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豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪「豆腐小僧」。豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか。「消えたくない」という強い思いを胸に旅に出た小僧が出会ったのは!?
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Posted by ブクログ
いるけどいない。お化けの存在意義を論理的に解釈する小説も珍しい。講釈師のような語り口に現代的な描写が相まって、創作落語でも聞いているような気分になった。およそお化けらしからぬ言動で、達磨先生を困らせたり呆れさせたりしている豆腐小僧を見ていると、つくづく馬鹿な子ほどかわいいと思う。自我がある以上、消え...続きを読むると言われたら怖いよね。理屈じゃない。愛すべきお馬鹿さんが送る怒涛の二日間を大団円まで楽しめた。
文庫版が出たのと映画化したのに向けて、再読。これで読んだのは二度目になり、結末も分かっているのだがやはり面白かった。語り口調と、妖怪化け物についての蘊蓄のような説明が丁寧なのが良かった。豆腐小僧と達磨先生の禅問答のような掛け合いは面白くて好き。物も二つとして覚えられない豆腐小僧が、最後に頭を働かせて...続きを読む最後の混乱をおさめたのは感動した。相変わらず京極ワールドは素晴らしい。
豆腐小僧を主人公とする面白おかしい話の中に、妖怪論が現れてくるという不思議な本。話としては割と馬鹿馬鹿しい類なのだが結構笑える。妖怪初心者にもわかりやすく、様々な妖怪について説明してくれる。京極流妖怪理論(?)を理解するには一番適した本かもしれない。ラストにかけての盛り上がりなど、『虚実妖怪百物語』...続きを読むにも近い部分があるとも思った。とても面白く、非常にオススメできる。次巻も読まねば。
妖怪とは何か。がわかる本。 この本の魅力は、達磨先生による京極節妖怪解説もさることながら、豆腐小僧をはじめ、妖怪たちがコミカルで、愛らしいところである。 また、現代から見た語りがテンポよく洒落ていて、筆者の言の葉を操る力を改めて感じる。阿呆加減を表現する言葉が、こんなにたくさんあるとは思わな...続きを読むかった(笑)。 そして、当然のように、この厚さにも関わらず、頁をまたぐ文章は存在しない。 理屈のある妖怪たちに出会うたびに、豆腐も持っているだけで何の意味もない豆腐小僧の概念について、様々な妄想を膨らませる。 最後の見せ場では、豆腐小僧を応援する自分がいた。 狸、狐の妖怪について、格式の違いや、古い日本の神様がでてきて(漢字も読めない)、なかなか頭に入ってこない。もっと日本の宗教史、文化史にくわしいければ、より楽しめたに違いない。 この本のおかげで、科学に淘汰され、忘れられた妖怪たちをたくさん感得できた。 袖引きはいつ、私の袖を引いてくれるのだろう。 豆腐小僧は、今日も私のデスクの脇にちょこんと立っている。 「訳の解らぬ怖いモノを、畏怖心、嫌悪感、不快感を細分化し、更に様々な解釈を加え、それぞれに規定して、爪を抜き牙を抜いて飼い馴らし、最後には笑い物にしてしまう-その笑いモノこそが我等妖怪なのだ」
妖怪とはどんな存在か?という妖怪論で小説を書いたらこうなる 妖怪は居ないけど、居る。存在しないから存在する。そんな逆説的な発想のはなし。 主人公を豆腐小僧にしたのは秀逸 そしてアニメ化か・・・ ルー・ガルーみたいにならないことを祈る
表紙は元のヤツのほうが好き。 にしても、豆腐小僧が愛くるし過ぎる。 豆腐小僧が人前に姿をあらわすシーンで、鳥肌がたった。 ストーリー展開及び、語り口調に騙されるなかれ。 結構深い考察といつもながらの蘊蓄にあふれた作品。 わし、こんなんが読みたかってんや。
豆腐小僧という妖怪を初めて知ったー妖怪を初めて知った一冊でした。 妖怪観も大きく変わった、といいますか。 妖怪とは何か、ぼんやりしていたものがはっきりと定義付けられた気がします。 妖怪好きにはオススメの一冊でした。
文庫本かで再読。久しぶりに読んだが、相変わらず面白い。いつもは人間側から妖怪を講釈する京極本が、妖怪側を主体として、自らの定義と限界を滑稽達磨を狂言回しとして語る。人が語る主観よりも、妖怪側の主観の方が何故か説得力があり、京極堂の説明よりも、非常に分かりやすい。なぜなら、不思議なことなど何もないのが...続きを読むという観点から説くのが京極堂で、不思議なものがあるのはあるとして、どうしてあるのかという観点から説くのが滑稽達磨だからだ。人が観察しない限り消えてしまう妖怪は、ある意味、量子力学的な最新物理学的な解釈となっている。では人間に認知されなくても存する豆腐小僧とは何か。最後まで、この解答は説明されない。久しぶりに読んで忘れていたのだが、そもそも、これは振り出しだったので、続きを期待するが、妖怪について語りつくされた感があるので、次が続くとして、どう展開させるのか、非常に楽しみ。それにしても、鳥頭の豆腐小僧が最後の最後に化けたのだが、続くのであれば、また鳥頭のままで登場していただくことを切に願う。未読の方にはお勧めです。
江戸の町の一件のあばら家に出現した妖怪の豆腐小僧が、 自分が何者であるのか理解できない豆腐小僧は、鳴家(やなり)や死に神などの妖怪に出会い、やがて妖怪とは怪異を理解しようとする人間の想念がかたちをとった存在であるということを学んでいきます。そんな豆腐小僧が、みずからのアイデンティティをさがし求めて...続きを読む、博識の達磨や妖艶な化け猫の三毛姐さん、田舎の妖怪である袖引き小僧などの妖怪たちとともに珍道中をくり広げます。やがて妖怪一行は、妖怪を信じる村人たちの蒙を啓こうとする儒学者の室井了軒によって、村の怪異が消滅の危機に瀕していることを知ります。そこに攘夷派の浪士たちも乗り込んできて、最後は豆腐小僧をはじめ妖怪たちの大集合となります。 講談めかした語り口で、妖怪についての著者の理論がわかりやすく解き明かされつつ、物語が進められており、たのしんで読むことができました。ただ最後の大団円のシーンは、舞台や映像作品では見栄えがする展開だと思いますが、文章で逐一説明されるとすこしもたもたしているような印象を受けてしまいました。
色んな妖怪が出てくるコメディではありながらも、妖怪とは、生死とは、恐怖とは、の考察がどんどん深まっていく。 京極先生のコメディではいつも主人公格がボロクソにこき下ろされるのはなぜなんだ。見開きに1回は馬鹿って書いてる気がする。
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文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし
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京極夏彦
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