保阪正康のレビュー一覧
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面白い面白いと聞いていたけど、これはスゴ本だ。下手なスパイ小説や戦争モノを読むよりよっぽどヒリついててスリリング。
東條英機、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂についての膨大なインタビューをもとに、それぞれに問題提起をしつつ実像に迫っていく本。
東條英機はホンモノのクズだったっていうの...続きを読むPosted by ブクログ -
その時代の国会の空気感を知るにはよい。改憲論議としては、賛成派の国際政治学者の議論がお粗末すぎて、合理的な議論をするための参考にはならない。当時の9条改憲の思惑が議論の焦点にならないよう避けつつ、改憲の議論を始める根拠を示そうとするから、こんなことになるのだろう。本書で一番印象的だったのは、巻末付録...続きを読むPosted by ブクログ
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私にとっての昭和史は、子どもの頃の「記憶」と大人になってからの「知識」が交錯しています。
子どもの時に見聞きした事件や人物について
「もっと知りたい」
「詳しく知りたい」
「本当のところはどうだったんだろう」
「どんな意図があったのだろう」
と感じると、すごく興味を持ちます。
本書は、興味のある...続きを読むPosted by ブクログ -
三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人を取り上げる。大戦前後の近衛、橘、野村から始まり、最後の護憲派といわれたカミソリ後藤田まで。意外な真相の解明が楽しい。近衛が東條に首相の座を譲った真の理由、戦争終結へむけた動き、野村大使の真珠湾騙し討ちとなった真相、また...続きを読むPosted by ブクログ
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☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆
第一章 東条英機は何に脅えていたのか
第二章 石原莞爾は東条暗殺計画を知っていたのか
第三章 石原莞爾の「世界最終戦争論」とは何だったのか
第四章 犬養毅は襲撃の影を見抜いていたのか
第五章 渡辺和子は死ぬまで誰を赦さなかったのか
第六章 瀬島龍三は史実をどう...続きを読むPosted by ブクログ -
大本営参謀→商社員→臨調メンバー瀬島龍三を追った昭和史。叔父が瀬島龍三の部下だったこともあり、色々話には聞いているのだが、闇の深い人である。Posted by ブクログ
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2007年に刊行された『昭和史入門』に、3つの章を追加した増補改訂版。63年におよんだ昭和という時代をいかに見つめるべきかを冷徹に説いており、著者:保阪正康の抱く「保阪史観」が如実に顕れた書……なので、いささか「入門」と銘打つには味が濃すぎるというか、カンタンに俯瞰的な知識を得たいというニーズにはそ...続きを読むPosted by ブクログ
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戦後の話が多めで、個人的には正編より飲み込みやすいように感じたな。それにしても、文章も内容もめちゃくちゃ堅い保坂先生の著作がこれほど売れるとは、ちょっと信じられない。新聞にでっかく広告が出たからか……?Posted by ブクログ
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著者は「昭和史研究」をライフワークとし、これまで元軍人・政財官界約4千人に取材。そこから引き出した「生身の証言」に加え、関連書籍を渉猟し、これまで多くの類書を著す。
本書は昨夏に上梓された「昭和の怪物 七つの謎」の第二弾。先の大戦に直接・間接的に関わった七人ー三島由紀夫・近衛文麿・橘孝三郎・野村吉...続きを読むPosted by ブクログ -
★★★2019年3月レビュー★★★
太平洋戦争七つの謎と称して、第一章から第七章までの構成だが、特に重要だと思われるのは
「第一章 誰が開戦を決めたのか」
「第六章 誰が終戦を決めたのか」
この2点だと思う。
まず、「誰が開戦を決めたのか」という問いに対しては「官僚が決めた」と筆者は述べてい...続きを読むPosted by ブクログ -
教科書で学ぶ歴史は、ほんの一断面に過ぎず、その評価は常に変化、進化していく、そんなことを思い知らされる。
思い込みによる認識を排し、多面的に物事をみることの大切さを改めて感じさせられる。Posted by ブクログ -
昭和初期から中期にかけて活躍した、怪物といわれる人たちを深く掘り下げた一冊。大好物の一冊。学校ではなかなか学ばれない昭和史の最も濃い面を暴露している。Posted by ブクログ
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"靖国神社は、日本国が戦争をしていた時代に、戦争で命を落とした人たちを悼む場所として認識している。神社の隣にある遊就館で語られる歴史観や政治が絡むことで、話がややこしくなる。A級戦犯が合祀されていることも諸外国からは何かと口を挟まれる。
著者なりの解釈をしつつ、現在の靖国神社とは何なのかを明らかにし...続きを読むPosted by ブクログ -
"靖国神社は、日本国が戦争をしていた時代に、戦争で命を落とした人たちを悼む場所として認識している。神社の隣にある遊就館で語られる歴史観や政治が絡むことで、話がややこしくなる。A級戦犯が合祀されていることも諸外国からは何かと口を挟まれる。
著者なりの解釈をしつつ、現在の靖国神社とは何なのかを明らかにし...続きを読むPosted by ブクログ -
保阪正康の著作には、昭和史の大きな流れを扱ったものと、小さいポイントを掘り下げたものと2タイプあるが、これは後者のカテゴリーに入る。昭和の歴史を見つめた当事者の聞き書きをもとに、深層に迫っていく。いささか重箱の隅をつついている感は否めないものの、年表や出来事を羅列するだけが歴史の綴り方ではないとも思...続きを読むPosted by ブクログ