京極夏彦のレビュー一覧

  • 死ねばいいのに
    死んだ女のことを聞いてまわる無礼な男。
    その男と話しているうちに、自らの矛盾や身勝手さを突き詰められ、しまいには「死ねばいいのに」と言われる。その言葉を言われた当の本人は、自分自身で気づかなかった本音や感情に気づいてしまう。
    無礼な男、ワタライケンヤが聞いてまわる人たちは、身勝手な人たちだ。ただ、そ...続きを読む
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼
    今作は塔子さんが主軸。当時の女性の置かれた役割や家父長制についての煩悶は、未だ共感できてしまうもの。塔子さんの悩みと、弔堂の選書が照らしてくれる進んでいく道には涙してしまった。
    松岡國男さんの辛さも、時代を超えるもの。死とは、そして死者はどこへ行くのか。それを考えることはどう生きるかにつながる。國男...続きを読む
  • 魍魎の匣(1)【電子百鬼夜行】
    凄まじき情報量、非常に楽しめる。
    中途に挟まれる話も良い。あの隙間を埋めたくなる奇妙な感覚に妙に共感。
  • 中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。(7)
    今回は榎さんお休みで、木場修が活躍(^^)♪これ読むと、京極堂シリーズの新作が読みたくなって仕方がなかったんだけど、最近はこれで満足している自分がいる(^o^;)栞菜ちゃんの財布は見つかったのかしら?おまけマンガも楽しい♪
  • 書楼弔堂 待宵
    自分にとって人生の指針となるただ一冊の本を売ってくれる書店。だがその本屋は街に馴染みすぎて皆面前で通り過ぎてしまう。
    歴史の偉人たちが弔堂で本と出会い…の流れが面白い。竹久夢二の話が私は好き。
    私が弔堂を訪れたら一体どんな本を勧められるだろうか。
  • 書楼弔堂 待宵
    徳富蘇峰、岡本綺堂、宮武外骨、竹久夢二、寺田寅彦そして斎藤一。各章に実在の人物が登場するので、読みつつ「これは誰?」と推測するのが楽しい。残念ながらここに出会うまでは竹久と斎藤しか知らぬ浅学で、世間では知られた御歴々にて有難き引き合わせ。明治のジャーナリスト、小説家に俳人たち。ほぉ、彼ら文筆家を操觚...続きを読む
  • 遠巷説百物語
    待ってました大好きなシリーズ
    読む前から読み終わってしまうのが惜しくて
    自分を焦らしていたのですが、我慢ができなくなりついに読んでしまいました。

    このシリーズは、身分の外の人たちが
    どうにもならない困ったことを怪異に見せかけて丸くおさめてしまうお話です。
    殺さずに悪を成敗する、必殺仕事人のような
    ...続きを読む
  • 書楼弔堂 待宵
    その時代の著名人物が
    その時代の町を歩き
    その時代の事件に出遭い
    その時代の風に吹かれる


    この懐かしい感じは
    そうだ!
    「坊ちゃんの時代」(関川夏生・谷口ジロー)を
    読んでいた時だ
    と 確か「弔堂シリーズ」1,2の時も思ったのでした

    今回は、
    個人的に「探書拾伍(第五章)」の
    宮武外骨さ...続きを読む
  • 虚談
    京極夏彦御大の本は結構読んでるけど、その中でも相当に読みやすい部類に入ると思う。

    全体的に「虚」「嘘」が中心となっており、各話を読んでも何が真実なのか逆にわからなくなってしまう。

    この世は概して「嘘」と「本当」に分けられる。
    しかし過去もルーツも、今見ている世界も夢も…「嘘」になってしまうなら一...続きを読む
  • 書楼弔堂 待宵
    やはり面白い。なんといっても京極夏彦。
    6年間待っていたことになるのだな、待つことすら忘れるほどの長さだったようにも思う。しかし、読めばわかる。この質感、緻密な展開、この本を6年間で提供してくれたことに畏怖を覚える。ありがたいことだ。
    読み終えて、さらに次を読みたくなる。それは仕方のないことだ。この...続きを読む
  • 書楼弔堂 待宵
    面白かった!!!弔堂で私の一冊を買いたい!
    今回、装丁がビアズリーのヨハネとサロメ、高校時代に傾倒したので個人的にたまりませんな。さらにストーリーにちらと出てくる野鳥に合わせ、挿絵は毛利梅園『梅園禽譜』、非常に素晴らしいチョイスだと思います。
    前作と同じく、主役は本、今回のワキは弥蔵(偽名)とおまけ...続きを読む
  • ひどい民話を語る会
    かる〜く読めます(笑)
    かなりビロウな話だらけなのでお気をつけください(食事中 厳禁!)
    やっちゃってる爺婆が大活躍。
    京極夏彦氏がちょいちょい挟む小ネタに大爆笑でした。(必殺シリーズファンファーレ、ビオランテの沢口靖子)
    嫌いじゃないです。と言うか好き。
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    京極夏彦さんは京極堂シリーズ(は途中まで)、今昔百鬼拾遺のシリーズなどを読んできましたが、この書楼弔堂シリーズも前から読んでみたかったんです。

    江戸の町の書楼弔堂の亭主は「ただ一冊、大切な本を見つけられればその方の仕合わせ」と云っている本屋です。
    しほるという小童がひとりいます。

    高遠という弔堂...続きを読む
  • ひどい民話を語る会
    いやホント、ひどい話ばかりでした(笑)。冒頭の京極先生に封印したままでは進めない2つの言葉を言わせちゃって、あ~あ言わせちゃったよーって思ったけれど、紹介されている話はたしかにそんな内容ばっかりで、そこが面白い。声を出して笑ってしまった。昔話、伝説、世間話なんかと違って、整っていなくてムチャクチャで...続きを読む
  • 書楼弔堂 待宵
    「姑獲鳥の夏」からの京極フリーク…いや推し。
    江戸から明治の景色が見えるような。
    時代観が本当に秀逸で、かと言って難しすぎず、読ませる!
    知ってる名前のオンパレードでフィクションと現実の眩暈が…
    まあ、「知ったことではない」のです。笑

    手にとってから「コレ、シリーズ三弾じゃん!」
    …泣く泣く逆読み...続きを読む
  • 鉄鼠の檻(1)

    京極ワールド

    ジャパニーズホラー。
    日本独特の怖さ。
    令和の感覚からすると古めの宿。
    黒電話。
    雪の中、足跡もなく座る僧侶。
    それは序章に過ぎなかった――
     
    恐ろしくも美しい上質なホラーの幕開けだ。
    独特の世界を漫画で。
  • ひどい民話を語る会
    タイトルから興味深かったのですが、まさかこんなに面白いとは! 読みながら、声を出して笑ってしまいました。民話にはひどい話があるのは知っていたのですが、「語る人のウケ狙いで作られた」という京極氏の言葉に膝を打ちました。それまで、「なんだこの意味不明なオチ」と思っていた民話が、俄然魅力的に感じました。
  • ひどい民話を語る会
    民話マニアが珠玉(?)の面白ひどい話を持ち寄って語る本。とんでもない屁や糞が飛び交いふざけた省略や付け足しは勿論、教訓もへったくれも無いという凄まじさ。なのに抜群に面白い。珍奇な話、変な話、謎の話が好きな人はぜひ読んで欲しい本です。日本の民話すごい。
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉
    面白かったー!
    明治20年代の東京。異様な本屋、書楼弔堂には無数の本が集められおり、己の一冊を求めて迷える人々が訪れる。
    そこの主人は迷いを晴らし、その人のための本を紹介する。
    まるで京極先生の説教を間近で聞いているような贅沢な気分になる本だった。
  • 書楼弔堂 待宵
     前作から約6年ぶりとなる、僧から還俗した主人が営む書舗「書楼弔堂(しょろうとむらいどう)」を舞台としたシリーズの第3作である。

     今回の語り部は、甘酒屋を営む老人・弥蔵。明治30年代後半に至るも、新しい価値観に馴染めない。彼の世捨て人のような生き方は、過去に原因があった。そんな愛想の欠片もない弥...続きを読む