京極夏彦のレビュー一覧

  • 虚実妖怪百物語 序
    後半になって、物語が一気にに加速する。ちょっとそんな物語の世界に身を置いてみたいと思ってしまう。
    また、実名で出てくる人物像・社名が多いのでとてもリアリティーがあり、ああ、まさに「虚実」と思わされます。
  • 魍魎の匣(3)【電子百鬼夜行】
    これまでの伏線を怒涛のように回収していく最終巻。
    理論武装でグイグイ追い込み突き詰めていく京極堂の「憑き物落し」は圧巻。ダークで妖しげ、奇抜でありながらもスタイリッシュな雰囲気。ぶっ飛んでる個性が際立つ登場人物、長大なのに飽きさせない構成力と力強さ。京極夏彦にしか描けない世界観なのだろう。
    疲れるし...続きを読む
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    かなり面白かったです!
    久しぶりに夢中になって読み、物語の世界に浸ることができました。
    物語の中で書楼弔堂を訪れるのは勝海舟やジョン万次郎などの歴史上に実在するの人物。
    私は歴史好きなのでこの設定もハマりました。
    どの章も面白かったですが、好きな作家の1人である泉鏡花が出てきた話は特に印象に残ってい...続きを読む
  • 鉄鼠の檻(4)

    絵が良い

    原作は既読なので結末は知ってます。原作では解りづらい仏教や悟りのお話とかも漫画だと解りやすい。
    志水アキさんの絵は綺麗。京極堂シリーズ全部読んでます。
    未読の方にはもちろんですが、原作好きな方、原作読んで?と思った方、忘れてしまった方も楽しめる漫画だと思います。
  • 巷説百物語
    社会人K、「怪淡活が“山岡百介とおぎん、又市によって、最後に奇想天外の仕掛けで解決するシリーズ。哀切を極めた結末となる」
  • 数えずの井戸
     まさに「耽読」というのが最適な一冊( ´ ▽ ` )ノ
     強迫神経症とか鬱病とか発達障害とか、心に問題を抱えたキャラクターたちの心理描写がじつにみごと( ´ ▽ ` )ノ
     読んでるうち、自分も彼らと一緒に闇の奥へと飲み込まれていきそうになる( ´ ▽ ` )ノ
     映画版の「シャイニング」みたいだ...続きを読む
  • 文庫版 虚言少年
    虚言少年。京極夏彦先生の著書。馬鹿馬鹿してくだらないけれど本当に楽しい作品。京極夏彦先生へのイメージが良い意味で変わる作品でした。虚言少年、京極夏彦先生のファンだけでなく、京極夏彦先生の作品をこれまで読んだことがない人にもおすすめです。
  • 巷説百物語
    京極さんもこれで何冊目だろうか。これもおもしろかった。キャラがいいですよね。

    ネットで調べてみたらこれはアニメになったみたいですね。大人の日本昔話として多くの人に普及させてほしい。

    妖怪って昔は恐れられていたんだろうけど、江戸時代ではやっぱり娯楽や金儲けの道具だったんだろうと思う。心霊写真という...続きを読む
  • 嗤う伊右衛門
    有名なお岩さんのお話。
    京極さんのアレンジでは、お岩さんも伊右衛門さんも、とても良い人たちでした。

    そして、お岩さんも伊右衛門さんも良い人だったからこそ生きにくい人生を送り、周囲は人間の愚かさや汚さをしっかり行動に起こす輩ばかりで、大変だったね…って感じでした。

    この2人が、素直に自分の弱さを好...続きを読む
  • 鬼談
    とんでもないものを読んだ。
    上手いとか優秀とかそんな次元じゃない作家さんだと改めて思った。

    なんだろうそれぞれの短編の最後部の言葉は。
    表現するならゾクッてする感じ。
    気持ちよさもあるし興奮するしこんな感覚はまずそう感じることはない。

    凄い。
    どの話も堪らなく気にいってしまった。
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし
    妖怪とは何か。がわかる本。

    この本の魅力は、達磨先生による京極節妖怪解説もさることながら、豆腐小僧をはじめ、妖怪たちがコミカルで、愛らしいところである。

    また、現代から見た語りがテンポよく洒落ていて、筆者の言の葉を操る力を改めて感じる。阿呆加減を表現する言葉が、こんなにたくさんあるとは思わな...続きを読む
  • 嗤う伊右衛門
    おばけ、妖怪は怖いだけではいけない。。

    語り、歌舞伎等でおもしろくするためには、岩を哀しく、恨みを深くしなければならず、伊右衛門を悪く、より悲惨にしなければならなかった。。でもこの作品は違う。

    気丈な岩と、優しい伊右衛門。。
    しかし、すれ違いによる悲劇。。仇討。
    恋愛小説である。

    ...続きを読む
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    大変楽しめました。
    京極夏彦さんの新しいシリーズですが、生き方に悩む歴史上の人物や文豪などが弔堂という古本屋を訪れます。
    文豪や歴史上の人物たちが悩んでいるのを読んでいて

    ああ、大層なお方も悩むんだなあ

    と、悩みは誰にでもありますよ、と背中をふと撫でて貰ったような感じがします。
    大切な一冊はある...続きを読む
  • 後巷説百物語
    『続』の方が話としては面白いのですが、こちらにはまさかの仕掛けが施されています。

    京極夏彦の作品全ての、契機になっている作品で、これを読まないと髄まで愉しむ事が出来ないのです。
    本編自体も、必殺仕事人的面白さは健在で単体で読んでも十二分に楽しめますが。

    このシリーズ程、続編が読みたいものはない。
  • 西巷説百物語
    御行の又市でなく、靄船の林蔵が仕掛ける七つの話からなる、巷説百物語。

    今のところシリーズ最後のこの一冊だけは、特に理由もないまま、随分長く手に取りませんでした。
    ただ、手にとってみれば、一編一編あっという間に読んでしまうくらい、それぞれのお話とも1行目からすーっと物語の中に引きずり込まれていく。
    ...続きを読む
  • 覘き小平次
     巷説シリーズを読み返している流れで覘き小平次を読みました。この作品については、今回が初読みでした。
     巷説シリーズの長編2作目、になるのでしょうか。又市は影くらいしか出ませんが、治平さんはがっつり登場しました。
     やっぱり治平さんはいい人だなぁと思いました。
     本編ですが、登場人物の気持ちがどうし...続きを読む
  • 続巷説百物語
     やっぱり楽しいですね。巷説シリーズの続編です。
     又市さんがかっこいいですね。
     百鬼夜行シリーズの榎さんも人気がありますが、きっと又さんも相当人気があるんだろうなと思います。
     今回のお話は短編ですが、それぞれのお話が繋がっていました。
     それにしてもひどい。ひどすぎる。で、ちょっと考えてみまし...続きを読む
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】
     やっぱり面白いなぁと思いました。
     気温差のせいか風邪をひいてしまったので、土日はずっと眠っていよう、ベットでおとなしく小説読もうと思ってまた手に取った本でした。
     百鬼夜行シリーズを順番に再読していたので、状況がよくわかりました。百鬼夜行シリーズで関わった人物(主に犯人)から見た目線、想いが描か...続きを読む
  • 巷説百物語
     大好きなシリーズの再読です。妖怪に興味を持って、少し勉強していたのですが、それで読むとまた別の目線から見ることができました。
     今まで、小説の中に登場する妖怪は初めて知るものが多く、名前を見て「ふーん」と思う程度でしたが、なぜこのタイミングでこの名前が出てきているのか、妖怪の由来を知った後だとそれ...続きを読む
  • 嗤う伊右衛門
    病により美しい顔をを失った岩と、その婿養子として迎えられた伊右衛門。
    悪しき意思により2人の中は裂かれ、伊右衛門は心に深い傷を負う。
    岩と伊右衛門の異なる性質の強さに、感動してしまった。