京極夏彦のレビュー一覧

  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】
    再読。私が百鬼夜行シリーズの中でも一番に好きな作品がこの「魍魎の匣」である。上・中・下と分冊されている本作だが上・下では複数の事件が絡みに絡みどう収拾するのかと最初に読んだ時は思っていたわけだがそれは下で見事に納まり全ての事件に幕が下ろされる、各々に傷を残しながら。その幕の下ろし方が私はとても好きで...続きを読む
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】
    京極夏彦のお話の一行目がとにかく素晴らしくて、読みたい!と思っていたのですが、本の厚さに挫折していた私。この本は「読める!!」と勢い込んで、そのまま怒涛のように読みました。刑事賀川のセリフといい、呉美由紀のきっぷのいい話っぷりといい、そして中禅寺敦子の目、気持ち・・・本当にそこにその人達がいるかのよ...続きを読む
  • 巷説百物語
    魅力的なキャラクターと各話のバックグラウンドにある妖怪譚に惹き込まれる。言葉遣いは古臭いもののとても読み易く、時代物の入門編としても良さそう。

    『嗤う伊右衛門』を先に読んでいたことで、特に最終話は又市の心中に抱える翳りが手に取るように分かった。
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】
    シリーズ物だが、単発でも読める作品。
    「鬼」の解釈を問う、捉えるかを自分なりにも考えたくなる。
    思い込みや常識は、個々人にしか通用しないと改めて感じる。
  • 嗤う伊右衛門
    伊右衛門とお岩の悲恋を中心に、様々な登場人物の心情や秘密が交錯する。
    ホラーというにはあまりに論理的だが、ミステリーというにはあまりに幻想的。
    江戸下町文化の奥深さにも気付かせてくれたし、実りのある読書だった。
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼
    身近で大切な命の危機を感じたいま、ご主人の言葉はいつも以上に重い。
    人間の弱さを救い上げてくれるご主人の言葉は、こちら側の人間さえも救ってくれる。ご主人のように言葉を解釈できて、発することができたらいいのに、と思う。
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】
    ずーっと待ってる本編はなかなか続きが出ないけど、スピンオフ的なのが出たので購入。
    このシリーズと、別のシリーズが繋がるとは。
    それにしても、相変わらず上手い。ぐいぐい読まされてしまった。
    お兄さんたちはどこへ行っているのやら。
  • ヒトごろし

    格好良いぞ土方歳三

    格好良い土方歳三が読みたくないかい?
    それがまさに本書!個人的に大好きな京極夏彦と個人的に大好きな新選組。
    作品が発表されてから絶対読もうと思ってた作品でしたが、京極夏彦作品特有のハードカバーの分厚さに文庫化まで待とうと決めていたものの、なかなか発売されずにそれならば電子書籍で読もうと思い切って...続きを読む
  • 百鬼解読
    妖怪とは何か? いかにその名と姿を与えられ、今に伝えられてきたのか? 姑獲鳥(うぶめ)、魍魎(もうりょう)、火車(かしゃ)、絡新婦(じょうろうぐも)、ひょうすべ……京極夏彦の「妖怪シリーズ」に登場する妖しきものどもを網羅、解読し、学問的に位置づけた驚異のガイドブック。
  • 鉄鼠の檻(2)【電子百鬼夜行】
    禅における悟り=自我の確立?

    自在な精神のためにまずは全てを否定する。
    禅の観点に立つと、芸術は作者の絶対的主観の表出に過ぎない。
  • 今昔百鬼拾遺 河童
     3ヵ月連続刊行の『今昔百鬼拾遺』シリーズの第2弾。前作の「鬼」に続いて、今回は「河童」だという。「鬼」と同様に、「河童」も日本人には馴染みがあり、ステレオタイプのイメージが出来上がっているが…。

     序盤から、呉美由紀と級友たちの河童談義が延々と続くが、どうやら覗き魔が出没しているらしい。男が男の...続きを読む
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】
    加菜子と頼子のやつ、初読が中学生くらいだったのでほえ~ってなってたけど今読むと痛々しくて……自分の状況を忌んで現実の世界が価値のないものに思えるのは思春期あるあるだが、より切実に夢を見て、訳がわからなくなって……
    冒頭の頼子視点はそういう思春期の傷つきやすさ、身勝手さ、切実さ、痛々しさを書いてるにも...続きを読む
  • 今昔百鬼拾遺 河童
    今回も面白かったです。
    とにかくとっちらかった情報?を少しずつまとめていく、
    その道筋が面白かった。

    テーブルの上に物が散乱している感じで始まるので、最初は何がなんだか分からないのですが、徐々に形が見えてくるともうのめり込みます。
    多々良先生とても面白い人でした。
    次は天狗ですね。来月が楽しみです...続きを読む
  • 前巷説百物語
     巻頭から「あれ、読む順番まちがえたかな?」と泡を食ったけど、執筆順とシリーズ作品内の時間軸が異なっているのはサマーの常套手段だったっけ( ´ ▽ ` )ノ

     おなじみ京極版必殺!( ´ ▽ ` )ノ
     主な舞台が損料屋で妖怪がらみってと「つくも神貸します」(アニメ版の酷さは伝説級)とおなじだけど...続きを読む
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急
     単行本は三分冊だったのが、文庫では合本でも出た。そうこなくっちゃ。
     1960年代の映画『妖怪百物語』とか『妖怪大戦争』へのオマージュかと思われたが、それなら子役時代の神木隆之介くん主演の2005年の映画『妖怪大戦争』で、京極夏彦も企画にかんでいる(妖怪として登場もしている)のでもう済ませてあるは...続きを読む
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】
    今昔百鬼拾遺の第1弾。
    初京極夏彦です。
    面白かった~。とても難しい漢字がたくさんありました。
    これはこの小説のためにそうされているのか、他の作品でもそうなのかはわかりませんが。
    最初はいったいどうなっていくのか、どこへ連れていかれるのか、まったくわかりませんでした。
    でもどんどん謎が解けていくのが...続きを読む
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急
    厚みが5センチほどもある、文庫とはおもえない重さであった。足の指に落としたら、ぜったいに痛いだろうとおもう。単行本でシリーズ3冊を既読。おお笑いしながら読んだ。それが幸せな体験となってわたしのなかにあったためか、場所を取るんだよなあとおもいつつも欲しくなって購入した。読み終えてみれば水木しげる大先生...続きを読む
  • 鉄鼠の檻(1)

    読みやすい

    キャラの容貌もわかりやすくて魅力的だし、テンポも悪くない。
    原作ファンにも未読の人にも楽しめる内容だと思う。
  • 虚実妖怪百物語 急
    いやー、単純な感想ではあるけれどおもしろかった!!
    京極作品では、あまりない事なんどけど電車の中で不覚にも吹き出してしまうという・・・。
    でも、妖怪に隠された社会人風刺には考えなければいけないことがたくさんあります。
  • 後巷説百物語
    あれから◯年後・・・


    時代を感じられるのが面白いです。文明開化の後の、武士の時代から明治へ、妖怪が当たり前にいそうな江戸時代の終焉。

    懐かしい人、懐かしい名前。
    若者たちがわいのわいのと騒ぐのを丸く収めるあの人の懐かしい感じがいい。