京極夏彦のレビュー一覧

  • 文庫版 厭な小説
    厭だ
    から始める厭な短編集。狂っているのは自分なのか世界なのか…。
    どれも厭な気持ちになるけど、特に厭な先祖と厭な彼女が気味悪かった。
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    初めて読んだ京極夏彦先生の作品。
    表紙の「弔堂」はドールハウス⁉︎ 凄い。

    六話収録。

    この物語は’奇’ではあるが’怪’ではない。

    明治二十年代の東京。「燈台みたいな変梃な」(p21)書舗を訪れる種々の客たち。
    この客たちというのが普通の客ではないのだが、その正体は各話とも初めは伏せられており...続きを読む
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    3階みっしり本で埋め尽くされてる空間はさぞかし圧巻だろう。是非とも訪れてみたい、心が踊る

    しかしそこは本という墓を取り扱う墓場という
    その本を必要とする人に売る(逢わせる)を弔うという
    考えたこともなかった
    そこは本の再生とか甦るとかではないのか
    その本が誰かにとって生涯の1冊であっても、人生を変...続きを読む
  • 死ねばいいのに

    最後の章を読んだときに、個人的にはめっちゃしっくりきて大好きってなった。

    最初から、読み進めることが全く難しくないストーリーと文章で、あっという間に虜になったのだけど。
    ずっと、犯人はこの人だよなあ、でも全然動機とかわからんしキャラめっちゃいいし好きだし面白いいい人なんやけどなあと思いながら、真...続きを読む
  • 死ねばいいのに
    亜沙美が死んだのはショックだったな。そう言ったのだった、私は。ー冒頭から持っていかれた。
    初めての京極作品。書店で思わず手に取った、目を引くタイトル。試しにページを捲って書き出しを読んだ瞬間に、これは絶対に面白い!と確信し速攻レジへ。
    驚いたのは、その読みやすさ。私の場合、初めての作家さんだとどれだ...続きを読む
  • 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし
     京極夏彦さんの講演は2回だけ伺ったことがあります。
     京極さんのお話は小説と同じようにとても引き込まれ面白かったので、今回そんな京極さんの講演の本が発売されたと知り、すぐに読みはじめました。
     いくつかの講演でお話しされた内容が収録されており、どれも楽しく読むことができました。ただ、読んでいるとど...続きを読む
  • 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし
    あやしいどころか理路整然と明晰に、「おばけ」と「ことば」についてご教示賜りました。日本語のいい加減さこそが概念操作を高めて解釈の幅を広げる、これが「目に見えないものは、いる」と水木先生のおっしゃるところのお化けや妖怪の解釈に通じるんですね。確かに、京極さんが著作において一貫して述べておられます。葬式...続きを読む
  • 京極夏彦講演集 「おばけ」と「ことば」のあやしいはなし
    「おばけ」と「ことば」に関しての圧倒的な情報量。しかも論理的で丁寧な語り口だからとても読みやすくて内容がすっと入ってくる。これだけの内容を原稿なしで講演するなんてすごいことです。このコロナ禍の時代、アマビエのような妖怪の存在が重要になるということがよく分かる。どこかで読んだことがあるような気がするけ...続きを読む
  • 遠野物語拾遺retold
    オシラサマ…
    検索するとお写真がヒットするが、見た目がなかなか怖い。棒に何重にも布が巻き付けられている、怖い。
    ご利益がとっ散らかってるのも怖い。
    謂れも怖い、女性と馬が婚姻して非業の死を遂げると神様になる。ちょっとよく分からない。怖い。
    「なんだかよく分からないものは怖い」の典型例だと思う。謎多き...続きを読む
  • 文庫版 虚言少年
    こんなシニカルな小学生いないだろと思いながらも笑いが止まらなかった。くだらないことを追求する精神は素晴らしい。こういう仲間が欲しいなぁ。
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(4)
    あ~面白かった(^o^)♪榎さんのお兄さんが登場する話はもちろんの事、他の小ネタっぽい話も大好き!(* ゚∀゚)最後の海軍時代の話は爆笑(*≧∀≦*)
  • 西巷説百物語
    いやーーー
    最終話!最終話の野狐がとてもとても良かった。
    シリーズぶっ通しで読み直した甲斐がありました。

    京極夏彦、すごいひとやで、、、
    時系列も場所も入り乱れながら続いていくシリーズ、
    年表を参照しながらじゃないと、
    とてもじゃないけど、ついていけない。


    山岡百介がやっぱりとてもいい役割を演...続きを読む
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】

    京極堂物では一番かな…。

    すみません、数十年前に初版で読了w。

    京極先生の作品は毎度毎度分厚い文量で、要るのか要らないのか分からない位の衒学趣味に付いていけるかどうかが、評価の分かれ目だと思います。「全然話が進まないじゃん!」と、途中で読む手が止まってしまう様な方は、早々に諦めた方が時間の無駄に成らないと思います。
    ...続きを読む
  • 文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし
    いるけどいない。お化けの存在意義を論理的に解釈する小説も珍しい。講釈師のような語り口に現代的な描写が相まって、創作落語でも聞いているような気分になった。およそお化けらしからぬ言動で、達磨先生を困らせたり呆れさせたりしている豆腐小僧を見ていると、つくづく馬鹿な子ほどかわいいと思う。自我がある以上、消え...続きを読む
  • 後巷説百物語
    最終話が良すぎて鳥肌たった。
    百物語にはじまって百物語に終わる。

    百介が最後まで百介で、そこがとてもよかった。
    繋がりは、なくなってはなかった。
    きっと彼らは、いつも見守ってくれていた。
  • 塗仏の宴 宴の始末(3)【電子百鬼夜行】
    再読。こうして宴は終わった。ある意味で京極堂が話の中心でありメインであった話。それにしてもあの黒幕はすげぇよ…、こんな黒幕らしい黒幕は中々いないよ…。百鬼夜行シリーズを通した全体的な話でいえば今作が一番スケールがでかかったが、それの核にあったのは家族というスケールの小さなものでもあったわけで。間違い...続きを読む
  • 虚実妖怪百物語 破
    妖怪を根絶せんと蜂起した人々が、荒俣宏の妖怪コレクションを収めたマンションを襲撃する。暴徒に取り囲まれ、火も放たれ、絶体絶命だと思われた時に現れたのは、帝都物語にて登場したロボット・學天則だった。それを機に、榎木津平太郎は脱出と図ると同時に妖怪コレクションを逃がそうとするのだが……。
    妖怪作家や推理...続きを読む
  • 虚実妖怪百物語 急
    富士山麓にて、妖怪と創作者達を討伐せんと戦争が起きる。
    諸悪の根源はダイモンであり、人間から余裕を奪わんがために妖怪を否定していたのだと見定め、作家達は呼ぶ子石を使ってなんでもありの百鬼夜行を繰り広げる。
    かくして魔人・加藤保憲の悪事は防がれ、国家転覆は免れるが、その先には思わぬ結末が待ち受けていた...続きを読む
  • 虚実妖怪百物語 序
    妖怪専門誌「怪」の編集者である榎木津平太郎は、水木しげるから「鬼が妖怪をコロス」と告げられる。一方、駆け出しライターのレオ☆若葉は呼ぶ子を出現させる石を手に入れる。それと並行して、妖怪が現実のものとして現れるようになるが、それに伴って人間が少しずつ狂い始めていく。
    帝都物語の悪役、魔人・加藤保憲の出...続きを読む
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(1)

    面白い!

    京極堂が古本屋店主になる前、教師をしていた頃のお話と訊いて正直「原作者がどのくらいお話に関わっているのか」「さほど関わっていないなら読まなくてもいいかも…」とその事が気になって読むかどうか迷っていたのですが、志水先生のキャラデザは気に入っていたので読んでみたら予想以上に面白い!

    基本的に中禅寺...続きを読む