保阪正康のレビュー一覧

  • Nの廻廊 ある友をめぐるきれぎれの回想
     もはや東大を西部さんが辞めたことや、右翼的な言論家として活動していたことすら、既に忘れ去られている気がする。そのような活動に関する記述には、それほど。
     それよりも、保阪さんとの係わりが読ませる。
     評伝ではないまので、西部さんの生涯についてはよく分からないのだけれど、人間性については伝わるところ...続きを読む
  • 歴史の予兆を読む
    逃げ切れる世代と、逃げ切れない世代。

    本書内で登場するのですが、
    私はちょうど間ぐらいかもしれません。

    いまの20代以下は本書の中の「逃げ切れない世代」だし、
    池上さんたち60代以上は「逃げ切れる世代」なんでしょう。

    年金制度だって、何十年も前からお金を徴収していたはずなのに、なぜ今になって財...続きを読む
  • 昭和史の核心
    筆者は、日本人のアイデンティティは実利主義で、
    1. 鎖国時代に対外戦争を経験しなかったことで、共同体の中で生まれて死ぬまでそのルールを守っていれば過ごせた点、
    2. 現世ご利益的で、自分たちの農村共同体を壊さないための知恵としての損得勘定が培われてきた点、から培われているとしている。
    このあたりは...続きを読む
  • 日本人の宿題 歴史探偵、平和を謳う
    1.勝ったという経験は、人間を反省させないし、利口にもしません。
    2.教育によって国というのは立つんです。経済によっては立たない
    3.大きく変革するときに、人間というものは正体を現すんですよ
    4.残しておけば、あとの人が真実に近づくことができます

    どれも、うんうん、と頷きながら読んだが、ウクライナ...続きを読む
  • 近現代史からの警告
    昭和の恐慌とそれに対する無策が国民の青年将校の国家改造運動へ正当性を与え、軍ファシズムへとつながっていった
  • あの戦争になぜ負けたのか
    対談集。
    著者 : 半藤一利 中西輝政 福田和也 保阪正康 戸高一成 加藤陽子
    さまざまな視点から、太平洋戦争について、どんな経緯で、誰がどんな動き・発言をしたか、などを語り合う。
    読んでいると、果たして、どうして、あんな戦争が起きてしまったのか(止められなかったのか)、やめられなかったのか、いった...続きを読む
  • 昭和史の深層
    「昭和史を語り継ぐ会」を主宰するという著者は、その収集した膨大な資料.記録を「昭和史講座」に集約しようと壮大な計画を試みている。本書は副題に「15の争点から読み解く」とあるように、太平洋戦争、東京裁判、南京事件、慰安婦問題、強制連行、沖縄戦、昭和天皇etc.‥各章表題を掲げ、客観的に史実を整理しつつ...続きを読む
  • 歴史の予兆を読む
    保坂さんという人と池上さんのお陰で、軍事や環境、日本の近代、そして変わらないことばかりながらそれでも少しずつ変わってきた日本の現代について、現状認識は少しだけどできたように思う。でも、タイトルにあるような歴史の予兆を読めるまでに至ったかというと、まだまだだな。
    この本を入門書のように考えて、各論を掘...続きを読む
  • 賊軍の昭和史
    毎度お世話になっております、半藤さんと保阪さんの対談形式で、
    昭和史を官軍、賊軍の視点で描く一冊。
    お二方の著書をよく読ませてもらうのは、
    複雑な昭和史をわかりわすくまとめているからなのですが、今回もわかりやすかった。

    鈴木貫太郎って何でこんな評価分かれるんだろうなとずっと思ってたけど、
    「ニ・ニ...続きを読む
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三
    出版当時は、瀬島龍三も生存し、著者としては、歴史の真実を語って欲しい、語っていない、隠している、とのトーンに終始している。
    ただ、瀬島が他界し、それも叶わない中で、この本を読むと拍子抜けの感にもなる。
    瀬島は、相当に意思の強い人物であるからして、墓場まで持っていかざることも多々あったのだろうし、それ...続きを読む
  • 歴史の予兆を読む
    リーダーを作る仕組みができているのはイギリス。そして、時代の転換期には、傑出したリーダーが出てくるもの。
    コロナ時代でいえば、台湾、ドイツ、ニュージーランドの女性トップ。戦争の時代からみんなで課題解決の時代へ。
    歴史の転換期の真っ只中なのかもしれませんね。
  • 太平洋戦争への道 1931-1941
    半藤さんさんと保坂さん、加藤先生の鼎談ラジオ番組を保坂さんが章ごとにまとめを入れて編集した一冊。あれこれ読んでも結局よくわからん感じのこの時代の流れ、会話形式だし保坂さんがまとめてくれているのですっきり入ってくるのが◎。教科書にはこの事件の結果こうなった、しか書いてないけど、なぜそうなったのかがわか...続きを読む
  • 続 昭和の怪物 七つの謎
    三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴。

    戦中戦後のキーパーソン7人。

    知らない人も数名いたが、すべての人物に少なかれ興味を持つことができた。
    三島と光クラブ事件の関係性など知らない逸話も。
  • 続 昭和の怪物 七つの謎
    三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉三郎・田中角栄・伊藤昌哉・後藤田正晴という6人の人物について書いた一冊。

    評価が分かれるこれらの人に対して、著者なりに分析しているのは理解できた。
  • 歴史の予兆を読む
    近現代史の大家 保阪氏と幅広い知識を持った池上氏の対談内容が深く新事実を知ることが出来た。
    昔から言われてきた「歴史に学ぶ」重要性が殊更ましてきている現代。これからの道標となる本だと私は思う。
  • 昭和史の論点
    昭和史研究の第一人者「坂本多加雄」、「半藤一利」、「秦郁彦」、「保阪正康」が昭和史を討論した作品『昭和史の論点』を読みました。

    ちょっと前になりますが、12月8日… 太平洋戦争開戦の日に、昭和史のことを考えたくなり読み始めました。

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    日本は進路を誤っ...続きを読む
  • 関口宏・保阪正康の もう一度!近現代史 帝国日本の過ち
    対談形式の番組を本にしたもの。

    内容は当然ながら番組と変わらないが、戦前戦中の当事者に近い人の話が読めて、とても興味深かった。
  • 日本人の宿題 歴史探偵、平和を謳う
    「歴史は人間がつくるもの。また、人間を学ぶことが歴史」。
    半藤さんが歴史を学ぶのに夏目漱石を研究したように、自分も歴史の中で学びたい対象なりテーマが見つかったら、その時代を力強く生きた人の目線からも歴史というものを見ようと思います。
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―
    太平洋戦争について政治的、思想的に語らず、日常的な視点から書き、日本人について考え直した本。

    日本人は目標を定めると猪突猛進していく国民性を持っていて、太平洋戦争では戦術に拘った軍部の暴走を起こしてしまった。一方で、敗戦後には高度経済成長が起きたように、戦争前後で良い意味で変わっていない。この「...続きを読む
  • 陰謀の日本近現代史
    明治維新から敗戦までの時代の、基本的事項は既に押さえている人向けの書籍。

    仕事でアタマが疲れている今の時期に読む本ではなかった。

    主題を吟味しながら、再読しようと思った一冊。