあると著者は説いている。 「男尊女子」は私の中にも確かに存在する。親世代の価値観のおしつけ、平成の世を生きるために「何だかな〜」と疑問に思いつつ、「男尊女子」の自分を演じることもあった。 女性には男尊女卑を良しと考える人、...続きを読む男尊女子でもいいじゃないと考える人、男女平等を願う人、などなど多様な考え方が存在しているのだと感じた。お互いを尊重しつつ、女性がもっと生きやすくなる時代がそう遠くない未来にあることを願います。
最初は、男尊女子の女性たちにイラッと することやモヤモヤすることもあったけど 読み進めるうちに、自分の中の男尊女子成分を 感じて「あ、私もだわ」とドキッとした。 今まで培ってきた男尊女卑の歴史は 戦後数十年では覆ることなく 男女平等が叫ばれる中でも未だに こびりついている。 このようなフェミニズ...続きを読むム的な本は、 普通は男性側のマイナス行動に焦点を当てるが 本書は「女子」とタイトルにもある通り 女性側に焦点を当てていて 面白かった。 最後の山内マリコさんの解説もめちゃ良かった。
「昭和の女子」である私には、本書に書かれている内容、酒井さんの思いにすごく共感できた。ただ、これが書かれてから5、6年経った今はまた状況が変わっているのではないかと思われる部分もある。 細かい観察、分析が酒井さんの感性によりされていて、そこが素晴らしいところだと思いつつ、直前に読んだヤマザキマリさん...続きを読むの本と比べてみると、「日本の女性」っぽさが露わになっていて、日本という枠からもはみ出ていく女性が増えていけばいいなぁと思える。日本も変化しているとはいえ、酒井さんが危惧しているような後戻りがないともいえず、日本の変化など待っていられず、日本を飛び出した方が、限りある自分の人生を十全に生きられるかもと思う。
男女平等が叫ばれるようになって久しい現代でも、男尊女卑的な思想は世間のそこここに転がっている。そのルーツを辿ったとき、男尊女卑的な思想を持っているのは、必ずしも昔ながらの価値観を引きずる男性だけとは限らない。中には、男が上で女が下、という価値観を自ら選び、実践している女性もいる。彼女たちは煙草や酒...続きを読むを嗜むかのように、いわば嗜好品の一つとして男尊女卑的な思想を生活に取り入れている、ように見える。そういう女性のことを、筆者は「男尊女子」と呼ぶ。 前から気になるタイトルの本だなあと思ってはいたものの、この「男尊女子」なる存在を完全否定したり糾弾したりするような内容であるなら、それはそれで多様性を踏みにじることになってけしからん、というのは建前で、本心は、私自身が中学生のあるときに「よし私は将来専業主婦になるそして家で家族の帰りを待ち夕刻には鯖を焼いたり味噌汁を作るなどして生きる」と決めて以来その一点に向けて猪突猛進してきて今まさにその生き方をしているというまさに「男尊女子」であるので、金払って本買って生き方否定されちゃたまんないわ〜って感じで目を逸らしてきた。そんなときに読書好きの親友と再会し、全然そんな内容じゃないよ〜おもしろかったよ〜と軽やかに言われたので、ようしと覚悟を決め読んでみることにした。 全体を通じて、「男尊女子」を肯定するでも否定するでもなくただその生態を自らの実体験を元に明らかにしていくという寸法で、親友の言う通り、終始ニュートラルな語り口だったのでホッとした。さらに筆者自身が、自分も働いているし社会的にも経済的にも自律しているけれど、それでもなお男尊女卑的な思想を完全に捨て去ることができていない、と表明している点に好感を持った。自分の中の「隙」みたいなものを認めることって難しいからなあ。どんなに強い信念があっても、他人との関わりに揺さぶられてふと整合性が取れなくなる瞬間があったりして、そういうときに意固地になるんじゃなく、ああ自分の中にもそういう要素があったんだなあと俯瞰できる冷静さを私も持ちたいと思った。 社会学者の岸政彦さんが、丸山里美『女性ホームレスとして生きる』に寄せた解説でこんなことを言っていた。 --- 社会学は何をしているのか。質的調査は何をしているのか。私はそれを、ひとことで乱暴に言えば、「一概に言えなくしている」ということだと思う。(p.311) そしてさらに、もうひとつの目的がある。(中略)社会学の、質的調査のもうひとつの目的とは、「理由を書くこと」である。たくましいでもかわいそうでもなくただ、人びとの行為には、そして人生には「理由がある」のだ。(p.319-320) --- 男女平等を強く叫ぶ人びとに彼らなりの、好みの女性のタイプを聞かれて「一歩二歩、後ろを下がって歩く女性がいいですね」と答えたラグビーの五郎丸選手のように昔ながらの価値観の中で生きる人びとにも彼らなりの、それぞれの人生があって、理由がある。もちろん、性別が原因因で差別されたり不等な扱いを受けたりしている人を救済するための動きは可能な限り早く進むべきだという前提で、しかし個人が根底にどういう価値観を持って生きるかまで他人が介入することはちょっと、私はしたくないなあと思ったりもした。あっちこっちに旅をしていろんな人と出会って会話をして、というのがなかなかできない時代だから、ともすればどんどん視野が狭くなっていってしまう。人と話すときはそのときどきの会話の内容だけではなく、その人がどういう人生を歩んできたか、どうして今その意見を持つに至ったかまで思いを巡らせる余裕と冷静さを、せめてなくさないようにしたいなあと思う。
久しぶりの酒井順子さん。健在でいらっしゃる! 実際私が男尊女子なのである。一方で自称フェミニストであるものの、三歩下がってついていきたい九州女なのである。学歴もできれば収入もあわよくば身長も、彼氏の方が上がいい。 だから、結局私は年上の男性が好きである。結局ファザコンなのかもしれない。実家は典型...続きを読む的な専業主婦家庭で、母は父より1年だけ年下なのだが、未だに敬語である。 それでも、確かに五郎丸君の無邪気な発言には驚いたよね。中学生の同級生の男の子が「妻には一汁三菜を作れと言っている」とFacebookに書いていたのにも驚いた。結局、男尊女子はいるのである。 私は中途半端ではた迷惑な男尊女子だから、不平等は嫌だ。経済的・社会的な自立とかそんなまぁまぁ楽しく、まぁまぁ快適なことを、女であることを理由に妨げられるのは嫌だ。機会が均等であることは必要だ。 先週、会社で頭にきた時にも叫んだのだが、合理的な理由がない状況で、性別を理由に対応を分けることはNGである。
近頃人々の意識が高まりやれフェミニズムだのやれハラスメントだのといったことが取り沙汰されるようになったからそういう系の人のお話かーって感じで、でも文庫本だし読みやすそうだなと一目見て気に入ったので購入した。ら、結構アタリ 題名のとおりの内容ではあるんだけれど、「日本は性差がありすぎる!欧米ではーー」...続きを読むとか「ハラスメントなんて言語道断!」みたいな所謂女側からの圧力的な提示というよりは、話題提供に参りました〜〜、って感じの本 著者は女性でいらっしゃるんだろうけど、女が女を揶揄しているような印象で、でも現代における男女間での問題はしっかりと炙り出されている。 そしてトピックごとにまとまっててさらに一つ一つが短いので学術本読むよりも圧倒的に読みやすかった!性差についての本読みたいな、でも難しいのはちょっと圧感じちゃってな〜〜てときに読みたい
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